| 【発明の名称】 |
ハイブリッド自動車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 俊次
【氏名】浜井 九五
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| 【要約】 |
【課題】減速エネルギの回生効率および運転性を向上することである。
【解決手段】原動機としてのエンジン1のクランク軸を原動機かつ発電機としてのモータ2の回転軸に連結し、モータ2の回転軸を車両の駆動輪6に連結しており、エンジン1およびモータ2の少なくとも一方の駆動力により車両を駆動するとともに、車両減速時にモータ2を発電機として機能させることによりエネルギを回生する。制御装置11は車両減速時に、エンジン1の出力軸の駆動輪6に対する連結を選択的に切断するクラッチ7を切断するとともに、エンジンブレーキに相当する負荷を発生するようモータ2を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原動機としてのエンジンおよび原動機かつ発電機としてのモータのそれぞれの出力軸を車両の駆動輪に連結し、該エンジンおよび該モータの少なくとも一方の駆動力により車両を駆動するとともに、該モータを発電機として機能させることによりエネルギを回生するようにしたハイブリッド自動車の制御装置において、前記エンジンの前記出力軸の前記駆動輪に対する連結を選択的に切断するクラッチ手段と、車両減速時に前記クラッチ手段を切断して前記モータによりエネルギの回生を実施するとともに、該クラッチ手段を接続している場合のエンジンブレーキに相当する負荷を発生するよう前記モータを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項2】 前記クラッチ手段のクラッチ油圧を検出するクラッチ油圧検出手段をさらに備え、前記クラッチ油圧検出手段により検出されたクラッチ油圧に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項3】 前記エンジンの出力軸の回転角加速度を検出する回転角加速度検出手段をさらに備え、前記回転角加速度検出手段により検出された回転角加速度に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項4】 前記エンジンの温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記回転角速度検出手段により検出された回転角加速度および前記温度検出手段により検出された温度に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする請求項3記載のハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項5】 前記制御手段は、ブレーキ減速力が予め決められた所定値よりも高い場合には、車両減速時における前記クラッチ手段の切断を行わないことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項6】 前記制御手段は、前記エンジンの回転数低下率が予め決められた所定値よりも小さい場合には、車両減速時における前記クラッチ手段の切断を行わないことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原動機としてのエンジンおよび原動機かつ発電機としてのモータの少なくとも一方の駆動力により車両を駆動するとともに、該モータを発電機として機能させることによりエネルギを回生するようにしたハイブリッド自動車の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のハイブリッド自動車としては、例えば、実開平6−14445号公報に開示されているようなものが知られている。このハイブリッド自動車は、原動機としてのエンジンと、原動機かつ発電機としてのモータを備え、エンジンの出力軸(クランク軸)およびモータの回転軸(入出力軸)はそれぞれ変速機の入力軸に連結され、該変速機の出力軸がディファレンシャル装置を介して駆動輪の車軸に連結されている。エンジンと変速機の間およびモータと変速機の間にはそれぞれクラッチが介装されており、これらの間の連結を選択的に切断できるようになっている。 【0003】車両の推進は、エンジンおよびモータのいずれか一方または双方の駆動力によって行われ、ブレーキスイッチがオンされたときに、モータを発電機として機能させて減速エネルギを回生するとともに、エンジンと変速機の間のクラッチを切断することによりエンジンを切り離して減速エネルギの回生効率を向上するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のハイブリッド自動車においては、車両減速時にエンジンと変速機の間のクラッチを単に切断するものであるから、エンジンを切り離さないものと比較してエネルギの回生効率は向上するが、エンジンフリクション等によるエンジンブレーキの作用が無くなり、運転者は通常はエンジンブレーキの作用による減速が行われることを期待しているため、運転性が悪化するという問題があった。 