| 【発明の名称】 |
電気車の走行用モータ制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】刀谷 郁也
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| 【要約】 |
【課題】プラギング制動をフィーリング良く行う。
【解決手段】アクセルの操作量に基づくトルク指令値Toと、走行用モータの現在の運転状態に対応しかつモータ電流により演算されるトルク近似値Trとを比較して、これらの差を無くすようにトルクフィードバック処理を行う。また前記トルク計算値Trは、Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2(ただし、G1、G2はゲインであり、0≦G2≦1、Iaはアマチュア電流、Ifはフィールド電流である。)の1つの計算式により行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】スイッチング手段によりチョッパ駆動される直流直巻式の走行用モータと、この走行用モータの回転方向とトルクとを指示しうるアクセルと、走行用モータのフィールドコイルの励磁極性を切り換えるコンタクタと、前記走行用モータのアマチュア電流Ia及びフィールド電流Ifを検知しうる電流検出器と、前記スイッチング手段をオンオフするチョッパ信号を出力するコントローラとを具えた電気車の走行用モータ制御方法であって、前記コントローラは、前記アクセルの操作量に応じて定まるトルク指令値Toと、前記走行用モータに流れる電流値を用いて演算されかつ走行用モータの運転状態に対応したトルク計算値Trとを比較し、両者の差を減じる目標チョッパ信号を前記スイッチング手段に出力するトルクフィードバック処理を行うとともに、前記トルク計算値Trを下記式により演算することを特徴とする電気車の走行用モータ制御方法。 Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2(ただし、G1、G2はゲインであり、0≦G2≦1である。) 【請求項2】前記コントローラは、アクセルの操作量に基づいて前記スイッチング手段の最大チョッパ信号Dmを演算する最大チョッパ信号演算処理と、前記目標チョッパ信号Doが前記最大チョッパ信号Dmを超えるときには、前記目標チョッパ信号を最大チョッパ信号Dmの値に制限するチョッパ信号制限処理とを行うことを特徴とする請求項1記載の電気車の走行用モータ制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバッテリ式フォークリフトなどの電気車に好適に用いうる走行用モータ制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】直流直巻式の走行用モータを具えた例えばバッテリ式フォークリフト等の電気車を制動する場合、機械式ブレーキにより車輪を直接摩擦制動する他、アクセルレバー等を現在走行している進行方向と逆向きの方向に反転操作(いわゆるスイッチバック操作)することにより、走行用モータのフィールドコイルの励磁極性を逆転させ、アマチュアに逆方向のトルクを発生させるて制動するプラギング制動がある。 【0003】このようなプラギング制動は、進行中の方向と逆向きのトルクを走行用モータに発生させるものであるから、その制動トルクが過大であると、急制動が行われ著しく運転フィーリングを損なうという問題がある。 【0004】従来、このような事態を防止するために、走行用モータのプラギング状態を判別する判別手段を設け、プラキング中のときには、力行時とは異なる計算式を用いることにより、力行時とプラキング時のアクセルフィーリング、つまり、アクセル操作量と走行用モータの実発生トルクとの関係を異ならせる制御が行われていた。 【0005】このように、従来の電気車の走行用モータの制御方法においては、プラギングの円滑な制御を行うためには、先ず第一に、プラギング状態を検知するための判別手段が必要になり、第二に、力行時とプラギング時にはそれぞれ異なるアクセルフィーリングを実現するために、異なった内容の制御を個々に行わなければならず、第三に、力行時とプラギング時の制御のつながりを円滑とするのが難しいという問題がある。 