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【発明の名称】 バッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置及び走行制御装置
【発明者】 【氏名】村田 洋

【要約】 【課題】直流モータをチョッパ制御するスイッチング素子のスナバ回路を構成するスナバ抵抗の断線をチョッパ制御中に検出する。

【解決手段】走行用モータ1は電機子1aと界磁巻線1bとを備え、界磁巻線1bには前進用コンタクタ3及び後進用コンタクタ4が接続されている。走行用モータ1に対して直列に接続されたスイッチング用のトランジスタ7のコレクタ端子とエミッタ端子との間に、スナバ回路を構成するダイオード8とコンデンサ9とが直列に接続され、コンデンサ9とバッテリ2のプラス端子との間にスナバ用抵抗10が接続されている。バッテリ2に接続されたコントローラ12は、マイコン13と駆動回路14とを備えている。マイコン13はコンデンサ9とスナバ用抵抗10との中間点PにAD変換器15を介して接続されている。マイコン13はチョッパ制御時にAD変換器15の出力が駆動時基準電圧以上であれば、スナバ用抵抗10が断線と判断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直流モータをチョッパ制御するスイッチング素子と並列に接続されたダイオード及びコンデンサと、該コンデンサとバッテリのプラス端子との間に接続されたスナバ用抵抗とを含むスナバ回路の断線検出装置であって、前記スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間点の電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子のチョッパ制御中に前記電圧検出手段の検出電圧と予め設定された駆動時基準電圧とを比較して、検出電圧が駆動時基準電圧以上のときに断線と判断する判断手段とを備えたバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置。
【請求項2】 前記判断手段はマイクロコンピュータで構成され、前記電圧検出手段は入力側が前記スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間位置に接続され、出力側が前記マイクロコンピュータに接続されたアナログディジタル変換器である請求項1に記載のバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置。
【請求項3】 前記判断手段は前記直流モータの駆動停止中に前記電圧検出手段の出力と、前記バッテリの出力電圧より低い停止時基準電圧とを比較して、検出電圧が停止時基準電圧未満のときにも断線と判断する請求項2に記載のバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置。
【請求項4】 前記直流モータは走行用モータである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置。
【請求項5】 請求項4に記載のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置を備え、走行中に前記判断手段が断線と判断したとき、走行停止制御を開始するバッテリ車の走行制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置及び走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バッテリーフォークリフトの走行用モータの駆動制御には通常チョッパ制御が採用され、例えば、図3に示すような制御回路が使用されている。走行モータ51は直巻の直流モータであって、電機子51a及び界磁巻線51bを備えている。界磁巻線51bには前進用コンタクタ52と後進用コンタクタ53とが接続され、両コンタクタ52,53の切り換え動作に基づいて界磁巻線51bに流れる界磁電流の方向を変えて走行モータ51を正逆回転させることにより、フォークリフトが前後進するようになっている。トランジスタ54は走行モータ51に対して直列に接続され、そのベース端子に入力されるチョッパ信号に基づいて駆動制御される。
【0003】チョッパ制御時におけるトランジスタ54のチョッパサージ電圧を吸収するためのスナバコンデンサ55がダイオード56を介してトランジスタ54のコレクタ端子に接続されている。また、スナバコンデンサ55とバッテリ57のプラス端子との間にスナバ抵抗58が接続されている。