【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、減速エネルギの回生効率を向上するとともに、運転性を向上することができるハイブリッド自動車の制御装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、原動機としてのエンジンおよび原動機かつ発電機としてのモータのそれぞれの出力軸を車両の駆動輪に連結し、該エンジンおよび該モータの少なくとも一方の駆動力により車両を駆動するとともに、該モータを発電機として機能させることによりエネルギを回生するようにしたハイブリッド自動車の制御装置において、前記エンジンの前記出力軸の前記駆動輪に対する連結を選択的に切断するクラッチ手段と、車両減速時に前記クラッチ手段を切断して前記モータによりエネルギの回生を実施するとともに、該クラッチ手段を接続している場合のエンジンブレーキに相当する負荷を発生するよう前記モータを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0007】請求項1記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置では、車両減速時にクラッチ手段を切断してモータによりエネルギの回生を実施中に、クラッチ手段を接続していると仮定した場合のエンジンブレーキに相当する負荷をモータにより発生させるようにしたから、運転者が期待しているとおりのエンジンブレーキに相当する減速がなされることになり、運転性を向上することができる。 【0008】上記目的を達成するために、請求項2記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置において、前記クラッチ手段のクラッチ油圧を検出するクラッチ油圧検出手段をさらに備え、前記クラッチ油圧検出手段により検出されたクラッチ油圧に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする。 【0009】この請求項2記載のハイブリッド自動車の制御装置では、クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクをクラッチ油圧に基づいて求め、これにしたがってモータが発生する負荷を調整するようにしたから、実際のエンジンフリクションによる負荷にきわめて近い状態を再現することができ、運転性を向上することができる。 【0010】上記目的を達成するために、請求項3記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置において、前記エンジンの出力軸の回転角加速度を検出する回転角加速度検出手段をさらに備え、前記回転角加速度検出手段により検出された回転角加速度に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする。 【0011】この請求項3記載のハイブリッド自動車の制御装置では、クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクをエンジンの回転角加速度に基づいて求め、これにしたがってモータが発生する負荷を調整するようにしたから、実際のエンジンフリクションによる負荷にきわめて近い状態を再現することができ、運転性を向上することができる。 【0012】上記目的を達成するために、請求項4記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、請求項3記載のハイブリッド自動車の制御装置において、前記エンジンの温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記回転角加速度検出手段により検出された回転角加速度および前記温度検出手段により検出された温度に基づき、前記クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクを求め、該伝達トルクにしたがって前記モータが発生する負荷を調整するようにしたことを特徴とする。 【0013】実際のエンジンフリクションはエンジンの温度によっても変化するものであるから、この請求項4記載のハイブリッド自動車の制御装置では、クラッチ手段の入出力軸間の伝達トルクをエンジンの回転角加速度および温度に基づいて求め、これにしたがってモータが発生する負荷を調整するようにしたから、温度の変化に応じて変化する実際のエンジンフリクションによる負荷にきわめて近い状態を再現することができ、請求項3記載のものよりも運転性を向上することができる。 【0014】上記目的を達成するために、請求項5記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置において、前記制御手段は、ブレーキ減速力が予め決められた所定値よりも高い場合には、車両減速時における前記クラッチ手段の切断を行わないことを特徴とする。 【0015】請求項5記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、いわゆる急ブレーキをかけた場合には、クラッチ手段を切断すると、モータに対して急激に大きな力が作用し、モータに対する負担が大きくなるので、これを防止するようにしたものである。 