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【発明の名称】 電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置
【発明者】 【氏名】池田 英夫

【要約】 【課題】走行に支障を来さずに空調装置の漏電検出を単独で行い、漏電時の感電を防止し得る電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置を提供すること。

【解決手段】この漏電防止制御装置は、電気自動車に搭載される空調装置の圧縮機へ供給される高圧直流電源3からの高圧直流電流を遮断する電流遮断装置4と、高圧直流電流が供給されて圧縮機を駆動する駆動装置であるインバータ6と、インバータ6に接続されるコンプレッサモータ7と、電流遮断装置4及びインバータ6の間の接続線と漏電抵抗14を含む車体アース15とに接続される漏電検出回路5とを含み、漏電検出回路5において電流遮断装置4により高圧直流電流の供給を遮断した状態で車体アース15とインバータ6の極性母線接続端C,E子又は圧縮機の内部端子D(コンプレッサモータ7のコイルL1,L2,L3の接続点に設けられる)との間で漏電検出を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車に搭載される空調装置の圧縮機へ供給される高圧直流電源からの高圧直流電流を遮断する電流遮断装置と、前記高圧直流電流が供給されて前記圧縮機を駆動する駆動装置と、前記駆動装置に接続される前記圧縮機のモータと、前記電流遮断装置及び前記駆動装置の間の接続線と車体アースとに接続される漏電検出回路とを含み、前記漏電検出回路は、前記電流遮断装置により前記高圧直流電流の供給を遮断した状態で前記車体アースと前記駆動装置の極性母線接続端子又は前記圧縮機の内部端子との間で漏電検出を行うことを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項2】 請求項1記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、前記漏電検出回路は、前記駆動装置を制御するための低圧直流電源と、前記低圧直流電源からの低圧直流電流が供給される漏電検出抵抗とを備えると共に、該低圧直流電流の供給により該漏電検出抵抗を通った検出電流の大きさに基づいて漏電検出を行うことを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項3】 請求項2記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、前記低圧直流電源は、負極側が前記車体アースに接続され、且つ正極側が前記漏電検出抵抗に接続されており、前記漏電検出回路は、前記駆動装置の入力負極側と前記漏電検出抵抗の出力側との接続により得られる該漏電検出抵抗の出力側の第1の接続点における前記検出電流の大きさに応じて変化する電圧を基準電圧と比較判定した結果を示す漏電検出信号を出力する電圧判定回路と、前記漏電検出信号から漏電検出情報を取得処理する情報処理回路とを備えたことを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項4】 請求項3記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、前記漏電検出回路は、前記第1の接続点に接続された保護抵抗と、正極側が前記車体アースに接続された保護ダイオードとを備えると共に、該保護抵抗の出力側と該保護ダイオードの負極側とを接続して得られる第2の接続点を前記電圧判定回路の検出電圧入力端子に接続して成ることを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項5】 請求項3又は4記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、前記第1の接続点及び前記駆動装置の入力負極側の間に設けられて前記検出電流の供給の成否をそれぞれ閉成,開成により制御すると共に、前記電流遮断装置により前記高圧直流電流を供給状態のときに開成状態とされ、且つ該高圧直流電流を遮断状態のときに閉成状態とされる開閉器を備えたことを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項6】 