【0004】従来、スナバ抵抗58の断線の検出は、走行停止時にスナバコンデンサ55とダイオード56との間の点Pの電圧を検出し、その値と所定のしきい値とを比較することにより行われていた。スナバ抵抗58の正常時の走行停止時における点Pの電圧は、図4に実線で示すように、所定電圧V0 で一定となり、スナバ抵抗58の断線時には、破線で示すように、電圧V0 より低い所定電圧Vdとなる。そこで、正常時の所定電圧V0 と断線時の所定電圧Vdの中間の値をしきい値電圧(停止時基準電圧)V1 とし、走行停止時に点Pの電圧を制御装置59に入力して、スナバ抵抗58の断線の有無を判断していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スナバ抵抗58が断線した場合、スナバコンデンサ55に吸収されたサージ電圧の放電はスナバ抵抗58以外の経路、例えば制御装置59を介して行われるため時間がかかる。従って、前記の検出方法では走行中にスナバ抵抗58が断線した場合、走行中にダイオード56を介してスナバコンデンサ55に吸収されたサージ電圧がスナバコンデンサ55から放電されるのに時間がかかる。そのため、走行停止状態となって点Pの電圧を検出しても、その電圧がしきい値電圧V1 より下がるまでに時間がかかり、断線しているにも拘わらず断線を検出できないまま、走行が再開される場合がある。その結果、スナバコンデンサ55はサージ電圧を吸収するだけで放電が殆ど行われず、破損する場合がある。
【0006】また、バッテリーフォークリフトでは走行用モータの他に、荷役用の油圧ポンプを駆動する直流モータが別に設けられ、そのチョッパ制御回路にもスイッチング素子を保護するために同様なスナバ回路が設けられており、同様な問題がある。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、第1の目的は直流モータをチョッパ制御するスイッチング素子のスナバ回路を構成するスナバ抵抗の断線をチョッパ制御中に検出可能なバッテリ車のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置を提供することにあり、第2の目的はその断線検出装置を備えた走行制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、直流モータをチョッパ制御するスイッチング素子と並列に接続されたダイオード及びコンデンサと、該コンデンサとバッテリのプラス端子との間に接続されたスナバ用抵抗とを含むスナバ回路の断線検出装置であって、前記スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間点の電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子のチョッパ制御中に前記電圧検出手段の検出電圧と予め設定された駆動時基準電圧とを比較して、検出電圧が駆動時基準電圧以上のときに断線と判断する判断手段とを備えた。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記判断手段はマイクロコンピュータで構成され、前記電圧検出手段は入力側が前記スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間位置に接続され、出力側が前記マイクロコンピュータに接続されたアナログディジタル変換器である。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記判断手段は前記直流モータの駆動停止中に前記電圧検出手段の出力と、前記バッテリの出力電圧より低い停止時基準電圧とを比較して、検出電圧が停止時基準電圧未満のときにも断線と判断する。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記直流モータは走行用モータである。第2の目的を達成するため、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置を備え、走行中に前記判断手段が断線と判断したとき、走行停止制御を開始する。
【0012】従って、請求項1に記載の発明によれば、直流モータはチョッパ制御により駆動される。チョッパ制御を行うスイッチング素子のターンオフ時のサージ電圧がダイオードを介してコンデンサに吸収される。そして、コンデンサに蓄えられたエネルギー(電圧)はスナバ用抵抗を介してバッテリに放電される。スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間点の電圧が電圧検出手段によりを検出される。スイッチング素子のチョッパ制御中に電圧検出手段に検出された検出電圧と、予め設定された駆動時基準電圧とが判断手段によって比較され、検出電圧が駆動時基準電圧以上のときに断線と判断される。
【0013】また、請求項2に記載の発明では、スナバ用抵抗と前記コンデンサとの中間位置の電圧がアナログディジタル変換器を介してマイクロコンピュータに入力され、マイクロコンピュータにおいて前記駆動時基準電圧に相当するデータと比較されて、断線の有無が判断される。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記マイクロコンピュータは直流モータの駆動停止中にも断線の有無の判断を行う。このとき、マイクロコンピュータはアナログディジタル変換器の出力値と、前記バッテリの出力電圧より低い停止時基準電圧に相当するデータとの比較により、検出電圧が停止時基準電圧未満のときに断線と判断する。