【0016】上記目的を達成するために、請求項6記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、請求項1記載のハイブリッド自動車の制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの回転数低下率が予め決められた所定値よりも小さい場合には、車両減速時における前記クラッチ手段の切断を行わないことを特徴とする。 【0017】請求項6記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、車両減速中といえども、エンジンの回転数低下率が小さい場合(例えば、エンジンブレーキ相当の減速の場合)には再加速する可能性が高いので、ただちにクラッチ手段を切断すると、再結合にはある程度の時間を要するため、加速性や運転性が悪化する場合があるので、これを防止するようにしたものである。 【0018】 【発明の効果】請求項1記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置によれば、減速エネルギの回生量を多くするためにクラッチ手段を切断してエンジンを切り離した場合であっても、エンジンブレーキに相当する減速が行われることになるから、運転性を向上することができるという効果がある。 【0019】請求項2、3および4記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置によれば、請求項1についての前記効果に加えて、実際のエンジンフリクションによる負荷にきわめて近い状態を再現することができ、運転性をさらに向上することができるという効果がある。 【0020】請求項5記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置によれば、請求項1についての前記効果に加えて、急減速する場合におけるモータに対する負担が軽減され、モータ寿命を長くすることができるという効果がある。 【0021】請求項6記載の本発明のハイブリッド自動車の制御装置によれば、請求項1についての前記効果に加えて、緩い減速で再加速する場合における加速性や運転性の低下を防止することができるという効果がある。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は本発明の第1実施形態のハイブリッド自動車の要部構成を示す図である。図1において、1は原動機としてのエンジンであり、2は原動機および発電機としてのモータである。エンジン1のクランク軸(出力軸)はモータ2の回転軸(入出力軸)に連結されており、モータ2の回転軸はトランスミッション3、プロペラシャフト4およびディファレンシャルギア5を介してタイヤ(駆動輪)6の車軸に連結されている。 【0023】エンジン1のクランク軸とモータ2の回転軸の間には、これらの間の連結を選択的に切断する第1クラッチ7が介装されており、モータ2の回転軸とトランスミッション3の入力軸の間には、これらの間の連結を選択的に切断する第2クラッチ8が介装されている。 【0024】モータ2はインバータ9を介してバッテリー10に接続されており、インバータ9は制御装置11に接続されている。制御装置11は各種のセンサからの検出信号や各種のデータに基づき、インバータ9を介してモータ2を制御するとともに、第1クラッチ7や第2クラッチ8の切断または接続を制御する。 【0025】この第1クラッチ7には油圧センサ12が取り付けられており、この油圧センサ12によりクラッチ油圧が検出され、検出信号が制御装置11に入力される。また、エンジン1にはそのクランク軸の回転数を検出する回転数センサ13が取り付けられており、この回転数センサ13により検出された検出信号は制御装置11に入力される。 【0026】図2は本発明の第1実施形態の制御装置による処理の要部を示すフローチャートである。まず、ブレーキがON(作動)されたか否かを判断する(S1)。この判断は、図示しないブレーキスイッチ(SW)がONになったか否か、あるいはブレーキの油圧を検出してブレーキに踏力がかかったか否かにより行う。 【0027】S1において、ブレーキがONされていないと判断した場合(Noの場合)にはこの処理を終了し、ブレーキがONされていると判断した場合(Yesの場合)には、第1クラッチ7のリリース(切断)を開始する(S2)。 【0028】次いで、油圧センサ12により第1クラッチ7のクラッチ油圧を検出し(S3)、第1クラッチ7のクラッチ容量を演算し(S4)、エンジンフリクションを求め(S5)、エンジンとモータ間の伝達トルク(第1クラッチ7の入出力軸間の伝達トルク)を演算し(S6)、この伝達トルクにしたがってモータ2で吸収するモータ吸収トルクを増加、すなわちモータ2が発生する負荷を増加する(S7)。 【0029】その後、回転数センサ13により検出された回転数が0になったか否かを判断し(S8)、0になっていないと判断した場合(Noの場合)には、回転数センサ13によりエンジン回転数を検出し(S9)、S3に戻る。S8において、回転数センサ13により検出された回転数が0になったと判断した場合(Yesの場合)には、この処理を終了する。 【0030】S4におけるクラッチ容量の演算式は、クラッチ容量をTcl1として、Tcl1=μ×A×P×rである。