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【発明の名称】 |
紙容器用積層材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】永江 実 【氏名】辻 直子 |
【課題】アルミニウム箔を使用していない紙容器用積層材料であっても、スカイブヘミング加工時に紙の削り過ぎを検出可能にする紙容器用積層材料を提供すること。
【解決手段】板紙12を基材とし、無機化合物蒸着層15を有するフィルム14を積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料10において、板紙が少なくとも1層以上に未晒しのクラフトパルプ層を入れて抄き合わせた板紙12である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムを積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記板紙が、少なくとも1層以上に未晒しのクラフトパルプ層を入れて抄き合わせた板紙であることを特徴とする紙容器用積層材料。 【請求項2】板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムをポリオレフィン樹脂により積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記ポリオレフィン樹脂が着色されたポリオレフィン樹脂であることを特徴とする紙容器用積層材料。 【請求項3】板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムをポリオレフィン樹脂により積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記無機化合物蒸着層を有するフィルムとポリオレフィン樹脂との間に印刷層を設けたことを特徴とする紙容器用積層材料。 【請求項4】請求項1、2または3記載の紙容器用積層材料を加工してなる紙容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム箔のような金属箔を含まない紙容器用積層材料の層構成の改良に関するものであり、特に着色層を有する紙容器用積層材料に関する。 【0002】 【従来の技術】紙を基材とし、内層及び外層をヒートシール性に優れたポリオレフィン樹脂とする、例えば〔容器外側〕ポリエチレン/板紙/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン〔容器内側〕構成のような積層材料からなる紙製容器が、ジュース、日本酒などを充填する容器として広く使用されている。特に日本酒等浸透性が高く流通期間の長い内容物については、容器内面に紙端面が露出していると、そこから内容物が紙基材層に浸透し、容器強度の低下をもたらすため、予め積層材料胴部接合部分の一方を先端から所定長さだけ、積層材料の厚みの半分を削除(スカイブ)し、削りとった残りの部分を削除面が内側となるように折り返し(ヘミング)、紙端面の保護を行っているのが一般的である。以下この加工をスカイブヘミング加工と呼ぶ。 【0003】一方、近年の環境問題および省エネルギーの観点から、使用後の空き箱の再生利用および廃棄処理の困難さの改善や、アルミニウム箔の製造時の大量の電力消費の問題等を改善するために、バリア層にアルミニウム箔の代わりに熱可塑性樹脂フィルムを支持フィルムとした無機化合物蒸着薄膜が使用されている。例えば、〔容器外側〕ポリエチレン/板紙/ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートフィルム/酸化ケイ素蒸着薄膜/ポリエチレン〔容器内側〕構成のような紙容器がある。 【0004】アルミニウム箔が使用されている積層材料の場合は、スカイブヘミング加工する際、板紙とアルミニウム箔の色相の違いによりスカイブ深さをチェックして、板紙を削っている部分にアルミニウム箔があるか否か(アルミニウム箔まで削っていないかどうか)を色の違いにより検出していた。ところが、アルミニウム箔に代わって無機化合物が薄膜状に蒸着されたプラスチックフィルムが使用されるようになると、例え削りすぎたとしてもアルミニウム箔が入っていないため色の違いで検出することができないという問題が発生した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウム箔を使用していない紙容器用積層材料に関する以上のような問題点に着目してなされたもので、アルミニウム箔を使用していない紙容器用積層材料であっても、スカイブヘミング加工時に紙の削りすぎを検出可能にする紙容器用積層材料を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムを積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記板紙が、少なくとも1層以上に未晒しのクラフトパルプ層を入れて抄き合わせた板紙である紙容器用積層材料である。 