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【発明の名称】 有軌道台車の非接触給電システム
【発明者】 【氏名】大立 泰治

【氏名】高三 正己

【氏名】森田 勝幸

【要約】 【課題】固定レールと可動レールの間の渡り線の可動部を無くし、給電ラインのインピーダンスが安定する非接触給電システムを提供する。

【解決手段】有軌道台車の経路を変更するためのレール可動部8を有する有軌道台車の非接触給電システムにおいて、主幹ライン用の給電線4、5、19、20に接続されて給電する第1の高周波電源装置2と、レール可動部用の給電線11、12、14、15に接続されて給電する第2の高周波電源装置23とを備え、前記主幹ライン用の給電線4、5、19、20の前記レール可動部8を跨いで架設される部分22は固定され、前記レール可動部用の給電線14、15の前記第2の高周波電源に接続される側の他方の末端は短絡線26で短絡されるようにすることで、固定レールと可動レールの間の渡り線の可動部を無くし、インダクタンスの急な変化による出力低下を減らすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有軌道台車の走行する固定されたレールからなる主幹ラインの途中に、前記有軌道台車の経路を変更するためのレール可動部を備え、前記主幹ラインの給電線と共に前記レール可動部の給電線へも給電を行う有軌道台車の非接触給電システムにおいて、前記主幹ライン用の給電線に給電する第1の高周波電源装置と、前記レール可動部用の給電線に給電する第2の高周波電源装置と、を備え、前記主幹ライン用の給電線の前記レール可動部を跨いで架設される部分は固定されること特徴とする有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項2】 前記第2の高周波電源装置と前記レール可動部の間の給電線の途中に、前記第2の高周波電源装置からの給電線が巻回された固定側コアと、前記レール可動部からの給電線が巻回され前記固定側コアに対して一定間隔を保ちながら相対移動可能な可動側コアと、からなる分離型トランスが介在され、前記分離型トランスの固定側コアは、建物等の不動の構造体に固定され、前記分離型トランスの可動側コアは、前記レール可動部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項3】 商用電源と前記第2の高周波電源装置との間の給電線の途中に、前記商用電源からの給電線が巻回された固定側コアと、前記第2の高周波電源装置からの給電線が巻回され前記固定側コアに対して一定間隔を保ちながら相対移動可能な可動側コアと、からなる分離型トランスが介在され、前記分離型トランスの固定側コアは、建物等の不動の構造体に固定され、前記分離型トランスの可動側コアは、前記レール可動部に固定され、前記第2の高周波電源装置は、前記レール可動部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項4】 前記レール可動部は、レールがそのレール面に水平又は垂直の平行直線移動するラテラルテーブルであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項5】 前記レール可動部は、レールがその面上を回転移動するターンテーブルであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項6】 前記分離型トランスは、断面がE字型の固定側コアと断面がE字型の可動側コアにおけるEの字の突出部同士をギャップを設けながら向き合わせ、それぞれのコアの中央突出部に前記レール可動部用の給電線が巻回された構成であり、前記固定側コアは前記レール可動部が移動する長さの長辺を有しており、前記可動側コアがその長辺に沿って移動が可能であることを特徴とする請求項4に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項7】 前記分離型トランスは、中央と周囲に突出部を有する丸桶型の固定側コアと中央と周囲に突出部を有する丸桶型の可動側コアにおける突出部同士をギャップを設けながら向き合わせ、それぞれのコアの中央突出部に前記レール可動部用の給電線が巻回されたロータリートランス構成であり、前記固定側コアと、前記可動側コアの回転の中心軸が一致するように回転が可能であることを特徴とする請求項5に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【請求項8】 前記分離型トランスのコアにレール可動部用の給電線を複数回巻くことを特徴とする請求項7又は8に記載の有軌道台車の非接触給電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有軌道台車の可動経路への非接触給電システムに関し、更に詳しくは、有軌道台車のラテラルテーブルやターンテーブルに安定して電力を供給する非接触給電システムの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の有軌道台車の非接触給電システムにおける、通常の固定された主幹ラインのレールに固定された給電線と、分岐部や回転部等の可動部に設置された給電線は、その主幹ラインと可動部の間を接続する渡り線により、給電線全体で1つのループを形成するように接続されている。