ここで、μは第1クラッチ7のクラッチ摩擦係数、Aはクラッチ面積、Pはクラッチ油圧、rはクラッチ半径である。 【0031】また、S5におけるエンジンフリクションは、図3に示されているように、エンジンの回転数とエンジンフリクション(トルク)との関係を予め計測して、データテーブルを作成しておき、第1クラッチ7の切断によりエンジン1がモータ2から切り離された瞬間(エンジン1とモータ2の回転数が異なった瞬間)のエンジン回転数に対応するエンジンフリクションを、このデータテーブルから読み出すことにより求める。 【0032】S6における伝達トルクの演算式は、伝達トルクをT、エンジンフリクションをTefとして、T=Tef−Tcl1である。モータ2がトルクTを発生すれば、エンジン1を切り離すことによるエンジンフリクションの変化による減速時運転性の悪化を防止できることになる。 【0033】図4は本発明の第1実施形態の各部の作動と回転数やトルクの変化等の関係を示す図である。上から順に、(a)はモータトルク、(b)はエンジントルク、(c)はエンジン回転数、(d)はモータ回転数、(e)はクラッチ容量、(f)はクラッチ伝達トルク、(g)はエンジンとモータを合わせた出力トルク、(h)はアクセルの作動、(i)はブレーキ力を示している。なお、横軸は時間(t)を示している。 【0034】簡単に説明すると、時点Aでアクセルを放し始め、時点Bで完全に放すと(h参照)、これに伴いエンジントルク(b参照)、クラッチ伝達トルク(f参照)および出力トルク(g参照)が低下し、時点Bの経過によりエンジンブレーキがかかる(b参照)。 【0035】その後、時点Cでブレーキを踏み始めると(i参照)、モータ2によるトルク吸収が始まり(a参照)、時点Dで第1クラッチ7のリリースが始まると(e参照)、この時点でのクラッチ伝達トルク(f参照)にしたがって、モータ2によるトルク吸収が増加される(a参照)。なお、時点Aから時点Dまでの間は、エンジン回転数とモータ回転数が等しいので、第1クラッチ7は滑っていないが、時点Dから時点Eまでの間はエンジン回転数とモータ回転数は等しくなく、第1クラッチ7は滑っていることになる。 【0036】上述した第1実施形態によると、ブレーキの作動が検出された時点で、第1クラッチ7を切断してエンジン1のクランク軸をモータ2の回転軸から切り離すようにしているから、減速エネルギの回生量を多くすることができる。 【0037】すなわち、図5に示されているように、第1クラッチ7を接続(ON)したままの状態においては、減速開始から減速終了までに発生する車両減速エネルギから走行抵抗や各種損失を減じ、さらにエンジンフリクションによりエンジンブレーキとして消費されるものを減じたものが回生エネルギとなるが、第1クラッチ7を切断(OFF)することによりエンジンフリクションによる消費分をも回生することができるようになるから、減速エネルギの回生量を多くすることができるのである。 【0038】ここで、減速エネルギの回生中にエンジン1を切り離すことにより、減速エネルギの回生量は多くなるが、エンジンフリクションによるエンジンブレーキの作用が無くなると、運転者は通常はエンジンブレーキの作用による減速が行われることを期待しているので、運転性が悪化してしまう。 【0039】そこで、この第1実施形態では、エンジン1とモータ2間の切り離し直前のクラッチ伝達トルクを求めて、この伝達トルクにしたがって、モータ2による吸収トルクを増加するようにしたから、第1クラッチ7を接続している場合におけるエンジン1による負荷、すなわちエンジンブレーキによる負荷に相当する負荷が発生することとなり、エンジンブレーキ相当の減速が行われることになるから、運転性を向上することができる。 【0040】[第2実施形態]図6は本発明の第2実施形態の制御装置による処理の要部を示すフローチャートである。この第2実施形態におけるハイブリッド自動車の構成については、上述した第1実施形態と同様であるので、同一の番号を付してその説明は省略する。 【0041】上述した第1実施形態は、油圧センサ12による第1クラッチ7のクラッチ油圧に基づきエンジン1とモータ2間の伝達トルクを求め、これにしたがってモータ吸収トルクを増加させているが、この第2実施形態は、回転数センサ13によるエンジン1の回転数に基づき回転角加速度を算出し、この回転角加速度に基づきエンジンとモータ間の伝達トルクを求め、これにしたがってモータ吸収トルクを増加させるようにしたものである。 【0042】図6において、まず、ブレーキがON(作動)されたか否かを判断する(S1)。この判断は図示しないブレーキスイッチ(SW)がONになったか否か、あるいはブレーキの油圧を検出してブレーキに踏力がかかったか否かにより行う。 【0043】S1において、ブレーキがONされていないと判断した場合(Noの場合)にはこの処理を終了し、ブレーキがONされていると判断した場合(Yesの場合)には、回転数センサ13によりエンジン1の回転数を検出し(S2)、その後、第1クラッチ7のリリース(切断)を開始する(S3)。 【0044】次いで、回転数センサ13により検出されたエンジン1の回転数に基づき、エンジン1のクランク軸の回転角加速度を演算し(S4)、エンジンフリクションを求め(S5)、エンジンとモータ間の伝達トルク(第1クラッチ7の入出力軸間の伝達トルク)を演算し(S6)、この伝達トルクにしたがってモータ2で吸収するモータ吸収トルクを増加、すなわちモータ2が発生する負荷を増加する(S7)。 