【0007】また、第2の発明は、板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムをポリオレフィン樹脂により積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記ポリオレフィン樹脂が着色されたポリオレフィン樹脂である紙容器用積層材料である。 【0008】また、第3の発明は、板紙を基材とし、無機化合物蒸着層を有するフィルムをポリオレフィン樹脂により積層し、表裏に熱可塑性樹脂層を有する紙容器用積層材料において、前記無機化合物蒸着層を有するフィルムとポリオレフィン樹脂との間に印刷層を設けた紙容器用積層材料である。 【0009】また、第4の発明は、第1、第2また第3の発明の紙容器用積層材料を加工してなる紙容器である。 【0010】上記のように本発明によれば、少なくとも1層以上に未晒しのクラフトパルプ層を入れて抄き合わせた板紙を用いたり、着色されたポリオレフィン樹脂を用いたり、ポリオレフィン樹脂と無機化合物蒸着層を有するフィルムとの間に印刷層を設けたりするので、スカイブヘミング加工する際、アルミニウム箔を用いた紙容器用積層材料と同じように紙の削りすぎを適性に検出することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一例としての紙容器用積層材料10の層構成を示し、容器外面側から、ポリエチレン11/板紙12/ポリエチレン13/ポリエチレンテレフタレートフィルム14/蒸着薄膜15/ポリエチレン16としている。 【0012】板紙12は、基材であって、容器にした際の保形性を維持する役割を担っている。剛性等容器として必要な一般的な特性のほかに充填する内容物によっては、耐水性、耐油性等の特殊な特性を必要とする場合もある。特に、本発明のポイントの一つは、この板紙の層構成にある。板紙として通常は白板紙、ミルクカートン原紙等が使用されるが、積層材料にした後のスカイブ加工時に、検知器で削り量深さが検知できるように、晒しクラフトパルプ層からなるパルプ層の適切な削り深さとなる部分の一層ないし複数層を未晒しクラフトパルプ層として抄紙するのである。このことにより後述するスカイブヘミング加工時に適切なスカイブ深さを検知することができる。使用坪量は、収納する内容物の内容量によっても異なるが、通常坪量200〜500g/m2 程度のものが最適に使用できる。 【0013】ポリエチレン13は、いわゆる中間層で、基材である板紙12とガスバリア層となるポリエチレンテレフタレートフィルム14/蒸着薄膜15を接着させる役割を担っている。厚さは、通常15〜40μm程度が好適である。また、前述のように、板紙12の一層以上を晒しクラフトパルプ層にする代わりに、ポリエチレン13を着色ポリエチレンとしてもよい。着色は、白色、黒色、青色、赤色、黄色等任意の色が選択でき、樹脂の着色は着色マスターバッチをナチュラルな樹脂と混練すること等により容易に可能となる。 【0014】ポリエチレンテレフタレートフィルム14/蒸着薄膜15は、既述のアルミニウム箔に代わるガスバリア層で、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に真空蒸着法等の方法により、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機化合物の蒸着薄膜を形成して得られる。ポリエチレンテレフタレートフィルム14の厚さは、通常12〜16μm程度が好適に使用でき、蒸着薄膜15の厚さは通常400Å程度である。 【0015】最内層のポリエチレン16は、収納する内容物が直接、接する面となるため、耐内容物性を有する必要があるほか、容器として組み立てる際には、最内層同士あるいは最外層のポリエチレン11と熱接着させて容器として密封させる役割を果たす。 【0016】さらに、前述のように板紙12の一層以上を晒しクラフトパルプ層にしたり、もしくは中間層のポリエチレン13を着色ポリエチレンにしたりする代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム14に印刷をした、図2に示す〔容器外側〕ポリエチレン11/板紙12/ポリエチレン13/印刷層17/ポリエチレンテレフタレートフィルム14/蒸着薄膜15/ポリエチレン16〔容器内側〕構成の積層材料としてもよい。 【0017】上記層構成の積層材料は、押出しラミネート法およびドライラミネート法により作製することができる。そして上記積層材料を所定形状に打ち抜きブランクとする。 【0018】積層材料の紙容器として組み立てた際、胴部となる接合部分のスカイブヘミング加工は、例えば、以下のように行われる。すなわち、胴部となる接合部分の一方の端部21を内側から折り返された内層表面を有する構造とするため、端部21は、端部を折り返す際、積層材料の厚みの半分を削除(スカイブ)し(除去部分22を図3で点線で示す)、削りとった残りの部分(スカイブした残り部分23)を削除面が内側となるように折り返す(ヘミングする)ことで、折り返された部分と、隣接するスカイブされていない部分の高さが同じになり、もう一方の端部31内面と接着させる上で望ましい。 【0019】スカイブヘミング加工する際のスカイブ深さ(削り量)の調整は、ブランクのポリエチレン11表面と、板紙12表面の色相の差を検出する検出器によって行われる。