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【発明の名称】 ハイブリッド駆動装置
【発明者】 【氏名】長島 伸幸

【氏名】多賀 豊

【氏名】森沢 邦夫

【氏名】梅山 光広

【氏名】伊藤 寛

【要約】 【課題】充電量が少ない場合であっても充分なトルクで後進走行の可能なハイブリッド駆動装置を提供する。

【解決手段】内燃機関1の出力部材2と電力によって動作してトルクを出力する電動機6の出力部材9とに連結されかつ電動機6によるトルクを制御することにより内燃機関1が出力するトルクを増幅して出力するトルク増幅機構12と、そのトルク増幅機構12と出力軸34との間に配置され、トルク増幅機構12側から入力されるトルクを増減速して出力する無段変速機21とを備えたハイブリッド駆動装置であって、前記トルク増幅機構12と出力軸34との間に設けられ、入力されたトルクを反転せずに出力する前進状態と入力されたトルクを反転して出力する後進状態とに設定可能な前後進切換機構29を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関の出力部材と電力によって動作してトルクを出力する電動機の出力部材とに連結されかつ電動機によるトルクを制御することにより内燃機関が出力するトルクを増幅して出力するトルク増幅機構と、そのトルク増幅機構と出力軸との間に配置され、トルク増幅機構側から入力されるトルクを増減速して出力する無段変速機とを備えたハイブリッド駆動装置において、前記トルク増幅機構と出力軸との間に設けられ、入力されたトルクを反転せずに出力する前進状態と入力されたトルクを反転して出力する後進状態とに設定可能な前後進切換機構を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項2】 前記無段変速機が、回転中心軸線が相互に平行になるように配置された駆動側部材と従動側部材とを備え、前記電動機と内燃機関とトルク増幅機構とが前記駆動側部材と同一軸線上に配置され、かつ前記前後進切換機構が前記従動側部材と同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項3】 前記前後進切換機構が、入力トルクと出力トルクとの方向が同一の前進状態と入力トルクと出力トルクとの方向が反対の後進状態とを設定可能な歯車機構と、その歯車機構を前進状態に設定する第1の係合装置と、前記歯車機構を後進状態に設定する第2の係合装置とを備え、これらの係合装置が前記従動側部材と同一軸線上でかつ従動側部材を挟んだ両側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関とモータやモータ・ジェネレータなどの電力によって動作してトルクを出力する電動機とを動力源として備えたハイブリッド駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように内燃機関は、不可避的に排ガスを生じる。その排ガスの成分や量は、内燃機関の運転状態に依存し、一般的な傾向としてスロットル開度を増大した高負荷運転時には排ガスの清浄度が低下しやすく、また燃費も低下しやすい。これに対して最近では、内燃機関を搭載した車両の排ガスに対する清浄度の要求が高くなってきており、このような要望に応えるべくハイブリッド駆動装置が開発されている。
【0003】ハイブリッド駆動装置は、内燃機関と電動機とを動力源として備えた駆動装置であって、基本的には、内燃機関は最も効率の良い状態で運転し、それ以外の走行状態では、電動機を使用するように構成されている。したがってハイブリッド駆動装置は、電流によってトルクを制御できる電動機を備えているので、内燃機関のみを動力源とした従来の車両におけるような変速装置は用いられていなかったが、いわゆるパラレルハイブリッド形式のように、内燃機関を発電用の動力源のみとしてではなく走行用の動力源としても使用するハイブリッド駆動装置では、変速装置を搭載するようになってきている。またさらに、内燃機関のトルクと電動機のトルクとを遊星歯車機構などの単一の変速機構に入力し、内燃機関の出力トルクを増幅して出力するように構成した装置も開発されている。
【0004】その一例が、特開平9−37411号公報に記載されている。この公報に記載された装置は、遊星歯車機構のリングギヤにクラッチを介して内燃機関を連結するとともに、サンギヤにモータ・ジェネレータを連結し、またキャリヤに出力部材を連結し、さらにリングギヤを選択的に固定するブレーキと、サンギヤとリングギヤとを選択的に連結するクラッチとを備えている。またこの公報に記載されたハイブリッド駆動装置は、遊星歯車機構の出力側に配置した無段変速機を備えている。
