| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の発電制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田端 淳
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| 【要約】 |
【課題】エンジンにより発電機を駆動して蓄電装置を充電するハイブリッド車両の発電制御装置において、車速が所定値以下の略停止状態では、蓄電装置の蓄電量不足を防止しつつ充電のためのエンジン騒音や振動を低減する。
【解決手段】車速Vが所定値α以下であることが判断され(SA4)、蓄電量SOCが所定量βよりも小さいと判断された場合(SA6)に、目標エンジン回転速度が所定値だけ低下させられ(SA11)、その目標エンジン回転速度に見合った回生制動トルクを発生させるようにモータジェネレータの電流制御が行われ(SA12)て充電量が低減される一方、蓄電量の変化量ΔSOCが負になった場合は、蓄電装置の充放電収支が略0となるように電気負荷の電力消費量が低減させられる(SA13、14)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蓄電装置と、該蓄電装置への充電を行う発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該蓄電装置または該発電機から供給される電気エネルギーにより駆動される走行用の電動モータと、車速を検出する車速検出手段とを備えている一方、前記エンジンにより前記発電機を駆動して前記蓄電装置を充電する充電制御中に、前記車速検出手段により検出された車速が所定値以下になった場合には、該エンジンの回転速度および該発電機の発電率を低下させる低下制御手段を有するハイブリッド車両の発電制御装置において、前記低下制御手段により、前記エンジンの回転速度および前記発電機の発電率が低下させられた場合に、必要に応じて前記蓄電装置から電気エネルギーが供給される電気負荷の電力消費量を低減させる電気負荷制御手段を有することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項2】 蓄電装置と、該蓄電装置への充電を行う発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該蓄電装置または該発電機から供給される電気エネルギーにより駆動される走行用の電動モータと、車速を検出する車速検出手段とを備えている一方、前記エンジンにより前記発電機を駆動して前記蓄電装置を充電する充電制御中に、前記車速検出手段により検出された車速が所定値以下になった場合には、該エンジンの回転速度および該発電機の発電率を低下させる低下制御手段を有するハイブリッド車両の発電制御装置において、前記低下制御手段は、前記発電機により発生させられて前記蓄電装置へ充電される充電量と、該蓄電装置から放電される放電量とが略等しくなるように、前記エンジンの回転速度および該発電機の発電率の低下量を制御するものであることを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド車両の発電制御装置に係り、特に、エンジンにより発電機を駆動する充電中の車両停止時におけるエンジン騒音や振動を、蓄電量不足を防止しながら可及的に低減させる技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】(a) 蓄電装置と、(b) 蓄電装置への充電を行う発電機と、(c) 発電機を駆動するエンジンと、(d) 蓄電装置または発電機から供給される電気エネルギーにより駆動される走行用の電動モータと、(e) 車速を検出する車速検出手段と、(f) 蓄電装置の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、(g) 蓄電量検出手段で検出された蓄電量が所定値よりも大きく且つ車速検出手段で検出された車速が所定値以下である場合にはエンジンの回転速度を低下させるとともに発電機の発電率を低下させ、蓄電量が所定値以下で且つ車速が所定値以下である場合にはエンジンの回転速度のみを低下させるように構成された制御手段とを備えているハイブリッド車両が、特開平8−151941号公報に記載されている。 【0003】かかるハイブリッド車両によれば、蓄電量が所定値よりも大きく且つ車速が所定値以下である場合には、エンジンの回転速度を、例えばアイドル回転速度まで低下させると共に、発電機の発電率を低下させてエンジンに加わる負荷を減少させるため、車両の低速走行時や停止時に、発電機を駆動するエンジンの騒音や振動が相対的に高くなって乗員に違和感を生じさせることが防止される。一方、蓄電量が所定値以下で且つ車速が所定値以下である場合には、エンジンの回転速度のみを低下させ、発電機の発電率はそのまま維持されることから、一定の発電量を得て蓄電装置の蓄電量不足が回避される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来のハイブリッド車両の発電制御装置は、蓄電装置の蓄電量が所定値以下になると一律に発電率の低下が中止されるため、それだけエンジン負荷が大きくなり、振動や騒音の点で必ずしも十分に満足できるものではなかった。すなわち、蓄電装置の蓄電量が所定値以下であっても、低発電率による発電で得られる充電量が放電量と略同じか放電量よりも多い場合には、発電率を低下させても蓄電量不足を生じる恐れはないのである。 【0005】本発明は以上のような事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車速が所定値以下である場合に、エンジンの回転速度を低下させるとともに発電機の発電率を低下させるように構成されたハイブリッド車両の発電制御装置において、蓄電装置の蓄電量不足を防止しながらエンジン騒音や振動を可及的に低減させることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1発明は、(a) 蓄電装置と、その蓄電装置への充電を行う発電機と、その発電機を駆動するエンジンと、その蓄電装置またはその発電機から供給される電気エネルギーにより駆動される走行用の電動モータと、車速を検出する車速検出手段とを備えている一方、(b) 前記エンジンにより前記発電機を駆動して前記蓄電装置を充電する充電制御中に、前記車速検出手段により検出された車速が所定値以下になった場合には、そのエンジンの回転速度およびその発電機の発電率を低下させる低下制御手段を有するハイブリッド車両の発電制御装置において、(c) 前記低下制御手段により、前記エンジンの回転速度および前記発電機の発電率が低下させられた場合に、必要に応じて前記蓄電装置から電気エネルギーが供給される電気負荷の電力消費量を低減させる電気負荷制御手段を有することを特徴とする。 