【0003】以下に、図5を用いて従来の有軌道台車の非接触給電システムの全体構成につき説明する。商用電源1は、電力会社等から電力線を介して供給を受ける50/60Hz、200/100V、3相/単相の電源である。第1の高周波電源装置2は、インバータ等で周波数が10kHz等の高周波にされ、100A程度の定電流が供給可能な高周波電源装置である。
【0004】第1の固定レール3は、有軌道台車の走行が軌道を外れないように走行方向を規制すると共に有軌道台車の重量を支え、後述する給電ケーブルを保持する。給電ケーブル4、5は、高周波電源装置2に接続され、且つ、第1の固定レール3に架設されて有軌道台車に非接触で電力を供給するためのリッツ線等の電線である。尚、本発明におけるリッツ線とは、100本程度のエナメル被覆線を2重に撚り合わせてさらに絶縁被覆し、線の断面の直径が15〜20mm位でその電流容量が100A程度の電線である。
【0005】渡り線6、7は、後述するラテラルテーブル8上の給電ケーブルと、第1の固定レール3上の給電ケーブル4、5を、ラテラルテーブルの可動を許すように弛みを持たせて接続するリッツ線等の電線である。
【0006】ラテラルテーブル8は、有軌道台車の軌道を変更して、経路変更したり支線に引き込んだりするためのものである。軌道の変更時には、有軌道台車がこのラテラルテーブル8の後述する第1と第2の可動レール9、10に完全に乗る所定位置で止められ、ラテラルテーブル8が平行に移動することで有軌道台車の軌道の変更が行われる。
【0007】第1の可動レール9と第2の可動レール10は、ラテラルテーブル8上の有軌道台車の軌道変更用のレールで、ラテラルテーブル8の平行移動に伴いこの第1と第2の可動レール9、10も平行移動する。給電ケーブル11、12と14、15は、渡り線6、7に接続され、第1の可動レール9上と第2の可動レール10上にそれぞれ架設されたリッツ線等の電線である。
【0008】接続線13は、給電ケーブル11と14、12と15をそれぞれ接続するケーブルで、ラテラルテーブル8上に固定されるリッツ線等の電線である。渡り線16、17は、ラテラルケーブル8上の給電ケーブル14、15と後述する固定レール18上の給電ケーブルとを、ラテラルテーブル8の可動を許すように弛みを持たせて接続するリッツ線等の電線である。
【0009】第2の固定レール18は、例えば、有軌道台車の主幹ラインとなる固定軌道のレールであり、その機能としては前述した第1の固定レール3と同様に有軌道台車の走行が軌道を外れないように走行方向を規制すると共に有軌道台車の重量を支え、後述する給電ケーブルを保持する。
【0010】給電ケーブル19、20は、渡り線16、17に接続され、且つ、第2の固定レール18に架設されて有軌道台車に非接触で電力を供給するためのリッツ線等の電線である。
【0011】短絡線21は、給電ケーブル19と20の末端で両給電ケーブルを短絡するためのリッツ線等の電線である。上記構成の非接触給電システムの給電ライン上を、有軌道台車が電力の供給を受けながら走行したり作業を行う。有軌道台車を通常に走行させる場合には、第1の固定レール3と第2の固定レール18と同一面に可動レール9が位置するようにラテラルテーブル8が平行移動して位置調整されて有軌道台車は固定レール3から可動レール9そして固定レール18と連続して走行する。有軌道台車の軌道を変更する場合には、第2の可動レール10が第1の可動レール9の位置になるまでラテラルテーブル8が平行移動し、第1の固定レール3又は第2の固定レール18上を給電ケーブル4、5又は19、20からの電力供給を受けながら走行してきた有軌道台車は、ラテラルテーブル8の第2の可動レール10上で有軌道台車の車輪が第2の可動レール10に全て乗るような所定位置で止められる。
【0012】その後、ラテラルテーブル8が第2の可動レール10が元の第2の可動レール10の位置まで平行移動する。平行移動先で有軌道台車は、別の主幹ライン等の支線が有る場合には走行を開始して、その支線を走行するが、例えば、そのラテラルテーブル8がメンテナンスステーション等の場合には、その場で有軌道台車がその平行移動した場所で待機したりメンテナンスされたりする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レールを可動させるために、給電ケーブル間を接続する渡り線は、弛みを持たせて接続する必要が有る。その弛みはレールが天井を這う場合には、その渡り線は上から垂れ下がり下の作業や通行を妨害するので、レールを天井に架設する意味が薄れ、レール架設場所の利用効率やその下で作業する作業員の作業効率を阻害する。
【0014】又、渡り線の垂れ下がる部分では、給電ケーブルの往路と復路、或いは往路と復路のそれぞれにおける垂れ下がり部分の線と線の間の距離が変化する事から、給電ケーブル全体でのインダクタンスが変化して大小する。その結果、出力が変動し、特に低下した場合に、高周波電源側でフィードバック制御によりその低下分を補償しようとしても、給電ケーブルのインダクタンスの変化速度に追従できずに給電が不安定になることがある。
