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【発明の名称】 作業車用バッテリ装置
【発明者】 【氏名】永野 貢
【氏名】佐藤 文夫
【氏名】小山 健
【氏名】田澤 秀徳
【氏名】藪本 俊昭
【氏名】江黒 高志
【氏名】野村 哲郎
【氏名】大平 彰彦
【氏名】高野 和久
【氏名】小林 太
【課題】コンパクトで且つ効率よく、高所作業車等の作業車に搭載されたニッケル水素バッテリの冷却を行う作業車用バッテリ装置を得る。

【解決手段】電気式油圧ユニットへの電力の供給を行うためのニッケル水素バッテリの冷却を行うように構成されており、ニッケル水素バッテリのバッテリユニットBUを収納するバッテリケース10と、このバッテリケース10へ冷却風を送風する冷却手段とを有している。そして、バッテリケース10には、冷却手段からの冷却風を吸気する吸気口11d,11eおよびこの吸気口11d,11eから吸気した冷却風を排気する排気口11g,11hがそれぞれ形成されている。排気口11g,11hは、吸気口11d,11eが形成された面11cと反対面11fの上部に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧アクチュエータおよび電力により作動して前記油圧アクチュエータへ作動油を供給する電気式油圧ユニットを有する作業車に搭載され、前記電気式油圧ユニットへ電力を供給するバッテリを有し、このバッテリがニッケル水素バッテリであることを特徴とする作業車用バッテリ装置。
【請求項2】 前記バッテリが、複数のバッテリユニットからなり、前記作業車に中棚を有したバッテリケースが装備され、前記バッテリユニットは前記バッテリケースの底部および前記中棚に支持されて上下方向に並んで着脱自在に収納されることを特徴とする請求項1に記載の作業車用バッテリ装置。
【請求項3】 油圧アクチュエータおよび電力により作動して前記油圧アクチュエータへ作動油を供給する電気式油圧ユニットを有する作業車に搭載され、前記電気式油圧ユニットへ電力を供給するニッケル水素バッテリおよびこのニッケル水素バッテリを冷却する冷却手段からなり、前記ニッケル水素バッテリは前記作業車に装備されたバッテリケース内に収納され、前記冷却手段は、前記作業車に装備されて前記バッテリケースへ冷却風を送風する送風手段を有し、前記バッテリケースに形成された吸気口へ冷却風を送風し、前記バッテリケースに形成された排気口から冷却風を排出することを特徴とする作業車用バッテリ装置。
【請求項4】 前記ニッケル水素バッテリは複数のバッテリユニットからなり、前記バッテリケースは中棚を有し、前記バッテリユニットは前記バッテリケースの底部および前記中棚に支持されて上下方向に並んで収納されるとともに、前記バッテリユニットの上部と前記バッテリケースの上蓋および前記中棚との間に冷却風通路空間を形成したことを特徴とする請求項3に記載の作業車用バッテリ装置。
【請求項5】前記吸気口が、前記バッテリケースの側面に形成され、前記排気口が、前記吸気口が形成された前記バッテリケースの側面と相対する側面の上部に形成されていることを特徴とする請求項3もしくは請求項4に記載の作業車用バッテリ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高所作業車等の電気式油圧ユニットを有する作業車に搭載される作業車用バッテリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高所作業車の車体上には、旋回台が旋回自在に設けられ、この旋回台には伸縮ブームが起伏自在に枢支されている。さらに、ブームの先端には作業台が首振り自在に取り付けられており、ブームの旋回・伸縮・起伏作動、および作業台の首振り作動を行って、作業台を所望の高所に移動させることができるようになっている。このようなブームの各作動を油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータによって行わせるように構成した場合には、車体上に油圧供給ユニットを設け、この油圧供給ユニットから供給される作動油により各油圧アクチュエータを駆動する。
【0003】ここで、高所作業車によっては、住宅街や夜間等の作業時における騒音を抑えるために、油圧供給ユニットとして電気モータの駆動により油圧ポンプの駆動を行う電気式油圧ユニットを用いたものがある。そして、このような電気式油圧ユニットを設けた高所作業車においては、電気モータへの電力の供給を行うためのバッテリを車体上に配設しているが、このようなバッテリとしては、鉛バッテリを用いることが多かった。