請求項5記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、少なくとも前記電流遮断装置における前記高圧直流電流の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を含み、且つ前記開閉器における前記検出電流の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を発生すると共に、初期的に該切替え制御信号によって該電流遮断装置における該高圧直流電流を遮断状態にし、且つ該開閉器における該検出電流を供給状態として前記電圧判定回路による漏電検出を行わせ、更に、前記漏電検出信号からの前記漏電検出情報に応じて該切替え制御信号を発生して該電流遮断装置及び該開閉器を再度自動的に切替え制御する制御装置を備えたことを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【請求項7】 請求項6記載の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、前記漏電検出情報を表示可能な表示装置を備え、前記制御装置は、前記漏電検出情報を電気自動車の走行に関する制御を行う走行制御装置及び前記表示装置へ通知することを特徴とする電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として電気自動車に搭載される空調装置の漏電検出及び駆動遮断制御を行う電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な電気自動車用の漏電検出に関連した周知技術としては、例えば実開平6−2901号公報に開示された電気車両の漏電検知装置や、特開平7−241002号公報に開示された電気自動車の漏電検出装置等が挙げられる。
【0003】前者の電気車両の漏電検知装置では、車体及び高電圧の走行用電池(走行用高圧電源)の間で発生する漏電検出を漏電検出抵抗に流れる電流により生じる電位差の検出によって行わせ、その検出結果を運転員に知らせるように構成されている。後者の電気自動車の漏電検出装置では、インバータを構成する一群のスイッチング素子(一方のアーム)がオン状態にあり、これと対を成す他群のスイッチング素子(他方のアーム)がオフ状態となるように強制的に制御することにより、走行用モータである交流モータにおける漏電の発生をインバータの入力側から好適に検出できるように構成されている。
【0004】こうした電気自動車に空調装置を搭載する場合、通常圧縮機の駆動には車両走行用電池(例えば300Vタイプの高圧直流電源)を使用し、その駆動装置(インバータ)を制御するための電源には12Vタイプの低圧直流電源を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した電気自動車用漏電検出装置の場合、何れの場合も走行装置側や空調装置側に関して区別無く漏電検出を行う構成(通常電気自動車では、走行制御装置の内部に漏電による感電事故を防止するための漏電検出回路が設けられており、この高圧漏電検出回路が高圧系回路の何れの部分においても漏電検出を行うようになっている)であり、空調装置側のみが漏電している状態を特定することができないため、こうしたときにも危険状態とみなしてしまうことにより、走行に支障を来し易いという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、走行に支障を来すこと無く空調装置側の漏電検出を単独で行い得ると共に、漏電時の感電防止を計り得る電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電気自動車に搭載される空調装置の圧縮機へ供給される高圧直流電源からの高圧直流電流を遮断する電流遮断装置と、高圧直流電流が供給されて圧縮機を駆動する駆動装置と、駆動装置に接続される圧縮機のモータと、電流遮断装置及び駆動装置の間の接続線と車体アースとに接続される漏電検出回路とを含み、漏電検出回路は、電流遮断装置により高圧直流電流の供給を遮断した状態で車体アースと駆動装置の極性母線接続端子又は圧縮機の内部端子との間で漏電検出を行う電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0008】又、本発明によれば、上記電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、漏電検出回路は、駆動装置を制御するための低圧直流電源と、低圧直流電源からの低圧直流電流が供給される漏電検出抵抗とを備えると共に、該低圧直流電流の供給により該漏電検出抵抗を通った検出電流の大きさに基づいて漏電検出を行う電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0009】更に、本発明によれば、上記電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、低圧直流電源は、負極側が車体アースに接続され、且つ正極側が漏電検出抵抗に接続されており、漏電検出回路は、駆動装置の入力負極側と漏電検出抵抗の出力側との接続により得られる該漏電検出抵抗の出力側の第1の接続点における検出電流の大きさに応じて変化する電圧を基準電圧と比較判定した結果を示す漏電検出信号を出力する電圧判定回路と、漏電検出信号から