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【発明の名称】 無接触給電設備
【発明者】 【氏名】稲葉 雅人

【氏名】武田 和敏

【要約】 【課題】本発明は、ピックアップコイルの発熱により移動体の保護が行える無接触給電設備を提供することを目的とする。

【解決手段】誘導線路14から無接触で給電されるピックアップコイル22に沿って、非磁性体の一対の導線を所定温度で軟化する絶縁体で覆い、これら絶縁体で被覆された導線を撚り合わせた形成した感熱線51を布設し、前記一対の導線の一端をそれぞれピックアップコイル22の両端に接続し、ピックアップコイル22が前記所定温度以上となることにより感熱線51の絶縁体が軟化して、導線が短絡し、導線とピックアップコイル22が閉回路を形成する構成とする。この構成によれば、ピックアップコイル22の発熱により前記閉回路が形成されることによって、ピックアップコイル22のこれ以上の発熱を防止でき、焼損を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動体の移動線路に沿って高周波電流を流す誘導線路を布設し、前記移動体に、前記誘電線路から無接触で給電されるコイルを設け、移動体に無接触で給電する無接触給電設備であって、非磁性体の一対の導線をそれぞれ所定温度で軟化する絶縁体で被覆し、これら絶縁体で被覆された導線を撚り合わせて形成した感熱線を、前記移動体の発熱部に沿って布設し、前記移動体の発熱部が前記所定温度以上となることにより前記感熱線の絶縁体が軟化して、導線間が短絡すると、短絡した導線と前記コイルが閉回路を形成する構成としたことを特徴とする無接触給電設備。
【請求項2】 移動体の発熱部がコイルであることを特徴とする請求項1記載の無接触給電設備。
【請求項3】 移動体の移動線路に沿って高周波電流を流す誘導線路を布設し、前記移動体に、前記誘電線路から無接触で給電されるコイルを設け、移動体に無接触で給電する無接触給電設備であって、前記移動体の発熱部に感熱素子を設置し、非磁性体の一対の導線をそれぞれ所定温度で軟化する絶縁体で被覆し、これら絶縁体で被覆された導線を撚り合わせて形成した感熱線を備え、前記感熱線の一対の導線の一端をそれぞれ前記感熱素子の両端に接続し、前記感熱線の一対の導線の他端をそれぞれ前記コイルの両端に接続したことを特徴とする無接触給電設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無接触給電設備、特にその保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の移動体の無接触給電設備において、たとえば特開平8−251704号公報に開示されているように、火災が発生する危険、すなわち高周波電流が流れる誘導線路より発生される磁束により、誘導線路に近接して置かれた金属(たとえば、スパナなど)にうず電流が流れ、金属が発熱し、その熱により誘導線路が加熱され、燃焼する危険、を回避できるように構成した設備がある。この設備では、誘導線路に沿って光ファイバーケーブルを布設し、この光ファイバーケーブルの両端に発光部および受光部を接続し、前記受光部に、光減衰率を検出し、光減衰率が所定の減衰率以上となった時に警報を出力する検出回路を接続し、この検出回路の警報出力により、上記高周波電流を遮断している。
【0003】また給電状態で常時発熱している装置に、この装置が異常に発熱すると動作するバイメタルを取り付け、バイメタルの動作により前記装置への給電を遮断し、装置を保護する方式は従来よりよく採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記無接触給電設備に使用される光ファイバーケーブルには、抑えたり曲げたりすることにより透過量が減少し、検出距離が短くなったり、動作しなくなるという問題があり、また接続が困難で施工が難しいという問題があった。
【0005】また誘導線路に対する保護は行われているが、移動体に前記誘導線路に対向して配置されるピックアップコイルの損傷による異常発熱、およびピックアップコイルに誘導される起電力により負荷に給電するための回路を搭載した基板の異常発熱に対する保護については何ら行われていなかった。
【0006】またバイメタルのみによる装置の保護では、給電の遮断により装置の温度が下がると、バイメタルが再びオフとなり給電が再開され、発熱異常の原因が不明なまま装置が再起動し、異常状態が拡大する恐れがあった。
