| 【発明の名称】 |
リニア式モノレールキャビン型輸送設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤沢 友二
【氏名】若松 幹人
【氏名】衣笠 倫典
【氏名】松沢 正夫
【氏名】石塚 仁司
|
| 【要約】 |
【課題】レールから懸垂されたキャビンを、坂部でも速度の低下や停止なく高効率で移動させるキャビン型モノレール。
【解決手段】管状のレール1の天井面1aには、レール1の長手方向にわたり、励磁コイル14が所定間隔をあけて取り付けられている。本体61と車輪62を備える走行体6からレール1の底面部1bのスリット4内を介して配された軸11によりキャビン8がレール1の下方に懸装されている。本体61の上面には永久磁石5が取り付けられている。永久磁石5は、励磁コイル14とにより磁石式の同期リニアーモータを構成し、走行体6はレール1に沿って走行する。走行体6と共に移動するキャビン8により、椅子17に着席した人間16が輸送される。永久磁石と上面の励磁コイルとで吸引されるため、重力の低減による動力の低減、ならびに、車輪およびレールの小型化が図れる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 天井面を有し、底面部にスリットを有し、幅方向左右両側に車輪ガイドを有する管状のレールと、前記車輪ガイドに案内される車輪を備え前記レール内を走行可能な走行体と、前記走行体から前記スリット内を介して前記レールの下方に懸垂されたキャビンと、前記天井面に前記レールの長手方向にわたり所定間隔毎に設けられた、その極性が変換可能な励磁コイルと、前記走行体の上面に取り付けられた永久磁石と、前記励磁コイルの位置毎に取り付けられた、前記永久磁石の位置を検知するためのセンサと、前記励磁コイルの極性を変換するための極性変換機構とからなることを特徴とするリニア式モノレールキャビン型輸送設備。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、キャビンにより人間を輸送するリニア式モノレールキャビン型輸送設備に関し、重量の軽減による動力の軽減および小型化ならびに高推力化に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のモノレールキャビン型の新交通システムは、支持車輪を備えレールを走行する走行体からキャビンを懸垂し、走行体に電動モータ等の動力を設け、該電動モータ等によって支持車輪を駆動してレールに沿って走行体を走行せしめ、これによりキャビンを移動して乗車した人間を輸送していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構造の従来設備では、坂の多い地域では、坂部におけるレールと車輪の滑り(スリップ)等により速度が低下または停止し、交通システムとして適用することが難しいといった問題がある。また、動力の増大およびエネルギーコストアップの原因となっていた。 【0004】従って、この発明の目的は、上述の問題を解決し、モノレールを小型化でき、高効率且つ低コストのリニアモータで駆動するリニア式モノレールキャビン型輸送設備を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、天井面を有し、底面部にスリットを有し、幅方向左右両側に車輪ガイドを有する管状のレールと、前記車輪ガイドに案内される車輪を備え前記レール内を走行可能な走行体と、前記走行体から前記スリット内を介して前記レールの下方に懸垂されたキャビンと、前記天井面に前記レールの長手方向にわたり所定間隔毎に設けられた、その極性が変換可能な励磁コイルと、前記走行体の上面に取り付けられた永久磁石と、前記励磁コイルの位置毎に取り付けられた、前記永久磁石の位置を検知するためのセンサと、前記励磁コイルの極性を変換するための極性変換機構とからなることに特徴を有するものである。 【0006】永久磁石とレールとの間の吸引力で、重力の低減による動力の低減、ならびに、車輪およびレールの小型化が図れる。 【0007】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態に係るリニア式モノレールキャビン型輸送設備を示す正面図、図2は、側面図、図3は、図1の一部拡大図である。図2において、レールおよびキャビンは一部切り欠き断面図で示されている。 