| 【発明の名称】 |
電気自動車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 浩
【氏名】松村 好浩
【氏名】永山 和俊
【氏名】足利 正
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| 【要約】 |
【課題】電気自動車のモータに直結する機械系のバックラッシュの弊害を除く電気自動車の制御方法を提供する。
【解決手段】モータ3の制御部にあってトルク指令出力部7aでは、ステップ指令に対して遅れ要素、無駄時間要素を単独又は組合せて設けることによりトルク指令を出力したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作指令からモータのトルク指令を得るトルク指令出力部を有する電気自動車の制御装置において、上記トルク指令出力部では、上記操作指令であるステップ指令を入力し、遅れ要素、無駄時間要素、無駄時間要素と遅れ要素との組合せ要素のいずれかによるトルク指令を出力することを特徴とする電気自動車の制御装置。 【請求項2】 上記遅れ要素は、少なくとも一種類のランプ関数、及び少なくとも一種類の二次遅れ要素のいずれかとしたことを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制御装置。 【請求項3】 上記無駄時間要素としては、少なくとも一ステップの微少トルクを与えることを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制御装置。 【請求項4】 上記操作指令は駆動指令、回生力指令のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の駆動時もしくは回生時の制御を円滑なものとする装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車においては、2台の駆動用モータが歯車伝達機構(機械系)を介して例えば1対の後輪にそれぞれ直結されている構成を有し、2台の駆動用モータがそれぞれ独立に制御されてアクセル又はブレーキの操作によって駆動又は回生が行なわれる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の機械系においてはギヤのかみ合せに図8に示すバックラッシュが存在し、例えば図8(a)(b)の状態において駆動や回生が行なわれるとき、バックラッシュの間は無負荷に近い状態となり、ギヤBが急激に移動する。この結果、ギヤABどおしがぶつかり合い、トルクの円滑な伝達ができず、不快なギヤ音が生じ、乗り心地も良くないという弊害が生じている。 【0004】本発明は、上述の問題に鑑み、トルクを円滑に伝達しギヤ音の発生を防止し、乗り心地を良くする電気自動車の制御装置の提供を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本発明は、次の発明特定事項を有する。 (1)操作指令からモータのトルク指令を得るトルク指令出力部を有する電気自動車の制御装置において、上記トルク指令出力部では、上記操作指令であるステップ指令を入力し、遅れ要素、無駄時間要素、無駄時間要素と遅れ要素との組合せ要素のいずれかによるトルク指令を出力することを特徴とする。 (2)上記(1)において、上記遅れ要素は、少なくとも一種類のランプ関数、及び少なくとも一種類の二次遅れ要素のいずれかとしたことを特徴とする。 (3)上記(1)において、上記無駄時間要素としては、少なくとも一ステップの微少トルクを与えることを特徴とする。 (4)上記(1)において、上記操作指令は駆動指令、回生力指令のいずれかであることを特徴とする。 【0006】無駄時間要素や遅れ要素によりバックラッシュをゆるやかに無くしてギヤどおしをかみ合せるようにしたため、円滑なトルク伝達ができる。 【0007】 【発明の実施の形態】ここで、発明の実施の形態の一例を説明する。説明の都合上電気自動車の回路構成から述べる。電気自動車の回路構成は、一例として図1に示すものがあり、この図では1対の従動輪である前輪1,1と1対の駆動輪である後輪2,2とを有する4輪車にあって、駆動輪である後輪2,2にはモータ3,3がギヤ等の機械系4,4を介して直結されている。このモータ3,3には、充電可能なバッテリ5からの電力を、電力制御ユニット、例えばインバータ6によって制御したものが供給されており、これによって、モータ3,3の駆動が制御される。また、インバータ6は、モータ3,3の回生制動に伴って発生する電力によってバッテリ5を充電する。 【0008】このインバータ6は、例えばマイクロコンピュータによって構成されたシステムコントローラ7によって制御される。システムコントローラ7は、図示しないアクセルペダルの操作によって生成されたアクセル信号に応じて、モータ3,3の駆動状態を制御する信号をインバータ6に供給し、また後述するブレーキコントローラ8からの回生ブレーキ指令信号に応じて、回生制動の状態を制御する信号をインバータ6に供給する。 