| 【発明の名称】 |
バッテリーの空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山 本 浩 二
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| 【要約】 |
【課題】従来の空調装置ではダクト類を用いてエンジンルーム内の空気を導入していたので、部品点数が多くなるとともに冷却性能が充分ではなく、このような不具合を解決することが課題であった。
【解決手段】電気自動車EVのフロアF下部に設けたバッテリーBの収納体1に、吸気用バルブ7および排気用バルブ9と、排気用バルブ9の開放および閉塞に伴って排気用バルブ9からの排気および収納体1内の空気の循環を行うファン10を備えたバッテリーの空調装置とし、ダクト類を廃止して部品点数の削減を実現すると共に、各バルブ7,9の閉塞により水密性を確保し、且つ外気による冷却を実現して冷却性能を高めると共に、収納体内での空気循環による冷却も可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車に搭載したバッテリーの空調装置であって、電気自動車のフロア下部に設けたバッテリーの収納体に、外気に対して開閉される吸気用バルブと排気用バルブを備えると共に、収納体の内部に、排気用バルブの開放および閉塞に伴って排気用バルブからの排気および収納体内の空気の循環を行うファンを備えたことを特徴とするバッテリーの空調装置。 【請求項2】 収納体の前部に吸気用バルブを設けると共に、収納体の後部に排気用バルブを設け、収納体の後部内側に、排気用バルブ側に送風を行うファンと、排気用バルブとファンの間からバッテリーの収納空間に連通する戻り流路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項3】 バッテリーに温度センサを備えると共に、温度センサの検出信号に応じて各バルブの駆動部およびファンの駆動部に駆動信号を出力する空調制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項4】 空調制御手段が、外部スイッチからの入力信号により各バルブを閉塞する機能を有する手段であることを特徴とする請求項3に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項5】 外部スイッチが、車体外側において水を検出する水センサであることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項6】 外部スイッチが、電気自動車に装備されたワイパスイッチであることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項7】 外部スイッチが、手動スイッチであることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーの空調装置。 【請求項8】 空調制御手段が、外部スイッチから信号が入力されている状態において、温度センサの検出信号に応じて電気自動車のモータ駆動制御装置に対して出力制限指令を出力する機能を有する手段であることを特徴とする請求項4に記載のバッテリーの空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載されたバッテリーの冷却に用いられるバッテリーの空調装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3に一部を示す電気自動車EVは、フロアFの下部にバッテリーの収納体101を備えており、この収納体101内に複数(例えば乗用車タイプで96個)のバッテリーBを平面的に整列させた状態で収納している。収納体101は、主として、下側のフレーム101aと上側のカバー101bとで構成してあり、水密性を有している。各バッテリーBは、収納体4内に架設した水平な桟101cにより保持してあり、これにより、上下および隣接するバッテリーBとの間には空気の流通路が形成されている。 【0003】上記バッテリーBの空調装置は、電気自動車EVのエンジンルームAから車体下方へ至るフロントダクト102と、フロントダクト102と収納体101の前部とを連通させる吸気側ダクト103と、収納体101の後部側から車体後方へ延出するリアダクト104と、収納体101とリアダクト104を連結する排気側ダクト105を備えている。各ダクト102〜105は樹脂製である。排気側ダクト105は、上下のダクト用部材105a、105bにより構成してあり、内部にはリアダクト104側へ送風を行うファン106が設けてある。 【0004】上記の空調装置は、ファン106を駆動することにより、フロントダクト102および吸気側ダクト103を介してエンジンルームA内の空気を収納体101内に吸引し、その空気を図中の矢印で示す如く各バッテリーBの周囲に流通させてこれらのバッテリーBを冷却し、さらに、排気側ダクト105およびリアダクト104を介して冷却後の空気を外部に排出する。