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【発明の名称】 磁気浮上式車両
【発明者】 【氏名】山口 孝

【要約】 【課題】内槽等の振動に伴う各種摩擦発熱を低減して、冷媒の発熱量を抑制する、超電導磁石装置を搭載した磁気浮上式車両を得る。

【解決手段】外槽(7)と超電導磁石装置(1)の台車枠(3A)との接続箇所を、外槽(7)に作用する外力分布の大きい個所に選択し、外槽(7)を台車枠(3A)と接続するとともに、外槽(7)の変形を拘束するために、外槽(7)と台車枠(3A)と接続した個所の近傍に横梁(3b)を設ける構造とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、該外槽を接続するために設けられた台車枠とを備えた磁気浮上式車両であって、上記外槽と上記台車枠との接続を、上記外槽に生じる外部振動荷重に対して、該外部振動荷重が生じる部位に設置したことを特徴とする磁気浮上式車両。
【請求項2】 上記台車枠は、側梁と横梁とを有し、該横梁を上記外槽と上記台車枠との接続箇所近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気浮上式車両。
【請求項3】 上記台車枠は、上記外槽の一部を兼用したことを特徴とする請求項1記載の磁気浮上式車両。
【請求項4】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を一体物として構成することを特徴とする請求項3記載の磁気浮上式車両。
【請求項5】 上記台車枠は、上記外槽との接続部位の剛性をあげる補強構造としたことを特徴とする請求項3記載の磁気浮上式車両。
【請求項6】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を上下に2分割したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁気浮上式車両。
【請求項7】 上記2分割された梁の上下間に補強部材を設けたことを特徴とする請求項6記載の磁気浮上式車両。
【請求項8】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する複数の梁に対して、進行方向に該梁を互いに接続する補強部材を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁気浮上式車両。
【請求項9】 車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、該外槽を接続するために設けられた台車からなる磁気浮上式車両であって、上記外槽と上記台車枠との接続を、上記外槽に生じる外部振動荷重に対して、該外部振動荷重が生じる部位を避けて設置したことを特徴とする磁気浮上式車両。
【請求項10】 上記台車枠は、側梁と横梁とを有し、該横梁を上記外槽と上記台車枠との接続箇所近傍に設けたことを特徴とする請求項9記載の磁気浮上式車両。
【請求項11】 上記台車枠は、上記外槽の一部を兼用したことを特徴とする請求項9記載の磁気浮上式車両。
【請求項12】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を一体物として構成することを特徴とする請求項11記載の磁気浮上式車両。
【請求項13】 上記台車枠は、上記外槽との接続部位の剛性をあげる補強構造としたことを特徴とする請求項11記載の磁気浮上式車両。
【請求項14】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を上下に2分割したことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の磁気浮上式車両。
【請求項15】 上記2分割された梁の上下間に補強部材を設けたことを特徴とする請求項14記載の磁気浮上式車両。
【請求項16】 上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する複数の梁に対して、進行方向に該梁を互いに接続する補強部材を設けたことを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の磁気浮上式車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気浮上式車両に関し、特に超電導磁石装置を搭載した磁気浮上式鉄道用車両関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は一般的な磁気浮上式車両の構造を示す横断面図である。図において、超電導磁石装置1は、磁気浮上式車両の車体2の台車枠3の側面に取り付けられている。また、凹字型の地上ガイドウェイ4の内側には、車体2に取り付けられた超電導磁石装置1に対向するように、浮上・案内用コイル5及び推進用コイル6からなる地上コイルが設置されている。そして、台車枠3には、超電導磁石装置1内の冷媒の液化のための冷凍機(図示せず)が搭載されており、蒸発した冷媒を液化している。