【0009】後輪2,2には、更に、液圧制動手段、例えば油圧ブレーキ9,9が設けられている。前輪1,1にも液圧制動手段、例えば油圧ブレーキ10,10が設けられている。 【0010】これら油圧ブレーキ9,9,10,10は、ABS(アンチロックブレーキシステム)ハイドロユニット11が供給する油圧によって前輪1,1及び後輪2,2をそれぞれ制動する。このハイドロユニット11は、ブレーキペダル12の操作によってマスターシリンダ13が発生する制御油圧を制御弁ユニット14を介して受ける。また、ABSECU(アンチロックブレーキシステム電子制御ユニット)15からの制御信号によっても制動状態が制御される。制御弁ユニット14及びABSECU15は、例えばマイクロコンピュータによって構成されたブレーキコントローラ8からの制御信号によって制御される。これら制御は、油圧ブレーキ9,9及び10,10に対してそれぞれ個別に行われる。 【0011】ブレーキコントローラ8には、前輪速センサ16,16によって検出された電気自動車の速度信号、即ちモータ3,3の速度が入力されると共に、マスターシリンダ13と制御弁ユニット14との間の油路に設けられた圧力センサ17が検出した、ブレーキペダル12の操作によって発生した圧力変化の検出値、即ち制動指令値Binも入力される。 【0012】ブレーキコントローラ8は、システムコントローラ7から供給されたモータ回転速度(R)、(L)に基づいて、制御弁ユニット14、ABSECU15に制御信号を供給する。また、ブレーキコントローラ8は、圧力センサ17からの制動指令値Binと、前輪速センサ16,16からの速度信号と、図示していないが、バッテリーの充電状態を検出した信号、モータ3,3の温度を検出した信号に基づいて回生ブレーキ指令信号をシステムコントローラ7に供給する。 【0013】ブレーキコントローラ8及びシステムコントローラ7が行うブレーキ制御を概略的に説明する。図2に示すように、初期制動において、最大回生制動力よりも小さく予め定めた制動力aになるまでは、回生制動のみによって後輪2,2の制動を行う。さらに大きな制動力が必要になると、後輪2,2の回生制動力aを維持し、前輪1,1の油圧制動力を増加させていく。そして、これら前輪1,1と後輪2,2の制動力が、前輪の制動力と後輪の制動力との理想配分αの近似特性βに一致すると(図2に示すb点)、この近似特性βに沿って前輪の制動力及び後輪の制動力を増加させていく。 【0014】この理想配分αは、この実施の形態では、図2から明らかなように幾分後輪の制動力が前輪の制動力よりも大きな状態を維持する曲線で表され、近似特性βは、予め定めた前輪の制動力の範囲内で、この理想配分αよりも後輪の制動力が小さくなる直線で表されている。 【0015】もし、後輪2,2の制動力が、回生制動の最大値に達して、理想配分近似特性に一致させるために必要な後輪2,2の制動力を全て回生制動で負担できなくなると、後輪2,2の油圧制動によって不足分を負担する。 【0016】このように、理想配分の近似特性βに一致するまで、回生制動力を最大値未満の一定値aに保持しているので、後輪2,2偏重の制動力とならない上に、一定の回生エネルギの回収が行われる。 【0017】このようなアクセルペダル操作による駆動制御及びブレーキペダル操作による回生制御において、図3の回路構成では、永久磁石モータ(PM)によるベクトル制御を例にとっている。図3において、図1との対応部分は図1のモータ3がPM3、インバータ6がPWMインバータ6、バッテリ5が同じであり、図3のアクセル、ブレーキを除いた部分が図1に示すシステムコントローラ7に概ね相応する。 【0018】すなわち、図3において、アクセルペダル操作又はブレーキペダル操作によって、この操作信号がトルク指令出力部7aに入力されてトルク指令が出力される。このトルク指令は、励磁電流(Id )テーブル7bとトルク電流(Iq )テーブル7cとにより速度検出部7dからの角速度ωに応じた励磁電流指令Id * とトルク電流指令Iq * とに分けられ、更に励磁電流検出値Id とトルク電流検出値Iq とが加え合わされ、d−q軸電流制御部7eに入力される。この電流制御部7eはトルク電流指令Iq * 及び励磁電流指令Id * に対して夫々のトルク電流検出値Iq 及び励磁電流検出値Id との偏差から比例積分演算による演算を行い、さらに両演算結果に対してPM3内の干渉分を加減算して回転座標のトルク軸電圧制御信号Vq * と励磁軸電圧制御信号Vd * を得る。電流制御部7eからの非干渉化した電圧制御信号Vq * ,Vd * は座標変換部7fによって極座標の一次電圧指令V1 と位相角φに変換され、さらに極座標/三相変換部7gによって固定座標の三相電圧指令VU * ,VV * ,VW * に変換され、PWMインバータ6の出力電圧制御信号にされる。