このような空調装置は、例えば特開平8−164751号公報に記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したような従来のバッテリーの空調装置にあっては、冷却にエンジンルームA内の空気を用いることから、吸引空気の温度が高いものとなっており、この点に対して冷却性能の向上が要望されていた。また、従来のバッテリーの空調装置では、複数のダクト102〜105を使用することから樹脂製大型部品の点数が多く、しかも、各部品の接続部分のシール管理を厳密に行う必要があるので、コスト高になると共に、製造管理に多くの手間がかかるという不具合があり、これらの不具合に対する改善が要望されていた。 【0006】 【発明の目的】本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、冷却性能の向上、水密性の確保、コスト低下および製造管理の簡略化等を実現することができるバッテリーの空調装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明に係わるバッテリーの空調装置は、請求項1として、電気自動車に搭載したバッテリーの空調装置であって、電気自動車のフロア下部に設けたバッテリーの収納体に、外気に対して開閉される吸気用バルブと排気用バルブを備えると共に、収納体の内部に、排気用バルブの開放および閉塞に伴って排気用バルブからの排気および収納体内の空気の循環を行うファンを備えた構成とし、請求項2として、収納体の前部に吸気用バルブを設けると共に、収納体の後部に排気用バルブを設け、収納体の後部内側に、排気用バルブ側に送風を行うファンと、排気用バルブとファンの間からバッテリーの収納空間に連通する戻り流路を備えた構成とし、請求項3として、バッテリーに温度センサを備えると共に、温度センサの検出信号に応じて各バルブの駆動部およびファンの駆動部に駆動信号を出力する空調制御手段を備えた構成とし、請求項4として、空調制御手段が、外部スイッチからの入力信号により各バルブを閉塞する機能を有する手段である構成とし、請求項5として、外部スイッチが、車体外側において水を検出する水センサをである構成とし、請求項6として、外部スイッチが、電気自動車に装備されたワイパスイッチである構成とし、請求項7として、外部スイッチが、手動スイッチである構成とし、請求項8として、空調制御手段が、外部スイッチから信号が入力されている状態において、温度センサの検出信号に応じて電気自動車のモータ駆動制御装置に対して出力制限指令を出力する機能を有する手段である構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。 【0008】 【発明の作用】本発明の請求項1に係わるバッテリーの空調装置では、吸気や排気のダクト類を用いない構造となっており、吸気用および排気用のバルブの閉塞により収納体内の水密性が確保される。そして、当該空調装置では、ファンを駆動するとともに吸気用および排気用のバルブを開放すると、吸気用バルブから収納体内に外気を直接吸引し、この外気により収納体内の不均一な温度上昇を抑制し且つバッテリーを冷却するので、例えばエンジンルーム内の空気を用いる場合に比べて冷却性能が著しく高められる。また、冷却後の空気は排気用バルブから排出する。さらに、当該空調装置では、各バルブを閉塞した状態でファンを駆動することにより、収納体内の空気を循環させてバッテリーの冷却をすることも行う。 【0009】本発明の請求項2に係わるバッテリーの空調装置では、ファンを駆動するとともに吸気用および排気用のバルブを開放すると、収納体前部の吸気用バルブから外気を直接吸引し、あるいは電気自動車の走行により吸気用バルブから外気を導入し、この外気により収納体内の不均一な温度上昇を抑制してバッテリーを冷却し、収納体後部の排気用バルブから冷却後の空気を排出する。また、各バルブの閉塞により外部に対する水密性が確保され、各バルブを閉塞した状態でファンを駆動すれば、ファンを通過した空気が戻り流路を経てバッテリーの収納空間に送られ、これにより収納体内の空気を循環させてバッテリーを冷却する。 【0010】本発明の請求項3に係わるバッテリーの空調装置では、空調制御手段により、バッテリーに設けた温度センサの検出信号に応じて各バルブの駆動部およびファンの駆動部に駆動信号を出力し、各バルブの開閉およびファンの駆動・停止を行う。つまり、温度センサによる検出温度の値に応じて、各バルブを閉塞し且つファンを停止させた冷却停止と、各バルブを開放し且つファンを停止させた自然冷却と、各バルブを閉塞し且つファンを駆動する空気循環冷却と、各バルブを開放し且つファンを駆動する外気冷却との切り替えを自動的に行う。 【0011】本発明の請求項4に係わるバッテリーの空調装置では、外部スイッチからの入力信号に基づいて空調制御手段により各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止する。 【0012】本発明の請求項5に係わるバッテリーの空調装置では、外部スイッチである水センサからの入力信号に基づいて空調制御手段により各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止する。つまり、水センサにおいて降雨、洗浄あるいは路上の水はね等による水が検出されると、その検出信号に基づいて各バルブを自動的に閉塞する。 