【0005】したがって上記の公報に記載されたハイブリッド駆動装置においては、遊星歯車機構のリングギヤに内燃機関の動力を入力する一方、サンギヤにモータ・ジェネレータのトルクを入力し、かつキャリヤから出力するから、サンギヤのトルクを増減することにより、出力トルクが変化する。また駆動力は、無段変速機での変速比を連続的に変化させることにより、無段階に変化させることができる。このような遊星歯車機構におけるトルク増幅機能と無段変速機の連続的な変速比の変更機能とを利用して、燃費が最も良好になるように内燃機関を運転することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように電動機を駆動力源として備えていれば、電流によって電動機の出力トルクを制御できるので、基本的には変速装置が不要であり、上述した従来のハイブリッド駆動装置においても、前記遊星歯車機構や無段変速機は内燃機関を燃費が最良になるように運転するための制御手段として使用している。そのために、上記の遊星歯車機構の構成では、内燃機関の出力で走行している場合、出力要素であるキャリヤを入力要素であるリングギヤに対して反対方向に回転させることができない。そのため、後進走行する場合には、内燃機関をアイドリング状態とするとともに、リングギヤをブレーキ手段で固定し、その状態でモータ・ジェネレータをモータとして機能させることにより、出力要素であるキャリヤを内燃機関とは反対方向に回転させている。
【0007】すなわち上記従来のハイブリッド駆動装置では、後進走行を電動機によっておこなうように構成されている。そのために、蓄電器(バッテリ)の充電量(SOC)が少ない場合には、後進走行に要求される充分なトルクを出力できない可能性があった。このような不都合を解消するためには、内燃機関を起動して充電をおこない、バッテリの充電量を増大させればよいが、そのためには、充電が完了するまで後進走行を待たなければならなくなる。特に電動機が発電機を兼ねた形式のパラレルハイブリッド装置では、電動機による走行と発電とを同時におこなうことができないから、蓄電器での充電量が低下した場合には、直ちに後進走行が困難になる不都合があった。
【0008】この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであり、蓄電器の充電量が少ない場合であっても後進走行のためのトルクを必要十分に確保することのできるハイブリッド駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、内燃機関の出力部材と電力によって動作してトルクを出力する電動機の出力部材とに連結されかつ電動機によるトルクを制御することにより内燃機関が出力するトルクを増幅して出力するトルク増幅機構と、そのトルク増幅機構と出力軸との間に配置され、トルク増幅機構側から入力されるトルクを増減速して出力する無段変速機とを備えたハイブリッド駆動装置であって、前記トルク増幅機構と出力軸との間に設けられ、入力されたトルクを反転せずに出力する前進状態と入力されたトルクを反転して出力する後進状態とに設定可能な前後進切換機構を備えていることを特徴とするものである。
【0010】したがって請求項1のハイブリッド駆動装置においては、内燃機関と電動機とを駆動した状態で、電動機の出力トルクを制御することにより、内燃機関の出力したトルクが増幅されてトルク増幅機構から出力される。そのトルク増幅機構から出力されたトルクが、無段変速機によって増速もしくは減速され、さらに前後進切換機構に入力される。あるいはトルク増幅機構から出力されたトルクが、前後進切換機構に入力され、その前後進切換機構から出力されたトルクが、無段変速機に入力される。その前後進切換機構を後進状態した場合、入力されたトルクが反転されて出力されるので、内燃機関を前進走行時と同様に駆動していても、後進走行することができる。すなわち内燃機関の動力によって後進走行が可能になり、電動機のための充電量が少なくても、充分大きい駆動力で後進走行することができる。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1に記載した構成に加えて、前記無段変速機が、回転中心軸線が相互に平行になるように配置された駆動側部材と従動側部材とを備え、前記電動機と内燃機関とトルク増幅機構とが前記駆動側部材と同一軸線上に配置され、かつ前記前後進切換機構が前記従動側部材と同一軸線上に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】したがって請求項2のハイブリッド駆動装置においては、無段変速機として駆動側部材と従動側部材とが平行に配列された形式のものを使用しているので、装置全体としての軸長を短くすることができる。また、従動側部材に隣接して生じる空間部、すなわち前記電動機あるいはトルク増幅機構の半径方向での外側に生じる空間部に前後進切換機構が配置されるので、スペースの有効利用を図って装置を全体として小型化することができる。
