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【発明の名称】 車両用制御装置
【発明者】 【氏名】松橋 章

【要約】 【課題】車両用制御装置の検査を行う際に、外部との接続の変更や試験装置の接続をすることなしに容易に検査を行うことのできる車両用制御装置の自己診断を提供することにある。

【解決手段】車両用制御装置において、電流検出部の異常を検知する異常検知手段と前記異常検出部に論理制御装置から疑似故障信号を入力する手段と論理制御装置からゲート制御部をリセットする手段を設け、ゲート制御部をリセットした状態で論理制御装置から異常検出部に疑似故障信号を入力し、異常検出部から論理制御装置に故障検出信号が入力されたか自己診断する手段を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】論理制御装置によって制御される電力変換装置と該電力変換装置の出力に接続されたモータと該モータに流れる電流を検出する電流検出部とからなり該電流検出部により検出された電流をフィードバック制御信号として使用して前記電力変換装置を制御する車両用制御装置において、前記電流検出部の異常を検知する異常検知手段と前記異常検出部に論理制御装置から疑似故障信号を入力する手段と論理制御装置からゲート制御部をリセットする手段を設け、ゲート制御部をリセットした状態で論理制御装置から異常検出部に疑似故障信号を入力し、異常検出部から論理制御装置に故障検出信号が入力されたか自己診断する手段を設けたことを特徴とする車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用制御装置の自己診断に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な車両用制御装置においてその機能を診断する方法として、制御装置が動作していない時間に制御装置に等価信号を与え、それに対する制御装置の動作信号を監視しその関係が予め定められた条件を満たしているか否かをもって行う。
【0003】その例として特開平3−178502 号公報に述べられており、車両に制御用コントローラと試験用コントローラ及びメモリを設け、試験モードの時には制御用コントローラは試験用コントローラが書き込んだデータを用いて試験を行うものであり、その概要を図1に示す。インタフェース1を介して各種の車両制御信号S01または試験モード識別信号S02を制御用コントローラ2に取り込み車両の制御信号S2を出力する。
【0004】また試験用コントローラ4は、試験用の各種入力信号を出力する。コントローラ2,4に接続したメモリ3は、コントローラ2,4の両方からデータを入出力する。インタフェース1が試験モード識別信号S02を検出すると制御用コントローラ2はメモリ3に入力されている試験用コントローラ4からのデータを読み出して制御信号S2を出力する。これにより主電動機の電機子電流,界磁電流等の高圧回路に関連した試験信号入力を用いた制動動作試験が実施される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術で車両用制御装置を検査する場合、電気車の運転中の配線から試験用に車両用制御装置のまわりの接続を切り換えたり、別に外部から試験装置を接続する必要があった。また最近は電気車の運転台から検査指令を出力し、電気車に搭載される電気車制御装置を自動的に検査するという要望が高まってきている。
【0006】そこで本発明は車両用制御装置の検査を行う際に、外部との接続の変更や試験装置の接続をすることなしに容易に検査を行うことのできる車両用制御装置の自己診断方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために論理制御装置によって制御される電力変換装置と該電力変換装置の出力に接続されたモータと該モータに流れる電流を検出する電流検出部とからなり、該電流検出部により検出された電流をフィードバック制御信号として使用して、前記電力変換装置を制御する車両用制御装置において、前記電流検出部の異常を検知する手段と前記異常検出部に論理制御装置から疑似故障信号を入力する手段と論理制御装置からゲート制御部をリセットする手段を設けゲート制御部をリセットした状態で論理制御装置から異常検出部に疑似故障信号を入力し、異常検出部から論理制御装置に故障検出信号が入力されたか自己診断する手段を有している。