【0007】第2発明は、(a) 蓄電装置と、その蓄電装置への充電を行う発電機と、その発電機を駆動するエンジンと、その蓄電装置またはその発電機から供給される電気エネルギーにより駆動される走行用の電動モータと、車速を検出する車速検出手段とを備えている一方、(b) 前記エンジンにより前記発電機を駆動して前記蓄電装置を充電する充電制御中に、前記車速検出手段により検出された車速が所定値以下になった場合には、そのエンジンの回転速度およびその発電機の発電率を低下させる低下制御手段を有するハイブリッド車両の発電制御装置において、(c)前記低下制御手段は、前記発電機により発生させられて前記蓄電装置へ充電される充電量と、その蓄電装置から放電される放電量とが略等しくなるように、前記エンジンの回転速度およびその発電機の発電率の低下量を制御するものであることを特徴とする。 【0008】 【発明の効果】第1発明によれば、低下制御手段によってエンジンの回転速度および発電機の発電率が低下させられた場合には、必要に応じて電気負荷の電力消費量が低減されるため、それだけ蓄電装置からの放電量が少なくなり、低発電率による充電であっても蓄電量不足となることが抑制される。これにより、蓄電装置の蓄電量が所定値以下となった場合に、一律にエンジンの回転速度のみを低下させ、発電機の発電率はそのまま維持させるように構成された従来装置と比べて、蓄電装置の蓄電量不足を防止しつつエンジン騒音や振動が一層低減されるようになる。 【0009】第2発明によれば、発電機により発生させられて蓄電装置へ充電される充電量と、蓄電装置から放電される放電量とが略等しくなるように、言い換えれば蓄電装置の蓄電量の変化が略0となるように、エンジンの回転速度および発電機の発電率の低下量が制御されるため、第1発明のようにエアコンなどの電気負荷に影響を与えることなく、蓄電装置の蓄電量不足を確実に回避しながらエンジン騒音や振動が可及的に低減される。 【0010】 【発明の実施の形態】ここで、本発明は、燃料の燃焼によって作動するエンジンと、エンジンにより駆動される発電機と、発電機により発生された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、蓄電装置から供給される電気エネルギーで駆動される電動モータとを備えており、常には電動モータによって走行するとともにエンジンは発電のためにのみ使用されるシリーズタイプや、遊星歯車装置などの合成、分配機構によってエンジンおよび電動モータの出力を合成したり分配したりするミックスタイプなど、種々のタイプのハイブリッド車両に適用され得る。 【0011】また、本発明のハイブリッド車両は、発電機(ジェネレータ)および電動モータをそれぞれ搭載していても良いが、発電機および電動モータとして用いられる共通のモータジェネレータを搭載していても良い。 【0012】また、上記ミックスタイプのハイブリッド車両は、所定の切換条件に従って動力源の作動状態が異なる複数の運転モードで走行するが、複数の運転モードには、エンジンのみを動力源として使用するエンジン走行モード、電動モータのみを動力源として使用するモータ走行モード、エンジンおよび電動モータを動力源として使用するエンジン・モータ走行モード、或いは、エンジンを運転状態とし、モータジェネレータの回生制動トルク(反力トルク)を制御することにより車両を発進させるエンジン発進モードなど種々の運転モードが含まれる。ここで、エンジン発進モードが選択されている場合には、前記低下制御手段は、エンジン回転速度を所定値だけ低下させるとともに、モータジェネレータの回生制動トルクを低下させて、発電によりエンジンに加わる負荷を減少させるように構成される。尚、ここでは、モータジェネレータの回生制動トルクが発電機の発電率に対応する。 【0013】また、前記電気負荷には、蓄電装置から供給される電気エネルギーを消費する種々の車載装置が対応し、例えばエアコン、ヘッドライト、オーディオ、デフォッガーなどである。 【0014】また、低下制御手段によってエンジンの回転速度および発電機の発電率が低下させられる車速の所定値は、略停止状態である略0の値であっても良いし数Km/h程度であっても良いなど、発電のためのエンジン作動に起因する騒音や振動で違和感を生じさせないように、ハイブリッド車両の構成や発電時のエンジン回転速度などを考慮して適宜定められる。 【0015】また、本発明の発電制御装置は、蓄電装置の蓄電量を検出する蓄電量検出手段を含んで構成することが望ましく、その場合に第1発明の電気負荷制御手段は、蓄電量が所定値より少ない場合だけ電気負荷の電力消費量を強制的に低減させるように構成することが望ましい。第2発明の低下制御手段は、蓄電量が所定値より少ない場合だけ放電量に応じてエンジン回転速度および発電率の低下量を制御し、蓄電量が所定値以上の場合にはエンジン騒音や振動を十分に低減できるように予め定められた所定の低減値まで低下させるようにすることが望ましい。 【0016】第1発明の電気負荷制御手段は、好適には、低下制御手段によるエンジン回転速度および発電機の発電率の低下制御時の充電量と、蓄電装置から放電される放電量とが略等しくなるように、言い換えれば蓄電装置の蓄電量の変化が略0となるように、電気負荷の電力消費量を低減させるように構成される。 【0017】また、暖機運転中でエンジンがファーストアイドル回転で作動させられる場合など、充電以外の要因でエンジン回転速度が高められる場合は、低下制御手段によるエンジン回転速度の低下制御を中止することが望ましい。 【0018】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された発電制御装置を備えているハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置10の骨子図である。 【0019】図1において、このハイブリッド駆動装置10はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用のもので、燃料の燃焼によって作動する内燃機関等のエンジン12と、電動モータおよび発電機としての機能を有するモータジェネレータ14と、シングルピニオン型の遊星歯車装置16と、自動変速機18とを車両の前後方向に沿って備えており、出力軸19から図示しないプロペラシャフトや差動装置などを介して左右の駆動輪(後輪)へ駆動力を伝達する。 【0020】遊星歯車装置16は機械的に力を合成分配する合成分配機構で、モータジェネレータ14と共に電気式トルコン24を構成しており、リングギヤ16rは第1クラッチCE1 を介してエンジン12に連結され、サンギヤ16sはモータジェネレータ14のロータ軸14rに連結され、キャリア16cは自動変速機18の入力軸26に連結されている。