【0013】さらに請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記前後進切換機構が、入力トルクと出力トルクとの方向が同一の前進状態と入力トルクと出力トルクとの方向が反対の後進状態とを設定可能な歯車機構と、その歯車機構を前進状態に設定する第1の係合装置と、前記歯車機構を後進状態に設定する第2の係合装置とを備え、これらの係合装置が前記従動側部材と同一軸線上でかつ従動側部材を挟んだ両側に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項3のハイブリッド駆動装置においては、前記従動側部材の軸線方向での両側に生じる空間部を利用して、前後進切換機構のための二つの係合装置を配置するので、スペースの有効利用を図って装置を全体として小型化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明をより具体的に説明する。図1はこの発明に係るハイブリッド駆動装置の一例を示す模式図であって、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンなどの内燃機関1の出力部材すなわちクランクシャフト2が、ダンパー機構3を内蔵したフライホイール4に連結されている。これらクランクシャフト2およびフライホイール4と同一軸線上に入力軸5が配置されており、その入力軸5が、ダンパー機構3を介してフライホイール4に連結されている。
【0016】その入力軸5の外周側で前記フライホイール4に隣接した箇所に、電動機兼発電機(モータ・ジェネレータ)6が、入力軸5と同一軸線上に配置されている。このモータ・ジェネレータ6は、従来のハイブリッド駆動装置に用いられているものと同様に、コイル7を備えたステータ8の内周側にロータ9が回転自在に配置された構成であり、コイル7に通電することにより、ロータ9が回転してトルクが出力される。すなわちロータ9が出力部材となる。また反対にロータ9を外力によって回転させることにより、コイル7に起電力が生じるようになっている。そのコイル7が蓄電器(バッテリ)10に制御回路11を介して電気的に接続されている。
【0017】このモータ・ジェネレータ6を挟んでフライホイール4とは反対側に、トルク増幅機構12が、入力軸5と同一軸線上に配置されている。図1に示す例では、トルク増幅機構12はシングルピニオンタイプの1組の遊星歯車機構13を主体にして構成されている。すなわちサンギヤ14と内歯歯車であるリングギヤ15とが同心円上に配置されるとともに、これらサンギヤ14とリングギヤ15とに噛合したピニオンギヤがキャリヤ16によって自転自在かつ公転自在に保持されている。
【0018】上記のリングギヤ15を入力軸5に選択的に連結する入力クラッチ17が設けられている。したがってリングギヤ15が第1の入力要素となっている。この入力クラッチ17はいわゆる摩擦係合装置であって、例えば油圧によって係合・解放させられる多板クラッチによって構成されており、前記遊星歯車機構13に隣接して入力軸5と同一軸線上に配置されている。これに対してサンギヤ14が前記ロータ9に連結されており、したがってサンギヤ14が第2の入力要素となっている。
【0019】入力クラッチ17の外周側には、遊星歯車機構13の全体を一体化するためのダイレクトクラッチ18が、入力軸5と同一軸線上に配置されている。このダイレクトクラッチ18はいわゆる摩擦係合装置であって、例えば油圧によって係合・解放させられる多板クラッチによって構成されている。そしてそのクラッチハブがリングギヤ15に連結され、またクラッチドラムがキャリヤ16に連結されている。したがってダイレクトクラッチ18が係合することによって遊星歯車機構13の二つの要素であるリングギヤ15とキャリヤ16とが一体回転するように連結され、その結果、遊星歯車機構13の全体が一体化される。
【0020】さらに出力要素であるキャリヤ16とハウジング19などの所定の固定部との間に一方向クラッチ20が配置されている。この一方向クラッチ20は、キャリヤ16が内燃機関1における前記クランクシャフト2とは反対方向に回転しようとする際に係合するように構成されている。したがってこの一方向クラッチ20は、発進時に車両が後退することを防止するいわゆるヒルホールドのための手段として機能させることができる。
【0021】上記のトルク増幅機構12に続けて無段変速機21が設けられている。図1に示す例は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車あるいはRR(リヤエンジン・リヤドライブ)車に適するよう構成した例であり、したがって無段変速機21としてはベルト式のものが採用されている。すなわち溝幅を変更することのできる駆動プーリ22が入力軸5と同一軸線上に配置されるとともに、この駆動プーリ22が前記キャリヤ16に一体的に連結されている。また溝幅を変更することのできる従動プーリ23がその回転中心軸線を入力軸5と平行にした状態に配置されている。
