トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 車両用電源の離線補償装置
【発明者】 【氏名】石川 倫章

【要約】 【課題】電車等のパンタグラフが離線し、電動機側への供給電力が一時的にとぎれても、一定時間の間、必要な出力の確保が要求される。そこで、インバータ入力側の容量値を大として対応すべく、並列に離線補償用コンデンサが付加される。従来、離線補償用コンデンサは、架線電圧変動に対応するため、高い耐電圧特性が要求され、大型化・重量化の傾向にあった。

【解決手段】離線補償用コンデンサ8はスイッチ回路9を介して接続し、このスイッチ回路9を制御回路11により切替え操作するよう構成した。制御回路11は、電圧検出器10による離線補償用コンデンサ8への印加電圧に基づき制御するので、離線補償用コンデンサ8に供給される電圧を予め設定された電圧値以下に抑制できるので、離線補償用コンデンサ8の小型・軽量化が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にスイッチ回路を介して並列接続され、電車線電圧が供給される離線補償用コンデンサと、この離線補償用コンデンサに供給される電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器による検出電圧信号を導入し、前記スイッチ回路を制御する制御回路とを具備し、前記制御回路は、前記離線補償用コンデンサに供給される電圧が予め設定された電圧値を越えたときに、前記スイッチ回路がオフとなるように制御することを特徴とする車両用電源の離線補償装置。
【請求項2】 前記スイッチ回路は、逆極性に直列接続された2個のスイッチ素子で構成され、一方のスイッチ素子は前記制御回路により制御され、他方のスイッチ素子は前記電車線電圧の入力部の検出電圧により制御されるよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用電源の離線補償装置。
【請求項3】 電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部に第1のスイッチ回路を介して並列に接続される離線補償用コンデンサと、前記インバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の2次側に接続された整流器と、この整流器の出力側と前記離線補償用コンデンサとの間に接続された第2のスイッチ回路と、前記電車線電圧を検出し、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を制御する制御回路とを具備することを特徴とする車両用電源の離線補償装置。
【請求項4】 電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にダイオードを介して並列に接続される離線補償用コンデンサと、前記インバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の2次側に接続された整流器と、この整流器の出力側と前記離線補償用コンデンサとの間に接続されたスイッチ回路と、前記電車線電圧を検出し、前記スイッチ回路を制御する制御回路とを具備することを特徴とする車両用電源の離線補償装置。
【請求項5】 電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にスイッチ回路を介して並列に接続される離線補償用コンデンサと、前記電車線電圧を検出し、前記スイッチ回路を制御する制御回路と、前記車両に搭載されたバッテリと、このバッテリの出力端に接続された他のインバータと、この他のインバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の出力端と前記離線補償用コンデンサとの間に接続された整流器とを具備することを特徴とする車両用電源の離線補償装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用電源の瞬時停電を防止するために設けられた車両用電源の離線補償装置に係り、特に離線補償用コンデンサの小形・軽量化を可能とした車両用電源の離線補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、離線補償装置を搭載した車両用電源は図7に示すように構成されている。すなわち、パンタグラフ1から供給される架線電圧すなわち電車線電圧は、リアクトル2及びダイオード3を介してインバータ4に供給され、インバータ4からの交流出力は変圧器6を介して負荷である電動機6に供給される。インバータ4の入力側には並列にコンデンサ7が接続され、このコンデンサ7とリアクトル2とによってLCフィルタが形成されている。なおインバータ4は、トランジスタやGTOあるいはIGBT(Insulated Gate BipolarTransistor)等のスイッチ素子により構成されている。