【0013】本発明の請求項6に係わるバッテリーの空調装置では、外部スイッチであるワイパスイッチからの入力信号に基づいて空調制御手段により各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止する。 【0014】本発明の請求項7に係わるバッテリーの空調装置では、外部スイッチである手動スイッチからの入力信号に基づいて空調制御手段により各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止する。つまり、冠水路を走行する場合などに運転者の意思により各バルブの閉塞を行い得る。 【0015】本発明の請求項8に係わるバッテリーの空調装置では、外部スイッチが入力されている状態、つまり、雨中走行や冠水路走行により水センサ、ワイパスイッチあるいは手動スイッチ等の外部スイッチが入力状態にあり、これにより各バルブを閉塞しているときに、温度センサの検出温度がバッテリーの充分な冷却を必要とする温度になった場合、各バルブの開放による外気冷却を行えないので、空調制御手段からの出力制限指令で電気自動車のモータ駆動制御装置の出力を制限し、これによりバッテリーを保護する。 【0016】 【発明の効果】本発明の請求項1に係わるバッテリーの空調装置によれば、吸気用バルブにより外気を直接取入れてバッテリーの冷却を行うことができるので、従来のようにエンジンルーム内の空気を用いる冷却に比べてバッテリーの冷却性能を著しく高めることができる。また、吸気用および排気用のバルブを閉塞することにより、収納体内の水密性を確保することが可能となり、簡単な構造でバッテリーを水から保護することができ、しかも、各バルブを閉塞した状態でファンを駆動することにより、収納体内で空気を循環させてバッテリーの冷却を行うこともできる。さらに、当該バッテリーの空調装置によれば、従来のような樹脂製大型部品である複数のダクト類が廃止されるので、これによりコストの低下を実現することができると共に、部品点数の削減に伴ってシール管理を厳密に行う部品の接合部分も少なくなるので、製造管理の手間を大幅に減らすことができる。 【0017】本発明の請求項2に係わるバッテリーの空調装置によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、収納体の前部に吸気用バルブを設けるとともに収納体の後部に排気用バルブを設けたことにより、ファンによる空気流通作用のみならず電気自動車の走行に伴って収納体内に外気が流通し、冷却性能をより一層高めることができ、さらに、ファンと排気用バルブの間にバッテリーの収納空間に連通する戻り流路を設けたことにより、各バルブを閉塞した状態における収納体内の空気の循環性能をより高めることができる。 【0018】本発明の請求項3に係わるバッテリーの空調装置によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることができるうえに、温度センサの検出温度の値に応じて各バルブの開閉およびファンの駆動・停止を行うことができ、各バルブを閉塞し且つファンを停止させた冷却停止と、各バルブを開放し且つファンを停止させた自然冷却と、各バルブを閉塞し且つファンを駆動する空気循環冷却と、各バルブを開放し且つファンを駆動する外気冷却との切り替え、すなわち空調の自動制御を行うことができる。 【0019】本発明の請求項4に係わるバッテリーの空調装置によれば、請求項3と同様の効果を得ることができるうえに、外部スイッチからの信号に基づいて空調制御手段により各バルブを閉塞して、収納体への浸水を阻止するので、収納体に浸水が生じるような事態を予め考慮し、これに対処し得る位置に外部スイッチを設けておけば、同様の事態が生じた際に収納体への浸水を阻止することができる。 【0020】本発明の請求項5に係わるバッテリーの空調装置によれば、とくに、降雨、洗浄あるいは路上の水はね等による水がかかる状況において、その水を検出した水センサの検出信号に基づいて各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止することができる。 【0021】本発明の請求項6に係わるバッテリーの空調装置によれば、とくに、降雨等によりワイパ装置を使用する状況において、そのワイパスイッチの入力信号に基づいて各バルブを閉塞し、収納体への浸水を阻止することができ、さらに、請求項5に記載の水センサを併用すれば、降雨時等における機能を補完することが可能となり、当該空調装置の信頼性をより一層高めることができる。 【0022】本発明の請求項7に係わるバッテリーの空調装置によれば、例えば、冠水路走行などにより収納体に水かかりが予想される状況において、運転者の意思で自在に各バルブを閉塞して収納体への浸水を阻止することができ、収納体に浸水が生じるような事態への広い対応が可能となる。 【0023】本発明の請求項8に係わるバッテリーの空調装置によれば、請求項4と同様の効果を得ることができるうえに、温度センサの検出温度がバッテリーの充分な冷却を必要とする温度になったにもかかわらず、雨中走行や冠水路走行により外部スイッチが入力状態にあり、これにより各バルブを開放できない場合に、電気自動車のモータ駆動制御装置の出力を制限し、これによりバッテリーを保護することができ、どの様な状況においてもバッテリーの機能を損失させることのない制御を行うことができる。 