また、サンギヤ16sおよびキャリア16cは第2クラッチCE2 によって連結されるようになっている。 【0021】また、エンジン12の出力は、回転変動やトルク変動を抑制するためのフライホイール28およびスプリング、ゴム等の弾性部材によるダンパ装置30を介して第1クラッチCE1 に伝達される。第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 は、何れも油圧アクチュエータによって係合、解放される摩擦式の多板クラッチである。 【0022】自動変速機18は、前置式オーバードライブプラネタリギヤユニットから成る副変速機20と、単純連結3プラネタリギヤトレインから成る前進4段、後進1段の主変速機22とを組み合わせたものである。 【0023】具体的には、副変速機20はシングルピニオン型の遊星歯車装置32と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC0 、ブレーキB0 と、一方向クラッチF0 とを備えて構成されている。また、主変速機22は、3組のシングルピニオン型の遊星歯車装置34、36、38と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC1 , C2 、ブレーキB1 ,B2 ,B3 ,B4 と、一方向クラッチF1 ,F2 とを備えて構成されている。 【0024】そして、図2に示されているソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁により油圧回路40が切り換えられたり、図示しないシフトレバーに連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路40が機械的に切り換えられたりすることにより、クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 がそれぞれ係合、解放制御され、図3に示されているようにニュートラル(N)と前進5段(1st〜5th)、後進1段(Rev)の各変速段が成立させられる。 【0025】なお、上記自動変速機18や前記電気式トルコン24は、中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。 【0026】図3のクラッチ、ブレーキ、一方向クラッチの欄の「○」は係合、「●」はシフトレバーがエンジンブレーキレンジ、たとえば「3」、「2」、及び「L」レンジ等の低速レンジへ操作された場合に係合、そして、空欄は非係合を表している。 【0027】その場合に、ニュートラルN、後進変速段Rev、及びエンジンブレーキレンジは、シフトレバーに機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路40が機械的に切り換えられることによって成立させられ、前進変速段の1st〜5thの相互間の変速はソレノイドバルブSL1〜SL4によって電気的に制御される。また、前進変速段の変速比は1stから5thとなるに従って段階的に小さくなり、4thの変速比i4 =1である。図3は各変速段の変速比の一例を示したものである。 【0028】図3の作動表に示されているように、第2変速段(2nd)と第3変速段(3rd)との間の変速は、第2ブレーキB2 と第3ブレーキB3 との係合・解放状態を共に変えるクラッチツウクラッチ変速になる。この変速を円滑に行うために、上述した油圧回路40には図4に示す回路が組み込まれている。 【0029】図4において符号70は1−2シフトバルブを示し、また符号71は2−3シフトバルブを示し、さらに符号72は3−4シフトバルブを示している。これらのシフトバルブ70、71、72の各ポートの各変速段での連通状態は、それぞれのシフトバルブ70、71、72の下側に示している通りである。なお、その数字は各変速段を示す。 【0030】その2−3シフトバルブ71のポートのうち第1変速段および第2変速段で入力ポート73に連通するブレーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路75を介して接続されている。この油路にはオリフィス76が介装されており、そのオリフィス76と第3ブレーキB3 との間にダンパーバルブ77が接続されている。このダンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン圧が急激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝作用を行うものである。 【0031】また符号78はB−3コントロールバルブであって、第3ブレーキB3 の係合圧PB3をこのB−3コントロールバルブ78によって直接制御するようになっている。すなわち、このB−3コントロールバルブ78は、スプール79とプランジャ80とこれらの間に介装したスプリング81とを備えており、スプール79によって開閉される入力ポート82に油路75が接続され、またこの入力ポート82に選択的に連通させられる出力ポート83が第3ブレーキB3 に接続されている。さらにこの出力ポート83は、スプール79の先端側に形成したフィードバックポート84に接続されている。 【0032】一方、前記スプリング81を配置した箇所に開口するポート85には、2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でDレンジ圧を出力するポート86が油路87を介して連通させられている。また、プランジャ80の端部側に形成した制御ポート88には、リニアソレノイドバルブSLUが接続されている。 【0033】したがって、B−3コントロールバルブ78は、スプリング81の弾性力とポート85に供給される油圧とによって調圧レベルが設定され、且つ制御ポート88に供給される信号圧が高いほどスプリング81による弾性力が大きくなるように構成されている。 【0034】さらに、図4における符号89は、2−3タイミングバルブであって、この2−3タイミングバルブ89は、小径のランドと2つの大径のランドとを形成したスプール90と第1のプランジャ91とこれらの間に配置したスプリング92とスプール90を挟んで第1のプランジャ91とは反対側に配置された第2のプランジャ93とを有している。 【0035】この2−3タイミングバルブ89の中間部のポート94に油路95が接続され、また、この油路95は2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でブレーキポート74に連通させられるポート96に接続されている。 