PWMインバータ6は、三相電圧指令VU * ,VV * ,VW * に応じて、車載バッテリ5の直流電流を三相交流電流に変換してPM3に供給している。これによりPM3が駆動される。なお、トルク電流検出値Iq 及び励磁電流検出値Id はPM3の二相電流検出値から演算される。この演算は二相電流IU ,IW の加算によってV相の電流検出値IV も求め、各電流値IU ,IV ,IW から三相/二相変換部7hで固定座標の二相交流電流に変換し、これを座標変換部7iで回転座標のトルク電流検出値Iq と励磁電流検出値Id に変換する。また、図中7jは速度検出器、7kは位置検出部である。回生においても、PM3による回転にてPWMインバータ6を介して電力がバッテリ5に供給され、制動が行なわれる。 【0019】上記構成によるベクトル制御によってPM3の駆動と回生とが行われるが、図3に示すトルク指令出力部7aでは、前述の図1に示す機械系4でのギヤのバックラッシュによる弊害を除くべく次の機能が設けられる。 【0020】図4に示すように操作指令であるアクセル開度あるいはブレーキ指令(駆動・回生力指令)であるステップ指令に対して、時間t1 にて所望のトルク指令まで立上げるランプ関数による遅れ要素が設けられる。この場合、初期の立上がりが急峻でなければ二次遅れ要素等でもよい。この遅れ要素を取入れることによりアクセル開度やブレーキ力指令に対してギヤのバックラッシュが徐々に除かれてギヤが接触しギヤによる円滑な力伝達が行われる。 【0021】図5は、操作指令であるステップ指令に対して、微少トルクの無駄時間要素が設けられた場合の波形である。すなわち、微少トルクを時間t2 の間加えてギヤを接触させたものであり、図4にてギヤがバックラッシュを有してモータ軸が無負荷状態にある場合には、小さなトルクをもってギヤの円滑な接触を図ったものであり、前述の遅れ要素にてt1 を長くしなければならないという弊害を除いたものである。 【0022】図6は、微少トルクによる無駄時間要素とランプ関数による遅れ要素とを組合せたものであり、図5にて微少トルクの無駄時間により特に駆動時にアクセルフィーリングが悪化する場合に効果的である。この場合、無駄時間t3 <遅れt4とし、遅れ要素の遅れt4 −t3 も図4の遅れ要素のみの場合と異なり遅れt1よりも短時間とすることでアクセルフィーリングが向上する。 【0023】図7は、アクセルフィーリングを考慮するとトルクはなるべく早く立上げる必要がある反面、ブレーキ力は液圧による機械ブレーキと回生ブレーキの合成であるので、トルクを即応させなくともブレーキフィーリングは悪化せず、このため回生時のみ図7に示す無駄時間要素と遅れ要素とを組合せ、時間t5 まで無負荷運転をしモータの持つ機械損失分のトルクにてギヤを接触させ、その後所望のトルクまで立ち上げるものである。この立ち上げは、ステップ関数、二次遅れ要素等に置き換えることができる。 【0024】上述の図4〜図7の例では、遅れ要素としてランプ関数を採用するか二次遅れ要素を採用するかの選択については適宜必要に応じて可能であり、また時間t1,t4 −t3 ,t6 −t5 に関係する傾きや時定数についても駆動や回生の違いによって適宜選択できる。また、無駄時間要素のうち微小トルクが存在する場合と存在しない場合、あるいは微小トルクを与えるにしてもどの程度のものを与えるかについても駆動や回生を考慮しつつ適宜選択できる。更には、ステップ関数や無駄時間要素、遅れ要素の組合せも適宜選択できる。図4〜図7では遅れ要素単独の場合、無駄時間単独の場合、無駄時間と遅れ要素との組合せの場合を示しているが、更には図4の他に図9(a)に示すように異なる傾きのランプ関数(遅れ要素でもよい)を組合せたり、図5の他に図9(b)に示すように異なるステップの微小トルクの無駄時間としたりきめ細かな制御を行なうことができる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように本発明では、トルク指令にステップ関数のみならず無駄時間要素や遅れ要素を取入れることにより、駆動・回生時にあってギヤの接触を円滑にできて不快音や不快振動を低減でき、またアクセルフィーリングやブレーキフィーリングを良好にすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595055128 【氏名又は名称】清水 浩 【識別番号】591168965 【氏名又は名称】公害健康被害補償予防協会 【識別番号】000004019 【氏名又は名称】株式会社ナブコ 【識別番号】000006105 【氏名又は名称】株式会社明電舎
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−18214 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−163660 |
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