【0007】本発明は上記問題を解決するものであり、折り曲げの影響を受けず、施工が容易で、ピックアップコイルと回路基板の保護が確実に行える無接触給電設備を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため第1発明の無接触給電設備は、移動体の移動線路に沿って高周波電流を流す誘導線路を布設し、前記移動体に、前記誘電線路から無接触で給電されるコイルを設け、移動体に無接触で給電する無接触給電設備であって、非磁性体の一対の導線をそれぞれ所定温度で軟化する絶縁体で被覆し、これら絶縁体で被覆された導線を撚り合わせて形成した感熱線を、前記移動体の発熱部に沿って布設し、前記移動体の発熱部が前記所定温度以上となることにより前記感熱線の絶縁体が軟化して、導線間が短絡すると、短絡した導線と前記コイルが閉回路を形成する構成としたことを特徴とするものである。
【0009】上記構成によれば、発熱部が異常に発熱して温度が所定温度以上となると、感熱線の絶縁体が軟化して、導線間が短絡し、この短絡した導線とコイルにより閉回路が形成される。よって、移動体への給電が遮断され、発熱部のこれ以上の発熱が防止され焼損が防止される。また感熱線は非磁性体の導線により形成されることから、誘導線路より電磁誘導の影響を受けず、自己発熱はなく、また折り曲げの影響を受けず、施工が容易である。
【0010】また第2発明の無接触給電設備は、上記第1発明の無接触給電設備であって、移動体の発熱部がコイルであることを特徴とするものである。上記構成によれば、コイルが異常に発熱して温度が所定温度以上となると、絶縁体が軟化し、導線が短絡することによって、この短絡した導線とコイルにより閉回路が形成され、コイルのこれ以上の発熱が防止され焼損が防止される。
【0011】さらに第3発明の無接触給電設備は、移動体の移動線路に沿って高周波電流を流す誘導線路を布設し、前記移動体に、前記誘電線路から無接触で給電されるコイルを設け、移動体に無接触で給電する無接触給電設備であって、前記移動体の発熱部に感熱素子を設置し、非磁性体の一対の導線をそれぞれ所定温度で軟化する絶縁体で被覆し、これら絶縁体で被覆された導線を撚り合わせて形成した感熱線を備え、前記感熱線の一対の導線の一端をそれぞれ前記感熱素子の両端に接続し、前記感熱線の一対の導線の他端をそれぞれ前記コイルの両端に接続したことを特徴とするものである。
【0012】上記構成によれば、移動体の発熱部に設置した感熱素子の作動により感熱線を介してコイルが短絡されることにより、移動体への給電が遮断されて焼損が防止されるとともに、感熱線に短絡電流が流れて感熱線の絶縁体が軟化し、導線間が短絡され、よってコイルが短絡した状態が維持される。したがって、給電の遮断により移動体の発熱部が冷却し、感熱素子がオフとなっても、再給電されることはなくなる。
【0013】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)図4は本発明の実施の形態1における無接触給電設備の要部側面図、図5は同無接触給電設備の一部断面正面図である。
【0014】移動体としての搬送用車体Vは、駆動トロリー1A、従動トロリー1B、およびこれらトロリー1A,1Bにて支持される物品搬送用キャリア1Cから構成され、この車体Vを移動自在に案内する案内レールBとが設けられている。
【0015】駆動トロリー1Aは、案内レールBの上部に係合する走行用車輪2、案内レールBの下部に両横側から接触する振れ止めローラ3、およびピックアップユニットPを備えており、駆動トロリー1Aの走行用車輪2が減速機付電動モータ4にて駆動されることにより車体Vは走行する。また従動トロリー1Bは、案内レールBの上部に係合する走行用車輪5、および案内レールBの下部に両横側から接触する振れ止めローラ6を備えている。
【0016】案内レールBは、その上部に車輪案内部7、その下部にローラ案内部8を備え、横一側部に連結される支持枠9によって、天井などから吊り下げ状態に支持され、また案内レールBの支持枠9が取り付けられた側部とは他方の側部に、誘導線路ユニットXが取り付けられている。
【0017】誘導線路ユニットXは、案内レールBの横一側部に案内レールBに沿って、上下一対のハンガー11が垂直に突設され、上下一対のハンガー11の先端に、ハンガー11と一体で、かつ先端が開放され、かつ柔軟で所定の形状を維持するリング形状の係止部を設けたブラケット13を所定間隔置きに配置し、誘導線路14をハンガー11の係止部に嵌め込むことにより構成されている。なお、ブラケット13は案内レールBに、案内レールBと同材料の金具、たとえばアルミ製のネジにより取付けられる。
【0018】前記誘導線路14は、絶縁した細い素線を集めて形成した撚線(以下、リッツ線と呼ぶ)を絶縁体、たとえば塩化ビニールなどの樹脂材により被覆して構成されており、電源装置Mより高周波電流が供給される。
【0019】また上記ピックアップユニットPは、図5に示すように、断面がE形状のフェライト21の中央凸部に10〜20ターンの上記リッツ線を巻いてピックアップコイル22を構成したものであり、ピックアップユニットPのフェライト21の中央の凸部の中心がほぼ誘導線路ユニットXの一対の誘導線路14の中央で、案内レールBに対して垂直に位置するように調整して駆動トロリー1Aに固定されている。誘導線路14に通電(交流)されると、ピックアップコイル22に起電力が発生する。