【0008】即ち、上述した構成によりゲート制御部をリセットして試験を行うことで、今まで車両の仕業及び終業時にしか行えなかった車両用制御装置の自己診断が、車両用制御装置が動作している状態で可能となる。また車両用制御装置を伝送路により運転台の情報処理装置(中央指令装置)に接続しておくことにより、運転中に電流検出部から論理制御装置に異常検知信号が入力した時、上述した構成により疑似故障信号を電流検出部に入力し電流検出器が正常に動作しているか自己診断を行うことで、電力変換装置側の故障か電流検出器の故障かを判別してから運転台の情報処理装置(中央指令装置)に情報を転送することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する。図2は一編成内に2つの制御装置7を持つ列車の機器構成を示している。2つの制御装置7は、伝送装置8により結ばれ各制御装置7からの情報を共有する中央処理装置9を有する。この中央処理装置9は、以下に述べる判断結果を乗務員または保守員に知らせるための報知装置または外部の報知装置に接続するべき接続手段を有している。各制御装置7は、架線5に接するパンタグラフ10から電力の供給を受け、レール6上の車輪12を駆動するモータ11を制御する。
【0010】各制御装置7の構成を図3に示す。モータ11は、3相誘導電動機でありその電圧・電流は可変電圧・可変周波数(VVVF)インバータ装置13で制御されている。このインバータ装置13の出力電流は、電流検出部14で検出され論理制御装置22に入力される。この論理制御装置22には、3相交流電流をフィードバック信号として使うために、実効値に変換する論理演算部19やインバータ装置13を構成する半導体スイッチング素子21の過電流制御による破壊を防止するための異常検知部16などが設けられている。前記電流検出部14の出力は、論理演算部19に入力され伝送装置8の指令を受けながらモータ11のトルク制御や過電流保護回路に使用される。
【0011】また論理演算部19は、ゲート制御部17を通じて半導体スイッチング素子21のオン・オフ制御を行い、インバータ装置13の出力電圧・電流を制御する。異常検知部16は、電流検出部14の出力が真のインバータ出力電流を検出していないときには検知動作を行う。異常検知部16の出力は、論理演算部19に入力されており異常検知したときはインバータ装置の運転を停止させる。
【0012】図4に異常検知部16の構成を示す。3相交流の各相の電流を検知する電流検出部14の出力と論理演算部19からの疑似故障信号を異常検知部16のOP−1で加算する。次にOP−1の出力をOP−2,OP−3の絶対値回路に通して全波整流を行い、COMPの比較器であらかじめ設定された異常電流基準値と比較し、基準値以上の時は論理演算部19に異常検知信号を出力する。
【0013】図5にゲート演算部17の構成を示す。論理演算部19からの可変電圧・可変周波数の指令により半導体スイッチング素子21のオン・オフ制御信号を演算し、ゲート制御部17へ出力する。また論理演算部19からリセット要求信号を出力するとスイッチング素子21のオン・オフ制御信号は、ゲート演算部17のTR1により強制的にリセットされる。
【0014】ここで本発明によるモータ11の過電流検知を診断する方法について述べる。まず中央処理装置9から伝送装置8を経由して自己診断指令を制御装置7に対して行う。論理演算部19は、指令を受け取るとゲート演算部17に対してリセット要求信号を出力し、スイッチング素子21のオン・オフ制御信号は強制的にリセットされた状態となる。次に論理演算部19は、異常検知部16に対して疑似故障信号を出力し、異常検知部16が正常の時は論理演算部19に対して異常検知信号を出力し、異常検知部16が異常の時は論理演算部19に対して異常演算検知信号は出力しない。次に論理演算部19は、自己診断の結果を伝送装置8を経由して中央処理装置9に対して報告する。最後に論理演算部19は、ゲート演算部20に対してリセット要求信号を解除する。上述によりゲート演算部20をリセットした状態で自己診断を行うので車両の仕業・終業時に限らず自己診断を行うことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によって、ゲート演算部をリセットした状態で疑似故障信号を電流検出部に入力し、電流検出器が正常に動作しているか自己診断を行うことで、電力変換装置側の故障か電流検出器の故障かを判別してから運転台の中央処理装置に情報を転送することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
【公開番号】 特開平11−18202
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−166868