漏電検出情報を取得処理する情報処理回路とを備えた電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0010】加えて、本発明によれば、上記電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、漏電検出回路は、第1の接続点に接続された保護抵抗と、正極側が車体アースに接続された保護ダイオードとを備えると共に、該保護抵抗の出力側と該保護ダイオードの負極側とを接続して得られる第2の接続点を電圧判定回路の検出電圧入力端子に接続して成る電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0011】又、本発明によれば、上記何れかの電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、第1の接続点及び駆動装置の入力負極側の間に設けられて検出電流の供給の成否をそれぞれ閉成,開成により制御すると共に、電流遮断装置により高圧直流電流を供給状態のときに開成状態とされ、且つ該高圧直流電流を遮断状態のときに閉成状態とされる開閉器を備えた電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0012】更に、本発明によれば、上記電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、少なくとも電流遮断装置における高圧直流電流の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を含み、且つ開閉器における検出電流の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を発生すると共に、初期的に該切替え制御信号によって該電流遮断装置における該高圧直流電流を遮断状態にし、且つ該開閉器における該検出電流を供給状態として電圧判定回路による漏電検出を行わせ、更に、漏電検出信号からの漏電検出情報に応じて該切替え制御信号を発生して該電流遮断装置及び該開閉器を再度自動的に切替え制御する制御装置を備えた電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0013】加えて、本発明によれば、上記電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置において、漏電検出情報を表示可能な表示装置を備え、制御装置は、漏電検出情報を電気自動車の走行に関する制御を行う走行制御装置及び表示装置へ通知する電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例に係る電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置の基本構成を示したブロック図である。又、図2は、この漏電防止制御装置の細部構成を示した回路ブロック図である。
【0016】この漏電防止制御装置は、電気自動車に搭載される空調装置の圧縮機へ供給される高圧直流電源3からの高圧直流電流を遮断する電流遮断装置4と、高圧直流電流が供給されて圧縮機を駆動する駆動装置であるインバータ6と、インバータ6に接続される圧縮機のモータ(以下、コンプレッサモータとする)7と、電流遮断装置4及びインバータ6の間の接続線と漏電抵抗14を含む車体アース15とに接続される漏電検出回路5とを含み、漏電検出回路5において電流遮断装置4により高圧直流電流の供給を遮断した状態で車体アース15とインバータ6の極性母線接続端C,E子又は圧縮機の内部端子D(コンプレッサモータ7のコイルL1,L2,L3の接続点に設けられる)との間で漏電検出を行うようになっている。尚、ここで電流遮断装置4及びインバータ6は圧縮機の駆動を制御するもので、合わせて空調制御装置1を成す。
【0017】即ち、この漏電防止制御装置では、電気自動車の走行に関する制御を行う走行制御装置2側と空調制御装置1側とを遮断した状態で走行制御装置2内部の漏電検出回路とは無関係にインバータ入力用高圧電圧VM が約零Vのときに漏電検出を行う。
【0018】このうち、漏電検出回路5は、インバータ6を制御するための低圧直流電源8と、この低圧直流電源8からの低圧直流電流が供給される漏電検出抵抗9とを備えると共に、低圧直流電流の供給により漏電検出抵抗9を通った検出電流18の大きさに基づいて漏電検出を行うようになっている。尚、ここでの低圧直流電源8は、負極側が車体アース15に接続され、且つ正極側が漏電検出抵抗9に接続されている。
