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【発明の名称】 電気自動車
【発明者】 【氏名】杉野 卓哉

【氏名】上山 雅樹

【氏名】北川 淳一

【要約】 【課題】走行用モータを含む動力装置に燃料電池から電力を供給するようにした電気自動車において、加速時に動力装置が燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を容易且つ確実に満たす。

【解決手段】電気自動車は、走行用モータ4を含む動力装置6と、その動力装置6に電力を供給する燃料電池11と、動力装置6が燃料電池11の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置15と、その電力貯蔵装置15の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは動力装置6へ電力を直接供給する太陽電池17とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用モータ(4)を含む動力装置(6)と、その動力装置(6)に電力を供給する燃料電池(11)と、前記動力装置(6)が前記燃料電池(11)の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置(15)と、その電力貯蔵装置(15)の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記動力装置(6)へ電力を直接供給する太陽電池(17)とを備えていることを特徴とする電気自動車。
【請求項2】 前記燃料電池(11)に供給するための水素を製造する水電気分解セル(9)を備え、前記電力貯蔵装置(15)の充電が完了し、且つ前記動力装置(6)の使用電力がゼロであるとき、前記太陽電池(17)の電力を前記水電気分解セル(9)に供給するようにした、請求項1記載の電気自動車。
【請求項3】 車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段(18)を備え、その回生電力供給手段(18)は前記電力貯蔵装置(15)の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記水電気分解セル(9)へ回生電力を供給する、請求項1または2記載の電気自動車。
【請求項4】 走行用モータ(4)を含む動力装置(6)と、その動力装置(6)に電力を供給する燃料電池(11)と、前記燃料電池(11)に供給するための水素を製造する水電気分解セル(9)と、前記動力装置(6)が前記燃料電池(11)の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置(15)と、車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段(18)とを備え、その回生電力供給手段(18)は前記電力貯蔵装置(15)の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記水電気分解セル(9)へ回生電力を供給することを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気自動車、特に、走行用モータを含む動力装置と、その動力装置に電力を供給する燃料電池を備えた電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気自動車として、燃料電池に供給するための水素を製造する水電気分解セル、太陽電池および回生電力供給手段を備えたものが知られている(特開平7−99707号公報参照)。この場合、太陽電池および回生電力供給手段は、水電気分解セルへの電力供給源として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池を電力供給源とする電気自動車は、瞬時に大きなパワーを出すことが難しく、また太陽電池および回生電力供給手段による助勢も得られないことから、従来の電気自動車は加速性が悪い、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速時等において、動力装置が燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たすことができるようにした前記電気自動車を提供することを目的とする。
【0005】前記目的を達成するため本発明によれば、走行用モータを含む動力装置と、その動力装置に電力を供給する燃料電池と、前記動力装置が前記燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置と、その電力貯蔵装置の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記動力装置へ電力を直接供給する太陽電池とを備えている電気自動車が提供される。ここで、電力貯蔵装置の充電が完了するとは、その装置が予め設定された電力を蓄えたことを意味する。
【0006】前記のように構成すると、例えば加速時における不足電力を電力貯蔵装置から取出した電力により容易に補って、スムーズな加速を実現することができる。また電力貯蔵装置への充電は太陽電池により優先的に行われているので、常に一定した加速性能が得られる。さらに充電完了後は太陽電池の電力を直接動力装置へ供給するので、その電力を蓄電したり、水素に変換する場合に比べて、電力損失が最も少なく、その電力使用効率が最高となる。
【0007】また本発明は前記太陽電池の電力を有効に利用し得るようにした前記電気自動車を提供することを目的とする。
【0008】前記目的を達成するため本発明によれば、前記燃料電池に供給するための水素を製造する水電気分解セルを備え、前記電力貯蔵装置の充電が完了し、且つ前記動力装置の使用電力がゼロであるとき、前記太陽電池の電力を前記水電気分解セルに供給するようにした電気自動車が提供される。
【0009】前記のように構成すると、前記作用効果に加えて、太陽電池の電力を有効に利用して水素貯蔵量を増加させることが可能である。
【0010】さらに本発明は車両減速時に発生する減速エネルギを有効に利用し得るようにした前記電気自動車を提供することを目的とする。
【0011】前記目的を達成するため本発明によれば、車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段を備え、その回生電力供給手段は前記電力貯蔵装置の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記水電気分解セルへ回生電力を供給する電気自動車が提供される。
