| 【発明の名称】 |
電気車の保護装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田村 浩明
|
| 【要約】 |
【課題】電気車が空気ブレーキと電気ブレーキとにより制動中に、該電気ブレーキの動作を監視する保護装置の機能を向上させる。
【解決手段】比較器12,14と乗算器13,15とからなる電気ブレーキ量判別回路20と、マスク信号発生回路31とアンド素子32とオア素子33とからなる指令発生回路30とを備え、電気ブレーキ量判別回路20に電気ブレーキ量の判定に上下限値を設け、特に下限値以下のときに、電気車の走行状態により、開放接触器2の開放指令を指令発生回路30でマスクするようにして、この保護装置の機能を向上させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】架線から開放接触器を介して供給される電力を電力変換装置により所望の周波数,電圧の交流電力に変換し、この交流電力で駆動される交流電動機に連結された車輪を備えた電気車の保護装置において、空気ブレーキと電気ブレーキとを作動させて前記電気車を制動させるときに、空気ブレーキ制御装置から発せられる電気ブレーキ指令値に対して、電気ブレーキ量の演算値が所定の範囲内にあるか否かを判別して出力する電気ブレーキ量判別回路と、この判別回路の出力と前記電気車が制動動作中の走行状態とに基づいて、前記開放接触器を操作する接触器制御回路に該開放接触器の開放指令を発する指令発生回路とを備えたことを特徴とする電気車の保護装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電気車の保護装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、この種の電気車の保護装置の従来例を示す回路構成図である。図3において、1は図示の架線に接触するパンダグラフ、2は開放接触器、3はパンダグラフ2から閉路した開放接触器2を介して給電され、ベクトル制御回路,インバータなどからなる電力変換装置、4は電力変換装置3の出力に接続された交流電動機、5は交流電動機4に連結された車輪、6は開放接触器2を操作する接触器制御回路、7は車輪5の図示しない空気ブレーキを制御する空気ブレーキ制御装置、11は電力変換装置3のベクトル制御回路から得られる交流電動機4が制動中のトルク電流検出値(iT )と磁束指令値(φ)とから電気ブレーキ量(BF)を演算する乗算器、12は空気ブレーキ制御装置7から発せられる電気ブレーキ指令値(BP)に対して、電気ブレーキ量(BF)が乗算器13で得られる所定の上限値(1.5×BP)未満であるか否かを判別し、該上限値を超えているときに接触器制御回路6に開放接触器2の開放指令を発する比較器である。 【0003】すなわち、空気ブレーキと電気ブレーキとを作動させてこの電気車を制動させる際に、比較器12から開放接触器2の開放指令が発せられたときには、前記電気ブレーキ量(BF)に、例えば電力変換装置4の誤動作など何らかの要因で異常があるとして開放接触器2を開放し、車輪5の図示しない空気ブレーキのみで、この電気車を制動させるようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図3に示した従来の電気車の保護装置によると、前記電気ブレーキ量(BF)が乗算器13で得られる所定の上限値(1.5×BP)を超えているときのみを監視するようにしているが、該電気ブレーキ量(BF)が、例えば電力変換装置4の誤動作など何らかの要因で異常に小さくなってときには、この保護装置では監視できないという問題があった。 【0005】この発明の目的は、上記問題点を解決する電気車の保護装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明は、架線から開放接触器を介して供給される電力を電力変換装置により所望の周波数,電圧の交流電力に変換し、この交流電力で駆動される交流電動機に連結された車輪を備えた電気車の保護装置において、空気ブレーキと電気ブレーキとを作動させて前記電気車を制動させるときに、空気ブレーキ制御装置から発せられる電気ブレーキ指令値に対して、電気ブレーキ量の演算値が所定の範囲内にあるか否かを判別して出力する電気ブレーキ量判別回路と、この判別回路の出力と前記電気車が制動動作中の走行状態とに基づいて、前記開放接触器を操作する接触器制御回路に該開放接触器の開放指令を発する指令発生回路とを備えたことを特徴とする。 【0007】この発明によれば、電気ブレーキ量の判定に上下限値を設け、特に下限値以下のときに、後述の如き電気車が制動動作中の走行状態により、開放接触器の開放指令をマスクするようにして、この保護装置の機能を充実させることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施例を示す電気車の保護装置の回路構成図であり、図3に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。すなわち図1に示したこの発明の電気車の保護装置には、比較器12,14と乗算器13,15とからなる電気ブレーキ量判別回路20と、マスク信号発生回路31とアンド素子32とオア素子33とからなる指令発生回路30とを新たに備えている。 【0009】この電気車の保護装置の動作を、図2に示した波形図を参照しつつ、以下に説明する。図2(イ)に示す車輪5の回転速度がV0 の状態でこの電気車が走行中に、時刻t1 で空気ブレーキ制御装置7より電気ブレーキ指令値(BP,図2(ロ)参照)が発せられると、電力変換装置3のベクトル制御回路は交流電動機4の制動動作を行い、トルク電流検出値(iT )と磁束指令値(φ)とから電気ブレーキ量(BF)を乗算器11が演算する(図2(ハ)参照)。このとき、区間■で示す時刻t1 から時刻t2 まで電気ブレーキ量(BF)は徐々に立ち上がるので、電力変換装置3からの状態信号としてマスク信号発生回路31から図2(ニ)の区間■に示す如くマスク信号(論理H)を発し、乗算器15で得られる所定の下限値(0.5×BP)以下での比較器14の動作をアンド素子32で阻止する。 【0010】また、時刻t3 から時刻t4 までの区間■で発生した車輪5の滑走状態に対して、周知の技術により、電力変換装置3がこれを検知し、電力変換装置3からの状態信号としてマスク信号発生回路31から図2(ニ)の区間■に示す如くマスク信号(論理H)を発し、乗算器15で得られる所定の下限値(0.5×BP)以下での比較器14の動作をアンド素子32で阻止する。 【0011】さらに、時刻t5 から時刻t6 までの区間■で発生した軽負荷での制動状態に対して、周知の技術により、電力変換装置3がこれを検知し、電力変換装置3からの状態信号としてマスク信号発生回路31から図2(ニ)の区間■に示す如くマスク信号(論理H)を発し、乗算器15で得られる所定の下限値(0.5×BP)以下での比較器14の動作をアンド素子32で阻止する。 【0012】さらにまた、空気ブレーキと電気ブレーキとを作動させてこの電気車を制動させ、車輪5の回転速度が時刻t7 でV1 以下になると、周知の技術により、電力変換装置3がこれを検知し、電力変換装置3からの状態信号としてマスク信号発生回路31から図2(ニ)の区間■に示す如くマスク信号(論理H)を発し、乗算器15で得られる所定の下限値(0.5×BP)以下での比較器14の動作をアンド素子32で阻止し、時刻t8 までに車輪5の回転速度が零となり、この電気車は停止する。 【0013】すなわち、この保護装置では、電気ブレーキ量判別回路20に電気ブレーキ量の判定に上下限値を設け、特に下限値以下のときに、上述の如き電気車が制動動作中の走行状態により、開放接触器2の開放指令をマスクするようにして、それ以外のときのこの保護装置の機能を向上させている。 【0014】 【発明の効果】この発明によれば、電気ブレーキ量の判定に上下限値を設け、特に下限値以下のときに、電気車が制動動作中の走行状態により、開放接触器の開放指令をマスクするようにして、この保護装置の機能を向上させている。特に近年、電力変換装置におけるベクトル制御などにマイクロコンピュータを採用することが主流になっており、この発明の電気車の保護装置を具現することは容易である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
|
| 【公開番号】 |
特開平11−275706 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−75443 |
|