【0003】図13は台車枠3を上から見た図である。図において、台車枠3は側梁3aと横梁3bからなり、超電導磁石装置1と固定軸(図示せず)により固定されている。7は超電導磁石装置1の外槽、10は内槽である。図14は台車枠13を進行方向前面から見た図であり、超電導磁石装置1は、台車枠3の側梁3aから固定軸8を介して接続されている。
【0004】図15は例えば特開平6一163246号公報に記載された磁気浮上式車両に搭載された超電導磁石装置の機能的な構成を示す側面図、図16は図15のXII−XII矢視断面図である。各図において、超電導磁石装置1の外槽7は、導電体であるアルミ材を用いて長尺の平板箱状に作製されている。固定軸8はこの外槽7の一部を構成し、一端に取付座8aを有している。そして、外槽7は、その長手方向を車体2の長さ方向に一致させて、この取付座8aをボルト20により台車枠3に締着されて固定されている。
【0005】断熱支持体9は直径の異なる円筒を固定軸8に対して同心状に配置した多重円筒から構成されている。この多重円筒は、隣り合う円筒が順次端部同士あるいは中央部同士で交互に結合されている。そして、多重円筒は、例えば熱伝導率の低いカーボンクロス等の繊維強化プラスチックで作製されている。ここで、9a、9bはこの断熱支持体9の外径部としての最外筒、及び内径部としての最内筒を示し、9cはこの断熱支持体9の中間シールド金属を示している。
【0006】内槽10はレーストラック形の超電導コイル11を収納し、複数個の断熱支持体9を取り囲むように配置され、非磁性体であり、かつ、極低温でも高強度を有するステンレス材等の材料で構成されている。この内槽10は、断熱支持体9の最外筒9aに支持され、複数個の円筒体を介して最内筒9bにより固定軸8に固定されている。断熱支持体9は、外槽7から内槽1Oへの熱伝導が低減されるように、両者間の距離を確保するように設置されている。
【0007】外槽7の上部には、冷却冷媒としての液体ヘリウム12が貯液されている冷媒貯液槽19が配設されている。そして、冷媒貯液槽19は配管16、18を介して内槽10に接続されている。配管16は熱収縮や内槽10の振動から絶縁するためにベロース17を介して配管18に接続されている。そして、配管18は外槽7等に強固に固定されている。
【0008】液体ヘリウム12は冷媒貯液槽19から配管16、18を介して内槽1Oに供給される。超電導コイル11は、内槽1O内の液体ヘリウム12により、液体ヘリウム温度4.2K(一269℃)に冷却されている。熱シールド板13は外槽7と内槽1Oとの間に設けられ、外部からの輻射熱を遮断している。この熱シールド板13は、断熱支持体9の中間シールド金属9cに接合され、各中間シールド金属9cをサーマルアンカとすることにより、断熱支持体9の外槽7、即ち常温からの熱伝導による熱侵入を低減するように構成されている。
【0009】熱シールド板13は、液体窒素により、液体窒素温度77K(一196℃)に保たれている。また、外槽7と熱シールド板13との間は、超電導磁石装置1の熱侵入の一つである対流を防ぐために真空にされている。超電導コイル11は液体へリウム12によって冷却された状態で超電導としての機能を発揮する。
【0010】ここで、内槽10の構成について、図17を参照しながら説明する。超電導コイル11は、内槽10の内部において、数ケ所をリブ15で支持され、内槽1Oの内壁に接することなく、内槽1Oの中心に配設されている。そして、リブ15には複数の穴15aが穿設され、液体ヘリウム12が内槽1O内を流通するようになっている。
【0011】次に、超電導磁石装置1の動作について説明する。走行中の超電導磁石装置1は、超電導コイル11と地上側の浮上・案内用コイル5及び推進用コイル6との間に働く電磁力によって、車両2を上下方向に浮上させ、また前後方向に推進させ、さらに左右方向に案内する。この際、超電導コイル11と、浮上・案内用コイル5及び推進用コイル6との間には、上下、前後、左右方向にそれぞれ大きな電磁力が発生している。
【0012】これらの電磁力は、超電導コイル11からリブ15を介して内槽10に作用し、内槽1Oから断熱支持体9、さらには固定軸8を介して台車枠3へと伝えられる。超電導コイル11は液体ヘリウム12によって冷却された状態で超電導としての機能を発揮する。一方、固定軸8から断熱支持体9への熱伝導による入熱や走行時の発熱により冷媒である液体ヘリウム12は蒸発する。そして、その蒸発分は、台車枠3に搭載した冷凍機(図示せず)により液化される。そのために、外部からの冷媒の補給をせずに連続走行することが可能となっている。
【0013】超電導磁石装置1が走行中に受ける外力としては、大きく分けて2種類ある。その1つは、定常的に作用する車体を上下方向に浮上させる浮上力、左右方向に案内する案内力及び前後方向に推進する推進力である。もう1つは、浮上・案内用コイル5及び推進用コイル6とが車両の走行方向に等間隔に設置されているために発生する走行速度に依存する変動荷重である。この中で、走行速度に依存する変動荷重は交流成分であって、走行速度に比例してその周波数が高くなる。