【0003】フィルタを構成するコンデンサ7の容量値は、車両用電源制御上必要なフィルタ定数や、コンデンサ7のリップル電流により定まる寿命等に基づき決定されるが、パンタグラフ1のバウンドによる離線時にも車両用電源が停電に至らないだけの大きな値とすることが要求される。
【0004】そこで従来、車両用電源の瞬時停電を防止するために、別途離線補償用コンデンサ8がコンデンサ7に並列に接続され、インバータ4入力側に大きな容量値が得られるように工夫されている。
【0005】従って、このような離線補償装置を形成する離線補償用コンデンサ8は、離線により入力が切れても、一定時間出力を確保するに必要な大きさの容量に選択されるが、入力である架線電圧は、定格の1500Vに対して、約900Vから約2400Vまで変化するので、離線補償用コンデンサ8の耐電圧仕様は最大値の2400Vを満足する必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、コンデンサの外形寸法及び重量はその容量値の大きさや耐電圧仕様によって決定される。従って、コンデンサに印加される電圧を低く抑えることによって、コンデンサの小型・軽量化を図ることができる。
【0007】上述のように、従来の車両用電源の離線補償装置では、車両用の電源である架線電圧の変動範囲が、定格の1500Vに対して、約900Vから約2400Vまで変化するので、離線補償用コンデンサは2400Vの耐電圧仕様が要求され、外形寸法の大型化と重量化を招くので改善が要望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで第1の発明は、電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にスイッチ回路を介して並列接続され、電車線電圧が供給される離線補償用コンデンサと、この離線補償用コンデンサに供給される電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器による検出電圧信号を導入し、前記スイッチ回路を制御する制御回路とを具備し、前記制御回路は、前記離線補償用コンデンサに供給される電圧が予め設定された電圧値を越えたときに、前記スイッチ回路がオフとなるように制御することを特徴とする。
【0009】このように、第1の発明装置は、電圧検出器により離線補償用コンデンサに供給される電車線電圧を検出し、制御回路により離線補償用コンデンサに直列に接続されたスイッチ回路を制御するので、離線補償用コンデンサに印加される電圧を予め設定された電圧値以下に抑えることができ、離線補償用コンデンサの耐電圧仕様での値を低くして、小型・軽量化を図ることができる。
【0010】第2の発明は、同じく電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部に第1のスイッチ回路を介して並列に接続され、電車線電圧が供給される離線補償用コンデンサと、前記インバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の2次側に接続された整流器と、この整流器の出力側と前記離線補償用コンデンサとの間に接続された第2のスイッチ回路と、前記電車線電圧を検出し、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を制御する制御回路とを具備することを特徴とする。
【0011】この第2の発明装置は、検出された電車線電圧により離線補償用コンデンサに直列接続された第1及び第2のスイッチ回路を制御するので、第1の発明と同様に、離線補償用コンデンサに印加される電圧を予め設定された電圧値以下に抑えることができる。特に、離線補償用コンデンサはインバータの出力側から変圧器を介しても接続されたので、充電電圧の安定化が図られるとともに、制御回路による第1のスイッチ回路の制御により、離線による電車線電圧の低下にも対応し、円滑に電動機を駆動することができる。
【0012】第3の発明装置は、同じく電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にダイオードを介して並列に接続され、電車線電圧が供給される離線補償用コンデンサと、前記インバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の2次側に接続された整流器と、この整流器の出力側と前記離線補償用コンデンサとの間に接続されたスイッチ回路と、前記電車線電圧を検出し、前記スイッチ回路を制御する制御回路とを具備することを特徴とする。
【0013】この第3の発明装置は、前記第2の発明と同様に、離線補償用コンデンサはインバータの出力側から変圧器を介しても接続されたので、充電電圧の安定化が図られるとともに、離線補償用コンデンサからの放電回路がダイオードにより形成されたので簡単な回路構成により、離線補償用コンデンサの小型・軽量化が可能である。