【0006】本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたもので、プラギング判別手段などを設けることなく、しかも力行、プラギングを一つの計算式を用いて制御しうる電気車の走行用モータ制御方法を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記載の発明では、スイッチング手段によりチョッパ駆動される直流直巻式の走行用モータと、この走行用モータの回転方向とトルクとを指示しうるアクセルと、走行用モータのフィールドコイルの励磁極性を切り換えるコンタクタと、前記走行用モータのアマチュア電流Ia及びフィールド電流Ifを検知しうる電流検出器と、前記スイッチング手段をオンオフするチョッパ信号を出力するコントローラとを具えた電気車の走行用モータ制御方法であって、前記コントローラは、前記アクセルの操作量に応じて定まるトルク指令値Toと、前記走行用モータに流れる電流値を用いて演算されかつ走行用モータの運転状態に対応したトルク計算値Trとを比較し、両者の差を減じる目標チョッパ信号を前記スイッチング手段に出力するトルクフィードバック処理を行うとともに、前記トルク計算値Trを下記式により演算することを特徴とする電気車の走行用モータ制御方法。 Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2(ただし、G1、G2はゲインであり、0≦G2≦1である。) 【0008】また請求項2記載の発明では、前記コントローラは、アクセルの操作量に基づいて前記スイッチング手段の最大チョッパ信号Dmを演算する最大チョッパ信号演算処理と、前記目標チョッパ信号Doが前記最大チョッパ信号Dmを超えるときには、前記目標導通信号を最大導通信号Dmの値に制限するチョッパ信号制限処理とを行うことを特徴とする請求項1記載の電気車の走行用モータ制御方法である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、電気車としてリーチ型のバッテリ式フォークリフトを例にとり図面に基づき詳述する。図1に示すように、本実施形態において、バッテリ式フォークリフト(図示せず)は、直流直巻式の走行用モータ2と、この走行用モータの回転方向とトルクとを指示しうるアクセル3と、前記走行用モータ2のフィールドコイルFの励磁極性を切り換えるコンタクタMF、MRと、前記走行用モータ2のアマチュア電流Ia及びフィールド電流Ifを検知しうる電流検出器STa、STfと、前記走行用モータ2をチョッパ駆動しうるスイッチング手段CHと、このスイッチング手段CHをオンオフするためのチョッパ信号を出力するコントローラ4とを具えているものを示す。 【0010】図2には、バッテリ式フォークリフトの走行回路の主要部を模式的に示している。図において、前記走行用モータ2は、ヒューズなどを介してバッテリBAのプラス側に接続するアーマチュアAと、前進コンタクタMFと後進コンタクタMRと間に介在するフィールドコイルFとからなり、図示しないモータ軸を走行車輪に連係している。 【0011】また、前進コンタクタMFと後進コンタクタMRとは、例えば電界効果型トランジスタ(FET)などの前記走行用モータ2に電流を流しうるスイッチング手段CHを介して前記バッテリBAのマイナス側へと接続される。なお、前記アマチュアAにはプラギングダイオードD1が並列に接続されるとともに、アマチュアA、フィールドコイルFにフライホイールダイオードD2が並列に設けられている。 【0012】また前記アクセル3は、図1に示すように、本実施形態では前後に傾動しうるアクセルレバー3aと、このアクセルレバー3aの前進、後進操作によりそれぞれ作動する方向検知スイッチ3f、3rと、前記アクセル3の操作量を検知しうるポテンショメータ3bとを具えている。そして、アクセル3からの回転方向指令値SF又はSRと、アクセル操作量信号SAとがコントローラ4の入力インターフェースIへと入力される。 【0013】前記電流検出器STa、STfは、前記走行用モータ2のアーマチュア電流Ia及びフィールド電流Ifをそれぞれ検知でき、この各電流値Ia、Ifは前記コントローラ4の入力インターフェースIへと入力される。 【0014】次に前記コントローラ4は、本実施形態では、入力、出力インターフェースI、Oと、読み書き自在な作業用メモリであるRAMと、後述する処理手順プログラムなどが予め記憶されたROMと、これらにデータバスなどを介して接続される処理装置としてのCPUとから構成されたものを例示する。 【0015】次に前記コントローラ4の処理手順を、図3に示すフローチャートに基づき説明する。先ず前記コントローラ4は、各ハードウエアを初期化し(ステップS1)、前記アクセル2の操作量信号SA及び回転方向指令値SF又はSRを作業用のRAMに読み込む(ステップS2)。また、本例ではコントローラ4が、この読み込まれたアクセル操作量信号SAに基づいて、走行用モータ2の最大チョッパ信号Dmと、走行用モータ2のトルク指令値Toとを決定するものを例示する。 【0016】本実施形態では、走行用モータ2の最大チョッパ信号Dmは、図4に示すようにアクセル操作量信号SAがゼロの時に最大チョッパ信号Dmをゼロ(全OFF)とし、かつ最大操作時に100%の最大チョッパ信号Dm(全ON)となる比例関係により決定されるものを例示している。