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【発明の名称】 コンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置
【発明者】 【氏名】榊原 剛

【氏名】藤永 祐二

【要約】 【課題】所望の模様をコンクリートボード等の表面及び側面に能率よく加工することができるコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置を提供する。

【解決手段】加工面にマスク板4を取り付けたコンクリートボード1を立てかけた状態で搬送台車2によりキャビネット7の内部に搬入し、コンクリートボード1を移動させながら、キャビネット7に固定配置された複数台の遠心式投射機9により研掃材を投射し、加工面に模様を施す。コンクリートボード1の側面部を加工する場合は台車2上に設置された反射板5a、5bの角度を45゜程度に調整して投射方向を屈折させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被加工板材に様々な模様を施す加工装置において、加工面にマスク板を取り付けた被加工板材をほぼ垂直に立てた状態で搬送する搬送台車と、前記搬送台車の搬送路上に密閉空間を形成するように設置され、前記マスク板を通して研掃材を被加工板材の対象面に投射する複数台の投射装置を配設したキャビネットと、を備えたことを特徴とするコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置。
【請求項2】 前記搬送台車に、被加工板材の両側面に対する研掃材の反射板を角度調整可能に設置してなることを特徴とする請求項1記載のコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置。
【請求項3】 前記キャビネットは、研掃材の分離・回収手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートボードや石材等の表面ならびに側面に様々な模様の化粧加工を施すブラスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に様々な模様を施したコンクリートボードやパネルが、例えば、建築用外壁材として用いられている. このような化粧コンクリートボードを製作する場合、従来は、コンクリートボードの打設時に、型枠の底部と側面部に予め模様を施したゴム板を敷き、そのうえでコンクリートを流し込み、コンクリートが所定強度に達した後型枠を解体することにより、コンクリートボード面にゴム板の模様を転写させていた。しかし、この方式だと、型枠の数だけゴム板も必要となる。例えば、1日10枚コンクリートボードを打設し、養生期間を1日とすると、ゴム板の最低必要枚数は20枚となる。また、型枠解体時にコンクリートとゴム板が密着しているため、分離時にゴム板の破損やコンクリート粉の付着が多く、ゴム板の連続使用回数も少ない。従って、ゴム板使用方式では多大の時間および手数を要し、非常に経費がかかっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、所望の模様をコンクリートボード等の表面および側面に能率よく加工することができるコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリートボード等を移動させながら、その表面および側面に対して複数台の投射機より研掃材を投射するようにしたものである。すなわち、本発明に係るコンクリートボード等の化粧加工用ブラスト装置は、被加工板材に様々な模様を施す加工装置において、加工面にマスク板を取り付けた被加工板材をほぼ垂直に立てた状態で搬送する搬送台車と、前記搬送台車の搬送路上に密閉空間を形成するように設置され、前記マスク板を通して研掃材を被加工板材の対象面に投射する複数台の投射装置を配設したキャビネットとを備えたことを特徴とするものである。
【0005】コンクリートボード等の被加工板材は、模様を形成したマスク板が加工面にセットされ、ほぼ垂直に立てた状態で搬送台車によりキャビネット内部に搬入される。キャビネットは、密閉空間を形成するように搬送台車の搬送路上に設置されており、さらに遠心式投射機等からなる投射装置を複数台備えているので、該投射装置により研掃材を投射することにより、移動中の被加工板材の対象面、ここでは主として前面に、マスク板に形成されたとおりの模様が施される。
【0006】被加工板材の左右側面にも同時に模様を施す場合には、搬送台車上に設置されている反射板の角度を45゜程度に調整してから移動させる。研掃材の投射方向が反射板により屈折されて被加工板材の側面に直角方向に向けられるので、該側面の化粧加工が可能となる。前面のみの加工の場合は、反射板の角度を0゜にしておく。
【0007】キャビネットは、被加工板材の加工中粉塵が発生するので、密閉空間を形成するようになっている。そして、研掃材は、分離・回収手段によりコンクリート粉塵と分離した後、ストレージタンクに回収され、再使用される。また、コンクリート粉塵は集塵機により捕集されるようになっている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明のブラスト装置の一例を示す斜視図、図2はコンクリートボードに対するブラスト方法の概要を示す上面図である。被加工板材として例示するコンクリートボード1は、搬送台車2上の支持フレーム3に立てかけた後、表面(前面側)および必要なら左右側面にも金属製のマスク板4をセットする。マスク板4は、鋼板に研掃材が通過する多数の穴あき部分とこれら穴あき部分をつなぐブリッジ部分とを形成してなるもので、コンクリートボード面に描きたい模様に応じてマスク板4を選択し、コンクリートボード1に取り付ける。図2において、4aは前面側マスク板、4b、4cは側面側マスク板である。
