| 【発明の名称】 |
ハイブリッド電気自動車 |
| 【発明者】 |
【氏名】浅野 雅樹
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| 【要約】 |
【課題】ハイブリッド電気自動車のモータは、エンジンのフライホイールを利用して構成されたり、トランスミッションに直接回転力を伝えるよう組み付けられていたので、モータの保守点検をする際、エンジンまたはトランスミッションを脱着したり分解したりせねばならず、面倒であった。また、エンジンからの熱に耐える対策を講じる必要があった。
【解決手段】リバースアイドルシャフト42を有する手動トランスミッションにモータインプットシャフト45を設け、モータインプットシャフトの回転は常にメインシャフト27に伝えられるようギアを組み合わせる。そして、モータインプットシャフト45を、外部に設置したモータ17に連結する。モータはエンジンおよびトランスミッションの外部に設置されているので、モータの保守点検はトランスミッション等を脱着したりすることなく出来、従来に比べて容易となる。また、エンジンより離れているので、熱害対策を講じる必要もない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トランスミッションとして、リバースアイドルギアFT およびリバースアイドルギアRR が固着されたリバースアイドルシャフトを具備する手動トランスミッションを用いたハイブリッド電気自動車において、前記リバースアイドルギアFT と噛合するカウンタリバースギアをシンクロメッシュ機構によりカウンタシャフトに断,接出来るように取り付けると共に、前記リバースアイドルギアRR と噛合するリバースギアをメインシャフトに固着し、前記リバースアイドルギアFT と別に噛合させたモータインプットギアおよびそれを固着したモータインプットシャフトをトランスミッション内に構成し、前記モータインプットシャフトをトランスミッションの外部に設置したモータに連結したことを特徴とするハイブリッド電気自動車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両駆動用原動機として、エンジン及びモータを搭載したハイブリッド電気自動車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】エンジンとモータとを搭載するハイブリッド電気自動車には、駆動輪への機械的動力の伝達がモータのみから行われるようにされたシリーズ型ハイブリッド電気自動車と、モータおよびエンジンのいずれからでも行えるようにされたパラレル型ハイブリッド電気自動車とがある。本発明は、パラレル型ハイブリッド電気自動車に関するものである。 【0003】図6は、従来のパラレル型のハイブリッド電気自動車の1例を示す図である。図6において、1はエンジン、1Aはフライホイール、2はクラッチ、3はトランスミッション、4はプロペラシャフト、5は駆動輪、6はハイブリッド制御指令装置、7は燃料噴射ポンプ、8はモータ、9はコントローラ、10はインバータ、11はスタータスイッチ、12はアクセルセンサ、13は回生電力消費用抵抗器、14は駆動用バッテリ、15はDCDCコンバータ、16は電気負荷である。 【0004】エンジン1の種類によっては、エンジンの回転を滑らかにするため、クラッチ2側にフライホイール1Aが設けてあるものがあるが、この例では、そのようなフライホイール1Aを利用して、モータ8を構成したものを示している。即ち、フライホイール1Aをモータ回転子として兼用し、フライホイール1Aの周囲のハウジングの内面に固定子を設けて、モータ8は構成される。 【0005】モータ8への給電は、駆動用バッテリ14よりインバータ10を経て行われる。駆動用バッテリ14からは電気負荷16へも給電し得るが、駆動用バッテリ14の電圧は通常の車載バッテリの電圧より高いので、DCDCコンバータ15により電圧を変換して給電される。コントローラ9は、エンジン1を駆動源として用いる時は、燃料噴射ポンプ7を制御してエンジン1を回転させ、モータ8を駆動源として用いる時は、インバータ10を制御してモータ8を回転させる。 【0006】コントローラ9には、スタータスイッチ11,アクセルセンサ12からの信号を始め、車両状況,車両操作に関するその他の信号が入力される。また、ハイブリッド制御指令装置6より、エンジン1により駆動するかモータ8により駆動するか、あるいはエンジン1により主駆動し、モータ8により補助駆動(アシスト)するか等の指令が入力される。