【0004】上記のようにブームの各作動を行わせるための動力源としてバッテリを用いる場合には大きな容量が必要となるため、鉛バッテリでは外形寸法が大きくなって重量が重くなるとともに、高所作業車に搭載するためのスペースが大きく必要となる。そこで、鉛バッテリに替えて、小型でも大容量のバッテリを用いることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】小型でも容量の大きいバッテリとしては、ニッケル水素バッテリの使用が考えられる。ニッケル水素バッテリは鉛バッテリに比べ重量比で約2倍の容量が期待できるが、鉛バッテリに比べて充放電時の発熱量が大きく、充電時においてはこの発熱によってバッテリの温度が上昇すると充電効率が低下する。
【0006】また、放電時や放置時においては、バッテリが満充電に近く、且つ、夏期に車両が炎天下にさらされるような状態となって温度が高くなると、バッテリの内圧が上昇したり、自己放電が大きくなる。従って、ニッケル水素バッテリは充電時のみならず放電時や放置時にも、その冷却を行う必要があるが、高所作業車に搭載する場合には防水等を考慮してケース内に収納する必要がある。
【0007】このため、放熱面積を大きくとって自然放熱による冷却を行おうとすると、結局バッテリを搭載するためのスペースを大きく必要とするという問題がある。また、ニッケル水素バッテリのバッテリユニットを複数のバッテリセルから構成したいわゆる組電池とした場合には、内側に位置するバッテリセルが冷却されにくいという問題もある。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、作業車用のバッテリとしてニッケル水素バッテリを用い、コンパクトで且つ効率がよい、高所作業車等の作業車に搭載する作業車用バッテリ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の作業車用バッテリ装置は、油圧アクチュエータへ作動油を供給するための電気式油圧ユニットに電力の供給を行うバッテリを有しており、このバッテリとしてはニッケル水素バッテリが用いられて作業車に搭載されている。ニッケル水素バッテリは、小型でも容量が大きいため、長時間電気式油圧ユニットに電力の供給を行うことができる。
【0010】なお、上記の作業車用バッテリ装置において、バッテリは複数のバッテリユニットによって構成するとともに、作業車に装備されたバッテリケースの底部と中棚に支持されて、上下方向に並んで着脱自在に収納するように構成することが好ましい。このような構成とすることにより、バッテリケース内に収納するバッテリユニットの高さを低く抑えることができるため、各バッテリユニットの重量を軽くすることができ、バッテリケースに対する着脱を容易に行うことができる。
【0011】また、上記の目的を達成するために、本発明の作業車用バッテリ装置は、作業車にニッケル水素バッテリとともに冷却手段を搭載してなり、ニッケル水素バッテリはバッテリケースに収納され、冷却手段に設けられた送風手段からの冷却風をバッテリケースの吸気口へ送風し、別に形成された排気口から排出する。
【0012】このように構成された作業車用バッテリ装置においては、吸気口から入った冷却風がニッケル水素バッテリが収納されているバッテリケース内を流れて、吸気口とは別に形成された排気口から流出するため、効率よくニッケル水素バッテリの冷却を行うことができる。
【0013】また、上記の作業車用バッテリ装置においては、複数のバッテリユニットを、中棚を有するバッテリケースに対して上下に重ねて配設しており、バッテリユニットの上部とバッテリケースの上蓋および中棚との間には冷却風通路空間を形成している。このように構成した場合、バッテリユニットの着脱が容易になるとともに、各バッテリユニットに対して冷却風路が形成されるので、効率よく均一にニッケル水素バッテリの冷却を行うことができる。
【0014】なお、上記の作業車用バッテリ装置においては、バッテリケースに設ける吸気口をバッテリケースの側面に形成するとともに、吸気口が形成された面と相対する側面の上部に排気口を形成することが好ましい。このように構成した場合、バッテリの全面にわたって冷却風を流すことができ、さらに、バッテリの熱によって熱せられることにより上昇した冷却風は、バッテリケースの上方に形成された排気口から効率よく排気される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。まず、本発明の作業車用バッテリ装置を備えた高所作業車について図2を用いて説明する。高所作業車1の車体31上には、旋回台32が旋回自在に設けられており、旋回用油圧モータ(図示せず)により旋回作動するようになっている。