【0022】この駆動プーリ22は、同一軸線上に配置した固定シーブ24とその固定シーブ24に対して軸線方向に移動して接近・離隔する可動シーブ25とからなり、図1における左側の可動シーブ25を図示しない油圧シリンダなどのアクチュエータによって軸線方向に移動させることにより、固定シーブ24と可動シーブ25との間の溝幅が変化する。
【0023】これに対して従動プーリ23も同様に、固定シーブ26と可動シーブ27とによって構成されている。駆動プーリ22における溝の中心と従動プーリ23における溝の中心とが常時一致するようにするため、駆動プーリ22における可動シーブ25の半径方向での外側に従動プーリ23における固定シーブ26が配置され、また駆動プーリ22における固定シーブ24の半径方向での外側に従動プーリ23における可動シーブ27が配置されている。そしてこの従動プーリ23においても可動シーブ27を図示しない油圧シリンダなどのアクチュエータによって軸線方向に前後動させることにより溝幅が変化する。
【0024】そしてこれらのプーリ22,23にベルト28が巻き掛けられている。このベルト28は、多数の金属片を連結したものであり、各シーブ24,25,26,27の間に挟み込まれることによりトルクを伝達し、また溝幅の大小に応じて巻き掛け半径が増減するようになっている。したがって各可動シーブ25,27を前後に移動させて溝幅を駆動側と従動側とで互いに反対方向に変化させ、これによりベルト28の巻き掛け半径を連続的に変化させることにより、駆動側と従動側とでの巻き掛け半径の比すなわち変速比を無段階に変化させるようになっている。この駆動プーリ22がこの発明における駆動側部材に相当し、また従動プーリ23がこの発明の従動側部材に相当する。
【0025】図1に示す例では、駆動プーリ22の図1での右側にトルク増幅機構12およびモータ・ジェネレータ6ならびに内燃機関1が同一軸線上に順に並んで配置されており、これに対して従動プーリ23の図1での右側には、前後進切換機構29が従動プーリ23と同一軸線上に配置されている。この前後進切換機構29は、図1に示す例においては、ダブルピニオン型の遊星歯車機構30を主体として構成されている。この遊星歯車機構30は、サンギヤ31と内歯歯車であるリングギヤ32とを同心円上に配置し、そのサンギヤ31とリングギヤ32との間に、サンギヤ31に噛合した第1のピニオンギヤとこの第1のピニオンギヤおよびリングギヤ32に噛合した第2のピニオンギヤとを配置し、これらのピニオンギヤをキャリヤ33によって保持した構成である。
【0026】そしてサンギヤ31が前記従動プーリ23に連結され、またキャリヤ33が出力軸34に連結されている。さらにこの遊星歯車機構30の全体を一体化して前進状態とするための係合装置である前進クラッチ35が、サンギヤ31とリングギヤ32との間に配置されている。またサンギヤ31に対してキャリヤ33を反対方向に回転させる後進状態とするための係合装置である後進ブレーキ36が、リングギヤ32とハウジング19などの所定の固定部との間に設けられている。より具体的には、遊星歯車機構30を挟んで前記従動プーリ23とは反対側に前進クラッチ35が配置され、またリングギヤ32の外周側に後進ブレーキ36が配置されている。
【0027】上記の前後進切換機構29は前述したトルク増幅機構12の半径方向で外側に配置されており、この部分は、無段変速機21における従動プーリ23を設けることに伴って生じた空間部分であり、したがってスペースを有効に利用して前後進切換機構29が配置されている。
【0028】前記キャリヤ33に連結された出力軸34は、従動プーリ23および前後進切換機構29と同一軸線上に配置されている。そしてその出力軸34には、出力ギヤ37が一体化されている。これに対して出力軸34と平行にカウンタ軸38が配置され、このカウンタ軸38には、出力ギヤ37に噛合したドリブンギヤ39とこのドリブンギヤ39よりも小径のドライブギヤ40とが一体に設けられている。そしてそのドライブギヤ40がディファレンシャルギヤユニット41におけるリングギヤ42に噛合している。このドライブギヤ40は、前述したトルク増幅機構12および前進クラッチ35の外周側に配置することが好ましい。
【0029】なお、図1において符号43は油圧ポンプを示し、この油圧ポンプ43は前記入力軸5とベルト44によってトルク伝達可能に連結されている。またこの油圧ポンプ43にはモータ45が連結され、油圧ポンプ43を単独で駆動できるように構成されている。また図1において符号46は車体の構成部材であるサイドメンバを示しており、前後進切換機構29を上述のように配置したことにより前後進切換機構29とサイドメンバ46との干渉が避けられている。
【0030】上述したハイブリッド駆動装置においては、内燃機関1の出力とモータ・ジェネレータ6の出力とをトルク増幅機構12で合成して出力するから、表1に示すように複数のモードで運転することができる。またそれぞれのモードで前進走行と後進走行とのいずれをもおこなうことができる。なお、表1において○印は係合状態あるいは駆動状態を示し、また×印は解放状態あるいは非駆動状態を示す。以下、各運転モードについて説明する。