【0019】具体的に云えば、漏電検出回路5は、インバータ6の入力負極側と漏電検出抵抗9の出力側との接続により得られる漏電検出抵抗9の出力側の第1の接続点Aにおける検出電流18の大きさに応じて変化する電圧を基準電圧と比較判定した結果を示す漏電検出信号を出力する電圧判定回路12と、漏電検出信号から漏電検出情報を取得処理する情報処理回路13と、第1の接続点Aに接続された保護抵抗10と、正極側が車体アース15に接続された保護ダイオード11とを備えると共に、保護抵抗10の出力側と保護ダイオード11の負極側とを接続して得られる第2の接続点Bを電圧判定回路12の検出電圧入力端子12cに接続して成っている。情報処理回路13では漏電検出信号から漏電検出情報を取得処理するが、この漏電検出情報を表示させたい場合には表示装置20を備えて表示させるようにすれば良い。
【0020】電圧判定回路12は、比較器12aの一方の入力側に検出電圧入力端子12cが接続され、比較器12aの他方の入力側に基準電圧入力端子12dが接続されており、基準電圧入力端子12dには電源電圧Vcc(12V)の基準電圧電源12bが接続されている。この電圧判定回路12では、電源電圧Vcc(12V)が供給された比較器12aで第1の接続点Aを経た検出電流18の大きさに応じて変化する電圧と基準電圧とを比較した結果を漏電検出信号として情報処理回路13へ出力するようになっており、漏電発生により漏電抵抗14が所定の閾値よりも小さくなったときに漏電を判定する。
【0021】尚、漏電防止制御装置では、漏電抵抗14が小さい程、電流遮断装置4の2つのスイッチを閉成状態にしたときに供給される高圧直流電源3からの高圧直流電流による漏電電流が大きくなる。
【0022】ところで、漏電検出抵抗9には数MΩ程度の高い抵抗値のものを用いるものとするが、これは空調装置を動作させるために電流遮断装置4において高圧直流電流を導通状態にしたときに漏電検出抵抗9の抵抗値が低ければ低圧直流電源8を通して走行制御装置2へ漏電電流が流れ、走行制御装置2内部の漏電検出回路が作動してしまうことを防止するためである。
【0023】又、この漏電防止制御装置の場合、第1の接続点A及びインバータ6の入力負極側の間に設けられて検出電流18の供給の成否をそれぞれ閉成,開成により制御すると共に、電流遮断装置4により高圧直流電流を供給状態のときに開成状態とされ、且つ高圧直流電流を遮断状態のときに閉成状態とされる開閉器19が備えられている。この開閉器19を設けることにより、走行制御装置2内部の漏電検出回路が作動することを防止し、漏電検出抵抗9に流れる電流を完全に遮断することができる。
【0024】更に、この漏電防止制御装置の場合、少なくとも電流遮断装置4における高圧直流電流の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を含み、且つ開閉器19における検出電流18の供給の成否を自動的に切替え制御するための切替え制御信号を発生する図示されない制御装置が備えられている。この制御装置は、初期的に切替え制御信号によって電流遮断装置4における高圧直流電流を遮断状態にし、且つ開閉器19における検出電流18を供給状態として電圧判定回路12による漏電検出を行わせ、更に、漏電検出信号からの漏電検出情報に応じて切替え制御信号を発生して電流遮断装置4及び開閉器19を再度自動的に切替え制御する。
【0025】加えて、この漏電防止制御装置の場合、上述した情報処理回路13で取得処理した漏電検出情報を表示させるための表示装置20を備えているが、ここでは制御装置によって漏電検出情報を走行制御装置2や表示装置20へ通知する。
【0026】この漏電防止制御装置の細部に関して、電流遮断装置4の2つのスイッチは、それぞれインバータ6におけるプラス(正極)母線とマイナス(負極)母線(上述した電流遮断装置4及びインバータ6の間の接続線)とに接続され、2つのスイッチのオン(閉成)状態で高圧直流電源3からのDC300V程度のインバータ入力用高圧電圧VM による直流電流をインバータ6へ供給するようになっている。インバータ6の入力側におけるプラス母線及びマイナス母線の間にはコンデンサ16とこれに蓄えられた電荷を放電させるための放電抵抗17とがそれぞれ設けられている。
【0027】インバータ6は、プラス母線に接続されたそれぞれ3個のスイッチング素子Q1〜Q3及び還流ダイオードD1〜D3と、マイナス母線に接続されたそれぞれ3個のスイッチング素子Q4〜Q6及び還流ダイオードD4〜D6とを有し、これらのうちのスイッチング素子Q1及び還流ダイオードD1とスイッチング素子Q4及び還流ダイオードD4との間の接続線,スイッチング素子Q2及び還流ダイオードD2とスイッチング素子Q5及び還流ダイオードD5との間の接続線,並びにスイッチング素子Q3及び還流ダイオードD3とスイッチング素子Q6及び還流ダイオードD6との間の接続線とをそれぞれコンプレッサモータ7の一端が接続された3個のモータコイルL1〜L3の他端へ接続し、三相交流をコンプレッサモータ7へ供給するように構成されている。
