| 【発明の名称】 |
移動体の非接触式給電装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青島 時彦
【氏名】山本 敬二
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| 【要約】 |
【課題】レール軌道を複数の領域に分け、各領域毎に送電線を設けて電流を流すようにした非接触式給電装置において、合理的に消費電力を抑える。
【解決手段】搬送台車が走行するモノレールを2つの領域に分け、一方の領域に送電線4A及び電源装置5Aを、他方の領域に送電線4B及び電源装置5Bを設けた。また、モノレールに多数のマークを付し、搬送台車によるマーク検出に基づいて搬送台車の位置を検知するようにした。そして、主制御手段26において、無線で送信される搬送台車の位置情報に基づき、搬送台車が存在していないモノレール1の領域を判別し、移動体が存在していない領域がある場合には、当該領域に対応する送電線4A又は4Bへの電流供給を遮断すべく電源制御手段27に制御信号を出力するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レール軌道を複数の領域に分け、各領域毎に送電線とこれに高周波電流を流す電源装置とを設けるとともに、上記レール軌道を移動する移動体に、上記高周波電流により誘導起電力を起こさせる受電装置を設けた移動体の非接触式給電装置において、上記移動体の位置を検知する位置検知手段と、これによる位置情報に基づいて移動体が存在していないレール軌道の領域を判別する判別手段と、その判別結果に基づいて、移動体が存在していない領域に該当する送電線への電流供給を遮断すべく上記電源装置を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする移動体の非接触式給電装置。 【請求項2】 上記制御手段は、送電線への電流供給が遮断されている領域に隣接する領域であって、移動体の移動方向上流側の領域の所定の位置に移動体が到達したときに、電流供給が遮断されている上記領域の送電線に対して電流供給を再開すべく上記電源装置を制御することを特徴とする請求項1記載の移動体の非接触式給電装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、モノレール等のレール軌道を移動する移動体に対して電磁誘導による給電を行うようにした非接触式給電装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、高架のモノレールに沿って走行する物品搬送用の搬送台車等の移動体に対して外部から電力を供給する給電装置は種々知られており、特に、近年では、摺接部分での摩耗による粉塵が生じたり火花が発生したりすることを防止することができるものとして非接触式の給電装置が用いられている。 【0003】この装置は、移動体が走行するレール軌道に沿って送電線を配設し、インバータを組み込んだ電源装置に上記送電線を接続して送電線に高周波電流を流すようにする一方、上記移動体に、受電用のコイルを有するピックアップ部と、上記コイルに接続された整流部と、この整流部に接続されてその出力を所定電圧に調整する電力変換部とを含む受電装置を設け、送電線に流れる高周波電流に応じた誘導起電力をピックアップコイルに生じさせ、その電力を整流部及び電力変換部を介して走行駆動用のモータ等の負荷に供給するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この種の給電装置では、一つの電源装置によって適切に電流を供給することができる送電線の長さ(距離)に限界があり、そのため、レール軌道が長距離となる場合には、通常、軌道を複数の領域に分け、この領域毎に送電線と電源装置とを配設し、各電源装置により各送電線に電流を流すことにより、レール軌道全体にわたって電力供給を行えるようにしている。 【0005】ところが、従来のこの種の給電装置では、一般に送電線に常時電流を流すようになっており、或る領域に移動体が全く存在していないような場合でも、この領域に該当する送電線に電流が流されている。そして、一般にこの種の給電装置の電源は定電流インバータを用いて一定の高周波電流を発生させるようになっていて、負荷が存在しない場合でも送電のために数百ワット程度の電力を消費するものであるため、移動体が全く存在しない領域においては、移動体への電力供給が行われないにも拘らず多くの電力が消費されることとなり極めて無駄である。 