【0036】さらに、この油路95は途中で分岐して、前記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート97にオリフィスを介して接続されている。この中間部のポート94に選択的に連通させられるポート98は油路99を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。 【0037】そして、第1のプランジャ91の端部に開口しているポートにリニアソレノイドバルブSLUが接続され、また第2のプランジャ93の端部に開口するポートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介して接続されている。 【0038】前記油路87は第2ブレーキB2 に対して油圧を供給・排出するためのものであって、その途中には小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィス102とが介装されている。また、この油路87から分岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧する場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス104が介装され、この油路103は以下に説明するオリフィスコントロールバルブ105に接続されている。 【0039】オリフィスコントロールバルブ105は第2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブであって、そのスプール106によって開閉されるように中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2 が接続されており、このポート107より図での下側に形成したポート108に前記油路103が接続されている。 【0040】第2ブレーキB2 を接続してあるポート107より図での上側に形成したポート109は、ドレインポートに選択的に連通させられるポートであって、このポート109には、油路110を介して前記B−3コントロールバルブ78のポート111が接続されている。尚、このポート111は、第3ブレーキB3 を接続してある出力ポート83に選択的に連通させられるポートである。 【0041】オリフィスコントロールバルブ105のポートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を介して、3−4シフトバルブ72のポート114に接続されている。このポート114は、第3変速段以下の変速段で第3ソレノイドバルブSL3の信号圧を出力し、また、第4変速段以上の変速段で第4ソレノイドバルブSL4の信号圧を出力するポートである。 【0042】さらに、このオリフィスコントロールバルブ105には、前記油路95から分岐した油路115が接続されており、この油路115を選択的にドレインポートに連通させるようになっている。 【0043】なお、前記2−3シフトバルブ71において第2変速段以下の変速段でDレンジ圧を出力するポート116が、前記2−3タイミングバルブ89のうちスプリング92を配置した箇所に開口するポート117に油路118を介して接続されている。また、3−4シフトバルブ72のうち第3変速段以下の変速段で前記油路87に連通させられるポート119が油路120を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。 【0044】そして、図4において、符号121は第2ブレーキB2 用のアキュムレータを示し、その背圧室にはリニアソレノイドバルブSLNが出力する油圧に応じて調圧されたアキュムレータコントロール圧が供給されている。このアキュムレータコントロール圧は、リニアソレノイドバルブSLNの出力圧が低いほど高い圧力になるように構成されている。したがって、第2ブレーキB2 の係合・解放の過渡的な油圧PB2は、リニアソレノイドバルブSLNの信号圧が低いほど高い圧力で推移するようになっている。変速用の他のクラッチC1 、C2 やブレーキB0などにもアキュムレータが設けられ、上記アキュムレータコントロール圧が作用させられることにより、変速時の過渡油圧が入力軸26のトルクTI などに応じて制御されるようになっている。 【0045】また、符号122はC−0エキゾーストバルブを示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキュムレータを示している。C−0エキゾーストバルブ122は2速レンジでの第2変速段のみにおいてエンジンブレーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるように動作するものである。 【0046】したがって、上述した油圧回路40によれば、B−3コントロールバルブ78のポート111がドレインに連通していれば、第3ブレーキB3 の係合圧PB3をB−3コントロ−ルバルブ78によって直接調圧することができ、また、その調圧レベルをリニアソレノイドバルブSLUによって変えることができる。 【0047】また、オリフィスコントロールバルブ105のスプール106が、図の左半分に示す位置にあれば、第2ブレーキB2 はこのオリフィスコントロールバルブ105を介して排圧が可能になり、したがって第2ブレーキB2 からのドレイン速度を制御することができる。 【0048】さらに、第2変速段から第3変速段への変速は、第3ブレーキB3 を緩やかに解放すると共に第2ブレーキB2 を緩やかに係合する所謂クラッチツウクラッチ変速が行われるわけであるが、入力軸26への入力軸トルクに基づいてリニアソレノイドバルブSLUにより駆動される第3ブレーキB3 の解放過渡油圧PB3を制御することにより変速ショックを好適に軽減することができる。入力軸トルクに基づく油圧PB3の制御は、フィードバック制御などでリアルタイムに行うこともできるが、変速開始時の入力軸トルクのみを基準にして行うものであっても良い。 【0049】ハイブリッド駆動装置10は、図2に示されるようにハイブリッド制御用コントローラ50及び自動変速制御用コントローラ52を備えている。これらのコントローラ50、52は、CPUやRAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、エンジン水温センサ62、車速センサ64から、エンジン水温THE 、車速V(自動変速機18の出力軸回転速度NO に対応)を表す信号が供給される他、入力軸回転速度NI 、エンジントルクTE 、モータトルクTM、エンジン回転速度NE 、モータ回転速度NM 、シフトレバーの操作レンジ、ブレーキのON、OFF、アクセル操作量θAC等の各種の情報を読み込むと共に、予め設定されたプログラムに従って信号処理を行う。