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【発明の名称】 電動車両の走行制御装置
【発明者】 【氏名】塩澤 総一

【氏名】斉藤 幹夫

【要約】 【課題】ユーザの判断で省電力走行を行うことができ、かつ必要に応じて省電力時より大きな出力での走行を行なうことができる電動車両の走行制御装置を提供する。

【解決手段】希望の走行距離を入力する希望走行距離入力手段50と、バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて走行可能距離を求める走行可能距離演算手段51と、上記希望走行距離と走行可能距離とに基づいて希望走行距離の走行が可能か否かを表示する走行可否表示手段52と、上記バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて上記希望走行距離を走行するための走行条件を表示する走行条件表示手段53とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 希望の走行距離を入力する希望走行距離入力手段と、バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて走行可能距離を求める走行可能距離演算手段と、上記希望走行距離と走行可能距離とに基づいて希望走行距離の走行が可能か否かを表示する走行可否表示手段と、上記バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて上記希望走行距離の走行を可能とするための走行条件を表示する走行条件表示手段とを備えたことを特徴とする電動車両の走行制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動スクータのような電動車両において走行条件を表示するようにした走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動車両の出力制御では、バッテリの限られた電力を有効に利用する観点から駆動モータの出力を制御する場合があり、その方法として、ユーザがスイッチ操作で省電力走行を行なう「エコノミーモード」を選択して、パワーを抑えて長距離を走ることができるようにするものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の駆動モータの出力制御では、上記ユーザが選択できるエコノミー走行モードは1種類だけであり、しかもこの省電力走行では通常の走行と比べると明らかに出力が制限されるため、追い越し等の加速が必要となる場合に十分な出力を得ることができないという問題がある。
【0004】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ユーザの判断で省電力走行を行うことができ、かつ必要に応じて省電力時より大きな出力での走行を行なうことができる電動車両の走行制御装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】図4に示すように、本発明は、希望の走行距離を入力する希望走行距離入力手段50と、バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて走行可能距離を求める走行可能距離演算手段51と、上記希望走行距離と走行可能距離とに基づいて希望走行距離の走行が可能か否かを表示する走行可否表示手段52と、上記バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて上記希望走行距離の走行を可能とするための走行条件を表示する走行条件表示手段53とを備えたことを特徴としている。
【0006】
【作用効果】本発明に係る電動車両の走行制御装置15によれば、バッテリの残存量及び外部から入力された、あるいは固有情報として保有している燃費情報に基づいて走行可能距離が求められ、該走行可能距離とユーザが入力した希望走行距離とに基づいて希望走行距離の走行が可能か否かが外部表示器に表示され、上記バッテリ残存容量及び燃費情報に基づいて上記希望走行距離を走行することのできる走行条件が求められ、外部表示器に表示される。
【0007】このように、希望の距離が走行可能が否かが表示されるとともに、該希望走行距離を走行するために必要な走行条件、例えば発進加速度,最高速度等の制限情報が表示されるので、該表示された走行条件に従って走行することにより希望走行距離を走行でき、かつ、追い越し等の加速が必要な時にはユーザの判断により一時的に大出力での走行を行なうことができ、省電力走行と出力走行との両方を容易確実に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明の一実施形態による電動車両の走行制御装置を説明するための図であり、図1は上記走行制御装置を備えた電動スクータの側面図、図2はブロック構成図、図3はフローチャートである。
【0009】図1において、1は本実施形態出力制御装置を備えた電動スクータ(電動車両)であり、該スクータ1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ2aに接続された1本のメインパイプ2bの下端に左,右一対のサイドパイプ2c,2cを接続し、該左,右一対のサイドパイプ2c,2cを左右に拡開させるとともにその下端部を後方に屈曲させ低床の足載部2dを形成するように後方に延長し、さらに後方斜め上方に延長した構造となっている。