【0016】この旋回台32にはブーム33が起伏自在に枢支されており、ブーム33は起伏用油圧シリンダ(図示せず)により起伏作動するようになっている。ブーム33は、複数のブーム部材によって入れ子式に構成され、内部に配設された伸縮用油圧シリンダ(図示せず)により伸縮するようになっている。
【0017】ブーム33の先端には、レベリング機構(図示せず)により常時水平に維持される作業台34が配設されており、この作業台34は首振用油圧モータ(図示せず)により首振作動するようになっている。このように構成された高所作業車1によれば、ブーム33の旋回、起伏、伸縮作動、および作業台34の首振作動等を行って、作業台34を所望の高所に移動させることができる。
【0018】車体31の下部側方には電気式油圧ユニット40が設けられており、この電気式油圧ユニット40は、旋回用油圧モータや伸縮用油圧シリンダ等の各油圧アクチュエータへの作動油の供給を行う。電気式油圧ユニット40は、電気モータと、この電気モータの回転軸に直結された油圧ポンプとを有して構成されている。そして、バッテリ装置Bからの電力によって電気モータを回転駆動させることにより油圧ポンプを回転駆動させて作動油を吐出させる。
【0019】車体31の後部の左右であって、後側ジャッキ35,35の前方には、電気式油圧ユニット40に電力を供給するためのバッテリ装置B,Bが取り付けられている。バッテリ装置B、Bは、同一の構成であるため以下、一方のバッテリ装置Bを例にとって図1および図3を加えて説明する。
【0020】バッテリ装置Bは、複数のニッケル水素のバッテリセルBC,BC…から構成された2個のバッテリユニットBU,BUと、これらのバッテリユニットBU,BUを上下2段に収納可能に構成されたバッテリケース10とからなる。バッテリケース10は、上方が開口して箱状に形成されたケース本体11と、このケース本体11の開口を覆う蓋16とを有して構成されている。
【0021】ケース本体11における上下方向のほぼ中間位置には、ケース本体11に対して着脱自在に中棚12が配設されている。これにより、ケース本体11は、上部バッテリ保持空間11aと、下部バッテリ保持空間11bとに分けられる。なお、中棚12は、ケース本体11の内周面に内側に若干突出して設けられた中棚保持突起(図示せず)上に載置することによって着脱自在に保持される。
【0022】下部バッテリ保持空間11b内へのバッテリユニットBUの収納は、蓋16および中棚12を取り外した状態でケース本体11の上面開口部から行う。そして、上部バッテリ保持空間11a内へのバッテリユニットBUの収納は、下部バッテリ保持空間11bへバッテリユニットBUを収納した後に中棚12を取り付けた状態で行う。
【0023】ケース本体11における前面(車体31の前方に位置する面)11cには、上吸気口11dおよび下吸気口11eが形成されている。上吸気口11dは上部バッテリ保持空間11aの上部に開口して形成され、下吸気口11eは下部バッテリ保持空間11bの上部(中棚12の下方)に開口して形成されている。
【0024】前面11cの外面には、吸気ボックス13が取り付けられている。吸気ボックス13は、上吸気口11dおよび下吸気口11eを覆って箱状に形成された本体13aと、この本体13aの上面に開口して設けられた吸気パイプ13bと、この吸気パイプ13bの内周空間を前後に仕切るとともに、そのまま下方に伸びて本体13a内において上吸気口11d側と下吸気口11e側とを仕切る仕切板13cとから構成されている。
【0025】ケース本体11における上吸気口11dが形成された前面11cと相対する面(車体31の後方に位置する面)である後面11fには、上吸気口11dおよび下吸気口11eと同様に、上部バッテリ保持空間11aの上部に開口する上排気口11gおよび下部バッテリ保持空間11bの上部に開口する下排気口11hが、左右に並んで2箇所づつ形成されている。後面11fの外面には、各排気口11g,11hを覆って排気カバー14,14…が取り付けられている。
【0026】この排気カバー14,14…は、いずれも同一の構成であるため、図4を加えてその1つを例にとって説明する。排気カバー14は、下方が開口した箱状に本体14aが形成されており、内側には前側と後側とに(図4(B)においては左右に)交互に仕切板14b,14b…が設けられている。さらに、この仕切板14b,14b…は、左右方向に傾斜して設けられている。
