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【発明の名称】 石膏鋳造法
【発明者】 【氏名】曽我石 一郎

【氏名】松永 昇

【氏名】磯貝 俊郎

【要約】 【課題】ゴム型内に発生する泡玉を確実に除去できる石膏鋳造法とすること。

【解決手段】製品形状を転写したゴム型1を界面活性剤入り水溶液3中に浸漬すること。該界面活性剤入り水溶液3中でゴム型1に超音波振動を与えて該ゴム型1を洗浄すること。その界面活性剤入り水溶液3中から取り出したゴム型1に石膏スラリー7を注型して石膏を造型すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品形状を転写したゴム型を界面活性剤入り水溶液中に浸漬し、該界面活性剤入り水溶液中でゴム型に超音波振動を与えて該ゴム型を洗浄し、その界面活性剤入り水溶液中から取り出したゴム型に石膏スラリーを注型して石膏を造型することを特徴とする石膏鋳造法。
【請求項2】 請求項1において、前記ゴム型内には、円錐又は角錐状の突起が成形できる凹部を複数設けてなることを特徴とする石膏鋳造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ゴム型内に発生する泡玉を確実に除去できる石膏鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】製品形状を転写したゴム型に石膏スラリーを注型完了した直後に、該石膏スラリーが硬化しない状態において、図3に示すように、減圧による真空脱泡を行ない石膏鋳型製品に発生する泡玉を除去している。この真空脱泡の状態は、図3(B)に示すように、真空ポンプPにて真空にすると、石膏スラリーSの内部に発生している空気泡や、型の凹凸部に発生している泡玉は、減圧しているために、極端に大きくなり、これが、石膏スラリーSの表面から外側に出てゆく。
【0003】このようなことを数分させ、そして、今度は、通常の空気を弁Vを介して流入させると、今度は、瞬時に、その空気泡や泡玉は、何十分の1になってその石膏スラリーSの内部に留まり、ゴム型内部の表面の凹凸部面の泡玉が残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、現実には、真空脱泡だけでは、ゴム型表面に付着した泡玉が、とりきれず、出来上がった鋳造品には、泡玉形状の突起物が残存する大きな欠点があった。このため、ゴム型内表面に付着する泡玉をなくすことが要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで発明者は、前記課題を解決することを目的とし、鋭意,研究を重ねた結果、その発明を、製品形状を転写したゴム型を界面活性剤入り水溶液中に浸漬し、該界面活性剤入り水溶液中でゴム型に超音波振動を与えて該ゴム型を洗浄し、その界面活性剤入り水溶液中から取り出したゴム型に石膏スラリーを注型して石膏を造型する超音波を用いた石膏鋳造法としたことにより、ゴム型の表面に付着する泡玉を簡易且つ確実に除去することができ、前記の課題を解決したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施の形態を説明すると、図1において、ゴム型1の底部には、複数の凹部1a,1a,…が形成されている。該凹部1aは、角錐状又は円錐状をなすように形成されている。2は、タンクであって、この内部には、界面活性剤入り水溶液3が満たされている。
【0007】4は、超音波発振機であって、前記タンク2の外に設置され、前記超音波発振機4に接続した配線5を介して、前記タンク2内の底面上に設けた振動子6に信号伝達できるように構成されている。前記超音波発振機4を動作させることで、界面活性剤入り水溶液3としての浴中に対して、振動子6で超音波振動を与えることができる。
【0008】次に、石膏鋳造法について説明すると、製品形状を転写し、複数の凹部1a,1a,…が形成されているゴム型1を界面活性剤入り水溶液3に浸漬する。この場合、図1に示すように、ゴム型1に設けた複数の凹部1a,1a,…が底面となり、且つ、該凹部1a,1a,…を形成した開放側が上側位置となるようにセットする。
