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【発明の名称】 車両用制御装置
【発明者】 【氏名】佐藤 忠己

【氏名】川本 健泰

【要約】 【課題】本発明の目的は、補助電源インバータが故障した場合駆動用VVVFインバータを補助電源インバータに切替えて使用することを可能とさせながら、低コストの車両制御装置を顧客に提供するものである。

【解決手段】インバータ装置を一体形に組込んだ車両制御装置は、複数の駆動用2レベル方式のインバータと補助電源用3レベル方式インバータで構成することにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の駆動用VVVFインバータと補助電源用CVCFインバータを内蔵し、補助電源用インバータが故障の場合、複数のVVVFインバータの内の1台を補助電源用インバータとして作用させる方式を採用し、これ等のインバータ装置を一体形に組込んだ車両制御装置に於いて、複数の駆動用2レベル方式のインバータと補助電源用3レベル方式インバータで構成することを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】同じく一体形に組込まれた車両制御装置に於いて、複数の駆動用インバータの内、補助電源インバータとして作用させる1台を除いた、駆動用インバータを2レベル方式インバータとし、補助電源用インバータ及び補助電源として作用させる1台の駆動用インバータを3レベル方式インバータで構成させる事を特徴とする車両制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両駆動用インバータ制御装置の低コスト化に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用IGBTインバータに使用されるIGBT素子の高耐圧化は近年めざましい発展をとげており、これにインバータ制御技術の進歩も相俟って車両駆動用インバータも従来の3レベル方式インバータから2レベル方式のインバータを採用する傾向にある。
【0003】ところで請求項に記載される、駆動用VVVFインバータと補助電源CVCFインバータを内蔵し、補助電源CVCFインバータが故障の場合、複数のVVVFインバータの内の1台を補助電源インバータ用として作用させる方式をとる一体形車両制御装置に於いては公知例として平成7年サイバネ論文514に示す如くVVVFインバータのインバータ方式は従来より、補助電源用CVCFインバータのインバータ方式に合わせていた。補助電源用CVCFインバータのインバータ方式は、従来より耐回路電圧という考え方とは別に、インバータ出力の性能向上という面から、3レベルインバータ方式を採用していた。
【0004】3レベルインバータ方式と2レベルインバータの方式の回路構成は公知の如くであり説明は省略するが、高耐圧IGBT素子が存在する。現在では3レベルインバータ方式は2レベル方式に比べ高コストになるのは周知の如くである。ところが、前記の一体形車両制御装置ではVVVFインバータが2レベル方式で十分に使用可能であるにもかかわらず、1台のVVVFインバータを補助電源インバータが故障時に代用するという特殊使用条件の為に高コストの3レベル方式のVVVFインバータ装置を顧客に提供しているという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、補助電源インバータが故障した場合駆動用VVVFインバータを補助電源インバータに切替えて使用することを可能とさせながら、低コストの車両制御装置を顧客に提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1において、駆動用インバータを補助電源インバータとして作用させるのは車両の運用時間の内でわずかであり、少々の電圧波形歪みや騒音を問題にしないという前提に於いては2レベル方式インバータを使用して補助電源インバータを作用させるのも、低価格のインバータを提供するという目的を達する1つの手段である。特にインバータ技術が進歩しており2レベルインバータでもインバータのスイッチング周波数を高める等により、出力電圧の波形歪等及び変圧器の騒音等はかなり改善出来るので十分目的を達成出来る。
【0007】請求項2において、複数の駆動用インバータ及び補助電源用インバータから構成される車両制御装置において、駆動用インバータを高耐圧の素子を使用した2レベル方式インバータで構成し、補助電源用インバータ及び補助電源用として作用させる駆動用インバータを3レベル方式インバータにすることによって目的を達成出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例を示す。
【0009】図1に於いて架線から供給される直流は遮断器9を介して車両駆動用インバータ1及び2に入力される。インバータは可変電圧,可変周波数で3相交流を出力し駆動用電動機4及び5へ供給する。尚、請求項2に於いて、インバータ1は2レベル方式のインバータを採用し、インバータ2は3レベル方式のインバータを採用している。又請求項1に於いて、インバータ2は2レベルインバータを採用している。
【0010】一方、架線から供給される直流は遮断器10及び切替器6を介してインバータ3に入力され、インバータは定電圧,定周波で3相交流を出力し、3相変圧器7へ入力され、フィルタ8により高調波成分は除去され、基本成分のみの3相正弦波電圧が列車の冷房,照明等へ供給される。インバータ3は3レベル方式インバータを採用している。
【0011】次にインバータ3が故障した場合の作用について説明する。
【0012】切替器6を操作し、端子N側から端子T側へ切替える事により故障したインバータ3は開放される。と同時にインバータ2は遮断器10を介して架線から直流が供給される。一方インバータ2の出力側は主電動機5を開放し、変圧器7に接続される。
【0013】この状態でインバータ2を定電圧,定周波運転を行う事で列車内へ電源を供給することが可能になる。
【0014】尚、請求項1に於いてはインバータ2は3レベル方式のインバータを採用するので、インバータ3と同一出力特性が得られる。
【0015】請求項1に於いて、インバータ2は2レベル方式のインバータを採用しているため、インバータ3に比べ出力波形は少し歪が生じてくるので、負荷に対して多少の影響は出るかもしれないが、列車の走行等に支障はなく、車庫へ帰るまでのつなぎとしては十分補助電源装置として作用させる事が可能となる。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、複数の駆動用VVVFインバータと補助電源用3レベルインバータを内蔵した一体形車両制御装置に於いて、駆動用VVVFインバータを2レベル方式インバータにすることにより、低価格の車両制御装置を顧客に提供することが可能となる。
【0017】本発明の請求項2によれば、複数の駆動用VVVFインバータと補助電源用インバータを内蔵した車両制御装置に於いて、補助電源用インバータとして作用させない残りのVVVFインバータを2レベル方式にすることにより、低価格の一体形車両制御装置を顧客に提供する事が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
【公開番号】 特開平11−178102
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−344650