【0015】請求項4に記載の発明では、バッテリ車の走行用モータの制御に際して前記判断がなされる。請求項5に記載の発明では、前記断線検出装置により走行中に断線と判断されると、走行停止制御が開始される。従って、スナバ用のコンデンサの放電が阻止された状態でバッテリ車が走行を継続することによる不具合の発生が防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をバッテリ式フォークリフトの走行回路に具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0017】走行用モータ1はバッテリ2に接続されている。走行用モータ1には直巻の直流モータが使用され、図示しない駆動輪を駆動させるようになっている。走行用モータ1は電機子1aと界磁巻線1bとを備えている。界磁巻線1bには前進用コンタクタ3及び後進用コンタクタ4が接続されている。そして、両コンタクタ3,4の相補的な切り換え動作により、界磁巻線1bに流れる磁界電流の方向が変化し、走行用モータ1が正逆転されてフォークリフトを前後進させるようになっている。
【0018】フライホイールダイオード5はそのアノードが界磁巻線1bと前進用コンタクタ3との間の接続点に接続され、カソードがバッテリ2のプラス側端子に接続されている。フライホイールダイオード6はそのアノードが界磁巻線1bと後進用コンタクタ4との間に接続され、カソードがバッテリ2のプラス側端子に接続されている。
【0019】スイッチング素子としてのトランジスタ7は、そのコレクタ端子が前進用コンタクタ3及び後進用コンタクタ4に接続され、エミッタ端子がバッテリ2のマイナス側端子に接続されている。従って、トランジスタ7は走行用モータ1に対して直列に接続されている。そして、トランジスタ7のベース端子に入力されるチョッパ信号に基づいてトランジスタ7がオン・オフ制御され、走行用モータ1に流れる電流が制御されてフォークリフトの速度が制御されるようになっている。
【0020】トランジスタ7のコレクタ端子とエミッタ端子との間にはスナバ回路を構成するダイオード8とコンデンサ9とが直列に接続されている。ダイオード8はアノードがトランジスタ7のコレクタ端子に接続され、カソードがコンデンサ9に接続されている。コンデンサ9とバッテリのプラス端子との間にはスナバ用抵抗10が接続されている。
【0021】また、バッテリ2にはキースイッチ11を介してコントローラ12が接続されている。コントローラ12は判断手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)13と、トランジスタ7の駆動回路14とを備えている。駆動回路14はトランジスタ7のベース端子に接続されている。マイクロコンピュータ13はコンデンサ9とスナバ用抵抗10との中間位置に電圧検出手段としてのAD変換器(アナログディジタル変換器)15を介して接続されている。
【0022】マイクロコンピュータ13はスナバ用抵抗10の断線か否かの判断に使用する基準値を図示しない記憶部に記憶している。基準値は、走行停止状態(走行モータの停止状態)においての判断に使用する第1の基準値と、チョッパ制御時においての判断に使用する第2の基準値とが記憶されている。第1の基準値は従来の走行停止状態におけるスナバ用抵抗10の断線判断時に使用していた停止時基準電圧に対応する値に設定されている。第2の基準値は、コンデンサ9に吸収されたサージ電圧がスナバ用抵抗10を介して放電されない状態となったときに到達する所定の駆動時基準電圧V2 に対応する値に設定されている。
【0023】マイクロコンピュータ13は走行用モータの停止中(走行停止時)と、走行用モータ1のチョッパ制御中に、前記各基準値とAD変換器15の出力信号とを比較して、スナバ用抵抗10が断線か否かの判断を行う。マイクロコンピュータ13は断線と判断すると、図示しない断線報知手段の作動指令信号を出力する。断線報知手段としては報知ランプやブザーが使用され、運転席に設けられる。マイクロコンピュータ13は走行停止時に断線と判断すると、走行操作が行われても走行制御プログラムを実行しないようになっている。また、マイクロコンピュータ13は走行用モータ1のチョッパ制御中に断線と判断すると、走行停止制御を開始するようになっている。なお、スナバ用抵抗10が断線状態であっても、図示しないスイッチを操作することにより、マイクロコンピュータ13が走行制御プログラムを実行可能となる。
【0024】また、マイクロコンピュータ13はアクセルペダルの踏込量に基づいて所定のデューティ比でトランジスタ7をチョッパ制御するようになっている。コントローラ12は図示しない前進スイッチ及び後進スイッチの操作に基づいてリレーを動作させ、前進用コンタクタ3及び後進用コンタクタ4を切り換え作動させるようになっている。前進用コンタクタ3が図1に鎖線で示す位置に配置され、後進用コンタクタ4が図1に実線で示す位置に配置された状態で走行用モータ1が正転されて、フォークリフトは前進走行する。前進用コンタクタ3が図1に実線で示す位置に配置され、後進用コンタクタ4が図1に鎖線で示す位置に配置された状態で走行用モータ1が逆転されて、フォークリフトは後進走行する。