【0027】ケース本体11における内側面(車体31の中心側に位置する面)11iには、各々のバッテリ保持空間11a,11bに開口する複数のグロメット用孔11j,11j…が形成されている。そして、このグロメット用孔11j,11j…には図示しないグロメットが配設され、このグロメットに各バッテリユニットBU,BUに繋がる引出し線(図示せず)を通すことにより、引出し線をバッテリケース10の外方に取り出したり、上下のバッテリユニットBU,BUを繋ぐことができるようになっている。なお、内側面11iの外面には、引出し線カバー15が設けられており、バッテリケース10の外方に突出した引出し線を保護するようになっている。
【0028】蓋16は、ケース本体11の上部に外側から被さるように配設され、蓋16の前後に設けられた固定用金具16aと、ケース本体11の前後に設けられた固定用金具11kとを、図示しない固定用ネジによって固定することにより、ケース本体11に対してしっかりと取り付けられる。
【0029】次に、送風装置(冷却手段)20について説明する。送風装置20は、送風機(冷却ファン)を有する送風装置本体21と、この送風装置本体21に繋がる2本の冷却用エアダクト22,22とから構成されている。この送風装置20は、車体31上に配設された工具箱36の内部であって、同じく車体31上に配設されたジャッキベース収納装置37の前方に配設されている。
【0030】送風装置本体21は、外部から取り入れた空気を冷却用エアダクト22,22から冷却風として吐出可能に構成されている。各冷却用エアダクト22,22の先端部は、車体31の左右に搭載されたバッテリケース10,10の各吸気パイプ13b,13bに繋がれている。これにより、送風装置20によって発生させた冷却風を吸気ボックス13内に送ることができる。
【0031】以上のように構成された送風装置20から送られる冷却風のバッテリケース10における流れについて説明する。冷却用エアダクト22を流れてきた冷却風Aは、吸気ボックス13内に流入する際に、仕切板13cによって上吸気口11d側と下吸気口11e側とに分かれる。このように分かれた冷却風Aは、上吸気口11dから上部バッテリ保持空間11aに流入するとともに、下吸気口11eから下部バッテリ保持空間11bに流入する。
【0032】上部バッテリ保持空間11aに流入した冷却風Aは、後面11fに形成された上排気口11gから、排気カバー14を介してバッテリケース10の外部に流出する。また、下部バッテリ保持空間11bに流入した冷却風Aも、同様に後面11fに形成された下排気口11hから、排気カバー14を介してバッテリケース10の外部に流出する。
【0033】ここで、両バッテリ保持空間11a,11bには、各々バッテリユニットBU,BUが収納される。従って、バッテリケース10内にバッテリユニットBU,BUを収納した状態で上記のように送風装置20から冷却風Aの送風を行うことにより、各バッテリユニットBU,BUの上部と蓋16および中棚12との間に形成された冷風通路空間を冷却風が流れるため、各バッテリユニットBU,BUの冷却を行うことができる。
【0034】このようにしてバッテリケース10内にバッテリユニットBU,BUを収納することによって構成されたバッテリ装置Bにおいては、図示しない引出し線を介して、詳細を後述する充電用端子(図示せず)や電気式油圧ユニット40、送風装置20等とバッテリユニットBU,BUとが繋がれている。
【0035】高所作業車1においては、作業台34や車体31に設けられた操作装置(図示せず)の操作を行うことにより、各油圧アクチュエータへの作動油の給排制御を行って、ブーム33の旋回、起伏、伸縮作動、および作業台34の首振作動等を行う。このため、電気式油圧ユニット40は、操作装置の操作がなされたときに作動するようになっている。
【0036】すなわち、電気式油圧ユニット40においては、電気モータとバッテリ装置Bとの間に制御スイッチを設けており、操作装置の操作がなされたときにはこの制御スイッチをオン作動させて、バッテリ装置Bから電気モータへの電力の供給を行う。これにより、電気モータを駆動させて油圧ポンプを回転駆動させ、電気式油圧ユニット40から作動油を吐出する。