【0008】図1〜3に示すように、地面10から鉛直に立設された支持梁2の上端部には、吊り梁3が左右両側に広がって設けられている。吊り梁3のそれぞれの先端部には、地面10とほぼ平行にレール1が設けられており、レール1、1は、互いにほぼ平行に設けられている。支持梁2および吊り梁3は、レール1の長手方向にわたり所定間隔毎に複数設けられている。 【0009】レール1の各々は、角型断面の管状に形成され、天井面1aを有しており、更に、底面部1bにスリット4を有している。また、レール1の幅方向左右両側には、レール1の外側に向けて突出している溝からなる車輪ガイド7が設けられている。スリット4および2本の車輪ガイド7は、レール1の長手方向にわたり設けられている。 【0010】レール1内には、リニアモータにより走行する走行体6が配される。走行体6は、走行体本体61、および、本体61の左右両側に軸着されている走行体61を支持する車輪62を4輪備えている(図2参照)。車輪62は、レール1の左右両側の車輪ガイド7の溝内に装入され(図3参照)、該溝の大きさよりわずかに小さい径を有するゴムタイヤからなっている。更に、本体61の左右両側には、車輪62の前後に8つのサイドローラ9が、車輪ガイド7の側面の内壁面と当接する位置に、軸を鉛直にして軸着されている(図2参照)。本実施の形態においては、このような構成の走行体6が、キャビン8の1台に付き2体使用される(図2参照)。このように構成された走行体6は、レール1内において、サイドローラ9の作用により左右に振れずに、車輪ガイド7に案内されてレール1に沿って後述のリニアモータにより走行可能である。 【0011】走行体6、6の各々には、キャビン8を吊るための軸11が取り付けられている。キャビン8は、スリット4内を介して配された軸11によって走行体6およびレール1の下方に懸垂されている。 【0012】図4は、他の実施の形態に係る走行体を示す平面図である。図4に示すように、X形状に設けられている走行体6の本体61の中心部に軸11が配されている。なお、永久磁石5の位置は、破線によって示した。支持車輪62は軸11の両側に2輪、そして、サイドローラ9は4つ設けられ、図2に示す実施の形態よりも少ない個数となっている。このように、走行体6の構造、規模は、キャビン8の大きさや重量により変えればよい。 【0013】キャビン8は、車内の床上に複数の椅子17を備え、中央部に人間16が乗降するための扉12を備えている。扉12は、左右に摺動する方式により開閉可能となっている。キャビン8の前後両側面には、ガイドローラ13が設けられており、キャビン8aが乗降位置18等に設けられた枠19内に進入したときはガイドローラ13が枠19の内壁と当接して揺れを防止するようになっている(図1参照)。図1に示す左右のレール1、1のキャビン8aと8bとを反対の進行方向に移動するように構成することにより、往復の輸送を行うことができる。 【0014】走行体6の上面には、複数極(例えば、5極)の永久磁石5が取り付けられている。レール1の天井面1aには、レール1の長手方向にわたり、励磁コイル14が所定間隔毎に設けられている。ここでいう、「所定間隔毎に設けられた」というのは、完全に等間隔に設けられた場合以外に、走行体の永久磁石の長さとの関係で推進力が得られる範囲で、等間隔に設けられたものから一部を間引いた場合も含むものである。 【0015】励磁コイル14と、励磁コイル14に対応した永久磁石5のそれぞれには透磁率の高い強磁性体のバックコアが取り付けられ、永久磁石5と励磁コイル14のバックコアとの間で吸着力が発生し、リニアモータ用の磁路の確保が図られている。励磁コイル14と永久磁石5との隙間を接触しないように可能な限り狭めるように位置調整することで、更に強い推力および吸着力が得られ、輸送効率が向上する。 【0016】図5は、この発明の実施の形態に係る搬送ラインにおけるセクション制御および複数キャビンが同時駆動するためのゾーンの制御方法を示す配線図、図6は、この発明の実施の形態に係るリニアモータの原理を示す配線図である。 【0017】切替器23と位置センサ15との間は、信号線27により接続されており、信号線27が切替器23内のサイリスタまたはパワートランジスタ等の電気的なスイッチに繋がっている。レール1の外側には電源(図示せず)から励磁コイル14に給電するための電源ケーブル29がレール1の長手方向にわたり設けられている。