【0025】次に前記のように構成された装置の作用を説明する。キースイッチ11がオン操作されると、コントローラ12が動作可能な状態となる。この状態でマイクロコンピュータ13は中間点Pの電圧に対応するディジタルデータをAD変換器15から入力し、その値と停止時基準電圧V1 に対応する第1の基準値とを比較する。そして、AD変換器15からの入力データが基準値以上であれば正常と判断し、基準値未満であればスナバ用抵抗10が断線していると判断する。スナバ用抵抗10が断線していると判断されると、断線報知手段が作動されて作業者にスナバ用抵抗10の断線が報知される。また、走行操作が行われても走行制御プログラムが実行されず、走行用モータ1は駆動されない。
【0026】そして、スナバ用抵抗10の正常状態において、コントローラ12は前進スイッチ及び後進スイッチの操作状態に対応して、前進用コンタクタ3及び後進用コンタクタ4の切り換え制御を行う。例えば、前進スイッチがオンされたときは、前進用コンタクタ3が図1に鎖線で示す位置に配置される。そして、その状態でアクセルペダルが踏み込まれると、アクセルペダルの踏み込み量に対応したデューティ比でトランジスタ7がチョッパ制御されてフォークリフトが前進走行される。
【0027】トランジスタ7がオンの状態では電流は、バッテリ2のプラス端子→電機子1a→後進用コンタクタ4→界磁巻線1b→前進用コンタクタ3→トランジスタ7→バッテリ2のマイナス端子の回路で流れる。このとき走行用モータ1にはバッテリ2のほぼ全電圧が印加されている。
【0028】トランジスタ7へのベース電流供給を停止すると、トランジスタ7のコレクタ、エミッタ間の電圧は徐々に上昇しトランジスタ7はオフ状態に向かう。トランジスタ7がオフ状態になる時(ターンオフ時)のサージ電圧はダイオード8を通ってコンデンサ9に吸収される。トランジスタ7が完全にオフになると、コンデンサ9に蓄えられたエネルギー(電圧)はコンデンサ9→スナバ用抵抗10→バッテリ2→コンデンサ9の回路を通って放電される。その際、サージエネルギーは一部がスナバ用抵抗10で熱として放出され、一部はバッテリ2に戻る。
【0029】トランジスタ7がオフし、コンデンサ9の放電も終了した状態では、モータ電流は電機子1a→後進用コンタクタ4→界磁巻線1b→フライホイールダイオード5→電機子1aの回路で流れ続ける。
【0030】コンデンサ9とスナバ用抵抗10との中間点Pの電圧は、スナバ用抵抗10が正常であれば図2に実線で示すように、トランジスタ7が完全にオフし、コンデンサ9の放電が開始される時が最高となり、放電終了時に最低となる三角波状に変化する。また、スナバ用抵抗10が断線すると、トランジスタ7のターンオフ時にコンデンサ9に吸収されたサージ電圧が、トランジスタ7が完全にオフになってもスナバ用抵抗10を介して放電されない。その結果、中間点Pの電圧は、図2に破線で示すように上昇を続けてしきい値(駆動時基準電圧V2 )を超える状態となる。
【0031】マイクロコンピュータ13は中間点Pの電圧に対応するディジタルデータをAD変換器15から入力し、その値と駆動時基準電圧V2 に対応する第2の基準値とを比較する。そして、AD変換器15からの入力データが第2の基準値以上になると、スナバ用抵抗10が断線していると判断する。マイクロコンピュータ13は断線と判断すると、走行停止制御を開始するとともに断線報知手段に作動指令を出力する。そして、フォークリフトの走行が停止される。また、断線報知手段が作動される。
【0032】この実施の形態では以下の効果を有する。
(イ) トランジスタ7(スイッチング素子)のチョッパ制御中に、スナバ用抵抗10とサージ電圧吸収用のコンデンサ9との中間点Pの電圧を予め設定された駆動時基準電圧V2 との比較によって、スナバ用抵抗10の断線を検出できる。従って、従来に比較してスナバ用抵抗10の断線を早期に検出できる。
【0033】(ロ) スナバ用抵抗10とコンデンサ9との中間点Pの電圧が電圧検出手段としてAD変換器15を介してマイクロコンピュータ13に入力され、マイクロコンピュータ13において駆動時基準電圧V2 に相当するデータと比較されて、断線の有無が判断される。従って、駆動時基準電圧V2 の設定変更が容易となり、機種の異なる車両で共通の装置を使用できる。
【0034】(ハ) 走行停止中にスナバ用抵抗10の断線の有無判断をマイクロコンピュータで行う従来装置に、トランジスタ7のチョッパ制御中にスナバ用抵抗10の断線の有無判断を行う制御プログラムを記憶させることにより、簡単に実施できる。
【0035】(ニ) 走行停止中にもスナバ用抵抗10の断線の有無を判断できる。従って、メンテナンス作業時の結線忘れ等を走行前にチェックできる。
(ホ) マイクロコンピュータ13は走行中にスナバ用抵抗10の断線と判断したとき、走行停止制御を開始する。従って、コンデンサ9からの放電がなされずにサージ電圧の吸収が長時間繰り返されることが回避され、コンデンサ9の破損等の不具合が発生するのを防止できる。