【0045】その後、回転数センサ13により検出された回転数が0になったか否かを判断し(S8)、0になっていないと判断した場合(Noの場合)には、回転数センサ13によりエンジン回転数を検出し(S9)、S4に戻る。S8において、回転数センサ13により検出された回転数が0になったと判断した場合(Yesの場合)には、この処理を終了する。 【0046】S4における回転角加速度は、単位時間あたりの回転数の変化、すなわち、dw/dtにより求めることができる。また、S5におけるエンジンフリクションは、図3に示されているように、エンジン回転数とエンジンフリクション(トルク)との関係を予め計測して、データテーブルを作成しておき、第1クラッチ7の切断によりエンジン1がモータ2から切り離された瞬間(エンジン1とモータ2の回転数が異なった瞬間)のエンジン回転数に対応するエンジンフリクションを、このデータテーブルから読み出すことにより求める。 【0047】S6における伝達トルクの演算式は、伝達トルクをT、エンジンフリクションをTefとして、Ip×dw/dt=T−Tefである。ここで、Ipはエンジン慣性モーメントであり、実験または計算により予め求めてデータとして記憶保持しているものとする。モータ2がこのトルクTを発生すれば、エンジンフリクションの変化による減速時運転性の悪化を防止できることになる。 【0048】この第2実施形態によると、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができることに加えて、第1クラッチ7のクラッチ油圧を検出する油圧センサ12を省略することができ、構成の簡略化を図ることができる。 【0049】[第3実施形態]図7は本発明の第3実施形態のハイブリッド自動車の要部構成を示す図である。図7において、1は原動機としてのエンジンであり、2は原動機および発電機としてのモータである。エンジン1のクランク軸(出力軸)はモータ2の回転軸(入出力軸)に連結されており、モータ2の回転軸はトランスミッション3、プロペラシャフト4およびディファレンシャルギア5を介してタイヤ(駆動輪)6の車軸に連結されている。 【0050】エンジン1のクランク軸とモータ2の回転軸の間には、これらの間の連結を選択的に切断する第1クラッチ7が介装されており、モータ2の回転軸とトランスミッション3の入力軸の間には、これらの間の連結を選択的に切断する第2クラッチ8が介装されている。 【0051】モータ2はインバータ9を介してバッテリー10に接続されており、インバータ9は制御装置11に接続されている。制御装置11は各種のセンサからの検出信号や各種のデータに基づき、インバータ9を介してモータ2を制御するとともに、第1クラッチ7や第2クラッチ8の切断または接続を制御する。 【0052】エンジン1にはそのクランク軸の回転数を検出する回転数センサ13が取り付けられており、この回転数センサ13により検出された検出信号は制御装置11に入力される。また、エンジン1にはその冷却水の水温を検出する水温センサ14が取り付けられており、この水温センサ14により検出された検出信号は制御装置11に入力される。 【0053】図8は本発明の第1実施形態の制御装置による処理の要部を示すフローチャートである。まず、ブレーキがON(作動)されたか否かを判断する(S1)。この判断は、図示しないブレーキスイッチ(SW)がONになったか否か、あるいはブレーキの油圧を検出してブレーキに踏力がかかったか否かにより行う。 【0054】S1において、ブレーキがONされていないと判断した場合(Noの場合)にはこの処理を終了し、ブレーキがONされていると判断した場合(Yesの場合)には、回転数センサ13によりエンジン1の回転数を検出し(S2)、その後、第1クラッチ7のリリース(切断)を開始する(S3)。 【0055】次いで、回転数センサ13により検出されたエンジン1の回転数に基づき、エンジン1のクランク軸の回転角加速度を演算し(S4)、水温センサ14によりエンジン1の冷却水の水温を測定し(S5)、エンジンフリクションを求め(S6)、エンジンとモータ間の伝達トルク(第1クラッチ7の入出力軸間の伝達トルク)を演算し(S7)、この伝達トルクに応じてモータ2で吸収するモータ吸収トルクを増加する(S8)。 【0056】その後、回転数センサ13により検出された回転数が0になったか否かを判断し(S9)、0になっていないと判断した場合(Noの場合)には、回転数センサ13によりエンジン回転数を検出し(S10)、S4に戻る。S9において、回転数センサ13により検出された回転数が0になったと判断した場合(Yesの場合)には、この処理を終了する。 【0057】S4における回転角加速度は単位時間あたりの回転数の変化、すなわち、dw/dtにより求めることができる。また、S5におけるエンジンフリクションは、図9に示されているように、エンジン回転数とエンジンフリクション(トルク)との関係を、エンジン1の冷却水の温度の変化に応じて予め計測してデータテーブルとしておき、第1クラッチ7の切断によりエンジン1がモータ2から切り離された瞬間(エンジン1とモータ2の回転数が異なった瞬間)のエンジン回転数と水温センサ14により測定された水温に対応するエンジンフリクションをこのデータテーブルから読み出すことにより求める。 