| 【発明の名称】 |
車両用バッテリ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菊池 義晃
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| 【要約】 |
【課題】電池異常を監視する機能に障害が生じた場合には、電池異常によりバッテリセルに発生するガスを速やかに車外へ排出できない。
【解決手段】電池ECU6は、電圧データや温度データに基づいて電池異常状態を検出し換気ファン16および内外切換弁18を制御する。更に、電池ECU6は、電池異常を検出できない監視異常状態、例えば、センサのショート等が発生したことを検出し、換気ファン16を作動させ、内外切換弁18を外ポジションに切り換える。監視異常状態の発生した後に電池異常状態が重ねて発生したとしても、バッテリから発生するガスを速やかに車外に排出することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載されるバッテリと、前記バッテリが発生するガスを車外へ排出する排気装置と、前記バッテリの状態を監視して、ガスを発生する可能性のある電池異常状態を検出する電池異常監視手段と、前記電池異常監視手段が電池異常状態を検出できない監視異常状態にあることを検出する監視異常検出手段と、前記電池異常状態または前記監視異常状態のいずれかが検出されたときに前記排気装置を作動させる排気制御手段と、を含むことを特徴とする車両用バッテリ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車等に搭載される車両用バッテリ装置に関し、特に、バッテリが発生するガスを車外へ排出する排気装置を有するものに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、低公害の観点から電気自動車が注目されている。電気自動車の一種として、モータと内燃機関の両方を備えるハイブリッド自動車も周知である。電気自動車は、多数のバッテリを搭載することにより高電圧を得ており、この高電圧電力によりモータが回転し、車両が走行する。また、車両の減速時には、回生制動により発電された電力がバッテリに充電される。更に、ハイブリッド自動車では、内燃機関の出力を用いて発電された電力がバッテリに充電される。 【0003】電気自動車に搭載されるバッテリは、ニッケル水素電池(NiMH)、鉛バッテリ等である。このようなバッテリは、故障等の異常発生時に、化学反応により水素等のガスを発生することがある。バッテリから発生したガスは不要であり、速やかに車外に排出することが好ましい。例えば、特開平6−217412号公報に記載の車両用バッテリ装置は、バッテリの周囲空間の気体を車外に排出する送風機を備えている。鉛バッテリは、高電圧状態になるとガスを発生する可能性がある。そこで、電圧センサが設けられ、水素発生電圧以上の電圧値が検出されると送風機が作動する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来は、センサ等を用いてバッテリの状態が監視され、バッテリの異常が発生したときにバッテリ周囲の空間の気体が排出される。しかしながら、バッテリの異常を検出するセンサ自体に異常が発生することがあり得る。従来は、このような事態の発生が考慮されていなかった。そのため、センサ異常が発生している状況では、電池異常が発生したか否かがわからない。この状態で電池異常が発生しても、バッテリが発生したガスを速やかに車外へ排出することができないという問題がある。 【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池異常とセンサ異常とが重なって発生したときにも、バッテリが発生するガスを速やかに車外へ排出できるバッテリ装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の車両用バッテリ装置は、車両に搭載されるバッテリと、前記バッテリが発生するガスを車外へ排出する排気装置と、前記バッテリの状態を監視して、ガスを発生する可能性のある電池異常状態を検出する電池異常監視手段と、前記電池異常監視手段が電池異常状態を検出できない監視異常状態にあることを検出する監視異常検出手段と、前記電池異常状態または前記監視異常状態のいずれかが検出されたときに前記排気装置を作動させる排気制御手段と、を含む。 