【0020】また駆動トロリー1Aには、図1に示す回路構成の回路基板31が設けられている。回路基板31には、ピックアップコイル22に並列に、ピックアップコイル22とともに誘導線路14の周波数に共振する共振回路を形成するコンデンサ32を接続し、コンデンサ32に整流/平滑回路33を接続し、この整流/平滑回路33に、出力電圧Vout を基準電圧VE に制御する定電圧制御回路34を接続し、この定電圧制御回路34にインバータ35および制御電源装置36を接続して構成されている。インバータ35に減速機付電動モータ4が接続される。
【0021】上記定電圧制御回路34は、電流制限用のコイル41と、上記基準電圧VE を発生する電圧発生器42と、出力電圧Vout と基準電圧VE を比較するコンパレータ43と、出力電圧Vout が基準電圧VE を超えた場合にコンパレータ43によりオンされるFETからなる出力調整用トランジスタ44と、フィルタを形成するダイオード45およびコンデンサ46から構成されている。上記制御電源装置36より電圧発生器42とコンパレータ43に制御電源が供給される。
【0022】この定電圧制御回路34の構成により、電動モータ4が停止するなどにより負荷が減少すると、出力電圧Vout が上昇し、出力電圧Vout が基準電圧VE を超えると、コンパレータ43により、出力調整用トランジスタ44がオンされ、出力電圧Vout が下げられて、出力電圧Vout は基準電圧VE に維持される。
【0023】また図1において、51は第1の感熱線、52は第2の感熱線である。感熱線51,52は、図2に示すように、非磁性体のリン青銅丸線からなる一対の導線53上にそれぞれ、熱に鋭敏なサーモプラスチックからなる絶縁体54を被覆し、これら絶縁体54を被覆した一対の導線53を撚りあわせ、その上にテープ55とシース56を被覆して構成されている。この感熱線51,52は、周囲温度が一定温度に達すると、絶縁体54が軟化するとともに、撚りあわされた一対の導線53がスプリングアクションを起こして短絡する。
【0024】第1の感熱線51の先端部は、図1および図3に示すように、ピックアップコイル22の片側に這わせて、このコイル22を形成するリッツ線とともにエポキシ樹脂により一体的に固定されている。そして、第1の感熱線51は、ピックアップコイル22から、ピックアップコイル22と回路基板31間の配線、および回路基板31の端子台61の第4端子65に沿って布設され、この第1の感熱線51の一対の導体53はそれぞれ前記端子台61の第2端子63と第3端子64に接続されている。なお、第1の感熱線51の一対の導線53の先端は、所定の距離(たとえば、数mm)離してコイル22に固定される。また端子台61の第1端子62と第4端子65にピックアップコイル22と回路基板31間の配線が接続され、また第1端子62と第2端子63が接続され、第3端子64と第4端子65が接続されている。
【0025】また第2の感熱線52は、移動体の発熱部の一例である、FETからなる出力調整用トランジスタ44の取付シャーシ66の近傍、制御電源装置36の近傍、および上記回路基板31の端子台61の第1端子62に沿って布設され、この第2の感熱線52の一対の導体53はそれぞれ端子台61の第2端子63と第3端子64に接続されている。端子台61も、接触不良などが発生すると移動体の発熱部となる。
【0026】上記回路構成による作用を説明する。電源装置Mより高周波電流が誘導線路14に供給され、この誘導線路14に発生する磁束により、案内レールB上に位置する車体Vのピックアップコイル22に大きな起電力が発生し、この起電力により発生した交流電流は、整流/平滑回路33により整流され、定電圧制御回路34において出力電圧Vout が基準電圧VE に維持され、制御電源装置36、およびインバータ35を介して減速機付電動モータ4に供給される。移動体の車体Vは、給電された電動モータ4により走行用車輪2が駆動されることにより、案内レールBに案内されて移動する。
【0027】そして万一、ピックアップコイル22のリッツ線が損傷すると、誘導線路14により発生する磁束によりリッツ線が発熱し、この発熱により第1の感熱線51が加熱され、例えば温度90℃に達すると、絶縁体54が軟化するとともに、撚りあわされた一対の導線53がスプリングアクションを起こして短絡し、ピックアップコイル22の両端が短絡され、一対の導線53とピックアップコイル22により閉回路が形成される。よって、ピックアップコイル22のリッツ線はそれ以上発熱することはなく、焼損し、火災が発生することが防止される。