【0014】この変動荷重は地上コイル側外槽に発生する渦電流と、超電導マグネットの直流磁場が作用するために生じる変動荷重である。図18は図13に示した台車枠3の超電導磁石装置1を参照符号Cから見た、地上コイル側外槽に作用する荷重分布を示す。図において、aは紙面推重方向「正」に作用する荷重で、bは同じく紙面垂直方向「負」に作用する荷重を示す。cは荷重分布として荷重aやbよりかなり小さい部分である。すなわち、荷重分布としては、レーストラック上の内槽コーナ部に集中して発生しており、この部分での値が大きい。この荷重分布は、車両の走行により分布と周波数が変わるような外槽に作用する加振力となる。なお、図18において、内槽や超電導コイルの位置をレーストラック形状で示している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のような従来の磁気浮上式車両の場合には、以下のような問題点があった。即ち、外力により、外槽が振動すると、振動力は固定軸を介して断熱支持体から内槽に伝達される。内槽に伝達された振動により内槽や超電導コイルが有する多数の固有振動数と、走行速度に比例する周波数とが一致し、共振状態になれば、内槽や超電導コイルを大きく振動させる。また、外槽は固定軸を介して台車枠に接続されており、外槽の振動も内槽と同様に固定軸を介して台車枠に伝達される。台車枠に伝達した振動により、台車枠が共振状態になれば、台車枠の振動が固定軸を介して外槽に伝達され、外槽の振動加速度が増大するので、内槽や超電導コイルの振動も増大することになる。
【0016】内槽の振動が増大すると、内槽の振動により摩擦熱が発生し、冷媒である液体ヘリウムの蒸発量が増加する。そして、この蒸発量が異常に大きくなれば、冷凍機により液化回収されず消費量が増大し、内槽内の液体ヘリウム量が不足して超電導コイルの超電導状態を保持できなくなり、車両が走行できなくなるという問題点があった。
【0017】この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、以て、内槽振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量を低減できる磁気浮上式車両を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る磁気浮上式車両は、車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、該外槽を接続するために設けられた台車枠とを備えた磁気浮上式車両であって、上記外槽と上記台車枠との接続を、上記外槽に生じる外部振動荷重に対して、該外部振動荷重が生じる部位に設置したものである。
【0019】請求項2の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項1の発明において、上記台車枠が、側梁と横梁とを有し、該横梁を上記外槽と上記台車枠との接続箇所近傍に設けたものである。
【0020】請求項3の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項1の発明において、上記台車枠は、上記外槽の一部を兼用したものである。
【0021】請求項4の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項3の発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を一体物として構成するものである。
【0022】請求項5の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項3の発明において、上記台車枠は、上記外槽との接続部位の剛性をあげる補強構造としたものである。
【0023】請求項6の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項1〜5のいずれかの発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を上下に2分割したものである。
【0024】請求項7の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項6の発明において、上記2分割された梁の上下間に補強部材を設けたものである。
【0025】請求項8の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項1〜7のいずれかの発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する複数の梁に対して、進行方向に該梁を互いに接続する補強部材を設けたものである。
【0026】請求項9の発明に係る磁気浮上式車両は、車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、該外槽を接続するために設けられた台車からなる磁気浮上式車両であって、上記外槽と上記台車枠との接続を、上記外槽に生じる外部振動荷重に対して、該外部振動荷重が生じる部位を避けて設置したものである。
【0027】請求項10の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項9の発明において、上記台車枠は、側梁と横梁とを有し、該横梁を上記外槽と上記台車枠との接続箇所近傍に設けたものである。