【0037】このようにバッテリ装置Bの電力を用いて電気式油圧ユニット40の駆動を行うときであるバッテリユニットBU,BUの放電時においては、バッテリユニットBU,BUが発熱するため、その冷却を行うことが好ましい。また、放置時においてもバッテリ温度が高くなると冷却を行う必要を生じる場合がある。このため、電気式油圧ユニット40の駆動時には送風装置20を作動させてバッテリ装置Bへの送風を行うことによりバッテリユニットBU,BUの冷却を行う。
【0038】ここで、送風装置20は冷却用コントローラ(図示せず)を介してバッテリユニットBU,BUに繋がっている。冷却用コントローラは、操作検出スイッチ(図示せず)により操作装置が操作されたことが検出されたときにバッテリ装置Bから送風装置20への電力の断続、すなわち、送風装置20の作動制御を行う。これにより、操作装置を操作して電気式油圧ユニット40を駆動させているときには、送風装置20も駆動されることとなるため、バッテリユニットBU,BUの放電時にバッテリユニットBU,BUの冷却を行うことができる。なお、上記のような放電時における冷却は、操作装置の操作に伴って必ず行わせるようにしてもよいが、切替スイッチ等を設けて冷却を行う必要を生じた時にのみ行うようにしてもよい。
【0039】このようにして、電気式油圧ユニット40をバッテリ装置Bの電力を用いて駆動させることによりブーム33を作動させて高所作業を行った場合、作業終了後にはバッテリユニットBU,BUの充電を行う。バッテリユニットBU,BUの充電は、高所作業車1とは別に構成されて、高所作業車1を駐車する場所(事務所等)に配設された充電装置(図示せず)によってなされる。
【0040】そして、充電装置から伸びて設けられた充電用コードを、高所作業車1に設けられた充電用端子に接続することによってバッテリユニットBU,BUへの充電がなされるわけであるが、前記のようにニッケル水素バッテリであるバッテリユニットBU,BUは充電時の発熱が大きいため、送風装置20を作動させてバッテリユニットBU,BUの冷却を行う。このため、充電用端子とバッテリユニットBU,BUとの間には、充電時に送風装置20を作動させるための充電用コントローラ(図示せず)が設けられている。
【0041】充電用コントローラは、充電用端子に充電用コードが接続されているかもしくは、充電電流が所定電流値以上であるか否か等を検出する。すなわち、バッテリユニットBU,BUが充電状態であるか否かの検出を行い、バッテリユニットBU,BUが充電状態にある場合には、前記の冷却用コントローラの作動制御を行って送風装置20を駆動させる。これにより、バッテリユニットBU,BUを充電しているときには送風装置20も駆動されることとなるため、バッテリユニットBU,BUからの発熱が大きくなる充電時には確実にバッテリユニットBU,BUの冷却を行うことができる。
【0042】なお、送風装置20を駆動させるための冷却用コントローラの作動制御は、操作検出スイッチや充電用コントローラによる作動制御のみならず、バッテリユニットBU,BUの温度検出を行う温度センサ(図示せず)に基づいて行うようにしてもよい。温度センサは、バッテリユニットBU,BUの温度が予め設定した温度に達したときに前記の冷却用コントローラの作動制御を行って送風装置20を駆動させる。
【0043】これにより、充電時や放電時のみならず、放置時に外気温の上昇によってバッテリユニットBU,BUの温度が上昇した場合においても、バッテリユニットBU,BUの冷却を行うことができる。このため、バッテリを満充電に近い状態で放置した場合でも、バッテリユニットBU,BUの内圧が上昇したり、自己放電が大きくなったりすることがない。
【0044】なお、上記の実施形態においては、請求の範囲に記載の冷却手段の一例として送風装置20を用いることとし、この送風装置20においては単なる送風のみを行う構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、冷媒を用いて冷風を送風するように構成してもよい。
【0045】また、上記の実施形態においては、送風装置20の駆動をバッテリ装置Bの電力を用いて行うこととしているが、充電時以外は、送風装置20の駆動は電気式油圧ユニット40の駆動時であるバッテリユニットBU,BUの発熱時や、外気温の上昇によるバッテリユニットBU,BUの温度上昇時になされるため、バッテリユニットBU,BUの無駄な電力の消費を防止することができる。
【0046】上記の実施形態においては、バッテリケース10内において上下2段にバッテリユニットBU,BUを収納する構成を説明したが、この構成によりバッテリユニットBU,BUの着脱が容易になるとともに、上下のバッテリユニットBU,BUに対して、バッテリユニットBU,BUの上部とバッテリケース10の蓋16または中棚12との間に冷却風の通路が形成できるものである。