【0010】また上記車体フレーム2のヘッドパイプ2aにより左右に操向自在に支持されたフロントフォーク3の下端には前輪4が軸支され、上端には操向ハンドル5が固定されている。また上記車体フレーム2の後方延長部2eには懸架ブラケット2gを介してパワーユニット6が上下揺動可能に支持されている。このパワーユニット6は、車幅方向に延びるように配置された駆動モータ7と、該駆動モータ7の左端部から後方に延び、モータ回転を後輪8に伝達する伝動機構を内蔵する伝動ケース9とを一体的に結合してなるユニットスイング式のものである。
【0011】そして上記車体フレーム2の足載部2dには支持ブラケット2fが吊設されており、該支持ブラケット2fの横辺部上にバッテリ(蓄電池)10が搭載されている。このバッテリ10は多数の単電池11を直列接続するとともにバッテリケース12内に収容配置してなる組電池である。
【0012】また上記バッテリケース12の後端部には冷却用ファン13が配設され、該冷却用ファン13の上側に充電器14が配設されている。さらに、該充電器14の上側にはECU15が配設されており、このECU15が、上記駆動モータ7の出力を制御するとともに、走行条件を表示する走行制御装置として機能する。
【0013】上記走行制御装置15は、図2に示すように、ユーザが所望の航続距離(希望走行距離)を入力する希望走行距離入力手段として機能する情報入力部20と、所定の情報(推奨走行方法,走行可能距離,出力制限情報等)が表示される情報表示部21と、スロットル22とを含む外部表示装置23を備えている。
【0014】また、上記走行制御装置15は、バッテリの残存容量及び内蔵する燃費情報とに基づいて走行可能距離を求める走行可能距離演算手段としての機能と、上記希望走行距離と走行可能距離とに基づいて希望走行距離の走行が可能か否かを上記情報表示部21に表示させる走行可否表示手段としての機能と、上記バッテリ残存容量で上記希望走行距離を走行することのできる推奨走行方法を上記情報表示部21に表示させる走行条件表示手段としての機能とを有する演算部28を備えている。
【0015】上記走行可能距離演算手段,走行可否表示手段としての機能は主として走行可能距離演算部35により実行され、また上記走行条件表示手段としての機能は主として走行方法判断部29により実行される。
【0016】上記走行可能距離演算部35は、電流検出部26により検出されたバッテリ10からモータ7に流れる電流値に基づいて電池容量計算部33で演算された電池残容量と、該電池残容量と記憶部34に記憶されている当該電動スクータ固有の燃費情報と、モータ7の回転数に基づいて走行距離演算部32により演算された走行距離とに基づいて走行可能距離を演算する。ここで、上記電池残容量,走行可能距離は上記情報表示部21に表示され、ユーザはこれを視認することにより、希望走行距離の走行が可能か否かを知ることができる。従って、本実施形態では、走行可能距離を表示することをもって希望走行距離の走行が可能か否かの表示としている。
【0017】上記走行方法判断部29は、上記燃費情報と、ユーザが上記情報入力部20に入力した希望走行距離と、上記走行可能距離演算部35により演算された走行可能距離と、上記走行距離演算部32により演算された走行距離とが入力され、上記希望走行距離を走行可能とするために推奨される発進時加速度,最高速度等の走行条件を演算し、該走行条件を示す推奨走行方法を上記情報表示部21に表示させる。
【0018】そして開度検出部24により検出された上記スロットル22の開度がモータ出力演算部30に入力され、該演算部30は上記スロットル開度に応じた指令電流値を演算し、モータ駆動部31に出力する。
【0019】次に、図3のフローチャートに基づいて本実施形態装置の動作を説明する。まず、上記開度検出部24で検出されたスロットル22の開度に基づいて、上記モータ出力演算部30により指令電流値が演算され、この指令電流値に応じて上記モータ7が駆動される(ステップS1〜S3)。
【0020】次に、上記モータ7の回転数に基づいて上記走行距離演算部32により走行距離が演算され、また、上記電流検出部26で検出された電流値に基づいて上記電池容量計算部33によりバッテリ残存容量が計算され、このバッテリ残存容量と燃費情報等とに基づいて上記走行可能距離演算部35により走行可能距離が演算され(ステップS4〜S7)、該走行可能距離が情報表示部21に表示される。
【0021】そして、上記情報入力部20にユーザの希望走行距離が入力されていれば(ステップS8)、上記走行方法判断部29により上記希望距離を走行するために推奨される発進加速度,最高速度等の走行条件からなる推奨走行方法が演算され、この走行条件情報が上記情報表示部21に表示され(ステップS9,S10)、運転終了まで以上の処理が繰り返される(ステップS11)。
【0022】このように、バッテリ残存容量や燃費情報に基づいて求めた走行可能距離を表示するようにしたので、ユーザは希望する距離を走行可能か否かを判断できるので、実際の走行距離を延ばすためのスロットル操作を行うことが可能であり、また走行可能距離を認識しているので、不意のバッテリ切れの発生といった問題を回避できる。
【0023】またユーザの希望する距離の走行を可能とするための推奨走行方法を表示するようにしたので、ユーザはスロットル開度を調整することによりこの推奨走行方法を実施することができ、該推奨走行方法を遵守することによりユーザの希望距離を走行することができる。また追い越し等の加速が必要な時にはユーザの判断により一時的にスロットルを大きく開けることにより任意に出力を増加することができ、必要な走行性能を確保できる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
【公開番号】 特開平11−187505
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−351303