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【発明の名称】 磁気浮上車両
【発明者】 【氏名】古川 陽子

【氏名】福本 英士

【氏名】柴田 将之

【氏名】小村 昭義

【氏名】渡邊 洋之

【氏名】寺井 元昭

【氏名】稲玉 哲

【要約】 【課題】磁気浮上車両の車両動揺振幅及び車両動揺に伴う発熱を推定し、液体ヘリウム冷却域での発熱状況を把握すると共に、発熱原因の特定と対策とを可能としてより信頼性の高い磁気浮上車両を得る。

【解決手段】車両動揺検出コイルを真空断熱容器の浮上コイルと対向する外面上に設け、車両動揺検出コイルで検出した電圧に基づいて車両動揺の周波数成分と振幅成分を求めると共に、別に入力される係数マトリックスに基づいて推定渦電流発熱値に換算して表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超電導線を巻回した超電導コイルと、該超電導コイルを収納する収納容器と、輻射熱をシールドする輻射熱シールドと、真空断熱を行う真空断熱容器とを有する超電導磁石を、ガイドウエイに設けられた推進コイル及び浮上コイルに対向させて設けた磁気浮上車両において、前記真空断熱容器の前記浮上コイルに対向する面上に、車両動揺に起因する磁場変動成分を検出する車両動揺検出手段を設け、該車両動揺検出手段の検出した前記磁場変動成分に基づいて前記車両動揺の周波数成分及び振幅成分を求めると共に、推定渦電流発熱値に換算する変換手段を設けたことを特徴とする磁気浮上車両。
【請求項2】 前記車両動揺検出手段が車両動揺検出コイル及び該車両動揺検出コイルの出力電圧信号を増幅する増幅手段であり、前記変換手段が前記推定渦電流発熱値への換算に用いる係数マトリックスを入力する入力手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の磁気浮上車両。
【請求項3】 前記車両動揺検出コイルが、少なくとも車両両側の対称位置の上下2か所都合4か所に設けられていることを特徴とする請求項2記載の磁気浮上車両。
【請求項4】 前記車両動揺検出コイルが、上下2段でそれぞれ、浮上コイル電流の作り出す高調波磁場のうち最大の振幅を持つ高調波のピッチの(2×n+1)(nはゼロ及び正の整数)の間隔で、車両の進行方向に配置され互いに直列に接続された複数個の磁束変動検出コイルで構成されていることを特徴とする請求項3記載の磁気浮上車両。
【請求項5】 前記車両動揺検出コイルが、基板上にプリントされて形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の磁気浮上車両。
【請求項6】 前記基板が絶縁シートであることを特徴とする請求項4記載の磁気浮上車両。
【請求項7】 前記係数マトリックスが、車両動揺の変位に起因する信号値のマトリックスと、車両動揺変位に起因する渦電流発熱のマトリックスであって、前記変換手段がこれらのマトリックスを解くことによって車両動揺振幅及び発熱を算出することを特徴とする請求項2記載の磁気浮上車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導磁石を搭載して磁気浮上走行する磁気浮上車両に係り、特に車両動揺を検出する手段を備えた磁気浮上車両に関する。
【0002】
【従来の技術】移動する物体の変位を検出する方法として、レーザ等の光線を用いて、基準線からの光線のずれを検出する方法が一般的に行われている。しかし、従来、走行車両の変位を検出することは試みられておらず、磁気浮上車両のような長距離に渡って浮上走行する車両の変位を走行領域に渡って連続的に測定するのに適した方法、装置は提案されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気浮上車両の車両動揺とは、車両に掛かる空気抵抗や車両の左右推力のアンバランスにより、浮上走行する車両の位置が車体の案内方向または浮上方向に変動することをいう。車両は走行速度に応じて100Hz〜309Hzの周波数の変動磁場を受けて走行するのに対して、車両動揺の周波数は1〜4Hzの低い周波数となると予測されている。従来の磁気浮上車両用超電導磁石は、液体ヘリウム温度の4.2°Kで超電導状態を保持するため、走行周波数の磁場変動による渦電流発熱を極力抑制する方針で設計されてきたが、車両動揺のような低周波の磁場変動に対しては有効な渦電流発熱対策が存在しなかった。また、現状では、実走行で生じる車両動揺の振幅、周波数が明確ではなく、発熱への寄与は無視できないと予測されるものの、具体的な数値を把握する方法が存在しなかった。信頼性の高い磁気浮上車両用電磁石を得るためには、まず、この車両動揺の振幅、周波数を明確にし、車両動揺による内槽発熱への寄与を把握していく必要がある。