【0047】しかし、本発明はこれに限られるものではなく、バッテリケース内に1個のバッテリを収納する場合や、複数のバッテリを上下方向に重ねて収納する場合、または一列に並べて収納する場合にももちろん適用できる。なお、複数のバッテリを重ねて収納する場合においては、各中棚の下方に(各バッテリユニットの上方)に吸気口および排気口を形成すればよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明は、電気式油圧ユニットへ電力を供給するバッテリとしてニッケル水素バッテリを用いている。このニッケル水素バッテリは、鉛バッテリに比べて同じ容積で約2倍の容量を有しているため、鉛バッテリを用いて行っていた連続作業時間と同一の作業時間を得るためには、約半分の容積のニッケル水素バッテリを用いれば良い。このため、作業車における搭載スペースを小さくすることができる。また、鉛バッテリと同じ容積のニッケル水素バッテリを用いた場合には、鉛バッテリを用いた作業時間の約2倍の作業時間もしくは、同一の作業時間で2倍の負荷(消費電力)を有する作業装置を駆動させることができる。
【0049】これにより、従来、負荷が大きいために連続して長時間作動させることができなかった油圧圧縮機等の作業装置の駆動が行えるようになる等、種々の作業を電気式油圧ユニットにより供給される作動油を用いて行うことができる。このため、作業時の騒音を低減させることができるとともに、エンジン式の油圧ユニットを用いた場合に生ずる排気ガスの発生等の環境汚染の軽減を図ることもできる。
【0050】また、上記の作業車用バッテリ装置においては、複数のバッテリユニットからなるニッケル水素バッテリを用いるとともに、バッテリユニットを上下方向に並んで着脱自在に収納するように構成することが好ましい。これにより、各バッテリユニットの高さを低く抑えることができるため重量を軽くすることができ、バッテリケースに対する着脱を容易に行うことができる。
【0051】さらに、本発明は、ニッケル水素バッテリをバッテリケースに収納して作業車に搭載するとともに、冷却手段を搭載し、バッテリケースに吸気口および排気口を別個に形成し、送風手段により冷却風を送風するようにしている。これにより、従来の鉛バッテリに比べ、搭載するバッテリを小型化でき、バッテリの着脱が容易になる。また、所要容量のバッテリを小型にできるので小型車両に搭載可能になり、狭い路地にも侵入できる小型の作業車が実現できる。また、充放電時の発熱に対しても効率よく冷却することができ、温度上昇によるニッケル水素バッテリの充電および放電の効率の低下を防止することができる。
【0052】なお、上記の作業車用バッテリ装置においても、ニッケル水素バッテリを複数のバッテリユニットから構成し、各バッテリユニットを上下方向に並んで着脱自在に収納するように構成することが好ましい。これにより、各バッテリユニットの高さを低く抑えることができるため重量を軽くすることができ、バッテリケースに対する着脱を容易に行うことができるとともに、バッテリユニットの上部とバッテリケースの上蓋および中棚との間に広い冷却風通路空間を形成することができるため、より効率よく冷却を行うことができる。
【0053】さらに、吸気口をバッテリケースの側面に形成するとともに、排気口を吸気口と反対側の面の上部に形成することが好ましく、このような構成とすることにより、バッテリケース内に収納されたニッケル水素バッテリの冷却を行う場合、ニッケル水素バッテリ全体に冷却風を当てることができ、且つ、熱を持った空気を上面に近い所から排気することで、冷却効果を高めることができる。これにより、より適した条件でニッケル水素バッテリの充放電を行うことができるため、ニッケル水素バッテリの有する性能を最大に発揮することができる。
【出願人】 【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
【識別番号】000005382
【氏名又は名称】古河電池株式会社
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
【出願日】 平成9年(1997)7月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
【公開番号】 特開平11−41710
【公開日】 平成11年(1999)2月12日
【出願番号】 特願平9−186113