【0009】この状態で、超音波発振機4を動作させることで、界面活性剤入り水溶液3としての浴中に対して、振動子6で超音波振動を与えて、前記ゴム型1内の複数の凹部1a,1a,…に付着した泡玉を除去する。即ち、超音波振動によるゴム型1内を洗浄する泡玉脱法である。この動作時間は1分以内の短時間である。
【0010】次いで、その界面活性剤入り水溶液3中から取り出したゴム型1に石膏スラリー7を注型して石膏を造型するものである。このときに、特に、ゴム型1の複数の凹部1a,1a,…の表面に泡玉がなく、前記石膏スラリー7が凹部1aの端部までも整然と充填できる。これによって、石膏鋳造法において、複数の凹部1aで成形される,石膏の円錐状又は角錐状の突起を成形することができる。
【0011】
【実施例】1.5mmを1辺にもつ角錐としての凹部1a,1a,…を100ヶ設けたゴム型1を用意する。そして、界面活性剤入り水溶液3としては、シリコン系の界面活性剤入り水溶液3を使用する。そして、超音波発振機3より送られた信号を浴中に設けられた振動子6で超音波振動に変え、ゴム型1の背面より照射する。
【0012】すると、ゴム型1の凹部1a,1a,…に形成されてした空気の泡玉10がゴム型1の1の表面より離れ、ゴム型1のすみずみまで、界面活性剤入り水溶液3にて濡らすことができる。このようにした後のゴム型1に、石膏と水を100:46の割合で混練した石膏スラリーを流し込み、毎分20回前後のタップ振動をかけ、静置して石膏スラリー7を固化させる。
【0013】なお、従来方法なる真空脱泡では、例えば、100個の凹部1a,1a,…が成形されているとすると、約20%の突起には泡が付いた状態であり、不完全なる突起となっている。即ち、8割以上の凹部1a,1a,…に、泡玉10等がないゴム型1には極めて困難なことであり、その8割が限界値とされている。しかるに、本方法では、例えば、100個の凹部1a,1a,…であっても、その100個全体に泡玉10のないゴム型1を提供できる。即ち、本方法では、完全に凹部1a,1a,…表面の洗浄ができる。
【0014】
【発明の効果】本発明においては、製品形状を転写したゴム型1を界面活性剤入り水溶液3中に浸漬し、該界面活性剤入り水溶液3中でゴム型1に超音波振動を与えて該ゴム型1を洗浄し、その界面活性剤入り水溶液3中から取り出したゴム型1に石膏スラリー7を注型して石膏を造型する石膏鋳造法としたことにより、特に、ゴム型1の凹部1a,1a,…表面には、泡玉10等のないものを提供できる。
【0015】即ち、ゴム型1の複数の凹部1a,1a,…の表面に泡玉がなく、前記石膏スラリー7が凹部1aの端部までも整然と充填できる。これによって、石膏鋳造法において、複数の凹部1aで成形される,石膏の円錐状又は角錐状の突起を極めて整然且つ正確に成形することができる利点がある。以上のように、本発明の方法によれば、泡玉10のないきれいな石膏鋳型が形成でき、完成した鋳造品は、仕上げ工数を大幅に削減でき、制作費を軽減できる。
【0016】以上のように、泡玉10の発生しないのは、超音波振動による洗浄効果ともいえる。この洗浄は、図3(A),(B)に示す従来の減圧による真空脱泡による場合の作業時間は数分を必要としたが、その超音波振動による洗浄時間は、僅か30秒足らずであり、本発明における泡玉脱法は、従来の場合に比較して格段と短時間にでき、製法能率を上げることができる。
【0017】また、請求項2に係る発明では、請求項1において、前記ゴム型1内には、円錐又は角錐状の突起が成形できる凹部1a,1a,…を複数設けてなる石膏鋳造法としたことにより、ゴム型1に超音波振動を与えて該ゴム型1を洗浄したものゆえに、どのうような細かい形状の凹部1a,1a,…であっても、該凹部1a,1a,…の表面から泡玉10を良好に離散させ、該泡玉10が付着しないゴム型1を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000002244
【氏名又は名称】蛇の目ミシン工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
【公開番号】 特開平11−48230
【公開日】 平成11年(1999)2月23日
【出願番号】 特願平9−205997