電源ケーブル29は切替器23内のサイリスタ等の電気的スイッチを経て励磁コイル14に繋がっている。切替器23は励磁コイル14に給電される電流を逆転し励磁コイル14(電磁石)の極性を変換するための極性変換機構を構成している。 【0018】キャビン8の移動(走行体6の走行)は、永久磁石5に対し「フレミングの左手の法則」に従った励磁パターンを付与することにより行なわれる。励磁コイル14と、所定幅で複数極(例えば5極)の永久磁石5で構成される磁石型のリニアモータは、複数極の境目を位置センサ(磁気センサ)15で検知して電流を切替、励磁コイル14と永久磁石5との間に働く吸着と透過時に反発とを繰り返すことで一定方向の推力を得ている。即ち、走行体6の本体61に取り付けられた永久磁石5が位置センサ15を通過すると該センサ15がこれを検知し、その直後から電流の停止および走行体6の進行方向前方の励磁コイル14が永久磁石5と異なる極性となるように電流が流れる。これにより、永久磁石5は前記励磁コイル14に吸引され、走行体6は走行方向へ移動する。次いで、永久磁石5が次の走行方向前方の位置センサ15を通過すると該センサ15がこれを検知し、その直後から前記励磁コイル14に流れる電流が停止および逆転し、前記励磁コイル14の極性が永久磁石5と同じ極性に変換する。これによって、永久磁石5と前記励磁コイル14とが反発し、走行体6は走行方向へ押し出される。これを、各励磁コイル14毎に順次繰り返して行うことにより、走行体6は走行方向へ連続して走行する。このように、励磁コイル14と複数極の永久磁石5との位置を位置センサ15により検知し、一定方向(走行方向)にリニアモータによる推力を付与できるように電流が制御される。また、走行体6(キャビン8)の移動速度は、その速度を計測しながらこれに合わせる様に電流を変えて推力を制御して所定の速度に制御する。 【0019】搬送ライン(レール1および励磁コイル14)を複数のセクション20に区切り、その間をリニアモータの駆動用の主配線22とサイリスタやトランジスタ等の切替器23を経て、限られた1セクション20のみに電流を流したり、動力に合わせてセクション20長を変えることができる。これにより、動力の低減および動力の小型化を図ることができる。また、複数の走行体6(キャビン8)を同時に駆動する場合のためにゾーン21に分けられ、それぞれのゾーン21ごとに主配線22が切替器23を経てリニア駆動装置24につながっており、走行体6(キャビン8)は、1台1台が、それぞれのリニア駆動装置24、24・・・により制御される。これらは操作盤25の操作装置26で制御でき、位置センサ15からの信号は信号線27を経てCPU28に送られ、常に走行体6(キャビン8)1台1台の位置が把握される。本実施の形態では、1ゾーンに走行体6(キャビン8)が1台となるようにゾーン制御している。 【0020】人間16のキャビン8への乗車は、乗車位置(乗降位置)において、キャビンを停止した状態で行なう。キャビン8が発車した後は、途中では発車時よりも比較的高速で走行してもよい。前のキャビンの発車後は、次のキャビンが順次乗車位置に入ってくる。一方、降車位置においても、乗車位置と同様に、キャビン8を停止するか、あるいは、動く歩道を設けこれに同期して移動するキャビン8から該動く歩道に降りる方法による。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、下記に示す有用な効果がもたらされる。 【0022】■ リニアモータによって非接触で走行体(キャビン)に推力を付加する機構であり、励磁コイルはレールに取り付けられるので、移動体(走行体、キャビン等)に動力を搭載しないことと、永久磁石とレールとの吸引力で、従来技術に比べて移動体の重量を軽減することができ輸送効率が向上する。 【0023】■ リニアモータによって推力を付加するので、電動機等の動力により車輪を回転させることにより発生する車輪とレールとの滑り(スリップ)の問題が解消され、傾斜部でも安定した確実な走行が可能である。 【0024】■ 動力部の小型化および車輪の小型化によってレールが小型化する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
|
| 【公開番号】 |
特開平11−122716 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−277414 |
|