【0015】その垂れ下がりの量は、給電ケーブルの直径が約15mm〜20mmと太いため、曲げる場合には急には曲げられず徐々に円弧状に曲げる必要があり、必要最小限の可動部の可動距離以上に大きく垂れ下がらせる必要がある。レールが床面である場合にも、渡り線の弛みは必要であり、その場合はレールを天井に架設する場合に比べて、その渡り線の可動する範囲の広いスペースが必要になるので給電ケーブルの取り回しは難しくなり、床面が金属製の場合には、誘導加熱や渦電流が発生することがあることから更にインダクタンスが大きくなって出力が低下する可能性が大きくなる。
【0016】又、レールを架設する場所がクリーンルームである場合には、パーティクルの発生を少なくするために可動部はなるべく減らすようにレールや給電ケーブルを架設する必要が有るが、固定レールとラテラルテーブル等の可動レールの給電ケーブルを連続して架設する場合には、渡り線部分を弛ませて可動レールの動きに合わせて可動させる必要があった。
【0017】そこで本発明では、そのような固定レールと可動レールの間の渡り線の可動部を無くし、給電ラインのインピーダンスが安定する非接触給電システムを提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明では、有軌道台車の経路を変更するためのレール可動部と、電源周波数を高周波化して供給可能な高周波電源を備え、レールが固定された主幹ラインの給電線と共に前記レール可動部の給電線へも前記高周波電源から給電を行う有軌道台車の非接触給電システムにおいて、前記主幹ライン用の給電線に接続されて給電する第1の高周波電源装置と、前記レール可動部用の給電線に接続されて給電する第2の高周波電源装置と、を備え、前記主幹ライン用の給電線の前記レール可動部を跨いで架設される部分は固定されること特徴とする。
【0019】請求項1の本発明は、高周波電源装置をレールが固定された部分用の第1の高周波電源と、レールの可動部用の第2の高周波電源とに分けて給電するようにし、レールの可動部で分割されたレールの固定された部分同士を繋ぐ渡り線も固定するようにしたので、インダクタンスの急な変化による出力低下を減らすことができる。
【0020】請求項2に記載の本発明では、前記第2の高周波電源装置と前記レール可動部の間の給電線に配置された分離型トランスを介して給電され、前記分離型トランスの固定側コアは、建物等の不動の構造体に固定され、前記分離型トランスの可動側コアは、前記レール可動部に固定されることを特徴とする。
【0021】請求項2の本発明は、請求項1の渡り線の固定に加えて第2の高周波電源からレールの可動部に至る電線が分離型トランスを用いることで固定できるので、インダクタンスの急な変化による出力低下を無くすことができる。
【0022】請求項3に記載の本発明では、商用電源と前記第2の高周波電源装置の間の給電線に配置された分離型トランスを介して給電され、前記分離型トランスの固定側コアは、建物等の不動の構造体に固定され、前記分離型トランスの可動側コアは、前記レール可動部に固定され、前記第2の高周波電源装置は、前記レール可動部に固定されることを特徴とする。
【0023】請求項3の本発明では、商用電源から第2の高周波電源に至る電線が分離型トランスを用いて第2の高周波電源をラテラルテーブル上に設置するようにすることで給電線が可動しなくなり、インダクタンスの急な変化による出力低下を無くすことができ、分離型トランスのギャップを大きくすることができるので、架設を容易にすることができる。
【0024】請求項8に記載の本発明では、前記分離型トランスにレール可動部用の給電線を複数回巻くことを特徴とする。請求項8の本発明では、複数回にすることで、細い線が使えるので、トランスのコアへの巻き付けや架設を容易にすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態につき図を用いて詳細に説明を行う。図1は、本発明の架設ケーブル接続用端子台における第1の実施形態の全体構成を示す図である。
【0026】尚、図1中で、図5の従来の実施形態中に記載したものと同一な部品や部分については、図1においても図5と同番号を付し、以下の図1についての記載中で記載内容が重複するものについては記載を省略した。
【0027】以下の図2〜図4においても、同番号を付したものは同一な部品や部分を示すものとし、その本明細書中の記載についても内容が重複するものについては記載を省略する。
【0028】商用電源1、第1の高周波電源装置2、第1の固定レール3、給電ケーブル4、5、ラテラルテーブル8、第1と第2の可動レール9、10、給電ケーブル11、12、14、15、第2の固定レール18、給電ケーブル19、20、短絡線21については、図4の従来の実施形態中に記載したものと同一である。
【0029】図1に示した本発明の第1の実施形態では、商用電源1に接続された第2の高周波電源装置23が追加されている。この高周波電源装置23は、第1の高周波電源装置2と同様なインバータ式の電源装置である。