【0031】
【表1】

トルク増幅モードは、内燃機関1の出力トルクをモータ・ジェネレータ6のトルクを制御することにより、増幅して出力させる運転モードである。したがってこのトルク増幅モードでは、内燃機関1を駆動させ、またその内燃機関1の出力トルクをトルク増幅機構12に伝達するために入力クラッチ17を係合させる。また、トルク増幅機構12を構成している遊星歯車機構13の各回転要素を一体化させるためのダイレクトクラッチ18を解放しておく。なお、入力クラッチ17を係合させるための油圧は、内燃機関1の起動以前は油圧ポンプ43をモータ45によって駆動することにより発生させ、走行中は入力軸5からベルト44を介して油圧ポンプ43にトルクを伝達して油圧ポンプ43を駆動することにより発生させる。
【0032】図2に前記遊星歯車機構13についての共線図を示してある。この図2から知られるように、第1の入力要素であるリングギヤ15の回転数(内燃機関1の出力回転数)に対して第2の入力要素であるサンギヤ14の回転数(モータ・ジェネレータ6の回転数)が小さい状態では、出力要素であるキャリヤ16の回転数が内燃機関1の出力回転数より小さくなる。したがってリングギヤ15から入力される内燃機関1の出力トルクにサンギヤ14から入力されるモータ・ジェネレータ6のトルクが付加され、これらの合成されたトルクがキャリヤ16から出力される。すなわちキャリヤ16から出力されるトルクが内燃機関1から入力されたトルクより大きくなり、遊星歯車機構13がトルクの増幅作用をおこなうことになる。
【0033】なおその場合、サンギヤ14と共にロータ9を逆回転させている状態では、モータ・ジェネレータ6が発電機として機能する。すなわち内燃機関1の出力の一部を利用して発電をおこなう。この発電領域は、図2の“a”の線と“b”の線とで囲われた領域である。これに対してキャリヤ16の回転数(出力回転数)が増大してサンギヤ13が正回転し始めると、モータ・ジェネレータ6に電流を供給してこれをモータとして機能させることになり、したがって蓄電器10から放電することになる。この放電領域は、図2の“b”の線と“c”の線とで囲われた領域である。
【0034】また、トルク増幅モードでは、出力要素であるキャリヤ16が正回転するので、キャリヤ16とハウジング19などの所定の固定部との間に配置した一方向クラッチ20は解放状態(フリー)になる。
【0035】上記のキャリヤ16がコネクティングドラムなどの連結手段で無段変速機21における駆動プーリ22に連結されているので、トルク増幅機構12における出力トルクがこの駆動プーリ22に伝達される。この無段変速機21においては、駆動プーリ22の溝幅を増大させるとともに、これに応じて従動プーリ23の溝幅を減少させれば、駆動プーリ22に対するベルト28の巻き掛け半径が小さくなり、かつ従動プーリ23に対するベルト28の巻き掛け半径が増大するので、これらの巻き掛け半径によって決まる変速比が小さくなる。これとは反対に、駆動プーリ22の溝幅を小さくするとともに、従動プーリ23の溝幅を増大させれば、変速比が大きくなる。なお、このような変速比の変更・設定は、各可動シーブ25,27を油圧によって軸線方向に移動させることによりおこなわれる。
【0036】このようにして増速もしくは減速されたトルクが従動プーリ23から前後進切換機構29に伝達される。この前後進切換機構29を構成している遊星歯車機構30の共線図を図3に示してある。前述したようにこの遊星歯車機構30においては、サンギヤ31が入力要素となり、かつキャリヤ33が出力要素となっているから、リングギヤ32を固定することにより、キャリヤ33がサンギヤ31に対して反対方向に回転する。すなわち後進状態となる。具体的には、後進ブレーキ36を係合させてリングギヤ32を固定するとともに、前進クラッチ35を解放する。この場合、入力要素であるサンギヤ31の回転数に対して出力要素であるキャリヤ33の回転数が低下するので、入力トルクに対して出力トルクが増大させられる。
【0037】またいずれか二つの回転要素を連結することにより全体を一体回転させれば、入力トルクがそのままキャリヤ33から出力される。すなわち前進状態となる。具体的には、前進クラッチ35を係合させてサンギヤ31とキャリヤ33とを連結し、かつ後進ブレーキ36を解放する。
【0038】このようにして前後進切換機構29によって正転状態もしくは反転状態とされて出力されたトルクは、出力軸34ならびに出力ギヤ37からドリブンギヤ39、カウンタ軸38、ドライブギヤ40、リングギヤ42を経てディファレンシャルギヤユニット41に伝達される。
【0039】つぎにダイレクトモータモードについて説明する。この運転モードは、モータ・ジェネレータ6をモータとして機能させ、モータ・ジェネレータ6による動力のみによって走行するモードである。これは、例えば市街地あるいは住居地域での比較的低速での走行の際に選択される。