なおこの最大チョッパ信号Dmとアクセル操作量信号SAとの関係は、予めROMに記憶されているが、本例のように比例関係に限定されるものではない。 【0017】また、コントローラ4は、図5に示すように、アクセル操作量信号SAがゼロの時にトルク指令値Toをゼロとし、かつ最大操作時に走行用モータ2の100%の定格トルクを出力し得る比例関係によりトルク指令値Toを定めるものを例示している。なおこのトルク指令値Toとアクセル操作量信号SAとの関係は、予めROMに記憶されているが、前記同様比例関係には限定されない。 【0018】次に、コントローラ4は、入力された走行用モータ2の回転方向指令値SF又はSRと、前回出力したモータの回転方向指令値とを比較し(ステップS3)、この方向が異なっていれば(ステップS3でN)、目標チョッパ信号Doをゼロとし(ステップS13)、コンタクタの励磁極性を切り換えるためのコンタクタ切換信号SMを図示しないコンタクタコイルへと出力し(ステップS14)、これによってコンタクタMF又はMRが切り換えされ、走行用モータ2の回転方向指令とコンタクタの切換え状態とが合致しうる。 【0019】また、コントローラ4は、入力された走行用モータ2の回転方向信号SF又はSRと、前回出力したモータの回転方向指示とが一致しているときには(ステップS3でY)、電流検出器STa、STfからアマチュア電流Ia、フィールド電流IfをRAMに読み込む(ステップS4)。 【0020】次に、前記コントローラ4は、前記電流検出器STa、STfから入力されたアマチュア電流Ia及びフィールド電流Ifを用いて下記の式■により現在の走行用モータの運転状態に対応したトルク計算値Trを演算する(ステップS5)を行う。 Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2 … ■(ただし、G1、G2はゲインであり、0≦G2≦1である。) 【0021】ここで、■式は、走行用モータの力行運転時、プラギング時のいずれの状態であるかを問わず適用できる。先ず、走行用モータ2の力行時には、アマチュア電流Iaとフィールド電流Ifとが実質的に等しくなるため(Ia=If)、走行用モータ2の力行時のトルク計算値Trは、前記■式から、Tr=G1×Ia2と表すことができ、ゲインG1によって調節することができる。 【0022】他方、走行用モータ2のプラギング時には、フィールドコイルFの励磁極性の切り換えにより、アマチュアAに誘起電圧が生じ、アマチュア電流Iaがフィールド電流Ifと、プラギングダイオードD1を通るプラギング電流Ipとに分流(Ia=If+Ip)される。このため、プラギング時は、Ia>Ifとなり、前記■式から走行用モータのトルク計算値Trは、Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2となる。 【0023】ここで、フィールド電流Ifがアマチュア電流Iaに比べて充分に小さいとき、すなわちプラギング電流Ipが大きいとき、走行用モータのトルク計算値Trは、Tr=G1×{(1−G2)×Ia}2 に近づくこととなる。このため、プラギング時の走行用モータ2のトルク計算値Trの調整は、力行時とは異なり、ゲインG2の要素を加えて行うことができる。 【0024】上記の如く、本発明では、走行用モータ2のプラギング時においてアマチュア電流Iaとフィールド電流Ifとが異なることを利用し、かつ前記■の計算式を採用することによって、1つの計算式を用いているにも拘らず力行時とプラギング時のトルク計算値Trの調節を個別に行うことができ、制御の簡素化を図りうる。 【0025】次に、コントローラ4は、前記トルク指令値Toとトルク計算値Trとを比較し(ステップS6)、これらの差を無くすよう、例えば前回出力値を増減して目標チョッパ信号Doを決定する。すなわち、コントローラ4は、トルク指令値Toとトルク近似値Trとを比較して、To>Trであれば、目標チュッパ信号Doは、前回出力値に変動値「1」を加えたものとして決定する(ステップS7)。なお前記変動値は1以外にも種々の値を設定することができるが、前記したように目標チョッパ信号Doが取りうる値0〜100(%)に対してトルクフィードバックしたときの応答性を考慮した値とするのが好ましい。 【0026】逆に、トルク指令値Toとトルク近似値Trとを比較して、To<Trであれば、目標チュッパ信号Doは、前回出力値に変動値「1」を減じたものとして決定され(ステップS9)、またTo=Trであれば、目標チョッパ信号Doは、前回出力値と等しく決定される(ステップS8)。 