【0012】前記のように構成すると、前記作用効果に加えて、前記減速エネルギの有効利用により水素貯蔵量を増加させることが可能である。
【0013】さらにまた本発明は、加速時等において、動力装置が燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たすことができ、且つ前記減速エネルギを有効に利用し得るようにした前記電気自動車を提供することを目的とする。
【0014】前記目的を達成するため本発明によれば、走行用モータを含む動力装置と、その動力装置に電力を供給する燃料電池と、前記燃料電池に供給するための水素を製造する水電気分解セルと、前記動力装置が前記燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置と、車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段とを備え、その回生電力供給手段は前記電力貯蔵装置の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記水電気分解セルへ回生電力を供給する電気自動車が提供される。
【0015】前記のように構成すると、例えば前記加速性に関する作用効果に加えて、前記減速エネルギの有効利用により水素貯蔵量を増加させることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1,2に示す電気自動車1において、その車体前部の、ボンネット2により覆われた動力室3に、パワードライビングユニットPDU、走行用モータ4、エアコン用コンプレッサ等の補機5を含む動力装置6が配置される。
【0017】また車体の前後方向中間部において、そのフロア7に、水電気分解セル9と、そのセル9により生成された水素を蓄える水素吸蔵合金を備えた水素吸収・放出部10と、その水素吸収・放出部10から供給された水素を燃料として発電する燃料電池11と、燃料電池11への水素量を制御する水素コントローラ12と、水素を加湿するための加湿器14と、燃料電池11により生成された純水を蓄える水タンク13が配置される。
【0018】さらに車体後部において、そのフロア7に電力貯蔵装置15が配置される。この電力貯蔵装置15は、例えば電気二重層キャパシタより構成されている。
【0019】さらにまた、車体のボンネット2外面およびルーフパネル16外面にそれぞれ太陽電池17が配置されている。車体のその外の外面も太陽電池配置場所として利用し得る。
【0020】燃料電池11は動力装置6に電力を供給する。また電力貯蔵装置15は動力装置6が燃料電池11の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たすべく電力を供給する。太陽電池17は電力貯蔵装置15の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは動力装置6へ電力を直接供給する。
【0021】図3において、燃料電池11から動力装置6へ電力P1 が供給されて走行用モータ4および補機5が駆動される。また太陽電池17の電力P2 が電力貯蔵装置15に供給されて、その電力貯蔵装置15の充電が行われる。電力貯蔵装置15の充電が完了しているときは、太陽電池17の電力P3 は動力装置6へ直接供給される。
【0022】加速時において、動力装置6が燃料電池11の出力、つまり電力P1 を上回る電力を必要とすると、その不足電力を電力貯蔵装置15から取出した電力P4 により容易に補って、スムーズな加速を実現することができる。また電力貯蔵装置15の充電は太陽電池17により優先的に行われているので、常に一定した加速性能が得られる。さらに充電完了後は太陽電池17の電力P3 を直接動力装置6へ供給するので、その電力P4 を蓄電したり、水電気分解セル9において水素に変換する場合に比べて、電力損失が最も少なく、その使用効率が最高となる。
【0023】また電力貯蔵装置15の充電が完了し、且つ駐車等により動力装置6の使用電力がゼロであるとき、太陽電池17の電力P5 は水電気分解セル9に供給される。これにより、太陽電池17の電力P5 を有効に利用して水素貯蔵量を増加させることが可能である。
【0024】前記電気自動車1は、車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段18を備えている。この回生電力供給手段18は、電力貯蔵装置15の充電を優先的に行うべく電力P6 を電力貯蔵装置15に供給し、またその充電が完了しているときは水電気分解セル9へ電力P7 を供給する。これにより、加速性に関する前記作用効果および水素貯蔵量増加効果を得ることができる。
【0025】電気自動車1を太陽電池17を省いて次のように構成することも可能である。即ち、その電気自動車1は、走行用モータ4を含む動力装置6と、その動力装置6に電力を供給する燃料電池11と、前記燃料電池11に供給するための水素を製造する水電気分解セル9と、前記動力装置6が前記燃料電池11の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を満たす電力貯蔵装置15と、車両減速時に発生する減速エネルギを回生電力として出力する回生電力供給手段18とを備え、その回生電力供給手段18は前記電力貯蔵装置15の充電を優先的に行い、またその充電が完了しているときは前記水電気分解セル9へ回生電力を供給する。
【0026】前記のように構成すると、例えば前記加速性に関する作用効果に加えて、前記減速エネルギの有効利用により水素貯蔵量を増加させることが可能である。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、加速時等において、動力装置が燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を容易且つ確実に満たすことが可能な電気自動車を提供することができる。
【0028】請求項2記載の発明によれば、前記効果に加えて、太陽電池の電力を有効に利用して水素貯蔵量を増加させることが可能な電気自動車を提供することができる。
【0029】請求項3記載の発明によれば、前記効果に加えて、前記減速エネルギの有効利用により水素貯蔵量を増加させることが可能な電気自動車を提供することができる。
【0030】請求項4記載の発明によれば、加速時等において、動力装置が燃料電池の出力を上回る電力を必要としたとき、その要求を容易且つ確実に満たすことが可能であり、また前記減速エネルギを有効に利用することが可能な電気自動車を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開平11−113105
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−265352