【0028】また端子台61の第4端子65に接触不良などが発生し発熱すると、同様に第1の感熱線51が加熱され、ピックアップコイル22の両端が短絡される。よって、端子台61の第4端子65はそれ以上発熱することはなく、回路基板31が焼損し、火災が発生することが防止される。
【0029】またFETからなる出力調整用トランジスタ44が、低負荷のためにその消費電力が大きくなり、あるいは定電圧制御回路34の出力ケーブルが断線して発熱すると、第2の感熱線52が加熱され、例えば温度90℃に達すると、絶縁体54が軟化するとともに、撚りあわされた一対の導線53がスプリングアクションを起こして短絡し、ピックアップコイル22の両端が短絡され、一対の導線53とピックアップコイル22により閉回路が形成される。よって、回路基板31への給電が遮断され、出力調整用トランジスタ44は冷却し、回路基板31が燃焼し、火災が発生することが防止される。
【0030】また制御電源装置36が過負荷などが発生し異常に発熱すると、同様に第2の感熱線52が加熱され、ピックアップコイル22の両端が短絡される。よって、制御電源装置36への給電が遮断され、制御電源装置36はそれ以上発熱することはなく、回路基板31が焼損し、火災が発生することが防止される。
【0031】また端子台61の第1端子62に接触不良などが発生し発熱すると、同様に第2の感熱線52が加熱され、ピックアップコイル22の両端が短絡される。よって、端子台61の第1端子62はそれ以上発熱することはなく、回路基板31が焼損し、火災が発生することが防止される。
【0032】このように、無接触で車体Vに効率よく給電することができるとともに、万一ピックアップコイル22に損傷が発生しても、また端子台61や出力調整用トランジスタ44や制御電源装置36が発熱しても、その発熱を感熱線51,52を使用して検出し、ピックアップコイル22の両端を短絡し閉回路を形成することにより、ピックアップコイル22や回路基板31が加熱され燃焼する火災事故を防止できる。また、移動体である車体Vの異常は、車体V内で処理されるため、誘導線路14へ影響を与えることなく、他の正常な車体Vは動作を続行することができ、設備としての稼働を続行することができる。
【0033】また感熱線51,52は、曲げが自在で、しかも接続も容易なことから、施工が容易であり、布設作業の時間を短縮でき、またピックアップコイル22ともに成形するとができ、作業効率を改善することができる。また、感熱線51,52自体のコストも安く、設備のコストを抑えることができる。
【0034】なお、本実施の形態では、移動体の発熱部の一例としてFETからなる出力調整用トランジスタ44と制御電源装置36と端子台61を挙げたが、回路基板31において他に発熱する恐れがある発熱部があるときは、その発熱部にも第2の感熱線52を連続して布設することにより、同様に回路基板31が加熱され燃焼する火災事故を防止できる。
(実施の形態2)図6に、実施の形態2における無接触給電設備の回路基板の感熱線の布設図を示す。上記実施の形態1の図3の構成と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】図6において、71,72は感熱素子の一例であるバイメタルであり、バイメタル71はFETからなる出力調整用トランジスタ44の取付シャーシ66の近傍に設置され、バイメタル72は制御電源装置36の近傍に設置されている。バイメタル71は、端子台61の第1端子62に沿って布設された第3の感熱線73により端子台61の第2端子63と第3端子64に接続され、またバイメタル72は第4の感熱線74により端子台61の第2端子63と第3端子64に接続されている。なお、第3の感熱線73と第4の感熱線74は上記第1,第2の感熱線51,52と同一の感熱線を使用している。
【0036】この構成によれば、上記移動体の発熱部の一例である、FETからなる出力調整用トランジスタ44あるいは制御電源装置36が異常に発熱し、バイメタル71あるいは72が作動すると、ピックアップコイル22の両端が短絡され、回路基板31への給電が遮断されるとともに、第3の感熱線73あるいは第4の感熱線74は短絡電流により加熱され、例えば温度90℃に達すると、絶縁体54が軟化するとともに、撚りあわされた一対の導線53がスプリングアクションを起こして短絡する。よって、回路基板31’への給電が遮断された状態が維持され、トランジスタ44および制御電源装置36は冷却し、回路基板31’が燃焼し、火災が発生することが防止される。
【0037】このようにバイメタル71,72をスイッチとして使用し、感熱線73,74をブレーカとして使用することにより、バイメタル71,72のみだと、給電の遮断により温度が下がると、バイメタル71,72は再びオフとなり給電が再開され、発熱異常の原因が不明なまま再起動し、異常状態が拡大する恐れがあるが、感熱線73,74が短絡状態を持続するため、再起動を防止でき、異常の拡大の恐れを防止することができる。さらに、各バイメタル71,72に対応してそれぞれ感熱線73,74を設けていることにより、絶縁体54が軟化した感熱線73,74を見出すことによって異常に発熱した移動体の発熱部、すなわち出力調整用トランジスタ44あるいは制御電源装置36を特定することができる。