【0006】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、レール軌道を複数の領域に分け、各領域毎に送電線を設けて電流を流すようにした非接触式の給電装置において、合理的に消費電力を抑えることができる移動体の非接触式給電装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る非接触給電装置は、レール軌道を複数の領域に分け、各領域毎に送電線とこれに高周波電流を流す電源装置とを設けるとともに、上記レール軌道を移動する移動体に、上記高周波電流により誘導起電力を起こさせる受電装置を設けた移動体の非接触式給電装置において、上記移動体の位置を検知する位置検知手段と、これによる位置情報に基づいて移動体が存在していないレール軌道の領域を判別する判別手段と、その判別結果に基づいて、移動体が存在していない領域に該当する送電線への電流供給を遮断すべく上記電源装置を制御する制御手段とを備えているものである。 【0008】この装置によれば、レール軌道の各領域のうち移動体が存在していない領域については送電線への電流供給が遮断されるため、移動体が存在していない領域での電力の消費が抑えられる。 【0009】この装置においては、送電線への電流供給が遮断されている領域に隣接する領域であって、移動体の移動方向上流側の領域の所定の位置に移動体が到達したときに、電流供給が遮断されている上記領域の送電線に対して電流供給を再開すべく上記電源装置を制御するように上記制御手段を構成する(請求項2)のが好ましい。 【0010】電流供給の再開にはある程度の立上り時間が必要なため、上記のようなタイミングで電流供給を再開するようにすれば、移動体の移動中に上記のように送電線への供給を遮断するようにしながらもレール軌道の全領域にわたってスムーズに移動体を移動させることが可能となる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。 【0012】図1〜図3は、本発明に係る非接触式給電装置が適用される搬送システム全体を概略的に示している。これらの図において、1はモノレールであって、ループ状に構成されており、ブラケット2を介して工場内等の天井部分に高架状態に配設されている。そして、このモノレール1に対し、荷物積降しのための複数のステーションS1〜S3が臨むように配設されている。 【0013】モノレール1の一側部には送電線が配設されている。送電線は、図1に示すように、モノレール1の半分の領域に送電線4Aが配設され、また、残りの領域に送電線4Bが配設されている。これにより、モノレール1の全体にわたって連続的に送電線が配設されている。各送電線4A,4Bは、電源装置5A,5Bに接続されるとともに同図に示すように先端が折り返されてループ状をなす状態でモノレール1の側面にハンガー3を介して取付けられている。 【0014】各電源装置5A,5Bには、それぞれ図4に示すように、3相の交流電源15(両電源装置5A,5Bに共通)と、この交流電源15の交流を一定電圧の直流に変換する直流電源回路16と、これによる直流の電力を所定周波数の交流に変化させるインバータ17とが設けられており、このインバータ17に上記送電線4A,4Bが接続されている。上記直流電源回路16には、全波整流用のダイオード18と、平滑コンデンサ19とが組み込まれ、これにより一定の直流電圧を出力するようになっている。 【0015】上記インバータ17には、複数のスイッチ素子が内蔵されており、このスイッチ素子が後記コントローラ25によりオンオフ制御されることによって、上記送電線4A,4Bに定電流の所定周波数の交流電流を流すように構成されている。 【0016】上記モノレール1には、複数の搬送台車6が移動可能に支持されている。この搬送台車6は、モノレール1上を転動する走行用車輪7と、モノレール1の上部両側面、下部両側面及び下面に当接するガイドローラ8,9と、上記走行用車輪7を駆動するモータ10等を備えるとともに、上記送電線4A,4Bから電磁誘導により給電される被給電体としてのピックアップユニット11を備えている。このピックアップユニット11は、磁性体からなる断面E字型のコア部材12と、このコア部材12の中央突出部分12aに巻着されたピックアップコイル13とを有し、上記モノレール1に配設された送電線4A,4Bに対応するように配設されている。そして、送電線4A,4Bに交流電流が流れることにより、上記コア部材12を磁路として磁束が形成され、電磁誘導による起電力が上記ピックアップコイル13に生じ、その起電力が図外のコントローラ等を介して上記モータ10に供給されるようになっている。