【0040】したがってこのダイレクトモータモードでは内燃機関1を停止させておき、また入力クラッチ17を解放して内燃機関1とトルク増幅機構12とを遮断する。さらにトルク増幅機構12においてトルクの合成をおこなわないので、ダイレクトクラッチ18を係合させ、遊星歯車機構13の全体を一体化させる。そのためモータ・ジェネレータ6の出力トルクがそのまま無段変速機21の駆動プーリ22に伝達される。なお、この場合においても、キャリヤ16が正回転するので、一方向クラッチ20は解放状態になる。
【0041】そしてこの無段変速機21によって増速もしくは減速がおこなわれ、その出力トルクが前後進切換機構29に伝達される。この無段変速機21の作用および前後進切換機構29の作用は前述したとおりである。すなわちこのダイレクトモータモードにおいても、変速比を任意に設定でき、かつ前進および後進を任意に選択することができる。
【0042】これに対してダイレクトエンジンモードは、内燃機関1の動力のみによって走行する運転モードである。これは、例えば高速での定速走行をおこなう場合に選択される。したがってこのモードでは、内燃機関1と無段変速機21とを直結状態とするために、入力クラッチ17とダイレクトクラッチ18とを共に係合させる。また一方向クラッチ20は、解放状態になる。
【0043】したがって内燃機関1の出力トルクが無段変速機21に伝達され、ここで増減速が前述したようにしておこなわれ、その出力トルクが前後進切換機構29に伝達され、ここで前進状態もしくは後進状態とされて出力軸34に出力される。なお、トルク増幅機構12における遊星歯車機構13の全体を一体化させることにより、モータ・ジェネレータ6のロータ9がサンギヤ14と共に回転するので、モータ・ジェネレータ6で起電力が生じ、モータ・ジェネレータ6が発電機として機能する。
【0044】加速時などに選択されるモータアシストモードについてつぎに説明する。この運転モードは、内燃機関1の出力にモータ・ジェネレータ6の出力を加えて大きい駆動力を得るための運転モードであり、内燃機関1を駆動し、またモータ・ジェネレータ6に電流を供給してこれをモータとして機能させる。また内燃機関1およびモータ・ジェネレータ6の出力を走行のための動力として使用するために、トルク増幅機構12における各クラッチ17,18を共に係合させ、その遊星歯車機構13の全体を一体化させる。なお、一方向クラッチ20は解放状態になる。
【0045】したがって内燃機関1の出力とモータ・ジェネレータ6の出力とがそのまま無段変速機21に伝達される。無段変速機21に入力されたトルクは、ここで増速もしくは減速されて前後進切換機構29に伝達され、ここで前進状態もしくは後進状態とされて出力軸34に出力される。これら無段変速機21および前後進切換機構29の作用は前述したとおりである。
【0046】つぎに回生ブレーキモードについて説明する。この回生ブレーキモードは、車両の有している運動エネルギを減速時に電気エネルギとして回収する運転モードである。したがって内燃機関1およびモータ・ジェネレータ6の両方を非駆動状態とする。また、車両の有する運動エネルギが摩擦熱などとして消費されてしまうことを防止するために入力クラッチ17を解放して内燃機関1をトルク増幅機構12から切り離す。これに対して、減速の際の慣性エネルギがモータ・ジェネレータ6に入力されるようにするために、ダイレクトクラッチ18を係合させて遊星歯車機構13の全体を一体回転させる。
【0047】また一方、車両が前進走行している場合には、前述したように前進クラッチ35が係合させられ、かつ後進ブレーキ36が解放されている。また後進走行している場合には、前進クラッチ35が解放させられ、かつ後進ブレーキ36が係合させられている。その結果、いわゆるパワーオフ状態となってトルク増幅機構12に対して出力軸34側から動力が入力されると、無段変速機21が前進走行時と同様に回転して出力軸34側から入力されたトルクを増速もしくは減速してトルク増幅機構12の遊星歯車機構13に伝達する。遊星歯車機構13においては、ダイレクトクラッチ18が係合していてその全体が一体に回転するので、この遊星歯車機構13と共にロータ9が回転し、その結果、モータ・ジェネレータ6において発電がおこなわれる。そして車両の有する運動エネルギが電気エネルギに変換されて回収されることにより、車両の制動がおこなわれる。なお、この場合においても、遊星歯車機構13におけるキャリヤ16が正回転するので、一方向クラッチ20は解放状態になる。
【0048】なおここで、エンジン始動モードについて説明する。上記のハイブリッド駆動装置では、内燃機関1とモータ・ジェネレータ6とがトルク増幅機構12を介してトルク伝達可能に連結されているから、モータ・ジェネレータ6によって内燃機関1を始動させることができる。すなわち車両が停止している状態では、無段変速機21や前後進切換機構29などの全ての回転要素が停止しているので、トルク増幅機構12を構成している遊星歯車機構13の各要素が停止している。この状態から内燃機関1を正回転させるには、サンギヤ14に連結してあるモータ・ジェネレータ6を逆回転させることになる。