端部21をポリエチレン11表面から削って行くと、板紙12の未晒しのクラフトパルプ層が出てきた段階で色相に相違が生じるため、その色相差を感知して検出器が働き適正な削り深さを検知できる。 【0020】状況により、ポリエチレン13に着色ポリエチレンを使用してポリエチレン13面で感知するようにしたり、ポリエチレン13とポリエチレンテレフタテートフィルム14の間に印刷層17を設けて印刷層17で感知するようにすることもできる。 【0021】スカイブ加工された端部21の、削除面が内側となるように折り返される部分(スカイブした残り部分23)の幅としては、3〜15mm程度が容器製造上好ましい。もう一方の端部31との接合に関わる接着部分の幅としては、外層側へ折り返された部分の幅のおよそ2倍の6〜30mm程度であることが好ましい。 【0022】 【実施例】以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。 〈実施例1〉基材である板紙12として、第3層が未晒しのクラフトパルプ、そのほかの層は晒しクラフトパルプからなる5層構成の坪量が400g/m2 の白板紙(新富士製紙株式会社製)を準備した。 【0023】また、バリア層として厚さ400Åの酸化ケイ素薄膜15を真空蒸着した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム14を準備した。 【0024】上述の板紙等を用いて、押し出しラミネーション法およびドライラミネーション法により、総厚が約0.5mmの〔容器外側〕ミラソン16P(三井石油化学株式会社製)(25μm)(11)/白板紙(新富士製紙株式会社製)(400g/m2 )(12)/ニュクレル(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)(25μm)(13)/ポリエチレンレフタレートフィルム(12μm)(14)/酸化ケイ素蒸着薄膜(400Å)(15)/タマポリ・ポリエチレンフィルムA−1(タマポリ株式会社製)(40μm)(16)〔容器内側〕構成からなる紙容器用積層材料(10)の巻き取りを作製した。 【0025】〈比較例1〉板紙として、5層全部を晒しクラフトパルプ層で抄紙した白板紙を用いた以外は、実施例1と同じ素材を用い、同じ方法により、紙容器用積層材料の巻き取りを作製した(詳細は省略)。 【0026】上記2種類の巻き取り状の紙容器用積層材料を適宜の形状、寸法に打ち抜き紙容器用ブランクとした。 【0027】このブランクの、組立時胴部となる一端部を総厚みの半分だけ先端から16mmの幅で削除し、削りとった残りの部分を削除面が内側となるように折り返し幅8mmで折り返すスカイブヘミング加工を行い、容器材料となる積層材料を作製した。スカイブヘミング加工時には、スカイブ深さ検出器を使用することにより、適切なスカイブヘミング加工を施したブランクのみを確保し不良品は除去することができる。 【0028】前記検出器の検出方法として、スカイブヘミング加工しようとするブランクに紫外線ライトをあてて、カメラによる撮影を行うため、目視では判別しにくいブランクの外層表面と、スカイブされて露出してきた未晒しクラフトパルプ層の2つが、瞬時に判別され、適切なスカイブ深さを確保できる。一方必要以上にスカイブされていると、検出器が働いて適性がチェックされ、必要以上に深くスカイブされたブランクは除去され、不良品扱いとなる。 【0029】次に、本発明における実施例1および比較例1の構成からなる紙容器用ブランクにおいて、適切な削り深さを有するブランクのみ1000枚のA群と、適切な削り深さを有するブランク990枚の中に必要以上に削り過ぎたブランク10枚を混在させた合計1000枚からなるB群とを、それぞれ検出器を通してチェックした結果を表1に示す。なお、表中、分母は検体数を示し、分子はその中の不良品として除去した数を示す。 【0030】 【表1】
【0031】表1から考察すると、板紙中に未晒しクラフトパルプ層を設けた実施例1のブランクにおいては、必要以上に削り過ぎたブランクは100%検出されるのに対し、板紙中に未晒しクラフトパルプ層を設けず晒しクラフトパルプ層からのみなる比較例1のブランクにおいては、必要以上に削り過ぎたブランクは20%(2/10)しか検出できていないことが判明した。 【0032】 【発明の効果】上記のように本発明の紙容器用積層材料を使用することによって、アルミニウム箔を用いなくとも、アルミニウム箔を用いた場合と同様の生産が効率よく行えるようになった。また、未晒しクラフトパルプ層を設けたり、着色樹脂を使用することによって、アルミニウム箔を使用しない紙容器用積層材料の弱点であった光透過性を軽減することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003193 【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月4日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−165392 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−334514 |
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