なお、エンジントルクTEはスロットル弁開度や燃料噴射量などから求められ、モータトルクTM はモータ電流などから求められる。ここで、車速センサ64は車速検出手段に対応している。 【0050】前記エンジン12は、ハイブリッド制御用コントローラ50によってスロットル弁開度や燃料噴射量、点火時期などが制御されることにより、運転状態に応じて出力が制御される。図2の符号66はスロットルアクチュエータで、スロットル弁68の開度θTHを開閉制御する。 【0051】前記モータジェネレータ14は、図5に示すようにM/G制御器(インバータ)56を介してバッテリー等の蓄電装置58に接続されており、ハイブリッド制御用コントローラ50により、その蓄電装置58から電気エネルギーが供給されて所定のトルクで回転駆動される回転駆動状態と、回生制動(モータジェネレータ14自体の電気的な制動トルク)によりジェネレータとして機能して蓄電装置58に電気エネルギーを充電する充電状態と、ロータ軸14rが自由回転することを許容する無負荷状態とに切り換えられる。 【0052】蓄電装置58には電気負荷42が接続されている。電気負荷42は、蓄電装置58から供給される電気エネルギーで作動させられる種々の車載装置で、例えばエアコン、ヘッドライト、オーディオ、デフォッガーなどであり、その作動状態は通常は個々に設けられた操作スイッチや制御装置などによって制御されるが、所定の条件下においてハイブリッド制御用コントローラ50によりその電力消費量が強制的に低減される。 【0053】蓄電装置58の蓄電量SOCは蓄電量検出手段44によって検出され、ハイブリッド制御用コントローラ50に読み込まれるようになっている。蓄電量検出手段44は、例えば蓄電装置58の電圧を測定する電圧計などであるが、モータジェネレータ14がジェネレータとして機能する充電時のモータ電流や充電効率、放電時の電流、放電効率などから演算により算出するものであっても良い。 【0054】また、前記第1クラッチCE1 及び第2クラッチCE2 は、ハイブリッド制御用コントローラ50により電磁弁等を介して油圧回路40が切り換えられることにより、係合或いは解放状態が切り換えられる。 【0055】前記自動変速機18は、自動変速制御用コントローラ52によって前記ソレノイドバルブSL1〜SL4、リニアソレノイドバルブSLU、SLT、SLNの励磁状態が制御され、油圧回路40が切り換えられたり油圧制御が行われることにより、予め定められた変速条件に従って変速段が切り換えられる。変速条件は、例えばアクセル操作量θACおよび車速Vなどの走行状態をパラメータとする変速マップ等により設定される。 【0056】上記ハイブリッド制御用コントローラ50は、例えば本願出願人が先に出願した特願平7−294148号に記載されているように、図6に示すフローチャートに従って図7に示す9つの運転モードの1つを選択し、その選択したモードでエンジン12及び電気式トルコン24を作動させる。 【0057】図6において、ステップS1ではエンジン始動要求があったか否かを、例えばエンジン12を動力源として走行したり、エンジン12によりモータジェネレータ14を回転駆動して蓄電装置58を充電したりするために、エンジン12を始動すべき旨の指令があったか否かを判断する。 【0058】ここで、始動要求があればステップS2でモード9を選択する。モード9は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14により遊星歯車装置16を介してエンジン12を回転駆動すると共に、燃料噴射などのエンジン始動制御を行ってエンジン12を始動する。 【0059】このモード9は、車両停止時には前記自動変速機18をニュートラルにして行われ、モード1のように第1クラッチCE1 を解放したモータジェネレータ14のみを動力源とする走行時には、第1クラッチCE1 を係合すると共に走行に必要な要求出力以上の出力でモータジェネレータ14を作動させ、その要求出力以上の余裕出力でエンジン12を回転駆動することによって行われる。また、車両走行時であっても、一時的に自動変速機18をニュートラルにしてモード9を実行することも可能である。 【0060】一方、ステップS1の判断が否定された場合、すなわちエンジン始動要求がない場合には、ステップS3を実行することにより、制動力の要求があるか否かを、例えばブレーキがONか否か、シフトレバーの操作レンジがLや2などのエンジンブレーキレンジ(低速変速段のみで変速制御を行うと共にエンジンブレーキや回生制動が作用するレンジ)で、且つアクセル操作量θACが0か否か、或いは単にアクセル操作量θACが0か否か、等によって判断する。 【0061】この判断が肯定された場合にはステップS4を実行する。ステップS4では、蓄電装置58の蓄電量SOCが予め定められた最大蓄電量B以上か否かを判断し、SOC≧BであればステップS5でモード8を選択し、SOC<BであればステップS6でモード6を選択する。最大蓄電量Bは、蓄電装置58に電気エネルギーを充電することが許容される最大の蓄電量で、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば80%程度の値が設定される。 【0062】上記ステップS5で選択されるモード8は、図7に示されるように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14を無負荷状態とし、エンジン12を停止状態すなわちスロットル弁を閉じると共に燃料噴射量を0とするものであり、これによりエンジン12の引き擦り回転による制動力、すなわちエンジンブレーキが車両に作用させられ、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、モータジェネレータ14は無負荷状態とされ、自由回転させられるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。 【0063】ステップS6で選択されるモード6は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を充電状態とするもので、車両の運動エネルギーでモータジェネレータ14が回転駆動されることにより、蓄電装置58を充電するとともにその車両にエンジンブレーキのような回生制動力を作用させるため、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。 【0064】また、第1クラッチCE1 が開放されてエンジン12が遮断されているため、そのエンジン12の引き擦りによるエネルギー損失がないとともに、蓄電量SOCが最大蓄電量Bより少ない場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことがない。 