【0030】引き出し線24、25は、一端が第2の高周波電源装置23に接続されて、他端はラテラルテーブル8の給電ケーブル11と12に接続されるが、ラテラルケーブル8を可動させるため、この引き出し線24、25の1箇所のみについては、従来の渡り線6、7的な弛みが必要である。
【0031】第1の固定レール3の給電ライン4、5と、第2の固定レール18の給電ライン19、20を、可動レール9を跨いで接続する渡り線22は固定されて接続される。
【0032】短絡線26は、高周波電源装置23が追加されたことによる可動部の給電ラインを折り返すためのものである。有軌道台車70は、給電ケーブル4、5、11、12、14、15、19、20から電力の供給を受けて、固定レール3、18や可動レール9、10の上又は下を車輪で支持されながら走行する台車である。
【0033】この第1の実施形態では、引き出し線24と25は垂れ下がらせる必要が残るので、解決しようとする課題が無くなるわけではないが、少なくとも、ラテラルテーブル8の入力側と出力側の2箇所で必要だった渡り線を1箇所にすることができるので、高周波電源装置23の出力電圧の低下する場合を減らして給電ケーブルへの出力を安定化させることができる。
【0034】図2は、本発明の有軌道台車の非接触給電システムにおける第2の実施形態の全体構成を示す図である。商用電源1に接続された第2の高周波電源23には、接続ケーブル27、28が接続されており、その接続ケーブル27、28は後述する断面形状E型コアの中央の突起に1巻〜数巻の巻付数で巻き付けられている。例えば、給電ケーブルと同様な100A程度の電流容量を有する15mm〜20mmのリッツ線を後述するE型コアに巻き付け可能な場合には1巻で良いが、コアに巻けない場合には20A程度の電流容量を有する平網線を4巻することで同様な磁界を得ることができる。
【0035】断面形状E型の固定側コア29と可動側コア30のEの字の突起面同士をギャップを設けながら向かい合わせるようにして分離型トランスが形成される。固定側コア29は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面を天井等に固定され、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル27、28の一部が巻き回されており、可動レール9、10が平行移動する長さの長辺を有している。
【0036】可動側コア30は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面をラテラルテーブル8の所定の位置35に固定し、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル33、34が巻き回されて、固定側コア29の上記した長辺に沿っての移動が可能である。
【0037】固定側コア29に巻かれる巻数N1と可動側コア30に巻かれる巻数N2は、通常は同じ巻数(N1=N2)で巻かれる。接続ケーブル33、34は、ラテラルテーブル8の第1の可動レール9上の給電ケーブル11、12に導電的に接続される。
【0038】又、ラテラルテーブル8の第2の可動レール10上の給電ケーブル14と15は、短絡線26で短絡される。上記の第2の実施形態のように構成することで、第2の高周波電源23とラテラルテーブル8とを結ぶ線も固定することが可能になるので、出力電圧の低下する場合を無くして出力を安定化させることができる。
【0039】図3は、本発明の有軌道台車の非接触給電システムにおける第3の実施形態の全体構成を示す図である。商用電源1には、接続ケーブル36、37が接続されており、その接続ケーブル36、37は後述する断面形状E型コアの中央の突起に1巻〜数巻の巻付数で巻き付けられている。例えば、給電ケーブルと同様な100A程度の電流容量を有する15mm〜20mmのリッツ線を後述するE型コアに巻き付け可能な場合には1巻で良いが、コアに巻けない場合には20A程度の電流容量を有する平網線を4巻することで同様な磁界を得ることができる。
【0040】断面形状E型の固定側コア29と可動側コア30のEの字の突起面同士を向かい合わせるようにして分離型トランスが形成される。固定側コア29は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面を天井等に固定され、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル36、37の一部が巻き回されている。
【0041】可動側コア30は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面をラテラルテーブル8の所定の位置35に固定し、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル38、39が巻き回されている。接続ケーブル38、39は、ラテラルテーブル8上に固定される第2の高周波電源装置40に接続される。
【0042】第2の高周波電源装置40は、接続ケーブル41、42によりラテラルテーブル8上の可動レール9に架設された給電ケーブル11、12に接続され、入力された商用周波数の電力を高周波に変換して給電ケーブル11、12に供給する。