【0028】請求項11の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項9の発明において、上記台車枠は、上記外槽の一部を兼用したものである。
【0029】請求項12の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項11の発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を一体物として構成するものである。
【0030】請求項13の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項11の発明において、上記台車枠は、上記外槽との接続部位の剛性をあげる補強構造としたものである。
【0031】請求項14の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項9〜13のいずれかの発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を上下に2分割したものである。
【0032】請求項15の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項14の発明において、上記2分割された梁の上下間に補強部材を設けたものである。
【0033】請求項16の発明に係る磁気浮上式車両は、請求項9〜15のいずれかの発明において、上記台車枠は、上記外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する複数の梁に対して、進行方向に該梁を互いに接続する補強部材を設けたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を図を参照して説明する。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図1において、上述の図13および図14と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Aは側梁3aと横梁3bからなる台車枠であり、固定軸8近傍に横梁3bを有する構造とする。つまり、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Aとの接続する固定軸8の箇所を、図1に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。
【0035】即ち、外槽7と台車枠3Aとの接続を、外槽7に生じる外部振動荷重に対して、この外部振動荷重が生じる部位に設置し、台車枠7は、横梁3bを外槽7と台車枠3Aとの接続箇所近傍に設ける。このような構成では、外槽7が生じる加振力により、外槽7が振動した場合、固定軸8から台車枠3Aに伝達する。このために、固定軸8から伝達した振動荷重により、横梁3bには圧縮および引っ張りの力が作用する。従って、台車枠3Aの横梁3bを、振動変形を拘束するために十分な圧縮および引っ張り剛性を有する部材により構成すれば、外槽7の振動が低減でき、そのために内槽10や超電導マグネット11の振動が低減できる。
【0036】このように、本実施の形態では、外槽と台車枠との接続を、外槽に生じる外部振動荷重に対して、振動荷重が生じる部位に設置し、かつ横梁を接続箇所近傍に設けることで、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、その結果、内槽振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量を低減できる。換言すれば、超電導磁石装置が受ける外力の大きい個所で台車枠と固定することで外槽の変形を拘束するので、超電導磁石装置の振動を抑制でき、この結果、内槽等の振動に起因する発熱が抑制されて、冷媒の消費量を低減できる。
【0037】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形態2を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。また、図3は超電導磁石装置を台車枠とともに進行方向前面から見た概念図である。なお、各図において、上記図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Bは横梁3bのみで構成される台車枠であり、この台車枠3Bはその側梁として外槽7の一部を実質的に兼用した構造としている。つまり、外槽7と接続する台車枠の一部を外槽と兼用し、超電導磁石装置1を連結する梁である横梁3bを、一体物として構成する。そして、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Bとの接続する箇所を、図2に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。即ち、外槽7と台車枠3Bとの接続を、外槽7に生じる外部振動荷重に対して、この外部振動荷重が生じる部位に設置し、台車枠7は、横梁3bを外槽7と台車枠3Bとの接続箇所近傍に設ける。