【0065】一方、ステップS3の判断が否定された場合、すなわち制動力の要求がない場合にはステップS7を実行し、エンジン発進が要求されているか否かを、例えばモード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時か否か、或いは第2クラッチCE2 がONの直結状態ではエンジンストールが生じる比較的低速の所定車速以下か否かによって判断する。この判断が肯定された場合は、ステップS8においてシフトレバーの操作レンジが「P」または「N」レンジであるか否かを判断し、「P」または「N」レンジでなければステップS9でモード5を選択し、「P」または「N」レンジの場合はステップS10でモード7を選択する。 【0066】上記ステップS9で選択されるモード5は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14の回生制動トルク(反力トルク)を制御することにより車両に所定の駆動トルク(アクセルOFF時のクリープトルクを含む)を発生させるとともに、モータジェネレータ14の回生制御で発生した電気エネルギーを蓄電装置58に充電する。 【0067】具体的に説明すると、遊星歯車装置16のギヤ比をρE とすると、エンジントルクTE :遊星歯車装置16の出力トルク:モータトルクTM =1:(1+ρE):ρE となるため、例えばギヤ比ρE を一般的な値である0.5程度とすると、エンジントルクTE の半分のトルクをモータジェネレータ14が分担することにより、エンジントルクTE の約1.5倍のトルクがキャリア16cから出力される。すなわち、モータジェネレータ14のトルクの(1+ρE )/ρE 倍の高トルク発進を行うことができるのである。 【0068】ここで、本実施例では、エンジン12の最大トルクの略ρE 倍のトルク容量のモータジェネレータ、すなわち必要なトルクを確保しつつできるだけ小型で小容量のモータジェネレータ14が用いられており、装置が小型で且つ安価に構成される。また、本実施例ではモータトルクTM の増大に対応して、スロットル弁開度や燃料噴射量を増大させてエンジン12の出力を大きくするようになっており、反力の増大に伴うエンジン回転速度NE の低下に起因するエンジンストール等を防止している。 【0069】ステップS10で選択されるモード7は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を無負荷状態として電気的にニュートラルとするもので、モータジェネレータ14のロータ軸14rが逆方向へ自由回転させられることにより、自動変速機18の入力軸26に対する出力が0となる。これにより、モード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時に一々エンジン12を停止させる必要がないとともに、前記モード5のエンジン発進が実質的に可能となる。 【0070】一方、ステップS7の判断が否定された場合、すなわちエンジン発進の要求がない場合にはステップS11を実行し、要求出力Pdが予め設定された第1判定値P1以下か否かを判断する。要求出力Pdは、走行抵抗を含む車両の走行に必要な出力で、アクセル操作量θACやその変化速度、車速V(出力軸回転速度NO)、自動変速機18の変速段などに基づいて、予め定められたデータマップや演算式などにより算出される。 【0071】また、第1判定値P1はエンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とモータジェネレータ14のみを動力源として走行する低負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって定められている。 【0072】ステップS11の判断が肯定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1以下の場合には、ステップS12で蓄電量SOCが予め設定された最低蓄電量A以上か否かを判断し、SOC≧AであればステップS13でモード1を選択する。一方、SOC<AであればステップS14でモード3を選択する。最低蓄電量Aはモータジェネレータ14を動力源として走行する場合に蓄電装置58から電気エネルギーを取り出すことが許容される最低の蓄電量であり、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば70%程度の値が設定される。 【0073】上記モード1は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を要求出力Pdで回転駆動させるもので、モータジェネレータ14のみを動力源として車両を走行させる。モード1が選択された場合も、第1クラッチCE1 が解放されてエンジン12が遮断されるため、前記モード6と同様に引き擦り損失が少なく、自動変速機18を適当に変速制御することにより効率の良いモータ駆動制御が可能である。 【0074】また、このモード1は、要求出力Pdが第1判定値P1以下の低負荷領域で且つ蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、エンジン12を動力源として走行する場合よりもエネルギー効率が優れていて燃費や排出ガスを低減できるとともに、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。 【0075】ステップS14で選択されるモード3は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回生制動により充電状態とするもので、エンジン12の出力で車両を走行させながら、モータジェネレータ14によって発生した電気エネルギーを蓄電装置58に充電する。エンジン12は、要求出力Pd以上の出力で運転させられ、その要求出力Pdより大きい余裕動力分だけモータジェネレータ14で消費されるように、そのモータジェネレータ14の電流制御が行われる。 【0076】一方、前記ステップS11の判断が否定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1より大きい場合には、ステップS15において、要求出力Pdが第1判定値P1より大きく第2判定値P2より小さいか否か、すなわちP1<Pd<P2か否かを判断する。 【0077】第2判定値P2は、エンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する高負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって予め定められている。 