【0024】 【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わるバッテリーの空調装置の一実施例を説明する。 【0025】図1に一部を示す電気自動車EVは、フロアFの下部にバッテリーの収納体1を備えており、この収納体1内に複数(例えば乗用車タイプで96個)のバッテリーBを平面的に整列させた状態で収納している。収納体1は、主として、下側のフレーム2と上側のカバー3とを水密的に接合し、その内側にバッテリーBの収納空間4を形成している。各バッテリーBは、例えばリチウムイオン電池であって、収納体1内に架設した水平な複数の桟5上に保持してあり、これにより、上下および隣接するバッテリーBとの間には空気の流通路が形成されている。 【0026】上記電気自動車EVの空調装置は、収納体1の前部(図1中左端部)の下寄りに吸気口6を形成し、この吸気口6を開閉する吸気用バルブ7を設けると共に、収納体1の後部の上寄りに排気口8を形成し、この排気口8を開閉する排気用バルブ9を設けている。これらの吸排気機構は、収納体1の前部および後部の中央1か所であっても良いし、それ以上の数を設けても良い。 【0027】また、収納体1の後部内側には、排気用バルブ9側に送風を行うファン10が設けてあり、排気用バルブ9とファン10の間には、隔壁11により、バッテリーBの収納空間4の下側に連通する戻り流路12が形成してある。なお、カバー3の後部には、ファン10を覆うファンカバー13が設けてある。このファンカバー13はカバー3と一体的に設けることも当然可能である。 【0028】各バルブ7,9およびファン10は、アクチュエータやモータ等であるそれぞれの駆動部14,15,16により駆動される。また、排気用バルブ9には、当該排気用バルブ9と連動して戻り流路12の上端部を開閉する流路開閉部9aが設けてある。この流路開閉部9aは、排気用バルブ9が開放位置にあるとき閉塞位置となり、排気用バルブ9が閉塞位置にあるとき開放位置となる。そして、各バルブ7,9およびファン10の駆動部14,15,16は、空調制御手段17から出力される駆動信号により作動する。 【0029】さらに、バッテリーの空調装置は、個々のバッテリーBに温度センサ18を備えると共に、電気自動車EVの車体外部である収納体1の前部において、吸気用バルブ7の上側に、水を検出する水センサ(外部スイッチ)19が設けてある。温度センサ18および水センサ19の検出信号は空調制御手段17に入力される。 【0030】空調制御手段17は、電気自動車EVのワイパ装置のワイパスイッチ(外部スイッチ)20と、例えば運転席に設けた手動スイッチ(外部スイッチ)21からの各信号を入力すると共に、電気自動車EVの原動機を構成するモータ駆動制御装置22に信号を出力する。手動スイッチ21は、運転者の意思により自在に操作し得るスイッチである。 【0031】空調制御手段17は、温度センサ18の検出信号に応じて各バルブ7,9およびファン10の駆動部14,15,16に駆動信号を出力し、各バルブ7,9の開閉およびファン10の駆動・停止を行う機能を有すると共に、水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21のいずれかの信号が入力されたときに各バルブ7,9を閉塞する機能を有し、且つ水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21のいずれかの信号が入力されている状態において、温度センサ18の検出信号に応じてモータ駆動制御装置22に対して出力制限指令を出力する機能を有している。 【0032】次に、図2に示す空調制御手段17の処理フローとともにバッテリーの空調装置の動作を具体的に説明する。なお、この実施例では、バッテリーBの温度を55℃以下に維持することを目的としている。 【0033】ステップS1において処理を開始すると、まずステップS2において、個々のバッテリーBに設けた温度センサ18による温度Tが20℃未満である否かを判定する。このとき、ステップS2で全てのバッテリーBの温度Tが20℃未満である(Yes)と判定した場合には、ステップS3において吸気用バルブ7および排気用バルブ9を閉塞し、さらにステップS4においてファン10を停止(OFF)し、ステップS5において処理を終了する。また、ステップS2でいずれかのバッテリーBの温度Tが20℃以上である(No)と判定した場合には、ステップS6においてその温度Tが40度未満であるか否かを判定する。 【0034】ステップS6で温度Tが40度未満である(Yes)と判定した場合には、ステップS7において吸気用バルブ7および排気用バルブ9を閉塞し、さらにステップS8においてファン10を駆動(ON)し、ステップS9において処理を終了する。これにより、ファン10で送られた空気が戻り流路12を経てバッテリーBの収納空間4に流通し、収納体1内で空気を循環させることにより、収納体1内の不均一な温度上昇を抑制すると共に、バッテリーBの冷却が行われる。このとき、排気用バルブ9の流路開閉部9aは開放位置にある。 