【0058】S6における伝達トルクの演算式は、伝達トルクをT、エンジンフリクションをTefとして、Ip×dw/dt=T−Tefである。ここで、Ipはエンジン慣性モーメントであり、実験または計算により予め求めてデータとして記憶保持しているものとする。モータ2がこのトルクTを発生すれば、エンジンフリクションの変化による減速時運転性の悪化を防止できることになる。 【0059】この第3実施形態によると、上述した第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができることに加えて、以下のような効果がある。すなわち、エンジンフリクションはエンジン1の温度に応じて変化するため、冷却水の温度を測定してそれに対応するエンジンフリクションを求めるようにしたから、第2実施形態よりもさらに正確にエンジンフリクションを求めることができ、したがって、求められるエンジンとモータ間の伝達トルクが現実により近いものとなり、運転性をより向上することができる。 【0060】[第4実施形態]図10は本発明の第4実施形態のハイブリッド自動車の制御装置による処理の一部を示すフローチャートである。上述した第1ないし第3実施形態と同一の構成および処理についてはその説明は省略し、相違する点についてのみ説明することにする。 【0061】上述した第1ないし第3実施形態では、ブレーキがONされた場合に、ただちに第1クラッチ7の切断を行っているが、この第4実施形態ではブレーキがONされた後、図10の処理を行って、第1クラッチ7を切断するか否かを判断するようにしている。 【0062】すなわち、ブレーキがONされたならば、ブレーキの減速力を演算する(S1)。このブレーキ減速力は、ブレーキ油圧を計測することにより、あるいは車両の減速加速度(G)等を検出して、これに基づきブレーキ油圧を推定することにより求める。 【0063】次いで、求めたブレーキ減速力が予め決められた所定のしきい値よりも大きいか否かを判断する(S2)。このしきい値は、例えば、急ブレーキをかけた場合の減速力に基づき予め決定され、記憶保持されている。 【0064】S2において、ブレーキ減速力が予め決められた所定のしきい値よりも小さいと判断した場合(Noの場合)には第1クラッチ7を切断して、エンジン1をモータ2から切り離し、ブレーキ減速力が予め決められた所定のしきい値よりも大きいと判断した場合(Yesの場合)には第1クラッチ7を接続したままの状態として、エンジン1をモータ2から切り離さない。 【0065】この第4実施形態によると、例えば、急ブレーキをかけた場合には、第1クラッチ7を切断すると、モータ2に対して急激に大きな力が作用し、モータ2に対する負担が大きくなることがあるので、このような場合にはエンジン1を切り離さないようにして、モータ2の長寿命化を図るようにしている。 【0066】[第5実施形態]図11は本発明の第5実施形態のハイブリッド自動車の制御装置による処理の一部を示すフローチャートである。上述した第1ないし第3実施形態と同一の構成および処理についてはその説明は省略し、相違する点についてのみ説明することにする。 【0067】上述した第1ないし第3実施形態では、ブレーキがONされた場合に、ただちに第1クラッチ7の切断を行っているが、この第5実施形態ではブレーキがONされた後、図11の処理を行って、第1クラッチ7を切断するか否かを判断するようにしている。 【0068】すなわち、ブレーキがONされたならば、回転数センサ13により検出されているエンジン1の回転数を微分演算することによりエンジン回転数の低下率を求める(S1)。 【0069】次いで、求めたエンジン回転数の低下率が予め決められた所定のしきい値よりも大きいか否かを判断する(S2)。このしきい値は、例えば、エンジンブレーキによる回転数の低下率に基づいて予め決定され、記憶保持されている。 【0070】S2において、エンジン回転数の低下率が予め決められた所定のしきい値よりも大きいと判断した場合(Yesの場合)には第1クラッチ7を切断して、エンジン1をモータ2から切り離し、エンジン回転数の低下率が予め決められた所定のしきい値よりも大きくないと判断した場合(Noの場合)には第1クラッチ7を接続したままの状態として、エンジン1をモータ2から切り離さない。 【0071】この第5実施形態によると、例えば、車両減速中といえども、エンジン1の回転数の低下率が小さい場合、すなわちエンジンブレーキ程度の減速を行っている場合には、再加速する可能性が高いので、ただちに第1クラッチ7を切断すると、再加速時に第1クラッチ7の再結合にはある程度の時間を要するため、加速性や運転性が低下する場合があるが、エンジンブレーキ程度の場合にはエンジン1を切り離さないようにしたから、このような問題が防止される。 【0072】なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】前田 均 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−164403 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−342022 |
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