これにより搬送台車6がモノレール1に沿って一定方向(図1で時計回り)に走行するようになっている。 【0017】搬送台車6には、さらに荷物を保持するためのハンドリング装置14が設けられており、このハンドリング装置14がベルト等を介して搬送台車6の下方に昇降可能に連結されている。 【0018】上記モノレール1には、搬送台車6の走行制御のために複数の区間が設定されており、モノレール1にはその区間の区分を示すマークが配設されている。具体的には、原点マークMhと複数の区間マークM1〜M7とが配設されている。 【0019】これらのマークMh、M1〜M7は、例えば、テープにより形成されており、各区間マークM1〜M7は同一長さとされ、原点マークMhは区間マークM1〜M7と異なる長さとされている。そして、モノレール1において、送電線4Aと送電線4Bとの継ぎ目部分のうち一方側の継ぎ目部分が原点位置とされてこの位置に原点マークMhが貼り付けられるとともに、他方側の継ぎ目部分に区間マークM4が貼り付けられ、これら以外のマークが設定される区間のレイアウトに従った位置に配設されている。これにより、各マーク間をそれぞれ1区間とした複数の区間が設定され、当実施形態では、モノレール1の各送電線4A,4Bに対応する部分にそれぞれ4つの区間が設定されてる。 【0020】そして、上記搬送台車6には、図示を省略するが、上記各マークMh、M1〜M7を検出する光学的センサ等からなるマークセンサが搭載され、このセンサによるマーク検出信号と、上記モータ10に組み込まれたエンコーダからの出力パルス信号と、予め記憶されているモノレール1のレイアウト情報とに基づいてモノレール1のいずれの位置を搬送台車6が走行しているかを認識することができるようになっており、この位置情報を図外の送信手段を介して後記コントローラ25に無線で送信するようになっている。つまり、これら各マークMh、M1〜M7及びマークセンサ等により本発明の位置検知手段が構成されている。 【0021】ところで、上記の搬送システムには、図4に示すようなコントローラ25が設けられており、上記電源装置5A,5Bおよび搬送台車6等がこのコントローラ25により制御されるようになっている。 【0022】コントローラ25には、当該システムを統括的に制御するための各種情報を記憶した主制御手段26が設けられるとともに、上記電源装置5A,5Bを制御する電源制御手段27が設けられ、この電源制御手段27が主制御手段26に接続されている。また、各搬送台車6から出力される無線信号を受信する受信手段28が設けられ、この受信手段28が上記主制御手段26に接続されている。 【0023】上記電源制御手段27は、各電源装置5A,5Bに所定の制御信号を出力してインバータ17のスイッチ素子を作動させ、これにより電源装置5A,5Bからの交流電流の出力を直接的に制御するもので、上記主制御手段26からの指令信号に応じて作動するようになっている。 【0024】上記主制御手段26は、上記受信手段29を介して入力される各搬送台車6の位置情報に基づき、電源制御手段27を介して各電源装置5A,5Bによる給電制御を行うもので、各搬送台車6の位置が後述するように一定の条件を満たしているか否かを調べ、満たしている場合に電源装置5A,5Bのオンオフ切り替えを行うべく電源制御手段27に指令信号を出力するように構成されている。 【0025】次に、上記搬送システムの給電制御の一例について図5のフローチャートを用いて説明する。 【0026】このフローでは、まず、各搬送台車6からの位置情報に基づいて、各搬送台車6がモノレール1の特定領域に偏在しているか否かを判断する(ステップS1)。つまり、モノレール1のうち一方側の送電線4Aの配設部分(第1領域Sa)又は他方側の送電線4Aの配設部分(第2領域Sb)のいずれか一方の領域に各搬送台車6が共に存在しているか否かを判断する。 【0027】ここで、NOの場合にはステップS1にリターンし、YESの場合には、各搬送台車6のうち少なくとも一台の搬送台車6が第1領域Sa又は第2領域Sbの進行方向末端の区間に存在するか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、各搬送台車6が第1領域Saに存在する場合にはマークM3〜M4の区間に、第2領域Sbに存在する場合にはM7〜Mhの区間にいずれかの搬送台車6が存在するか否かを判断する。 【0028】そして、ここでNOの場合には、第1領域Sa又は第2領域Sbのうち搬送台車6が存在していない領域に対応する電源装置5A,5Bをオフする(ステップS3)。すなわち、電源装置5A又は5Bにおけるインバータ17のスイッチ素子をオフし、これにより送電線4A又は4Bへの電流供給を停止する。 