【0014】第4の発明装置は、同じく電車線電圧を導入しインバータを介して負荷に電力を供給する車両用電源の離線補償装置において、前記電車線電圧の導入部にスイッチ回路を介して並列に接続され、電車線電圧が供給される離線補償用コンデンサと、前記電車線電圧を検出し、前記スイッチ回路を制御する制御回路と、前記車両に搭載されたバッテリと、このバッテリの出力端に接続された他のインバータと、この他のインバータの出力端に接続された変圧器と、この変圧器の出力端と前記離線補償用コンデンサとの間に接続された整流器とを具備することを特徴とする。
【0015】この第4の発明装置は、離線補償用コンデンサはバッテリからの出力により充電されるように構成されたので、過電圧による充電が確実に回避され、離線補償用コンデンサの小型・軽量化が容易に実現できるとともに、制御回路によりスイッチ回路を制御するので、離線による電車線電圧の低下にも対応し、同様に電動機の円滑な駆動を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用電源の離線補償装置の一実施の形態を図1ないし図6を参照して以下詳細に説明する。なお、図7に示した従来の構成と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。図1は第1の実施の形態による装置の構成図で、パンタグラフ1は、リアクトル2及びダイオード3を介して、インバータ4に接続され、インバータ4の交流出力は変圧器5を介して電動機6に供給されている。インバータ4の入力側には並列にLCフィルタを形成するコンデンサ7が接続され、このコンデンサ7には電車線電圧の導入部にスイッチ回路9を介して並列に離線補償用コンデンサ8が接続され、電車線電圧が供給されている。
【0017】スイッチ回路9は、IGBT等からなるスイッチ素子91と、このスイッチ素子91とは逆極性に並列接続されたダイオード92とで構成されている。
【0018】また離線補償用コンデンサ8には、供給される電車線電圧を検出する電圧検出器10が接続されるとともに、この電圧検出器10の出力信号を導入し、前記スイッチ回路9のスイッチ素子91を切替え制御するための制御回路11が接続されている。この制御回路11は、電圧検出器10からの出力電圧を予め設定された基準値電圧である例えば2000Vと比較する比較器111及びこの比較器111からの信号によって前記スイッチ素子91に対し切替え用のゲート信号を供給するゲート回路112により構成されている。
【0019】上記構成により、電車線電圧が図2(a)示すように変化したとき、制御回路12は図2(b)に示すように2000Vを閾値とした切替え信号を導出し、スイッチ素子91を切替え制御する。
【0020】その結果、離線補償用コンデンサ8に供給される電車線電圧が、仮に高くなって2000Vを越えたときに、図2(c)に示すように前記スイッチ回路9がオフ(OFF)となるように制御されるので、離線補償用コンデンサ8への過電圧印加は回避される。
【0021】スイッチ素子91は上述のように、設定値2000V以下ではオン(ON)、2000V以上でオフとなるように動作すると同時に、スイッチ素子91には逆極性で並列にダイオード92が接続されているから、電車線電圧が離線補償用コンデンサ8の電圧より低くなったときには、離線補償用コンデンサ8のエネルギーがダイオード92を介してインバータ4に供給される。
【0022】以上説明のように、離線補償用コンデンサ8への入力電圧を監視し、ある値以上になったときに、離線補償用コンデンサ8の前段に挿入されたスイッチ回路9がオフとなるように動作するので、離線補償用コンデンサ8に印加される電圧をある設定値以下に押さえることができることから、離線補償用コンデンサ8の耐電圧仕様を高く設定する必要がなくなり、離線補償用コンデンサ8の小形・軽量化が可能となる。
【0023】この第1の実施の形態では、パンタグラフ1における離線がなくても何らかの原因で電車線電圧が下がれば、離線補償用コンデンサ8に貯えられたエネルギーをインバータ4に放電するが、離線と判断されたときのみ放電するように構成することもできる。
【0024】すなわち、離線と判断したときのみ、離線補償用コンデンサ8に貯えられた電圧を放電するように構成した本発明による車両電源の離線補償装置の第2の実施の形態を図3を参照して以下説明する。
【0025】この第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態におけるスイッチ回路9に代えて、スイッチ回路12を設け、このスイッチ回路12は、互いに逆極性に直列接続された2個のスイッチ素子121,122と、これら各スイッチ素子121,122にそれぞれ逆極性にダイオード123,124が並列接続されている。