【0078】そして、P1<Pd<P2であればステップS16でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS17でモード2を選択し、SOC<Aの場合には前記ステップS14でモード3を選択する。 【0079】また、Pd≧P2であればステップS18でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS19でモード4を選択し、SOC<Aの場合にはステップS17でモード2を選択する。 【0080】上記モード2は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を要求出力Pdで運転し、モータジェネレータ14を無負荷状態とするもので、エンジン12のみを動力源として車両を走行させる。 【0081】また、モード4は、第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回転駆動するもので、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として車両を高出力走行させる。 【0082】このモード4は、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域で実行されるが、エンジン12およびモータジェネレータ14を併用しているため、エンジン12およびモータジェネレータ14の何れか一方のみを動力源として走行する場合に比較してエネルギー効率が著しく損なわれることがなく、燃費や排出ガスを低減できる。また、蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。 【0083】上記モード1〜4の運転条件についてまとめると、蓄電量SOC≧Aであれば、Pd≦P1の低負荷領域ではステップS13でモード1を選択してモータジェネレータ14のみを動力源として走行し、P1<Pd<P2の中負荷領域ではステップS17でモード2を選択してエンジン12のみを動力源として走行し、P2≦Pdの高負荷領域ではステップS19でモード4を選択してエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する。 【0084】また、SOC<Aの場合には、要求出力Pdが第2判定値P2より小さい中低負荷領域でステップS14のモード3を実行することにより蓄電装置58を充電するが、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域ではステップS17でモード2が選択され、充電を行うことなくエンジン12により高出力走行が行われる。 【0085】ステップS17のモード2は、P1<Pd<P2の中負荷領域で且つSOC≧Aの場合、或いはPd≧P2の高負荷領域で且つSOC<Aの場合に実行されるが、中負荷領域では一般にモータジェネレータ14よりもエンジン12の方がエネルギー効率が優れているため、モータジェネレータ14を動力源として走行する場合に比較して燃費や排出ガスを低減できる。 【0086】また、高負荷領域では、モータジェネレータ14およびエンジン12を併用して走行するモード4が望ましいが、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより小さい場合には、上記モード2によるエンジン12のみを動力源とする運転が行われることにより、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aよりも少なくなって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。 【0087】次に、第1発明が適用された本実施例の特徴部分、即ち、蓄電装置58の蓄電量不足を防止しつつ、エンジン騒音や排出ガスを可及的に低減させるための制御作動を図8、図9のフローチャートに従って説明する。尚、本制御作動において、ステップSA4、SA11、SA12、SA17、SA18は低下制御手段に対応し、ステップSA13、SA14は電気負荷制御手段に対応しており、それぞれハイブリッド制御用コントローラ50により実行される。 【0088】図8、図9において、ステップSA1では、図6の運転モード判断サブルーチンに従って前記モード5が選択されているか否かがハイブリッド制御用コントローラ50により判断される。この判断が肯定された場合は、ステップSA2において、エンジン水温センサ62から供給される信号に基づいて、エンジン水温THE が所定値T1 以上であるか否かが判断される。この所定値T1 は暖機運転が必要なエンジン水温の最大値で、例えば70℃に設定される。 【0089】このステップSA2の判断が否定された場合は、ステップSA3において、暖機運転を実行するために、目標エンジン回転速度が通常よりも高めに設定され、車両停止時には予め定められたファーストアイドル回転とされる。スロットルアクチュエータ66は、実際のエンジン回転速度NE が目標エンジン回転速度となるように開閉制御される。また、モータジェネレータ14は、所定の駆動トルク(アクセルOFF時のクリープトルクを含む)や電気エネルギーを発生するように、その回生制動トルクすなわち発電率がアクセル操作量θACなどに応じて定められる。モータジェネレータ14の回生制動トルクの制御は、例えば発生電流を制御することによって行われる。 【0090】なお、エアコンスイッチによりエアコンのON信号が入力された場合など、充電以外の要因でエンジン12の回転速度が高くされる場合には、同様にステップSA4以下を実行することなく、目標エンジン回転速度が通常よりも高めに設定されるようにすることが望ましい。目標エンジン回転速度が通常よりも低めに設定される場合は、ステップSA4以下が実行されるようにすれば良い。 【0091】ステップSA2の判断が肯定された場合は、ステップSA4において、車速センサ64から供給される信号に基づいて、車速Vが所定値α以下であるか否かが判断される。この所定値αは、発電のためのエンジン12の作動に起因する振動や騒音で違和感が生じるようになる速度で、例えば車両が停止状態となる略0の値が設定される。 【0092】このステップSA4の判断が否定された場合は、ステップSA5において、例えばアクセル操作量θACに応じた所定のトルクを発生し且つ所定の電気エネルギーが得られるとともに、できるだけエネルギー効率が優れた状態でエンジン12が作動させられるように、モータジェネレータ14の回生制動トルク(発電率)や目標エンジン回転速度等が制御される。 【0093】一方、ステップSA4の判断が肯定された場合は、ステップSA6において、蓄電装置58の蓄電量SOCが所定量β以上であるか否かが判断される。