回生電力消費用抵抗器13は、制動時にモータ8より得られる回生電力が、駆動用バッテリ14を充電してなお余りある時、これに流して電力を消費するための抵抗器である。エンジン1あるいはモータ8により発生された回転は、クラッチ2を経てトランスミッション3に伝えられ、更にプロペラシャフト4を経て駆動輪5に伝えられる。 【0007】図4は、従来のトランスミッションのギア構成の1例を示す図である。ここでは、前進5段のトランスミッションを例にとっている。図4において、20はドライブシャフト、21はドライブギア、22はシンクロメッシュ機構、23,24はギア、25はシンクロメッシュ機構、26はギア、27はメインシャフト、28はリバースギア(符号Rは、リバースを表す)、29は針状ころ軸受、30はシンクロメッシュ機構、31はギア、31Aは針状ころ軸受、32は車速センサ用ギア、33はカウンタシャフト、34〜37はギア、38はカウンタリバースギア、41はギア、42はリバースアイドルシャフト、43はリバースアイドルギアFT 、44はリバースアイドルギアRR である。なお、針状ころ軸受29,31Aと同様の形状で描かれている部分は、同様の針状ころ軸受である。シャフトとの間に針状ころ軸受が描かれていないギアは、シャフトに固着されていることを表している。 【0008】ドライブシャフト20はクラッチ2に連結されており(従って、クラッチシャフトとも呼ばれる)、ドライブギア21はクラッチ2と共に回転している。ドライブギア21には、カウンタシャフト33のギア34が常時噛合されているので、ドライブシャフト20の回転はカウンタシャフト33に伝えられる。周知のように、針状ころ軸受を介してシャフトに取り付けられているギアは、隣接するシンクロメッシュ機構が結合された時、その回転をシャフトに伝達する。例えば、ギア23はギア35と噛合して回転しているが、シンクロメッシュ機構22がギア23に結合されない間は、メインシャフト27を中心にして空転しているだけであり、回転力をメインシャフト27に伝えることはしない。しかし、シンクロメッシュ機構22がギア23に結合されると、ギア23の回転力はメインシャフト27に伝えられる。 【0009】互いに噛合するギアの歯数の比を異ならせ、1速,2速等の変速が行えるようにしてある。因みに、前進のための各変速は、次のギアの組み合わせにより得られる。 1速…ギア37と262速…ギア36と243速…ギア35と234速…メインシャフト27をドライブシャフト20に直結(シンクロメッシュ機構22をドライブシャフト20に結合させ) 5速…ギア41と31【0010】後進は、シンクロメッシュ機構30をリバースギア28に結合し、次のように回転力を伝えることにより行われる。 カウンタリバースギア38→リバースアイドルギアFT 43→リバースアイドルシャフト42→リバースアイドルギアRR 44→リバースギア28→メインシャフト27→駆動輪へ図4ではリバースアイドルギアRR 44とリバースギア28とは離れているが、空間的には次の図5で示すように噛み合っており、回転力が伝達される。 【0011】図5は、従来のトランスミッションのシャフト位置関係の1例を示す図である。これは、図4のカウンタリバースギア38からリバースギア28の部分を、シャフトの軸方向から見た図であり、符号は図4のものに対応している。カウンタリバースギア38はリバースアイドルギアFT 43と噛合し、リバースアイドルギアRR 44はリバースギア28と噛合している。 【0012】なお、ハイブリッド電気自動車に関する従来の文献としては、例えば、特開平8−251712号公報がある。これは、その図1に示されるように、モータをトランスミッションの中心を成す「第1軸」に、ギアを介して直接組み付けたものである。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】 (問題点)しかしながら、図6に示すような従来のハイブリッド電気自動車では、次のような問題点があった。第1の問題点は、モータの保守点検がし難いという点である。第2の問題点は、モータに熱害対策を講じる必要があるという点である。第3の問題点は、駆動制御が複雑であるという点である。また、特開平8−251712号公報のハイブリッド電気自動車では、モータの保守点検をする際、トランスミッションをエンジンと切り離したり、場合によってはトランスミッションの一部を分解したりする必要があり、面倒であった。 【0014】(問題点の説明)まず第1の問題点について説明する。