【0027】そして、前記コントローラ4は、ステップS7〜9で決定された目標チョッパ信号Doと、前記ステップS2で求めた最大チョッパ信号Dmとを比較し(ステップS10)、目標チョッパ信号Doが、前記ステップS2で求めた最大チョッパ信号Dm以下であれば(ステップS10でN)、目標チョッパ信号Doをスイッチング手段CHに出力する(ステップS11)。また、スイッチング手段CHは、目標チョッパ信号Doに基づいてオンオフされ、走行用モータ2が回転しうる。 【0028】ここで、前記■式から得られるトルク計算値Trは、現実のモータトルクの値とは異なるものの、走行用モータ2の運転状態に対応している。またこのトルク計算値Trは、フィードバック制御を行う際、トルク指令値Toと比較を行う値でもある。また、前記した通りプラギング時にはゲインG2を加えることにより、トルク計算値Trを力行時よりも大きい値として演算することができる。 【0029】例えばゲインG2を0.5よりも小とした場合、プラギング中において力行時と同一のアクセル操作量にも拘わらず、コントローラ4は、力行時よりも大きなトルク計算値Trを演算することも可能なため、トルク指令値Toとの比較でフィードバック処理を行うと、走行用モータ2の実発生トルクを力行時よりも小さくでき、走行フィーリングを損なうことなくプラギング制動が行える。また、ゲイン2の調整により、プラギング時の制動トルクを最適なものにすることができる。 【0030】また、本発明では、従来のようにプラギング判別手段を設けなくとも、力行に移行する際には、プラギング電流Ipが減少していき、アマチュア電流Iaとフィールド電流Ifとが等しくなれば前記計算式からは自動的にゲンイG2の要素が無くなるため、自動的に力行時の運転フィーリングに戻すことができるから力行時とプラギング時の制御のつながりが非常に滑らかになる利点がある。 【0031】さらに、プラギング時には、前記計算式から明らかなようにアマチュア電流Iaの電流値が大きく走行用モータ2のトルクに反映されるようになるため、安定したアマチュア電流が流れるようになる。 【0032】なお本実施形態では前記目標チョッパ信号Doが前記最大チョッパ信号Dmを超えるときには、前記目標チョッパ信号Doを最大チョッパ信号Dmの値に制限するチョッパ信号制限処理(ステップS12)を行ない、しかる後、目標チョッパ信号Doスイッチング手段CHに出力する(ステップS11)。これによって、最大チョッパ信号Dmが許す限りの目標チョッパ信号Doにて走行用モータ2の制御を行うことができる。 【0033】以上、本実施形態ではバッテリ式フォークリフトを例にとり説明したが、本発明は例えば乗用を目的とした電気自動車にも採用しうるなど、種々の態様に変形しうる。 【0034】 【発明の効果】叙上の如く本発明によれば、アクセル操作量に基づくトルク指令値Toと、現在の走行用モータの運転状態に対応した演算により求まるトルク計算値Trとを用いてトルクフィードバック制御する際に、力行時、プラギング時のいずれにおいても、トルク計算値Trを、Tr=G1×{G2×If+(1−G2)×Ia}2 という一つの計算式により演算している。 【0035】このため、アマチュア電流Iaとフィールド電流Ifとが等しい力行中はゲインG1の要素により、またプラギング時にはゲインG1とゲインG2の要素により、夫々異なるトルク計算値を設定しうる。従って、ゲインG2を調節することにより、プラギング中において例えば力行時と同一のアクセル操作量にも拘わらず、走行用モータの実発生トルクは力行時よりも小さくなり、走行フィーリングを損なうことなくプラギング制動が行える。また、ゲイン2を調整する事により、プラギング時の制動トルクを最適なものにすることができる。 【0036】また、従来のように、プラギング判別手段を設けなくとも、力行に移行する際には、プラギング電流Ipが減少していき、アマチュア電流Iaとフィールド電流Ifとが等しくなれば前記計算式からはゲンイG2の要素が無くなるため、力行時の運転フィーリングに自動的に戻すことができ、制御を簡素化しつつ力行時とプラギング時の制御のつながりも非常に良くなる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000232807 【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】苗村 正
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| 【公開番号】 |
特開平11−98620 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−258549 |
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