【0038】なお、本実施の形態では、移動体の発熱部の一例としてFETからなる出力調整用トランジスタ44と制御電源装置36を挙げたが、回路基板31’内外において発熱する恐れがある発熱部があるときは、その発熱部にもバイメタルを設置して、感熱線により端子台61に接続することにより、同様に、回路基板31’への給電が遮断された状態を維持でき、回路基板31’が燃焼し、火災が発生することが防止される。
【0039】また感熱線73,74を他の移動体の発熱部に沿って布設するようにしてもよい。このとき、バイメタルの作動のみでなく、他の移動体の発熱部の温度が所定温度以上となると、絶縁体が軟化し、導線が短絡することによって、コイルが短絡され、移動体への給電が遮断され、発熱による焼損が防止される。(実施の形態3)図7に、実施の形態3における無接触給電設備の回路基板の感熱線の布設図を示す。上記実施の形態2の図6の構成と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】図7において、81は回路基板31”に設置した第2端子台、82は回路基板31”に設置した第3端子台であり、バイメタル71,72は並列接続されて第2端子台81の第1端子84と第2端子85に接続されており、この第1端子84と第2端子85はそれぞれ、第5の感熱線86により第3端子台82の第1端子87と第2端子88と接続されている。なお、第5の感熱線86は上記第1,第2の感熱線51,52と同一の感熱線を使用している。また、第3端子台82の第1端子87と第2端子88はそれぞれ、第1端子台61の第2端子63と第3端子64に接続されている。
【0041】また第1の感熱線51を第1端子台61の第1端子62と第4端子65に沿うように布設している。この構成によれば、上記移動体の発熱部の一例である、FETからなる出力調整用トランジスタ44あるいは制御電源装置36が異常に発熱し、バイメタル71あるいは72が作動すると、ピックアップコイル22の両端が短絡され、回路基板31への給電が遮断されるとともに、第5の感熱線86は短絡電流により加熱され、例えば温度90℃に達すると、絶縁体54が軟化するとともに、撚りあわされた一対の導線53がスプリングアクションを起こして短絡し、一対の導線53とピックアップコイル22により閉回路が形成される。よって、回路基板31”への給電が遮断された状態が維持され、トランジスタ44および制御電源装置36は冷却し、回路基板31”が燃焼し、火災が発生することが防止される。
【0042】このようにバイメタル71,72をスイッチとして使用し、第5の感熱線86をブレーカとして使用することにより、バイメタル71,72のみだと、給電の遮断により温度が下がると、バイメタル71,72は再びオフとなり給電が再開され、発熱異常の原因が不明なまま再起動し、異常状態が拡大する恐れがあるが、感熱線86が短絡状態を持続するため、再起動を防止でき、異常の拡大の恐れを防止することができる。また、端子台81,82間の第5の感熱線86は簡単に取り換えることができ、復旧を容易としている。
【0043】なお、本実施の形態では、移動体の発熱部の一例としてFETからなる出力調整用トランジスタ44と制御電源装置36を挙げたが、回路基板31”内外において発熱する恐れがある発熱部があるときは、その発熱部にもバイメタルを設置して、端子台81に接続することにより、同様に回路基板31”への給電が遮断された状態を維持でき、回路基板31”が燃焼し、火災が発生することが防止される。
【0044】また第5の感熱線86を他の移動体の発熱部に沿って布設するようにしてもよい。このとき、バイメタルの作動のみでなく、他の移動体の発熱部の温度が所定温度以上となると、絶縁体が軟化し、導線が短絡することによって、コイルが短絡され、移動体への給電が遮断され、発熱による焼損が防止される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、移動体の発熱部が所定温度以上となると感熱線の一対の導体が短絡し、短絡した導線とコイルにより閉回路が形成されることにより、移動体への給電が遮断され、移動体のコイルや回路基板などの焼損を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
【出願日】 平成9年(1997)12月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−178104
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−336214