【0029】一方、ステップS2でYESの場合には、第1領域Sa又は第2領域Sbのうち搬送台車6が存在していない領域に対応する電源装置5A,5Bがオフされているか否かを判断する(ステップS4)。そして、オフされていない場合(オン状態の場合)にはステップS1にリターンし、オフされている場合には、当該電源装置5A又は5Bをオンに切り替えてステップS1にリターンする。 【0030】以上の搬送システムによれば、上述のようにモノレール1の上記領域Sa,Sbのうちいずれか一方の領域に両搬送台車6が偏在している場合には、搬送台車6が存在していない領域に該当する送電線4A又は4Bへの電流供給が停止されるようになっているため、各送電線4A,4Bへの電流供給を合理的に行って電力の消費を抑えることができる。そのため、搬送台車の走行位置に拘らず常時送電線に電流を流すようにしていた従来のこの種の搬送システムと比較すると無駄な電力の消費を有効に抑えることができる。 【0031】しかも、両搬送台車6がモノレール1の一方の領域に偏在している場合でも、当該領域において搬送台車6が進行方向末端の区間に存在する場合には、搬送台車6が存在していない領域に該当する送電線4A,4Bへの電流供給を再開するようにしているので、搬送台車6の移動中に送電線4A,4Bへの電流供給をオンオフするようにしながらも、搬送台車6をモノレール1全体にわたってスムーズに走行させることができるという特徴もある。 【0032】すなわち、電流供給が停止されている領域に対して電流供給を再開するタイミングとしては、搬送台車6が当該領域に侵入するタイミングで再開することも考えられる。しかし、オフ状態の電源装置5A,5Bをオフ状態に切り替えてから送電線4A,4Bに有効に電流が流れるまで(電源装置5A,5Bの立上り)にはある程度の時間が必要であり、侵入タイミングで電流供給を再開する場合には、電源装置5A,5Bの立上りが間に合わず、これにより搬送台車6への電力供給が不足して走行に支障をきたす虞れがある。これに対して、上記実施形態のように、電流供給が停止されている領域に搬送台車6が侵入するある程度前から当該領域への電流供給を再開するようにすれば、搬送台車6が当該領域に侵入するまでに確実に電源装置5A,5Bを立上げることができる。そのため、充分に電力を供給して搬送台車6をスムーズに走行させることができる。 【0033】なお、上記の搬送システムは、本発明に係る非接触式給電装置の適用例であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。 【0034】例えば、上記実施形態では、モノレール1にマークMh,M1〜M7を付し、これを搬送台車6に搭載したマークセンサによって検出することで搬送台車6の位置を検知するようにしているが、逆に、モノレール側の複数個所にセンサを配設し、搬送台車6に付した識別マークを検出することにより搬送台車6の位置を検知するようにしてもよい。 【0035】また、モノレール1の具体的な軌道形態、搬送台車の数、送電線の配設数等も、具体的な内容に応じて適宜変更するようにすればよい。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、位置検知手段により移動体の位置を検知するとともに、この検知に基づいてレール軌道のうち移動体が存在しない領域を判別し、移動体が存在していない領域に該当する送電線への電流供給を遮断するようにしたので、常時送電線全体に電流を流すようにしていた従来のこの種の搬送システムに比べると、送電線への電流供給を合理的に行って無駄な電力の消費を抑えることができる。 【0037】特に、この装置において、送電線への電流供給が遮断されている領域に隣接する領域であって、移動体の移動方向上流側の領域の所定の位置に移動体が到達したときに、電流供給が遮断されている上記領域における送電線への電流供給を再開するようにすれば、移動体の移動中に上記のように送電線への供給を遮断するようにしながらもレール軌道の全領域にわたってスムーズに移動体を移動させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010076 【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−18205 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−167609 |
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