【0004】このような車両動揺の計測に従来のレーザ等の光線を用いた変位の検出方法を適用しようとすると、基準線とレーザ光源とが必要となる。計測対象が車両の場合、基準線を地上側に取ると、長距離に渡って基準線を設けなければならず、設置時の制度の確保や、露天に設置されるため設置後の保守が困難であるという問題がある。また、車両に光源を設けることは、車両重量の増加という点で望ましくない。逆に、基準線を車両側に採り、光源を地上側に設置すると、車両の走行距離に応じて多数の光源が必要となり、コストが増加するので望ましくない。また、いずれの場合についても、車両の浮上方向と案内方向の変位検出を同時には行えず、それぞれについて基準線と光源とが必要となるという問題もある。
【0005】本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、磁気浮上車両の動揺を、簡易に、車両の重量を大きく重くすることなく、保守を必要とすることなく検出して、検出した動揺が超電導磁石の発熱に及ぼす影響を把握することによって、それに対する対策を講じることを可能とする磁気浮上車両を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気浮上車両は、超電導線を巻回した超電導コイルと、この超電導コイルを収納する収納容器と、輻射熱をシールドする輻射熱シールドと、真空断熱を行う真空断熱容器とを有する超電導磁石を、ガイドウエイに設けられた推進コイル及び浮上コイルに対向させて設け、真空断熱容器の浮上コイルに対向する面上に、車両動揺に起因する磁場変動成分を検出する車両動揺検出手段を設け、この車両動揺検出手段の検出した磁場変動成分に基づいて車両動揺の周波数成分及び振幅成分を求めると共に、推定渦電流発熱値に換算する変換手段を設けたものである。
【0007】また、車両動揺検出手段が車両動揺検出コイル及びこの車両動揺検出コイルの出力電圧信号を増幅する増幅手段であり、変換手段が推定渦電流発熱値への換算に用いる係数マトリックスを入力する入力手段を更に備えたものである。
【0008】また、車両動揺検出コイルが、少なくとも車両両側の対称位置の上下2か所都合4か所に設けられているものである。
【0009】また、車両動揺検出コイルが、上下2段でそれぞれ、浮上コイル電流の作り出す高調波磁場のうち最大の振幅を持つ高調波のピッチの(2×n+1)(nはゼロ及び正の整数)の間隔で、車両の進行方向に配置され互いに直列に接続された複数個の磁束変動検出コイルで構成されているものである。
【0010】また、車両動揺検出コイルが、基板上にプリントされて形成されているものである。
【0011】また、基板が絶縁シートであるものである。
【0012】また、係数マトリックスが、車両動揺の変位に起因する信号値のマトリックスと、車両動揺変位に起因する渦電流発熱のマトリックスであって、変換手段がこれらのマトリックスを解くことによって車両動揺振幅及び発熱を算出するものである。
【0013】以下に、以上の解決手段の動作原理について説明する。
【0014】磁気浮上システムでは、ガイドウエイ側に設置した推進コイルに通電することにより、推進コイルに流れた電流の作る磁場が車載の超電導磁石と作用して、車両に推進力が生じて走行する。走行速度が閾値を超えると、浮上コイルに生じた誘導電流の作る磁場と超電導磁石との作用により車両の浮上走行が始まる。
【0015】車両が浮上走行を開始すると、空気抵抗や、推進コイルによる左右推力のアンバランスにより、浮上方向や案内方向への車両の動揺が始まる。車両動揺に対するダンピングは、主として浮上コイルが負担する。案内方向への動揺は、車両を挟んで対向するガイドウエイ側の浮上コイルがヌルフラックスに結線され、車両が近寄った側では反発力、遠ざかった側では吸引力が働く向きの起電力が発生する。浮上方向の動揺に対しても、浮上コイルの中心から超電導コイルの中心までの沈み込み量が変化するため、浮上コイル電流が変化してこれが浮上方向の動揺のダンピングに寄与する。したがって、車両動揺の振幅に応じて浮上コイル電流は変化するので、この浮上コイル電流の変化を検出すれば、車両動揺の振幅を推定できる。