【0026】上記2個のスイッチ素子121,122のうち、一方のスイッチ素子121は第1の実施の形態と同様に構成された制御回路11により制御され、他方のスイッチ素子122は、前記電車線電圧の導入部の電圧検出により制御されるよう構成した。
【0027】すなわち、他方のスイッチ素子122は、パンタグラフ1に接続され電車線電圧を検出する電圧検出器13の出力を制御回路14により制御されるように構成されている。制御回路14は比較器141とゲート回路142により構成され、電圧検出器13により検出された電車線電圧が、比較器141において離線と推定するための設定電圧値(例えば700V)と比較し、その設定値以下となったときに、ゲート回路142が他方のスイッチ素子122をオンさせるように制御する。
【0028】前述のように、電車線電圧はパンタグラフの離線がなくても、他の車両等への給電状態の変化等により約900Vから約2400Vまで変動することがある。従って、この図3に示した第2の実施の形態では、電圧検出器13が離線と判断したときのみ、離線補償用コンデンサ8に貯えられた高い電圧が放電されて、車両電源としての動作時間を長く確保することができる。
【0029】なお、離線補償用コンデンサ8に貯えられるエネルギーは電圧の二乗に比例して大きい。離線時に車両電源としての動作時間をある程度確保するために必要とするエネルギーは、比較的小さな容量で可能であるので、その分離線補償用コンデンサ8の容量を小さくし、小型・軽量化を図ることができる。
【0030】上記第1及び第2の実施の形態では、離線補償用コンデンサ8への充電を電車線電圧の導入部側から行ったが、インバータ4の出力側から行うこともできる。すなわち、離線補償用コンデンサ8への充電をインバータ4の出力側から行うように構成した本発明の第3の実施形態を図4を参照して以下詳細に説明する。電車線電圧導入部のダイオード3の出力側には、これとは逆極性に直列接続されたダイオード15、及びIGBT等からなるスイッチ回路16を順次介して、並列接続の離線補償用コンデンサ8に接続されている。
【0031】一方、インバータ4の出力には変圧器17が接続され、この変圧器17の2次側は、整流器18、及びIGBT等のスイッチ素子からなるスイッチ回路19を介して離線補償用コンデンサ8に接続されている。
【0032】また、第2の実施の形態と同様に、電圧検出器13の出力端には、スイッチ回路16,19を制御するために制御回路20が接続されている。この制御回路20は、比較器201及び2個のゲート回路202,203で構成され、比較器201は電車線電圧が離線と推定される電圧値(例えば700V)と比較し、検出電圧がその設定値以下となったときに、ゲート回路202を介して第3のスイッチ回路16を制御し、そのスイッチ素子をオン状態に切替えるものである。
【0033】このとき、他方のゲート回路203も、比較器201からの信号を受け、スイッチ回路19を切替え操作する。
【0034】従って、図4に示す回路において、インバータ4の出力はほぼ一定であり、変圧器17の巻数比は離線補償用コンデンサ8の電圧が2000V程度になるように予め設定されている。
【0035】従って、電車車両のパンタグラフ1に離線がない状態では、スイッチ回路16はオフ、スイッチ回路19はオン状態に設定され、この状態では上記のように離線補償用コンデンサ8は常に2000V程度に充電される。なお、スイッチ回路16はオフ状態にあるので、電車線電圧が2000Vを超えても、離線補償用コンデンサ8に過電圧が印加されることはない。
【0036】電圧検出器13による検出値が離線と推定される電圧、例えば700V以下となったときに、比較器201及びゲート回路202はスイッチ回路16をオン状態に切替えるので、離線補償用コンデンサ8のエネルギーはインバータ4に供給され、車両電源が停止しないように作動する。また、このときスイッチ回路19は他方のゲート回路203によりオフ状態に制御され、変圧器17及び整流器18を介した経路で離線補償用コンデンサ8が充電されないように制御される。
【0037】前述のように、電車線電圧が2400Vに達することも考えられるが、図4に示すような回路構成によれば、離線補償用コンデンサ8の電圧は常に最大でも2000V程度に抑えられ、離線補償用コンデンサ8の小形・軽量化が可能となる。
【0038】また、離線補償用コンデンサ8の充電電圧を、2400Vと電車線電圧の定格電圧である1500Vとの間の例えば2000Vに設定したことで、離線補償用コンデンサ8は小さな容量で、必要とする大きなエネルギーを蓄えることができるとともに、離線補償用コンデンサ8の小型・軽量化を実現することができる。
【0039】上記第1ないし第3の各実施の形態では、いずれも離線補償用コンデンサ8と電車線電圧の導入部との間に切替え回路を設けたが、そのような切替え回路を設けることなく、より簡単な回路構成で装置を実現することもできる。
【0040】すなわち、離線補償用コンデンサ8と電車線電圧の導入部との間に単にダイオードを接続し、切替え回路を省略した本発明装置の第4の実施の形態を図5を参照して説明する。