所定量βは、前記最低蓄電量Aと同じかそれよりも小さい値が設定され、この判断が否定された場合は、ステップSA7において、上記蓄電量SOCの変化量ΔSOCが略0或いは比較的小さい所定の正の値であるか否かが判断される。モード5は十分な充電量が得られるように目標エンジン回転速度や回生制動トルク等が設定されるため、最初のサイクルではエアコン等の電気負荷42に拘らず変化量ΔSOCは比較的大きな正の値であるのが普通であり、ステップSA10に続いてステップSA11およびSA12を実行する。 【0094】ステップSA11では、目標エンジン回転速度を現在の値よりも所定値、例えば30rpm程度だけ低下させ、ステップSA12では、その目標エンジン回転速度の低下に応じて回生制動トルク(反力トルク)或いは発生電気エネルギーを低下させるようにモータジェネレータ14の電流制御を行う。これにより、蓄電装置58に対する充電量が低減され、充電のためのエンジン12の作動に起因する振動や騒音が低減される。 【0095】上記ステップSA11、SA12で充電量が低減されると、蓄電量SOCの変化量ΔSOCが小さくなるため、ステップSA7の判断が肯定されたり、ステップSA10の判断が否定されたりするようになる。ステップSA7の判断が肯定されると、ステップSA8において、現在のエンジン回転速度NE を維持するように目標エンジン回転速度が設定される。次にステップSA9において、その目標エンジン回転速度に見合った回生制動トルク(反力トルク)或いは電気エネルギーを発生させるようにモータジェネレータ14の電流制御が行われる。一方、ステップSA10の判断が否定された場合は、ステップSA13において、蓄電装置58の現在の充放電収支(=充電量−放電量)が計算される。次にステップSA14において、蓄電装置58の充放電収支が略0となるように電気負荷42の電力消費量が強制的に低減させられる。尚、運転に支障が生じない範囲で電気負荷42の電力消費量を最大限に低減させても、充放電収支が略0とならない場合には、充放電収支が略0となるまで目標エンジン回転速度や回生制動トルクを必要最小限だけ増大させる。 【0096】前記ステップSA1の判断が否定された場合は、ステップSA15において、図6の運転モード判断サブルーチンに従って前記モード3が選択されているか否かがハイブリッド制御用コントローラ50により判断される。この判断が肯定された場合は、ステップSA16において、最適効率で充電走行できるように、アクセル操作量θACなどに応じて目標エンジン回転速度(=目標車速)やモータジェネレータ14の回生制動トルクが設定される。 【0097】また、ステップSA6の判断が肯定された場合は、ステップSA17において、目標エンジン回転速度を現在の値よりも所定値だけ低下させるとともに、ステップSA18が前記ステップSA12と同様に実行される。ここでは蓄電装置58の蓄電量SOCに余裕があるため、目標エンジン回転速度やモータジェネレータ14の回生制動トルクを必要最小限まで低下させるようになっているとともに、以後のサイクルでステップSA6の判断が肯定された場合は、これらのステップSA17、SA18を飛び越すようにフラグなどが立てられる。 【0098】上述のように本実施例によれば、ステップSA4で、車速Vが所定値α以下の略停車状態であることが判断されると、ステップSA11およびSA12、或いはステップSA17およびSA18において、それぞれ目標エンジン回転速度が所定値だけ低下させられるとともに、その目標エンジン回転速度に見合った回生制動トルクを発生させるようにモータジェネレータ14の電流制御が行われるため、充電のためのエンジン12の作動に起因する振動や騒音が低減される。しかも、充電量の低下や電気負荷42の変化などで蓄電量SOCが所定量βより小さく且つその蓄電量SOCの変化量ΔSOCが負となった場合は、ステップSA13およびSA14において蓄電装置58の充放電収支が略0となるように電気負荷42の電力消費量が強制的に低減されるため、充電量の低下に拘らず蓄電量不足になる恐れがない。したがって、蓄電装置58の蓄電量SOCが所定値以下の場合には一律に充電量の低下を中止する場合に比較して、蓄電量不足を防止しつつ充電に起因するエンジン12の振動や騒音が低減されることになる。 【0099】なお、上記ステップSA7〜SA12において、蓄電量SOCの変化量ΔSOCが略0となるように充電量が制御されるため、本実施例を第2発明の実施例と見做すこともできる。 【0100】次に、第2発明が適用された他の実施例の特徴となる制御作動を図10、図11のフローチャートに基づいて説明する。尚、本制御作動において、ステップSB4、SB7、SB8、SB9、SB10、SB11、SB12、SB13、SB14は低下制御手段に対応しており、ハイブリッド制御用コントローラ50により実行される。 【0101】図10および図11において、ステップSB1〜SB12、SB15〜SB18は、それぞれ前記実施例のステップSA1〜SA12、SA15〜SA18と同じ内容で、ステップSB13およびSB14が異なるだけである。すなわち、この実施例では蓄電量SOCの変化量ΔSOCが負になった場合に、ステップSB13で目標エンジン回転速度を増大させるとともに、ステップSB14でその目標エンジン回転速度の増大に対応させて回生制動トルク或いは発生電気エネルギーを増大させるようにモータジェネレータ14の電流制御を行って充電量を増加させるのであり、これによりエンジン12による充電量が放電量と略同じになる必要最小限に維持され、エアコンなどの電気負荷42に影響を与えることなく、蓄電装置58の蓄電量不足を防止しつつ充電に起因するエンジン12の振動や騒音が可及的に低減される。 【0102】なお、ステップSB11とSB13とのハンチングを防止する上で、ステップSB7は、変化量ΔSOCが少なくとも0〜2%程度の範囲で判断が肯定されるように設定される。 【0103】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 【0104】例えば、前述の実施例においては、後進1段および前進5段の変速段を有する自動変速機18が用いられていたが、図12に示されるように、前記副変速機20を省略して前記主変速機22のみから成る自動変速機60を採用し、図13に示されるように前進4段および後進1段で変速制御を行うようにすることも可能である。 【0105】本発明は、その主旨を逸脱しない範囲において、その他種々の態様で適用され得るものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−69507 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−212149 |
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