【0016】以上のような浮上コイル電流の変化は超電導磁石の磁束を変化させるので、車両の超電導磁石に磁束検出用コイルを設置しておけば、磁束変化を電圧信号として検出できる。
【0017】ここで問題となるのは、磁束検出コイルの検出する磁束の変化は車両動揺に基づくものだけではないということである。すなわち、推進コイルによる磁場変動や、空間5次高調波磁場変動を最大のものとする3次、7次等の浮上コイルの高調波磁場変動や、振動によって超電導磁石の各部に生じる2次的渦電流による磁場変動等も同時に検出されてしまうことである。
【0018】幸いなことに、これらの磁場変動と車両動揺による磁場変動では振幅周波数が1桁以上異なり、このため周波数分析器を用いて車両動揺に起因する低周波数成分のみを検出することができる。また、実際問題としては、磁束検出コイルを超電導磁石が地上コイルと向き合う面に設置すれば、超電導磁石の各部に生じる渦電流による磁場変動はクライオスタットに遮蔽されてしまうので問題にならない。浮上コイルの高調波磁場に関しても、特定の高調波磁場変動分を打ち消すようなピッチを選んで、進行方向に副数枚の磁束検出用プローブを設置することによってSN比を上げることができる。また、逆に特定の空間高調波のピッチに合わせて磁束検出用プローブを設置し、車両動揺による電圧変動分と、高調波磁場の変動分との分離を容易にすることもできる。
【0019】磁束変動をモニターすることにより、把握したいのは車両両側の超電導磁石の案内方向変位(以下、「y」とする)と浮上方向変位(以下、「z」とする)である。
【0020】車両動揺による浮上コイル電流の変化は、このy、zのみの関数として表される。このときの係数を予め解析し、係数マトリックスとして用意する。車両両側のy、zをそれぞれ知りたい場合、未知数4個を求めることとなる。4個の未知数を求めるには、最低限4個の磁束を検出し、用意したy、zの係数マトリックスから逆算すればよい。
【0021】係数マトリックスは車両動揺の周波数によって変化するが、車両動揺の周波数としては1〜10Hzをカバーできれば十分なので、周波数毎にマトリックスを用意するか、又は周波数に対する係数の変化幅は小さいので、マトリックス1個と補完係数を用いればよい。どの周波数のマトリックスを用いるかは、検出された電圧信号を高速フーリエ変換(FFT)にかけて、最大振幅を示す周波数をピックアップすればよい。
【0022】さらに、検出した磁束変動から上記方法により推定した変位y、zで決まる浮上コイル電流による超電導磁石の構成物上の渦電流を求めることにより、車両動揺による渦電流発熱を推定できる。
【0023】ここでは、変位y、zを知りたいため、y、zと検出電圧との間のマトリックスを用いる方法を述べたが、渦電流発熱のみを知りたい場合は、検出電圧と発熱との関係を表すマトリックスを用いることにより、磁束変動から直接渦電流発熱を推定し、より高速な処理を実現することもできる。
【0024】以上の構成により、従来把握困難であった浮上走行車両の動揺振幅及び周波数を把握すると共に、超電導電磁石の構成物の渦電流発熱を推定し、実走行時の液体ヘリウム温度域の発熱を車両動揺に基づくものと、走行周波数で加わる磁場変動に基づくものとに分離できる。これにより、それぞれの発熱源を特定し、それに対する対策を施すことによって信頼性の高い磁気浮上車両を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明による磁気浮上車両の一実施の形態を説明する。
【0026】〔実施の形態1〕図1は本発明の第1の実施の形態の磁気浮上車両を示す縦断面図及びその一部拡大図並びにこの磁気浮上車両の車両動揺検出回路の構成を示すブロック図である。図において、磁気浮上車両の車体5は台車6上に載置され、台車6の両側には超電導磁石が固着されている。超電導磁石は、一番外側の真空容器4と、真空断熱容器4中に固着された輻射熱シールド3と、さらにその中に固着されたコイル収納容器2と、コイル収納容器2中に収納された超電導コイル1とにより構成されている。コイル収納容器2は、超電導コイル1を保持し、その内部には液体ヘリウムの流路が設けられており、この液体ヘリウムで超電導コイル1を冷却している。輻射熱シールド3は、コイル収納容器2を覆い、輻射熱を低減するために液体窒素温度に冷却されている。なお、真空容器4のガイドウエイ21と対向する外側面には、車両の動揺を検出するための車両動揺検出コイル9a,9b,9c,9dが固着されている。