【0041】上記第3の実施の形態との主な相違点のみについて説明すると、図4に示したスイッチ回路16の代わりに、ダイオード15のアノード側端子を直接、離線補償用コンデンサ8に接続するように構成した。従って、図4に示した制御回路20の代わりに、スイッチ回路19のみを制御するように、比較器211及びゲート212からなる制御回路21を新たに構成した。
【0042】従って接続されたダイオード15の極性によって、離線補償用コンデンサ8からの放電エネルギーは常にインバータ4の入力側にのみ供給されるとともに、第3実施の形態におけるスイッチ回路16に相当する制御系は不要となるため、装置の簡素化及び小型化が可能となる。
【0043】また、この実施の形態によれば、変圧器16の巻線抵抗を大きくすることにより、その変圧器17及び整流器18の小型軽量化が可能である。
【0044】すなわち、もしも変圧器17に巻線抵抗の小さな変圧器を採用した場合は、この変圧器17の電圧変動率は小さくなり、大きな電流が流れた場合にもその2次側電圧はそれほど低下しないので、離線補償用コンデンサ8は整流器18を介して必要以上に充電され、離線時以外にもその充電電流はダイオード15を介してコンデンサ7に流れる可能性が生じる。これに対し、巻線抵抗の大きな変圧器17を採用すれば、電圧変動率が大きくなるので、流れる電流は大きくなると、2次側電圧は低下し、整流器18の出力電圧も下がって、電流増加は抑制されるので、変圧器17及び整流器18の小型軽量化が可能となる。
【0045】次に、上記第3及び第4の実施の形態では、いずれも離線補償用コンデンサ8は、インバータ4から充電されるように構成されたが、車両に別途搭載されたバッテリー(蓄電池)から充電するように構成することもできる。
【0046】すなわち、離線補償用コンデンサ8が車両に搭載したバッテリーから充電されるように構成された本発明装置の第5の実施の形態を図6を参照して以下説明する。
【0047】まず、離線補償用コンデンサ8と電車線電圧導入部との間には、図4に示した第3の実施の形態と同様に、ダイオード15及びスイッチ回路16が直列に接続され、また電圧検出器13、及びこの電圧検出器13の検出信号を導入して制御信号を出力してスイッチ回路16のゲートを制御するよう制御回路21が接続されている。
【0048】また、車両にはバッテリー22が搭載され、このバッテリー22の出力端はインバータ23、変圧器24、及び整流器18を順次介して離線補償用コンデンサ8に接続されるように構成した。
【0049】従って、インバータ23により定電圧化された出力は、離線補償用コンデンサ8の電圧が常にほぼ一定の2000V程度になるように巻数比が設定された変圧器19を介して、離線補償用コンデンサ8に供給充電される。
【0050】なお、車両のパンタグラフ1に離線がない状態では、制御回路21によりスイッチ回路17はオフ状態となるように設定されるので、離線補償用コンデンサ8は車両搭載バッテリー22により常に2000V程度に充電される。
【0051】このようにスイッチ回路17のオフ状態により、仮に電車線電圧が2000Vを超えたとしても、離線補償用コンデンサ8に過電圧が印加されることはなく、離線補償用コンデンサ8の小型・軽量化が可能となる。
【0052】また、電圧検出器13の検出値が、推定される離線電圧、例えば700V以下であるとして離線を検出したときには、制御回路21はスイッチ回路17をオン状態に切替え制御するので、離線補償用コンデンサ8のエネルギーはスイッチ回路17及びダイオード15を介してインバータ4に供給され、電源の停止は回避される。
【0053】また、この実施の形態でも、離線補償用コンデンサ8の充電電圧を電車線の定格電圧である1500Vより高い2000Vに設定することで、離線補償用コンデンサ8は小さな容量で大きなエネルギーが貯えられ、小型・軽量化が可能となる。
【0054】以上説明のように、本発明装置は、離線補償用コンデンサ8の入力側にGTOやIGBTなどのスイッチ素子あるいはダイオードを設けることによって、印加される電圧が設定値である2000Vを越えないように構成したので、離線補償用コンデンサ8の耐電圧仕様を低くすることができ、小型・軽量化を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明のように、本発明装置によれば、簡単な構成により、車両用電源の離線補償装置の小型・軽量化が可能となるものであり、実用に際し顕著な効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年(1998)2月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外3名)
【公開番号】 特開平11−252701
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−43851