【0038】このように、本実施の形態では、台車枠を、側梁を外槽に兼用させた構造で、横梁のみで構成し、外槽と台車枠との接続を、外槽に作用する外部力の大きい、内槽の端部としているので、実施の形態1と同様の効果が得られ、しかも、台車枠を横梁のみで構成しているので、台車枠の軽量化が可能になる。
【0039】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形態3を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図4において、上記図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Cは横梁3bと補強部材3cからなる台車枠であり、補強部材3cは横梁3bの外槽7との接続部位の両側に設けられ、台車枠3Cと接続する部位近傍の剛性を上げるものである。そして、本実施の形態でも、外槽7と台車枠3Cとの接続する箇所を、図4に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。
【0040】このように、本実施の形態では、台車枠を、側梁を外槽に兼用させた構造で、横梁と補強部材で構成し、外槽と台車枠との接続を、外槽に作用する外部力の大きい、内槽の端部としているので、上記実施の形態2と同様の効果が有り、外槽との接続部の剛性を増したために外槽の振動を抑制する効果が増す。また、台車枠の横梁に作用する荷重が、補強部材により分散化されるので、強度上有利となり、より信頼性の高い装置が構成できる。また、台車枠の横梁と外槽の取り付け部に補強部材を設けることで、外槽と台車枠の変形を抑制して、振動変形がしにくいものとなり、超電導磁石装置の振動を抑制するために、内槽等の振動に起因する発熱が抑制されるので、冷媒の消費量を低減できる。なお、本実施の形態では、補強部材を横梁の外槽との接続部位の両側に設けた場合に付いて説明したが、片方だけに補強部材を設けるようにしてもよい。
【0041】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形態4を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図5において、上述の図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Dは側梁3aと横梁3bからなる台車枠であり、固定軸8近傍に横梁3bを有する構造とする。つまり、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Dとの接続する固定軸8の箇所を、図5に示すように、外槽7に作用する外部力の小さい、内槽10の中央部とする。即ち、外槽7と台車枠3Dとの接続を、外槽7に生じる外部振動荷重に対して、この外部振動荷重が生じる部位を避けて設置し、台車枠3Dは、その横梁3bを外槽7と台車枠3Dとの接続箇所近傍に設ける。
【0042】このような構成では、外槽7に生じる加振力により、外槽7が振動した場合、固定軸8から台車枠3Dに伝達する。外槽7に作用する加振力分布は、固定軸8が設置している個所の荷重分布が小さいために、外槽7で生じた振動が、台車枠3Dに伝達することが抑制される。従って、台車枠3D等が共振状態になっても、加振力の入力が小さく、台車枠の振動としては抑制されるために、台車枠3Dから固定軸8を伝達して外槽7に達する振動も抑制でき、そのために内槽10や超電導マグネット11の振動が低減できる。
【0043】このように、本実施の形態では、外槽と台車枠との接続を、外槽に生じる外部振動荷重に対して、振動荷重が生じる部位を避けて設置し、かつ横梁を接続箇所近傍に設けることで、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、その結果、内槽振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量を低減できる。換言すれば、超電導磁石装置が受ける外力の小さい個所で台車枠と固定することで外槽の変形を拘束するので、超電導磁石装置の振動を抑制でき、この結果、内槽等の振動に起因する発熱が抑制されて、冷媒の消費量を低減できる。
【0044】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形態5を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図6において、上記図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Eは横梁3bのみで構成される台車枠であり、この台車枠3Eはその側梁として外槽7の一部を実質的に兼用した構造としている。そして、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Dとの接続する箇所を、図6に示すように、外槽7に作用する外部力の小さい、内槽10の中央部とする。
【0045】このように、本実施の形態では、台車枠を、側梁を外槽に兼用させた構造で、横梁のみで構成し、外槽と台車枠との接続を、外槽に作用する外部力の小さい、内槽の中央部としているので、実施の形態2と同様の効果が得られ、しかも、台車枠を横梁のみで構成しているので、台車枠の軽量化が可能になる。