【0027】台車6の両側面及び下部には車両を案内するガイドウエイ21が設けられており、ガイドウエイ21の内側面の台車6側には、車両を推進させるための推進コイル8が固着され、さらにその内側の台車6側には車両を浮上させるための浮上コイル7が固着されている。
【0028】車両動揺検出コイル9a,9b,9c,9dは、浮上コイル7に対向して台車6の両側にそれぞれ上下位置に2本づつ配置され、合計4本設けられている。これらの車両動揺検出コイル9a,9b,9c,9dからは導線が引き出され、入力装置10の入力端子に接続されている。入力装置10は、その入力端子から入力された信号を増幅して出力する装置である。入力装置10の出力端子は変換器11の一方の入力端子に接続されている。変換器11の他方の入力端子にはコンピュータ12の出力端子が接続されており、変換器11の出力端子には表示器13及び記録器14の入力端子がそれぞれ接続されている。変換器11は、その入力端子から入力された信号を周波数成分と振幅成分に分離し、推定渦電流発熱値に換算して出力するものである。
【0029】次に、本実施の形態の動作を説明する。磁気浮上車両の走行速度が閾値を超えると車体5が浮上して浮上走行が開始される。このとき発生する車両の動揺は車両動揺検出コイル9a,9b,9c,9dで検出され、4個の電圧信号となって入力装置10に入力される。入力装置10では入力された電圧信号を増幅して変換器11に入力する。変換器11ではこれら4個の電圧信号の振幅成分と周波数成分を求めると同時に、コンピュータ12から入力された係数マトリックスに基づいて車両の動揺の振幅に変換し、その値から渦電流発熱値を導出して、車両動揺振幅値と共に表示器13及び記録器14に出力する。
【0030】本実施の形態によって、単純かつ軽量な測定システム構成で、走行中連続的に車両動揺をモニターできる。また、検出した車両動揺から渦電流発熱値を推測できるので、発熱源の特定や対策に貴重なデータを収集することができ、信頼性の高い磁気浮上車両を製作できる。
【0031】〔実施の形態2〕図2は本発明の第2の実施の形態の磁気浮上車両の車両動揺検出コイルの配置及び車両動揺検出回路の構成を示す図である。図において、図1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0032】上下2段に4個ずつ片面8個の車両動揺検出コイル15au,15ad,15bu,15bd,15cu,15cd,15du,15ddが、真空断熱容器4上のガイドウエイ21側の外面上に設置されている。上段の車両動揺検出コイル15au,15bu,15cu,15du及び下段の車両動揺検出コイル15ad,15bd,15cd,15ddは、それぞれ、浮上コイル7の作る高調波磁場の振幅が最大となる空間5次高調波のピッチの3/2の間隔で配置され、上段の車両動揺検出コイル同士及び下段の車両動揺検出コイル同士でそれぞれ直列に接続され、それぞれの出力端が入力装置10の入力端子に導線を介して接続されている。車両動揺検出コイルの設置間隔は、具体的には、超電導コイルの極ピッチが1.35mm、浮上コイル7のピッチが45cmであるので、81cmとなる。
【0033】このような空間配置で車両動揺検出コイルを配置すると、空間5次高調波に限って、車両動揺検出コイルにより検出される電圧の位相が、車両動揺検出コイル15au,15ad及び車両動揺検出コイル15cu,15cdでそれぞれ同相、車両動揺検出コイル15bu,15bd及び車両動揺検出コイル15du,15ddでそれぞれ同相となるが、車両動揺検出コイル15au,15ad,15cu,15cdと車両動揺検出コイル15bu,15bd,15du,15ddとでは逆相となる。つまり、これらの上下段各4個の車両動揺検出コイル間で、空間5次の高調波成分は相殺される。真空断熱容器4上の浮上コイル7と対向する外面上に設置された車両動揺検出コイルの場合、主として空間3次、5次、7次の高調波磁場を受けるが、その振幅の比は、1:4.5:1である。空間5次という最大振幅の高調波を除去することにより、SN比を大幅に向上させることができる。