【0049】これを図2の共線図に基づいて説明すると、入力クラッチ17を係合させて内燃機関1を遊星歯車機構13に連結し、かつダイレクトクラッチ18を解放して遊星歯車機構13の各部材が相対回転可能な状態にし、この状態でサンギヤ14およびキャリヤ16ならびにリングギヤ15を結ぶ直線を、キャリヤ16を中心に反時計方向に回転させる。すなわちサンギヤ14の回転を引き下げると、キャリヤ14の逆回転が一方向クラッチ20によって阻止されていることにより、リングギヤ15の回転が引き上げられる。換言すれば、モータ・ジェネレータ6に通電してこれをモータとして機能させ、その回転方向は逆回転とする。その結果、リングギヤ15と共に内燃機関1のクランクシャフト2が正回転させられて内燃機関1が始動させられる。
【0050】これに対して走行中に内燃機関1を始動する場合は、モータ・ジェネレータ6に通電してこれをモータとして機能させ、かつその回転方向は正回転方向とする。すなわち内燃機関1を停止して走行している状態は、モータ・ジェネレータ6の出力を駆動力としている状態であり、その場合は、前述したダイレクトモータモードで説明したように、入力クラッチ17とダイレクトクラッチ18とが係合させられている。すなわち遊星歯車機構13の全体が一体回転するので、モータ・ジェネレータ6によって内燃機関1を強制的に回転させつつ走行していることになる。したがってこの状態で内燃機関1に燃料を供給することにより内燃機関1が始動する。
【0051】以上説明したように、この発明に係る上記のハイブリッド駆動装置では、無段変速機21から出力されたトルクを、前後進切換機構29によって、そのまま出力軸34に伝達し、あるいは反転して出力軸34に出力するから、動力源の回転方向は前進走行時であっても後進走行時であっても同じでよい。したがって反転駆動することのできない内燃機関1のみで走行せざるを得ない場合、具体的には、蓄電器10の充電量が少ないためにモータ・ジェネレータ6の出力トルクが不足する場合であっても、内燃機関1を駆動して走行することにより、後進走行時の駆動トルクを必要十分に確保することができる。
【0052】また上記のハイブリッド駆動装置では、無段変速機21としてベルト式のものを採用しているので、伝達するべきトルクを大きくするためには、各プーリ22,23の径を大きくすることになるが、従動プーリ23と同一軸線上に前後進切換機構29を配置したので、従動プーリ23を設けることに伴って生じる空間部分の有効利用が図られ、その結果、装置全体をコンパクト化することができる。
【0053】ところで前述した前後進切換機構29における前進クラッチ35は、要は、入力部材と出力部材とを一体に連結するクラッチである。したがってこの前進クラッチ35は、従動プーリ23と出力軸34とを選択的に連結する構成のものであってもよい。その例を図4に示してある。
【0054】すなわち図4に示す例では、出力軸34が従動プーリ23をその中心軸線に沿って貫通する長さに設定されており、また従動プーリ23を挟んだ両側に、ダブルピニオン型遊星歯車機構30と前進クラッチ35とが配置されている。より具体的には、従動プーリ23を挟んで図4の左側に遊星歯車機構30が配置され、またこれとは反対に図4の右側に前進クラッチ35が配置されている。
【0055】そして出力軸34の一方の端部(図4での左側の端部)が、遊星歯車機構30のサンギヤ31に連結され、またリングギヤ32の外周側に後進ブレーキ36が配置されている。また従動プーリ23と出力軸34とを選択的に連結する前進クラッチ35が出力軸34と同一軸線上でかつ前記トルク増幅機構12の外周側に配置されている。他の構成は、図1に示す構成と同様であり、したがって図4に図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】前述した無段変速機21は駆動プーリ22と従動プーリ23とにベルト28を巻き掛けた構成であり、それらのプーリ22,23は溝幅を変更するために、固定シーブ24,26と可動シーブ25,27とによって構成されている。そのため可動シーブ25,27を移動させるアクチュエータおよびそのストロークのためのスペースが必要となる。
【0057】図1および図4に示す例では、駆動プーリ22における可動シーブ25が入力軸5の軸端側(図1および図4での右端部側)に配置されているので、その外周側に空間部があくことになる。図1に示す例では、この可動シーブ25の外周側の空間部を可及的に狭くするように図示しないケーシングを窪ませて、サイドメンバ46との干渉を避けるように構成したが、図4に示す例では、その可動シーブ25の外周側の空間部を有効に利用してここに前後進切換機構29のための遊星歯車機構30を配置してある。したがって図4に示す構成であってもスペースの有効利用を図って装置を全体としてコンパクトなものとすることができる。