【0007】本発明によれば、監視異常検出手段が設けられ、この監視異常検出手段により、電池異常監視手段が電池異常状態を検出できない監視異常状態にあることが検出される。監視異常状態が検出された場合には、排気装置が作動して、バッテリ周囲の気体を車外へ排出する。したがって、監視異常状態がすでに発生している状況で、その後に電池異常が発生したとしても、バッテリに発生するガスは速やかに排気装置により車外へ排出される。このように、本発明によれば、電池異常状態と監視異常状態が二重に発生した場合でも、バッテリが発生するガスを確実に車外へ排出することが可能となる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面を参照し説明する。図1は、本実施形態の車両用バッテリ装置を示している。駆動モータ2は、その出力によって電気自動車を走行させるものであり、バッテリにとっては負荷である。図示のように、多数のバッテリセルが直列に接続されており、バッテリセル列の両端は駆動モータ2に接続されている。各バッテリセルは、例えばニッケル水素バッテリや鉛バッテリである。本実施形態では、240個のバッテリセルが直列に接続されており、これらのバッテリセルは、20のバッテリブロック4・1〜4・20に分けられており、各ブロックには12個のバッテリセルが含まれる。 【0009】駆動モータ2はバッテリの放電電力により回転し出力を発生する。また、回生制動時には、駆動モータ2が電力を発生し、この電力がバッテリに充電される。また図1のシステムがハイブリッド自動車に適用された場合には、図示しない発電機が内燃機関により駆動され、発電電力がバッテリに充電される。あるいは、駆動モータ2が発電機として機能し、内燃機関により駆動されて電力を発生し、この電力もバッテリに充電される。 【0010】電池ECU6は、バッテリの充電状態を監視して、充放電量を制御するコンピュータ装置である。電圧センサ8・1〜8・20は、それぞれ、バッテリブロック4・1〜4・20の両端の電圧を検出し、電池ECU6に出力している。また、各バッテリブロック4・1〜4・20には、それぞれ温度センサ10・1〜10・20が取り付けられており、これらの温度センサも電池ECU6に接続されている。更に、バッテリに流れる電流の電流値を検出する電流センサ(図示せず)が設けられ、電流センサの検出信号が電池ECU6に入力されている。電池ECU6は、これらの入力データに基づいて充放電制御を行う。 【0011】図2は、各バッテリブロックの詳細な構成を示している。バッテリブロック4・nは、直列に接続された12個のバッテリセル12・1〜12・12を有し、その両端は、それぞれ隣のバッテリブロックに続いている。電圧センサ8・nは、バッテリブロック4・nの両端の電圧を検出している。なお、きめ細かな制御のために、各バッテリセルの電圧を個別に検出することも好適である。また、各バッテリセル12・1〜12・12には、それぞれ、温度スイッチ14・1〜14・12が貼り付けられている。これらの12個の温度スイッチは直列に接続されており、これらの温度スイッチにより温度センサ10・nが構成されている。温度センサ10・nは、更に、両隣のブロックの温度センサ10・n−1,10・n+1と直列に接続されている。図1に示されるように、本実施形態では、第1ブロック〜第10ブロックまでの120個の温度スイッチが直列に接続され、スイッチ列の両端が電池ECU6に接続されている。同様に第11ブロック〜第20ブロックの120個の温度スイッチが直列に接続され、スイッチ列の両端が電池ECU6に接続されている。 【0012】ここで、温度スイッチは、温度センサの一種であり、センサ素子部に樹脂材料を有する。温度スイッチは、ある作動温度以下では一定の低い抵抗値を持ち、作動温度以上では抵抗値が著しく大きくなるという特性をもつ。前段の120のスイッチ列に関して(後段のスイッチ列も同様)、120のすべてのバッテリセルの温度が作動温度以下であれば、温度スイッチ列全体の抵抗は低い。しかしながら、いずれか1つのバッテリセルの温度が作動温度を越えれば、スイッチ列の抵抗が著しく大きくなる。そこで、電池ECU6は、スイッチ列の抵抗値を電圧値に変換し、この電圧値を監視する。電圧値が所定しきい電圧を越えれば(抵抗値が大きくなれば)、少なくとも一のバッテリセルが高温になったと判定される。