【0035】また、ステップS6でバッテリーBの温度Tが40℃以上である(No)と判定した場合には、ステップS10においてその温度Tが50℃未満であるか否かを判定する。このとき、ステップS10で温度Tが50℃未満である(Yes)と判定した場合には、ステップS11において、水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21がOFFであるか否かを判定し、全てOFF(Yes)である場合には、ステップS12において吸気用バルブ7および排気用バルブ9を開放し、さらにステップS13においてファン10を駆動(ON)し、ステップS14において処理を終了する。 【0036】これにより、ファン10の作用および電気自動車EVの走行に伴って、吸気用バルブ7により開放された吸気口6から収納体1内に外気を直接導入し、その空気を図2中の矢印で示す如く各バッテリーBの周囲に流通させて、収納体1内の不均一な温度上昇を抑制するとともにバッテリーBを冷却し、排気用バルブ9により開放された排気口8から冷却後の空気を外部に排出する。このとき、排気用バルブ9の流路開閉部9aは閉塞位置にある。 【0037】なお、先のステップS11において水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21のいずれかがON(No)である場合には、雨中走行や冠水路走行あるいは洗車等により収納体1に浸水が生じる恐れがある状況であるから、ステップS15において吸気用バルブ7および排気用バルブ9を閉塞して収納体1への浸水を阻止し、ステップS16においてファン10を駆動(ON)して空気循環によるバッテリーBの冷却を行うようにし、ステップS17において処理を終了する。 【0038】さらに、先のステップS10においてバッテリーBの温度Tが50度以上である(No)と判定した場合には、ステップS18において水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21がOFFであるか否かを判定し、全てOFF(Yes)である場合には、ステップS19において吸気用バルブ7および排気用バルブ9を開放し、さらにステップS120においてファン10を駆動(ON)して、外気によるバッテリーBの冷却を行うようにし、ステップS21において処理を終了する。 【0039】また、ステップS18において水センサ19、ワイパスイッチ20および手動スイッチ21のいずれかがON(No)である場合には、温度センサ18による検出温度Tが50℃以上であるにもかかわらず吸気用および排気用のバルブ7,9を開放できない状況にあるので、ステップS22において各バルブ7,9を閉塞し、次いでステップS23においてファン10を駆動(ON)して、空気循環によるバッテリーBの冷却を行うようにし、さらに、ステップS24において出力制限指令を出力して、電気自動車EVの原動機を構成するモータ駆動制御装置22の出力を制限するようにし、ステップS25において処理を終了する。これにより、各バルブ7,9を閉塞した状態でバッテリーBの温度が上昇した場合でも、モータ駆動制御装置22の出力制限と空気循環冷却により、バッテリーBを保護し得ることとなる。 【0040】このように、上記実施例のバッテリーの空調装置では、例えば従来の空調装置(図3参照)のような大型のダクト類を用いないので、部品点数が少なく、部品点数の削減によりシール管理が重要である部品の接合部分も少なくなっており、これにより、コスト的にもまた製造管理的にも有利なものとなっている。また、各バルブ7,9の閉塞により水密性を確保し得ると共に.外気を直接導入するので、従来のようにエンジンルーム内の空気を用いる場合に比べて冷却性能が著しく高いものとなっており、温度センサ18の検出信号に応じて、冷却停止と、収納体内での空気循環による冷却と、外気導入による冷却とを切り替える空調の自動制御を実現している。 【0041】また、空調制御手段17において、外部スイッチ(19,20,21)からの信号入力、およびモータ駆動制御装置20への出力制限指令の出力を行うことにより、どのような状況においてもバッテリーBの機能を損失させることのない制御が行われることとなる。 【0042】なお、上記実施例では、空調制御手段17により、冷却停止、空気循環冷却および外気導入冷却を切り替えるとしたが、例えば吸気口6の大きさや数によっては、各バルブ7,9を閉塞するとともにファン10を停止し、電気自動車EVの走行に伴う外気導入あるいは自然冷却を行うことも可能である。 【0043】また、上記実施例では、収納体1の前部に水センサ19を設けた場合を例示したが、このほかフロントバンパーなどに水センサを設けることも良く、さらに、水センサとして自動ワイパ装置に使用する雨滴センサを用いることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小塩 豊
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| 【公開番号】 |
特開平11−136809 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−299046 |
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