【0034】〔実施の形態3〕図3は本発明の第3の実施の形態の磁気浮上車両の車両動揺検出コイルの配置及び車両動揺検出回路の構成を示す図である。図において、第2の実施の形態におけると同様に、図1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0035】上下2段に6個ずつ片面12個の車両動揺検出コイル16au,16ad,16bu,16bd,16cu,16cd,16du,16dd,16eu,16ed,16fu,16fdが、真空断熱容器4上のガイドウエイ21側の外面上に設置されている。上段の車両動揺検出コイル16au,16bu,16cu,16du,16eu,16fu及び下段の車両動揺検出コイル16ad,16bd,16cd,16dd,16ed,16fdは、それぞれ、浮上コイル7の作る高調波磁場の振幅が最大となる空間5次高調波のピッチと同一の間隔で配置され、上段の車両動揺検出コイル同士及び下段の車両動揺検出コイル同士でそれぞれ直列に接続され、それぞれの出力端が入力装置10の入力端子に導線を介して接続されている。車両動揺検出コイルの設置間隔は、具体的には、超電導コイルの極ピッチが1.35mm、浮上コイル7のピッチが45cmであるので、54cmとなる。
【0036】このような空間配置で車両動揺検出コイルを配置すると、空間5次高調波に限って、全ての車両動揺検出コイルにより検出される電圧の位相が同相となる。つまり、車両動揺検出コイル16au,16ad,16bu,16bd,16cu,16cd,16du,16dd,16eu,16ed,16fu,16fdは、空間5次の高調波成分を主として検出する。空間5次高調波成分も、車両動揺によって浮上コイル7の電流が変化すれば、その影響を受けて振幅が変化する。したがって、車両動揺検出コイル16au,16ad,16bu,16bd,16cu,16cd,16du,16dd,16eu,16ed,16fu,16fdによって検出された電圧信号の低周波成分をFFTによって選別すれば、車両動揺の周波数及び振幅を推定できる。本実施の形態においてはSN比は悪化すると考えられるが、空間5次の磁場変動の検出電圧は振幅が大きいため増幅度の大きい増幅器を設置する必要がない点及び車両動揺検出コイルを小型化し、軽量化できる点で利点がある。
【0037】〔実施の形態4〕図4は本発明の第4の実施の形態の磁気浮上車両の車両動揺検出コイルの配置及び車両動揺検出回路の構成を示す図である。図において、第2,第3の実施の形態におけると同様に、図1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0038】車両動揺検出コイル16au,16ad,16bu,16bd,16cu,16cd,16du,16dd,16eu,16ed,16fu,16fdは絶縁シート17上にプリントされた導線18により構成されている。絶縁シート17は真空断熱容器4の表面に直接接着されている。各車両動揺検出コイル間はツイスト線19により上段下段それぞれ直列に接続され、ツイスト線19はアルミ粘着テープ20で真空断熱容器4の表面に接着されている。
【0039】車両動揺検出コイル16au,16ad,16bu,16bd,16cu,16cd,16du,16dd,16eu,16ed,16fu,16fdは、空間5次の高調波成分を主として検出し、空間5次高調波成分は振幅が大きいため、本実施の形態のようなプリントコイルで十分に検出することができる。
【0040】プリントコイルは軽量であることはもちろん、案内方向に1mm程度の幅が確保できれば設置できるという点で実用性が非常に高い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、単純かつ軽量な測定システム構成で、走行中連続的に車両動揺をモニターできる。また、検出した車両動揺から渦電流発熱値を推測できるので、発熱源の特定や対策に貴重なデータを収集することができ、信頼性の高い磁気浮上車両を製作できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
【公開番号】 特開平11−234811
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−38217