モータ8は、エンジン1内に設けられているので、これを保守点検する際には、エンジン本体部分まで分解したりしなければならない。従って、保守点検が非常にしづらい。特開平8−251712号公報の技術についても、トランスミッションに直接組み付けられているので、略同様のことが言える。第2の問題点について説明する。モータ8はエンジン1内に設けてあるので、エンジンの熱をもろに受ける。従って、その熱で固定子等の巻線が故障したり誤動作したりしないよう、特別な熱害対策を講じておく必要があり、その分コストが高くなる。 【0015】第3の問題点について説明する。モータ8の回転子(即ち、フライホイール1A)はエンジン1と直結されているので、例えば、エンジンを補助駆動(アシスト)する場合等は、モータ8独自で回転を制御することは出来ない。そのため、エンジンと統合的に制御する必要があり、制御が複雑になる。本発明は、既存のトランスミッションに僅かの改造を施し、外部に設置したモータと連結することにより、前記のような問題点を解決することを課題とするものである。 【0016】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明では、トランスミッションとして、リバースアイドルギアFT およびリバースアイドルギアRR が固着されたリバースアイドルシャフトを具備する手動トランスミッションを用いたハイブリッド電気自動車において、前記リバースアイドルギアFT と噛合するカウンタリバースギアをシンクロメッシュ機構によりカウンタシャフトに断,接出来るように取り付けると共に、前記リバースアイドルギアRR と噛合するリバースギアをメインシャフトに固着し、前記リバースアイドルギアFT と別に噛合させたモータインプットギアおよびそれを固着したモータインプットシャフトをトランスミッション内に構成し、前記モータインプットシャフトをトランスミッションの外部に設置したモータに連結することとした。 【0017】(解決する動作の概要)リバースアイドルシャフトを有する手動トランスミッションにモータインプットシャフトを設け、モータインプットシャフトの回転は常にメインシャフトに伝えられる構造とする。そして、モータインプットシャフトを、外部に設置したモータに連結する。モータを駆動源とした場合、回転力はトランスミッションを通して駆動輪へ伝えられ、前進,後進はモータの回転方向の切り換えで制御され、走行速度はモータの回転数制御で制御される。このようにすると、モータはエンジンおよびトランスミッションの外部に設置することが出来るので、モータの保守点検はエンジンやトランスミッション等を脱着したりすることなく出来、従来に比べて容易となる。また、モータは、エンジンより離して設置することが出来るので、熱害対策を講じる必要はなく、エンジンと直結されてはいないので、制御も容易となる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかわるハイブリッド電気自動車を示す図である。符号は図6のものに対応し、17はモータである。エンジン1はフライホイールを具備していてもよいし、していないものであってもよい。但し、トランスミッション3は、リバースアイドルシャフトを有するものであることを要す。構成上、図6の従来例と相違する第1の点は、車両駆動用のモータ17をエンジン1あるいはトランスミッション3内には組み込まず、外部に設置したという点である。第2の相違点は、トランスミッション3に改造を加え、モータ17の回転力をトランスミッション3を介して伝えるようにした点である。トランスミッション3の改造を、図2により説明する。 【0019】図2は、本発明におけるトランスミッションのギア構成の1例を示す図である。ここでは、前進5段のトランスミッションを例にとっている。符号は図4のものに対応し、45はモータインプットシャフト、46はモータインプットギアである。モータインプットシャフト45は、ユニバーサルジョイント等のジョイントやプロペラシャフトを適宜用いて、モータ17の回転軸と連結される。 【0020】図4のトランスミッションと相違する第1の点は、モータインプットシャフト45,モータインプットギア46を新設した点である。第2の相違点は、カウンタリバースギア38を針状ころ軸受39を介してカウンタシャフト33に取り付けることとし、それに伴い、シンクロメッシュ機構40を対応させて設けたという点である。第3の相違点は、リバースギア28をメインシャフト27に固着したという点である(図4では、針状ころ軸受29を介して取り付けていた。)。以上が、トランスミッション3における改造である。 