【0058】なお、上述した図1および図4に示す例では、無段変速機21としてベルト式の変速機を採用したが、この発明においては、無段変速機として他の構成のものを採用することができ、例えば図5に示すようトロイダル型の無段変速機を採用することができる。この図5に示す構成について説明すると、互いに対向する面にトロイダル面を形成した入力ディスク51と出力ディスク52とが、トルク増幅機構12と同一軸線上に配置されている。その入力ディスク51がトルク増幅機構12側に位置し、トルク増幅機構12における出力部材であるキャリヤ16がこの入力ディスク51に連結されている。
【0059】この入力ディスク51に対向する出力ディスク52を挟んで入力ディスク51とは反対側に、前後進切換機構29を構成する遊星歯車機構30が配置されている。そしてそのサンギヤ31と出力ディスク52とが一体回転するように連結されている。また入力ディスク51と出力ディスク52との互いに対向するトロイダル面の間にパワーローラ53が配置されている。このパワーローラ53は、その中心軸線を中心に自転可能に保持され、またその中心軸線が各ディスク51,52の中心軸線を含む平面内で傾動するように構成されている。したがってパワーローラ53が各ディスク51,52に接触する位置の半径が、パワーローラ53の傾動によって変化し、その結果、入力ディスク51に対する出力ディスク52の回転数すなわち変速比が連続的に変化するように構成されている。
【0060】図5に示すように構成した場合には、内燃機関1から出力軸34までの各構成部材が同一軸線上に配列されるので、FR(フロントエンジン・フロントドライブ)車に適したものとすることができる。また、内燃機関1の出力で後進走行をおこなうことができること、および前記の表1に示す各運転モードが可能なことなどは、図1あるいは図4に示すハイブリッド駆動装置と同様である。
【0061】さらにこの発明におけるトルク増幅機構12は、上述したシングルピニオン型遊星歯車機構および入力クラッチ17ならびにダイレクトクラッチ18から構成されたものに限定されないのであり、遊星歯車機構としてダブルピニオン型のものを使用した構成やディファレンシャルギヤユニットを主体して構成ものなど、要は、三つの回転要素を備えていて差動機能のある歯車装置あるいはローラ装置などによって構成することができる。
【0062】また前後進切換機構は、要は、入力トルクと出力トルクとの方向が同じである前進状態とこれらのトルクの方向が互いに反対の後進状態とを選択的に設定できる構成であればよいのであり、したがって前後進切換機構としてアイドルギヤおよび同期連結機構(シンクロナイザー)を備えた構成のものなどを採用してもよい。この前後進切換機構は、内燃機関の出力トルクとモータ・ジェネレータなどの電動機の出力トルクとを合成したトルクを反転させて後進状態を設定する必要があるので、トルク増幅機構よりも出力軸側に配置するが、その位置は、上述した例で示したように無段変速機の出力側以外に、無段変速機の入力側であってもよい。要は、トルク増幅機構から出力軸までの間であればよい。なお、この発明における出力軸は、前述した出力ギヤの取り付けられた軸に限定されないのであって、装置全体としての実質的な出力をおこなう軸であればよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、入力されたトルクを反転せずに出力する前進状態と入力されたトルクを反転して出力する後進状態とを選択することのできる前後進切換機構を、内燃機関の出力と電動機の出力とを合成するトルク増幅機構と出力軸との間に配置したので、一方向のみに回転する内燃機関の出力を反転して出力軸に伝達でき、したがって内燃機関での後進走行が可能になる。したがってこの発明によれば、電動機に接続した蓄電器の充電量が少なくなった状態であっても、必要十分な駆動力で後進走行することができる。
【0064】また請求項2の発明によれば、無段変速機を、駆動側部材と従動側部材とを互いに平行に配置した構成としたことに伴って、その従動側部材と同一軸線上に前後進切換機構を配置したので、全長の短縮化を図ることができるうえに、無段変速機をそのような構成とすることにより生じる空間部分の有効利用を図って装置を全体としてコンパクトなものとすることができる。
【0065】さらに請求項3の発明によれば、請求項2の発明による構成に加え、前後進切換機構に備えられた二つの係合装置を、従動側部材を挟んだ両側に配置したので、無段変速機における駆動側部材の外周側の空間部分の有効利用を図り、装置を全体としてコンパクトなものとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 丈夫
【公開番号】 特開平11−178112
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−352370