【0046】実施の形態6図7はこの発明の実施の形態6を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図7において、上記図4と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Fは横梁3bと補強部材3cからなる台車枠であり、この台車枠3Fも図2の台車枠3Bと同様に、その側梁として外槽7の一部を実質的に兼用した構造としている。そして、補強部材3cは横梁3bの外槽7との接続部位の両側に設けられ、台車枠3Fと接続する部位近傍の剛性を上げるものである。また、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Fとの接続する箇所を、図7に示すように、外槽7に作用する外部力の小さい、内槽10の中央部とする。
【0047】このように、本実施の形態では、台車枠を、側梁を外槽に兼用させた構造で、横梁と補強部材で構成し、外槽と台車枠との接続を、外槽に作用する外部力の小さい、内槽の中央部としているので、上記実施の形態3と同様の効果が有り、外槽との接続部の剛性を増したために外槽の振動を抑制する効果が増す。また、台車枠の横梁に作用する荷重が、補強部材により分散化されるので、強度上有利となり、より信頼性の高い装置が構成できる。なお、本実施の形態では、補強部材を横梁の外槽との接続部位の両側に設けた場合に付いて説明したが、片方だけに補強部材を設けるようにしてもよい。
【0048】実施の形態7.図8はこの発明の実施の形態7を示す側面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに進行方向前面から見た概念図である。なお、図8において、上記図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Gは側梁3aと、上下で分割された構造の複数の横梁3bからなる台車枠であり、固定軸8近傍に横梁3bを有する構造とする。つまり、本実施の形態も、上記実施の形態1と同様に、外槽7と台車枠3Gとの接続する固定軸8の箇所を、図8に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。このような構成では、外槽7が生じる加振力により、外槽7が振動した場合、固定軸8から台車枠3Gに伝達する。
【0049】このために、固定軸8から伝達した振動荷重により、横梁3bには圧縮および引っ張りの力が作用する。従って、台車枠3Gの横梁3bを、振動変形を拘束するために十分な圧縮および引っ張り剛性を有する部材により構成すれば、外槽7の振動が低減でき、そのために内槽10や超電導マグネット11の振動が低減できる。
【0050】このように、本実施の形態では、外槽と、その横梁を上下で分割する構造としている台車枠との接続を、外槽に生じる外部振動荷重に対して、振動荷重が生じる部位に設置し、かつ横梁を接続箇所近傍に設けることで、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、その結果、内槽振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量を低減でき、しかも、台車枠の横梁を上下で分割する構造とすることで、台車枠の軽量化が可能になる。
【0051】実施形態8.図9はこの発明の実施の形態8を示す側面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに進行方向前面から見た概念図である。なお、図9において、上記図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Hは上下で分割された構造の複数の横梁3bのみで構成される台車枠であり、この台車枠3Hは側梁を外槽7に実質的に兼用した構造としている。そして、本実施の形態では、外槽7と台車枠3Hとの接続する箇所を、図9に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。
【0052】このように、本実施の形態では、台車枠を、側梁を外槽に兼用させた構造で、しかも上下で分割された構造の複数の横梁のみで構成し、外槽と台車枠との接続を、外槽に作用する外部力の大きい、内槽の端部としているので、実施の形態2と同様の効果が得られ、しかも、台車枠を上下で分割された構造の複数の横梁のみで構成しているので、台車枠の軽量化が可能になる。
【0053】実施の形態9.図10はこの発明の実施の形態9を示す側面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに進行方向前面から見た概念図である。なお、図10において、上記図1および図8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Iは側梁3aと、上下で分割された構造の複数の横梁3bと、これらの横梁3bの間に設けられた補強部材3dとからなる台車枠であり、固定軸8近傍に横梁3bを有する構造とする。つまり、本実施の形態も、上記実施の形態1および7と同様に、外槽7と台車枠3Iとの接続する固定軸8の箇所を、図10に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。このような構成では、補強部材3dにより、台車枠3Iの振動に対する変形が抑制され、超電導磁石装置1の振動が抑制される。