【0043】上記の第3の実施形態のように構成することで、分離型トランスで接続される電流の周波数が商用周波数になって低くなるので、分離型トランス間のギャップを大きくすることができる。高周波の場合には、ギャップが大きいと渦電流損等が大きくなるので電源の供給能力に余裕が無い場合には、分離型トランス間のギャップが大きくできず、工作精度や架設に精度が要求されるが、低周波だとその損失は少なくなるのでギャップは大きくできる。
【0044】分離型トランスと第2の高周波電源40とを結ぶ線や、高周波電源40とラテラルテーブル8とを結ぶ線も固定することが可能になるので、出力電圧の低下する場合を無くして出力を安定化させることができる。
【0045】図4は、本発明の有軌道台車の非接触給電を、ターンテーブルを有するタイプに適用した第4の実施形態の全体構成を示す図である。商用電源1には、接続ケーブル43、44が接続されており、その接続ケーブル43、44は後述する中央突起を有する円筒形状コアの中央の突起に1巻〜数巻の巻付数で巻き付けられている。例えば、給電ケーブルと同様な100A程度の電流容量を有する15mm〜20mmのリッツ線を後述するE型コアに巻き付け可能な場合には1巻で良いが、コアに巻けない場合には20A程度の電流容量を有する平網線を4巻することで同様な磁界を得ることができる。
【0046】中央突起を有する円筒形状の固定側コア45と可動側コア46の突起面同士を向かい合わせるようにして分離型トランス(ロータリートランス)が形成される。
【0047】固定側コア45は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面を天井等に固定され、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル43、44の一部が巻き回されている。
【0048】可動側コア46は、フェライトや珪素鋼板等の張り合わせ等で形成されたコアで、平坦な面を、ターンテーブル52上の円筒形状の分離型トランス(固定側コア45、可動側コア46)の中心がターンテーブル52の回転中心と一致する位置である位置53に固定し、突起のある面の中央の突起には接続ケーブル47、48が巻き回されている。
【0049】接続ケーブル47、48は、ターンテーブル52上に固定される第2の高周波電源装置49に接続される。第2の高周波電源装置49は、接続ケーブル50、51によりターンテーブル52上の可動レール54に架設された給電ケーブル55、56に接続される。又、給電ケーブル55、56の他端は、短絡線57で短絡される。
【0050】第3の固定レール58には給電ケーブル59、60が架設され、給電ケーブル59、60は、図示していない高周波電源装置に接続される。第4の固定レール62には、給電ケーブル63、64が架設されており、給電ケーブル63、64は、短絡線65で短絡される。給電ケーブル59は給電ケーブル63と、又、給電ケーブル60は給電ケーブル63と渡り線61で接続され、渡り線61は固定される。
【0051】上記の第4の実施形態のように構成することで、ラテラルテーブルの平行移動の場合ばかりでなく、有軌道台車をターンテーブルで回転移動させる場合にも、分離型トランス(ロータリートランス)を用いることで本発明を実施することができる。
【0052】又、第4の実施形態では、上記第3の実施形態と同様に、接続される電流の周波数が商用周波数になって低くなるので、分離型トランス間のギャップを大きくすることができる。
【0053】分離型トランスと第2の高周波電源49とを結ぶ線や、高周波電源49とターンテーブル52とを結ぶ線も固定することが可能になるので、出力電圧の低下する場合を無くして出力を安定化させることができる。
【0054】尚、上記本発明の実施形態の有軌道台車の非接触給電システムでは、天井にレールを架設する場合のみ示したが、本発明はこれに限られるものではなく、床面に軌道用のレールを架設する場合にも適用できる。又、ラテラルテーブルの実施形態では2位置を水平に平行移動する場合について説明したが、3位置以上を平行移動するラテラルテーブル、或いは、レールが上下2段等の垂直に平行移動するラテラルテーブルについても本発明の適用は可能である。更に、ターンテーブルの実施形態では4方向のターンテーブルを示したが、8方向や12方向等の多方向のターンテーブルについても本発明の適用は可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明では、可動レールを有する有軌道台車の非接触給電システムにおいて、固定レールと可動レールの間の渡り線の変位によってインダクタンスが変化することから出力が低下することを減らすことができ、そのため、高周波電源の容量を変化分だけ上積みする必要が無くなり、有軌道台車の給電電圧の不足も無くなる。
【出願人】 【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
【出願日】 平成9年(1997)10月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
【公開番号】 特開平11−136802
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−292074