このようにして、本実施形態では、2チャンネルの電圧検出回路という簡単な構成により、240個のすべてのバッテリセルの温度が監視されている。 【0013】図1に戻り、電池ECU6は、換気ファン16および内外切換弁18へ制御信号を出力し、これらの構成を制御している。図3を参照すると、本実施形態では、車室とトランクの間に電池ケース20が設置されており、電池ケース20の中にバッテリセルが収納されている。電池ケース20の前面には換気ファン16が取り付けられている。また、電池ケース20の背面には、排気チューブ22が取り付けられており、排気チューブ22の中の排気通路が車外へ通じている。排気チューブ22の途中には、電池ケース20から排出された空気を車内へ導くための循環口24が設けられている。この循環口24の近傍に内外切換弁18が設けられている。この内外切換弁18は、排気チューブ22内の空気をそのまま車外へ排出するか、車内へ戻すかの切換を行う。 【0014】通常は、電池ECU6は、循環モードと排気モードを適宜使い分けている。循環モードでは、内外切換弁18が、図3に示される内ポジションに切り換えられ、排気通路がふさがれる。この状態で換気ファン16が作動すると、電池ケース20内の空気が循環口24を通って車内へ導かれる。一方、排気モードでは、内外切換弁18が外ポジションに切り換えられ、循環口24がふさがれる。この状態で換気ファン16が作動すると、電池ケース20内の空気が車外へ排出される。電池ECU6は、換気および排気の必要がなければ、換気ファン16を停止させる。 【0015】故障等により電池異常状態が発生すると、バッテリセルから水素等のガスが発生する可能性がある。例えば、鉛バッテリの場合、バッテリ電圧が所定の水素発生電圧を越えると、バッテリセルから水素ガスが発生する可能性がある。また、ニッケル−水素バッテリの場合、バッテリ電圧が異常に低下すると水素ガスが発生する。また例えば、バッテリセルの温度が所定の水素発生温度を越えた場合にも、ガス発生の可能性がある。そこで、電池ECU6は、電圧センサ8・1〜8・20および温度センサ10・1〜10・20の検出信号をもとに、電池異常状態の発生を検出する。電池異常状態が検出された場合には、電池ECU6は、内外切換弁18に制御信号を出力する。この制御信号に応えて、内外切換弁18が切換動作を行い、排気チューブ22の循環口24(図3)をふさぐ(外ポジション)。また、電池ECU6は、換気ファン16に制御信号を出力し、この信号に応えて換気ファン16が作動する。その結果、バッテリセルから発生するガスは、電池ケース20内の空気とともに、排気通路を通って車外へ速やかに排出される。 【0016】しかしながら、電池異常の検出機能に障害が生じた場合には、バッテリに電池異常が発生したことが電池ECU6には分からない。したがってこのままでは、検出機能の障害と電池異常が二重に発生すると、バッテリの発生ガスを速やかに車外へ排出することができなくなってしまう可能性がある。 【0017】この問題を解決するために、本実施形態のシステムでは、電池ECU6により、監視異常状態、すなわち、電池異常を検出できない状態の発生が検出される。例えば、電圧センサ、温度センサまたはこれらの配線において断線またはショートが発生すると、電池異常を検出できない可能性がある。また、電圧または温度検出機能に関する電池ECU6内の構成に障害が生じた場合にも、電池異常を検出できない可能性がある。電池ECU6は、このような監視異常状態の発生を検出する。 【0018】なお、温度センサに断線が発生すると、センサの抵抗値が無限大になる。この点を考慮し、従来、温度センサの抵抗値が電圧値に変換され、電圧値が所定の断線しきい電圧を越えた場合に断線が発生したと判定されている。しかしながら、本実施形態では温度スイッチを採用している。温度スイッチの抵抗値は正常作動状態においても著しく大きくなる。したがって、抵抗値の大きさのみからは断線発生を検出することができない。しかしながら、断線発生時とスイッチ作動時では抵抗値の上昇の仕方が異なる。断線発生時には、抵抗値が一瞬にして著しく大きくなる。一方、スイッチ作動時には、ある程度の時間(例えば数秒)をかけて抵抗値が大きくなる。そこで、本実施形態では、温度スイッチの抵抗値が電圧値に変換され、この電圧値が一瞬にして著しく大きくなったか否かによって、断線発生が見極められる。これにより容易かつ確実に温度スイッチの断線を検出することができる。 