【0028】尚、上述した保護抵抗10は、電流遮断装置4をオン状態にしたときにプラス母線に漏電が発生していると、この保護抵抗10が無ければ(即ち、抵抗値0Ωであれば)保護ダイード11を通して高圧直流電源3が短絡した状態となってしまうことを防止するために設けられている。この保護抵抗10にも数MΩ程度の高い抵抗値のものを用いるものとする。又、保護ダイード11は電圧比較回路12のマイナス側の基準電圧入力端子12dと検出電圧入力端子12cとに高電圧が印加されて電圧比較回路12が破壊されてしまうのを防止するために設けられている。
【0029】このような構成の漏電検出装置1において漏電検出を行う場合、制御装置によって初期的に電流遮断装置4をオフ状態にすると共に、開閉器19をオン状態にし、低圧直流電源8から低圧直流電流を漏電検出抵抗9を通してインバータ6へ供給する。これにより、漏電検出抵抗9を通った検出電流18がインバータ6のマイナス母線の接点Fを経由してインバータ6へ供給される。
【0030】空調装置において漏電が生じている場合、インバータ6及びコンプレッサモータ7の構成上、マイナス母線に接続されたマイナス母線接続端子C,コンプレッサモータ7の一端に接続されたコンプレッサ内部接続端子D,及びプラス母線に接続されたプラス母線接続端子Eのうちの何れか一つを経由して漏電抵抗14が生じることになり、この漏電抵抗14を通った検出電流18が再度漏電検出抵抗9及び保護抵抗10を通って低圧直流電源8へ帰還された時点で電圧判定回路12において第1の接続点Aにおける検出電流18の大きさに応じて変化する電圧(分圧の変化)に基づいて漏電検出を行うことができる。
【0031】図3は、マイナス母線に接続されたマイナス母線接続端子C経由による漏電検出(マイナス母線漏電抵抗判定)を説明するために示した模試図である。ここではマイナス母線に漏電が生じている場合、検出電流18がマイナス母線接続端子C及び漏電抵抗14経由で低圧直流電源8のプラス側からマイナス側へ流れる様子を示している。因みに、この漏電検出装置1では低圧直流電源8の負極が車体アース15に接続される構成上、インバータ6のダイオードD1〜D6やコンプレッサモータ7のモータコイルL1〜L3の影響は発生しない。しかし、高圧直流電源3のプラス側と車体を触った場合には感電してしまう。こうした場合には、電流遮断装置4をオフ状態にして空調装置の使用を禁止すれば良い。
【0032】図4は、コンプレッサモータ7の一端に接続されたコンプレッサ内部接続端子D経由による漏電検出(コンプレッサ内部漏電抵抗判定)を説明するために示した模試図である。ここではコンプレッサ内部に漏電が生じている場合、検出電流18がコンプレッサ内部接続端子D及び漏電抵抗14経由で漏電検出抵抗9側へ帰還される様子を示している。因みに、ここではダイオードD4〜D6に順方向電圧が発生し、モータコイルL1〜L3にも電圧が発生するが、これらの電圧は漏電検出抵抗9及び漏電抵抗14の間に発生する電圧に比べて十分小さいため、無視することができる。
【0033】図5は、プラス母線に接続されたプラス母線接続端子E経由による漏電検出(プラス母線漏電抵抗判定)を説明するために示した模試図である。ここではプラス母線に漏電が生じている場合、検出電流18がプラス母線接続端子E及び漏電抵抗14経由で漏電検出抵抗9側へ帰還される様子を示している。因みに、ここではダイオードD1〜D6に順方向電圧が発生するが、この電圧も漏電検出抵抗9及び漏電抵抗14の間に発生する電圧に比べて十分小さいため、無視することができる。
【0034】このように、漏電検出装置1によって走行制御装置2側で空調制御装置1側の漏電が検出されることを防止した上で空調装置の漏電検出を確認できれば、制御装置によって電流遮断装置4及び開閉器19を自動的にオフ状態にし、空調装置の使用を禁じることにより、空調装置の漏電による走行への影響を回避することができる。
【0035】尚、上述した漏電防止制御装置では、電流遮断装置4が2つのスイッチにより構成されるものとして説明したが、この電流遮断装置4は高圧直流電源3からの高圧直流電流を供給したり、遮断できれば良いため、例えばリレーやスイッチング素子等の他のデバイスで構成することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の電気自動車用空調装置の漏電防止制御装置によれば、走行制御装置側と空調制御装置とを遮断した状態で走行制御装置内部の漏電検出回路とは無関係にインバータ入力用高圧電圧が約零Vのときに電流遮断装置における初期的なオフ状態で漏電検出回路内部における低圧直流電源により供給した低圧直流電流が漏電検出抵抗を通った検出電流の大きさに応じて変化する電圧に基づいて空調装置の漏電検出を行うようにしているので、漏電検出結果に応じた対処が簡単になり、漏電時には空調装置の使用を禁じることにより、走行に支障を来すこと無く漏電による感電防止を計り得るようになる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外2名)
【公開番号】 特開平11−122702
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−285792