【0021】図3は、本発明におけるトランスミッションのシャフト位置関係の1例を示す図である。符号は図5および図2のものに対応している。図示するように、モータインプットシャフト45に取り付けられたモータインプットギア46が、リバースアイドルギアFT 43と噛合するように設けられる。 【0022】再び図2に戻って、リバースギア28からモータ17までの結合関係に注目すると、両者の間は、リバースギア28→リバースアイドルギアRR 44→リバースアイドルシャフト42→リバースアイドルギアFT 43→モータインプットギア46→モータインプットシャフト45→モータ17という経路で結ばれている。そして、この経路中には、シンクロメッシュ機構により回転力が断,接されるギアは存在していない。従って、モータ17が駆動源となっていない場合には、メインシャフト27の回転がモータ17に伝えられる。駆動源として使用しない場合はモータ17に電流は流されないから、単にフライホイール的に回転しているだけである。モータ17が駆動源とされる場合には、上記の経路を逆に辿ってリバースギア28を回転させる。 【0023】以上のような構成にすると、モータはエンジンおよびトランスミッションの外部に設置されることとなり、保守点検の際、エンジンやトランスミッションを脱着したりする必要がなく、作業が極めて容易に出来るようになる。また、モータはエンジンより離れたところに設置されるから、エンジンからの熱害対策を講じる必要がなくなる。更に、モータはエンジンと直結されていないので、モータの制御は容易となる。 【0024】次に、このように改造されたトランスミッション3における動作、即ち、エンジンまたはモータが駆動源となった場合の、回転力の伝達経路を説明する。 (A)エンジンが駆動源である場合(A−1)前進エンジンが駆動源であるから、回転力はドライブシャフト20から伝えられる。シンクロメッシュ機構22が、ギア23と連結されて前進している場合を例にとると、次のような経路で伝達される。 ドライブシャフト20→ドライブギア21→ギア34→カウンタシャフト33→ギア35→ギア23→メインシャフト27→駆動輪へ【0025】(A−2)後進後進させる時には、シンクロメッシュ機構40がカウンタリバースギア38に結合される。 ドライブシャフト20→ドライブギア21→ギア34→カウンタシャフト33→カウンタリバースギア38→リバースアイドルギアFT 43→リバースアイドルシャフト42→リバースアイドルギアRR 44→リバースギア28(前進の場合とは逆回転)→メインシャフト27→駆動輪へ【0026】(B)モータ17が駆動源である場合モータ17を駆動源とする場合、全てのシンクロメッシュ機構は、対応するギアとの結合はさせない。 (B−1)前進モータ17に給電されて回転を始め、回転力は次の経路で伝達される。 モータ17→モータインプットシャフト45→モータインプットギア46→リバースアイドルギアFT 43→リバースアイドルシャフト42→リバースアイドルギアRR 44→リバースギア28→メインシャフト27→駆動輪へ。 (B−2)後進後進する場合は、モータ17の回転方向が逆にされる。モータの回転方向の切り換えは、周知のようにスイッチの切り換えで容易に出来る。回転力の伝達経路は、前進の場合と同じである。 【0027】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明のハイブリッド電気自動車によれば、次のような効果を奏する。 ■モータをエンジンおよびトランスミッションの外部に設置しているので、保守点検の際、エンジンやトランスミッションを脱着したりする必要がなく、極めて容易に出来るようになる。 ■モータをエンジンより離れたところに設置するので、エンジンからの熱害対策を講じる必要がなくなる。 ■モータはエンジンと直結されていないので、モータを駆動源として使用する場合の制御が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000170 【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】本庄 富雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−122711 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−290321 |
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