【0019】電池ECU6は、監視異常状態を検出すると、換気ファン16を作動させる。また、電池ECU6は、内外切換弁18を制御して、外ポジションへ切り替え、排気チューブ22の循環口24を塞ぐ。これにより、電池ケース20内の空気は排気チューブ22を通って車外へ排出される。この状態は前述の排気モードと同等である。もしもこの後に、電池故障等により電池異常状態(高電圧状態や高温状態)が発生し、バッテリセルからガスが発生したとしても、発生ガスは電池ケース20内の空気とともに車外へ排出される。 【0020】図4は、本実施形態のフェールセーフ処理を示している。電池ECU6は、電圧センサの検出信号に基づく電圧データを取得する(S10)。また電池ECU6は、温度センサの検出信号に基づく温度データを取得する(S12)。そして、電池ECU6は、電圧データおよび温度データに基づいて電池異常が発生したか否かを判定する(S14)。電圧値が水素発生電圧を上回る場合には電池異常が発生したと判定される(鉛バッテリの場合)。また、電圧値が異常に低下した場合には、電池異常が発生したと判定される(ニッケル水素バッテリの場合)。また、温度スイッチが作動した場合には、バッテリ温度が水素発生温度を越えたと判断され、電池異常が発生したと判定される。電池異常が発生した場合には、電池ECU6は、換気ファン16を作動させ(S18)、内外切換弁18を外ポジションへ切り替える(S20)。S14にて電池異常が発生していない場合、センサ異常(監視異常)が発生したか否かが判定される(S16)。ここでは、前述のように、電圧センサもしくは温度センサの断線もしくはショート、またはその他の異常が検出される。センサ異常が発生した場合には、S18へ進み、換気ファン16が作動され、更に、内外切換弁18が外ポジションに切り換えられる(S20)。S16にてセンサ異常が発生していない場合には、リターンする。 【0021】図5は、本実施形態における換気ファン16および内外切換弁18の動作を示している。通常状態は、電池異常もセンサ異常も発生していない状態である。通常状態では、換気ファンが必要に応じONまたはOFFされ、切換弁も必要に応じて内ポジションまたは外ポジションに切り換えられる。電池異常が発生すると、換気ファンがONになり切換弁が外ポジションになる。これにより電池からガスが発生したとしても、このガスは速やかに車外へ排出される。センサ異常が発生した場合にも、換気ファンがONになり切換弁は外ポジションになる。この場合も、バッテリセルからガスが発生したとしても、このガスは車外へ速やかに排出される。 【0022】以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。本実施形態では、主として電池ECU、温度センサおよび電圧センサが、本発明の電池異常監視手段として機能し、主として電池ECUが、本発明の監視異常検出手段として機能する。そして、監視異常状態が発生した場合には、換気ファンが作動され、内外切換弁が外ポジションにセットされる。これにより、監視異常状態が既に発生した後で電池異常が発生したとしても、バッテリセルから発生するガスが速やかに車外へ排出される。したがって、電池異常と監視異常の二重異常の発生に対して的確に対処することが可能となる。 【0023】なお、本発明の排気手段は、上記の実施形態で示された換気ファンや内外切換弁には限定されない。排気手段はこれらの一方のみでもよく、また排気手段は、排気機能を有する他の任意の装置であってもよい。 【0024】また、本発明では、バッテリの電圧および温度に基づいて、電池異常状態が検出された。これに対し、バッテリの状態を示す他の種類のデータを基に電池異常状態が検出されてもよいことはもちろんである。更に、複数のデータを組み合わて利用する処理によりバッテリの状態が監視されてもよい。また、電池異常検出手段の構成に応じて適当な監視異常検出手段が設けられればよい。 【0025】また、本発明の車両用バッテリ装置は、通常の電気自動車にも、電気自動車の一種であるハイブリッド自動車にも、同様に好適に適用可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−234801 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−37101 |
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