【0009】搬送台車2には、図2に示すように(図1では省略)、コンクリートボード1の左右側面に模様を施すための反射板5a、5bがそれぞれ角度θを調整可能に設置されている。左右側面をも同時に加工する場合は反射板角度θを45゜程度に傾けておき、前面のみの加工の場合には反射板角度θを0゜にしておく。コンクリートボード1を搭載した搬送台車2はレール6上を移動し、キャビネット7の中に入る。
【0010】キャビネット7は、密閉空間を形成するようになっており、入口側の昇降扉8を上げて開けることにより、搬送台車2がコンクリートボード1とともに搬入される。さらに、キャビネット7の中間部には複数台(実施例では8台)の遠心式投射機9が、前方を横方向に移動するコンクリートボード1に向かって直角方向に研掃材を投射するように配置固定されている。図中、10は遠心式投射機9の投射パターン、11はストレージタンク、12は回収ベルトコンベヤ、13は回収スクリューコンベヤ、14はバケットエレベータ、15は供給スクリューコンベヤ、16はセパレータ、17は集塵機である。
【0011】本ブラスト装置は、コンクリートボード1を搬送台車2上に搭載し、マスク板2をセットし、さらに反射板5a、5bの角度θを適正に調整した後では自動運転される。また、事前に設定したコンクリートボード研掃範囲を自動加工する。ここで、事前設定項目とは、コンクリートボード前面部のサイズ、コンクリートボード左右側面部の加工の有無等である。
【0012】自動スタートボタンを押すと、自走式の搬送台車2がギヤードモータ(図示せず)の駆動により移動を開始し、レール6上をキャビネット7の内部まで高速度(10m/min)で移動した後、規定位置で停止する。ここで、規定位置はコンクリートボード1の側面部の加工の有無により2つの位置が設定されている。側面の加工をする場合は、進行方向前方の反射板(左反射板5a)の先端位置5cが投射パターン10の手前の位置で停止し、前面のみの加工の場合はマスク板4の左端位置4dが投射パターン10の手前の位置で停止するように設定している。これにより、空送時間を短くし、加工時間の短縮を図っている。
【0013】搬送台車2の停止位置は、走行車輪の回転数をロータリエンコーダ(図示せず)で検知し、演算制御により基準点からの絶対位置を割り出している。また、台車2の速度変更はギヤードモータの回転数を制御することにより可能である。本実施例ではインバータ制御方式を採用している。
【0014】搬送台車2が停止後、昇降扉8が閉じ、キャビネット7が密閉状態となった状態で遠心式投射機9が運転を開始する。本実施例では8台の遠心式投射機9を装備しているが、コンクリートボード1の高さにより台数は変更してもよい。また、研掃材を高速度で噴射するものであればよく、遠心式投射機に限定されるものではない。遠心式投射機9の運転開始後、ストレージタンク11から研掃材が遠心式投射機9に連続供給され、連続投射状態となる。
【0015】コンクリートボード1の左右側面部の加工がある場合には、搬送台車2は低速A(0.2m/min程度)で走行し、左反射板5aが台車2とともに投射パターン10の中を横方向に移動する。左反射板5aにより投射パターン10の方向が屈折され、コンクリートボード1の左側面部に左側面マスク板4bを介して研掃材を投射する。コンクリートボード1の左側面部の加工終了後、搬送台車2は中低速B(0.8m/min程度)となり、コンクリートボード1の前面部を加工する。投射パターン10は前面側マスク板4aに向かって直角方向に直進し、マスク板4aを介して研掃材を投射することにより前面部を加工する。コンクリートボード1の右側面の加工がある場合には、搬送台車2は再度低速Aとなり、右反射板5bにより屈折された投射パターン10により右側面マスク板4cを介して研掃材を投射し、右側面部を加工する。その後、右反射板5bの先端部が投射パターン10を通過後停止する。マスク板4を通過した研掃材が加工面に投射されることにより、その部分が削られ彫り込んだ形状となるため、マスク板4のとおりの模様がコンクリートボード面に作製される。研掃深さ(加工深さ)はほぼ研掃時間に比例する。
【0016】加工深さの調整は、搬送台車2の速度を調整してもよいし、サイクル数を増やしてもよい。本実施例ではタイムサイクルの短縮のため、行きと戻りの2パス研掃としている。
【0017】投射された研掃材およびコンクリート粉塵は、両側の回収ベルトコンベヤ12によりキャビネット下部に集積し、回収スクリューコンベヤ13、バケットエレベータ14、供給スクリューコンベヤ15を経由してセパレータ16に送られ、ここで研掃材のみが分離されてストレージタンク11に回収・貯蔵され、遠心式投射機9へと連続的に循環使用される。コンクリート粉塵は集塵機17により捕集され、清浄化された空気のみを大気へ放出する。
【0018】本ブラスト装置は、以上のように構成され、作用をするものであるので、セッティング時間を含むトータルの加工時間が短く、非常に能率的に加工することができる。従って、従来のゴム板方法と比較してランニングコストが安価となる。また、コンクリートボードの表面(前面)のみならず側面にも随意に模様を施すことができる。また、マスク板のデザイン変更によりコンクリートボード面の模様の変更が可能である。加工深さも自由に調整できる。なお、研掃材を変更することなどにより、コンクリートボード以外の石材やプラスチックボード等にも本発明を適用可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、被加工板材の化粧加工を能率的に実施できるため、コスト低減が大きい。また、被加工板材の表面だけでなく側面にも随意に模様を施すことができるとともに、模様の変更にも自在に対応できるなどの効果がある。
【出願人】 【識別番号】000239149
【氏名又は名称】福山共同機工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開平11−58239
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−229086