【0036】(ヘ) スナバ用抵抗10が断線と判断されたとき、断線報知手段が作動されるため、作業者はスナバ用抵抗10の断線を直ちに確認でき、必要な処置をとることができる。
【0037】(ト) スナバ用抵抗10の断線を走行中に直ちに検出できるため、断線に対応した適切な処置を直ちに取ることができる。なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
【0038】○ フォークリフトの走行用モータ1に限らず、荷役作業用の油圧ポンプを駆動する荷役用モータのチョッパ制御を行うスイッチング素子用スナバ回路に適用してもよい。この場合、荷役用モータのチョッパ制御中にスナバ用抵抗の断線が検出されたときには、荷役用モータの駆動を停止させる構成とすれば、スナバ回路のコンデンサの過充電を回避でき、該コンデンサの破損等の不具合を防止できる。
【0039】○ フォークリフトに限らず他のバッテリ式の産業車両車あるいは産業車両に限らずバッテリ式の乗用車等に実施してもよい。
○ スナバ用抵抗10の断線の有無判断をスイッチング素子のチョッパ制御中のみ行い、モータの停止中は断線の有無判断を行わない構成としてもよい。この場合、モータの停止中にはスナバ用抵抗10の断線を検出できないが、モータのチョッパ制御が開始されるとすぐにスナバ用抵抗10の断線を検出できるため、さほど支障はない。
【0040】○ スナバ用抵抗10の断線の有無判断をマイクロコンピュータ13で、ソフト的に行う代わりに、中間点Pの電圧と駆動時基準電圧V2 とを判断手段としての比較回路(コンパレータ回路)で比較する構成とする。比較回路からは、中間点Pの電圧が駆動時基準電圧V2 より大きいときに所定の電圧が出力される。その出力の有無により断線か否かの判断がなされる。比較回路の出力により報知手段を作動させる構成とすれば、作業者あるいは搭乗者が断線状態にあることを直ちに認識できる。この場合、比較回路が電圧検出手段を兼ねている。
【0041】○ AD変換器15をマイクロコンピュータ13に内蔵した構成としてもよい。この場合も前記実施の形態(イ)〜(ト)の効果を有する。
○ スイッチング素子としてのトランジスタ7はスイッチング機能を有していればよく、バイポーラトランジスタに限らず、例えばMOSトランジスタ、SIT(静電誘導トランジスタ)等のトランジスタを使用してもよい。また、トランジスタに代えてサイリスタ等のスイッチング素子を使用してもよい。
【0042】前記各実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術思想(発明)について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置を、走行用モータ及び荷役用モータのスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置として備えたバッテリ式フォークリフト。この場合、走行用モータ及び荷役用モータのスイッチング素子用スナバ回路のコンデンサからの放電がなされずにサージ電圧の吸収が長時間繰り返されることが回避され、コンデンサの破損等の不具合が発生するのを防止できる。
【0043】(2) 請求項4に記載のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置を備えたバッテリ車。この場合、走行用モータのスナバ回路用のコンデンサからの放電がなされずにサージ電圧の吸収が長時間繰り返されることが回避され、コンデンサの破損等の不具合が発生するのを防止できる。
【0044】(3) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のスイッチング素子用スナバ回路の断線検出装置は、前記判断手段が断線と判断したとき、その出力信号により報知手段を作動させる。この場合、作業者は断線を直ちに認識できる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、直流モータをチョッパ制御するスイッチング素子のスナバ回路を構成するスナバ抵抗の断線をチョッパ制御中に検出できる。
【0046】請求項2に記載の発明によれば、駆動時基準電圧の設定変更が容易となり、機種の異なる車両で共通の装置を使用できる。請求項3に記載の発明によれば、走行停止中にもスナバ用抵抗の断線の有無を判断できるため、メンテナンス作業時の結線忘れ等を走行前にチェックできる。
【0047】請求項4に記載の発明によれば、走行用モータのスイッチング素子のスナバ回路のスナバ用抵抗の断線を走行中に直ちに検出できるため、断線に対応した適切な処置を直ちに取ることができる。
【0048】請求項5に記載の発明によれば、スイッチング素子用スナバ回路のコンデンサからの放電がなされずにサージ電圧の吸収が長時間繰り返されることが回避され、コンデンサの破損等の不具合が発生するのを防止できる。
【出願人】 【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開平11−205901
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−3269