【0054】このように、本実施の形態でも、上記実施の形態1および7と同様の効果が得られると共に、更に、本実施の形態では、上下で分割された構造の複数の横梁の間に補強部材を設けることで、台車枠の振動に対する変形が抑制され、超電導磁石装置の振動が抑制される。なお、この補強部材の追加は、台車枠が側梁と横梁からなる場合に限定されず、台車枠が横梁のみで構成される場合にも同様に適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0055】実施の形態10図11はこの発明の実施の形態10を示す上面図であり、実質的に超電導磁石装置を台車枠とともに上部から見た概念図である。なお、図11において、上記図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。図において、3Jは横梁3bと、横梁3b間に設けられた複数の補強部材3eで構成される台車枠であり、この台車枠3Jも、実施の形態2と同様にその側梁として外槽7の一部を実質的に兼用した構造とし、外槽7と台車枠3Jとの接続する箇所を、図11に示すように、外槽7に作用する外部力の大きい、内槽10の端部とする。
【0056】このように、本実施の形態でも、上記実施の形態2と同様の効果が得られると共に、更に、本実施の形態では、横梁の間に補強部材を設けることで、台車枠の振動に対する変形が抑制され、超電導磁石装置の振動が抑制される。なお、この補強部材の追加は、台車枠が横梁のみで構成される台車枠が側梁と横梁からなる場合に限定されず、台車枠が側梁と横梁からなる場合にも同様に適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0057】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、この外槽を接続するために設けられた台車枠とを備えた磁気浮上式車両であって、外槽と台車枠との接続を、外槽に生じる外部振動荷重に対して、この外部振動荷重が生じる部位に設置したので、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、以て、内槽等の振動に伴う発熱を抑え、冷媒の発熱量を減少させてその消費量を低減できるという効果がある。
【0058】また、この発明によれば、車両に搭載され超電導コイルや内槽を収容する外槽と、この外槽を接続するために設けられた台車からなる磁気浮上式車両であって、外槽と台車枠との接続を、外槽に生じる外部振動荷重に対して、この外部振動荷重が生じる部位を避けて設置したので、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、以て、内槽等の振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量減少させてその消費量を低減できるという効果がある。
【0059】また、この発明によれば、台車枠は、側梁と横梁とを有し、横梁を外槽と台車枠との接続箇所近傍に設けたので、超電導磁石装置の振動や台車枠の振動を抑制させ、以て、内槽等の振動に伴う発熱を抑えて、冷媒の発熱量を低減できるという効果がある。
【0060】また、この発明によれば、台車枠は、外槽の一部を兼用したので、台車枠の軽量化が可能になるという効果がある。
【0061】また、この発明によれば、台車枠は、外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を一体物として構成するので、台車枠のより軽量化が可能になるという効果がある。
【0062】また、この発明によれば、台車枠は、外槽との接続部位の剛性をあげる補強構造としたので、外槽の振動を抑制し、また、台車枠の横梁に作用する荷重が、補強部材により分散化されるので、強度上有利となり、より信頼性の高い装置が得られるという効果がある。
【0063】また、この発明によれば、台車枠は、外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する梁を上下に2分割したので、台車枠の軽量化が図られるという効果がある。
【0064】また、この発明によれば、2分割された梁の上下間に補強部材を設けたので、台車枠の振動に対する変形が抑制され、超電導磁石装置の振動が抑制されるという効果がある。
【0065】また、この発明によれば、台車枠は、外槽に含まれる超電導磁石装置を連結する複数の梁に対して、進行方向にこれらの梁を互いに接続する補強部材を設けたので、台車枠の振動に対する変形が抑制され、超電導磁石装置の振動が抑制されるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開平11−234810
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−35125