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【発明の名称】 切断終了検知装置付ワイヤーソー装置 及びワークの切断方法
【発明者】 【氏名】外山 公平

【要約】 【課題】切断条件のいかんを問わず、即ち通常切断時でも、ワイヤーの断線や脱線修復後の再切断時においても、インゴットの切断が完全に行われたことを自動的かつ確実に確認でき、インゴットの不完全切断を完全に解消することができるようにした切断終了検知装置付ワイヤーソー装置及びワークの切断方法を提供する。

【解決手段】ワークプレートホルダーにワークプレートを介して保持されたワークを切断するワイヤーソー装置であって、該ワークプレートホルダーの下面に該ワイヤーソー装置のワイヤー列の上面との距離を測定検知する距離センサーを1個又は複数個設け、各距離センサーと該ワイヤー列の上面との距離があらかじめ設定した所定の距離に達したことを当該1個又は複数個の全ての距離センサーが検知した時に切断作業を終了するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワークプレートホルダーにワークプレートを介して保持されたワークを切断するワイヤーソー装置であって、該ワークプレートホルダーの下面に該ワイヤーソー装置のワイヤー列の上面との距離を測定検知する距離センサーを1個又は複数個設け、各距離センサーと該ワイヤー列の上面との距離があらかじめ設定した所定距離に達したことを当該1個又は複数個の全ての距離センサーが検知した時に切断作業を終了するようにしたことを特徴とする切断終了検知装置付ワイヤーソー装置。
【請求項2】 前記距離センサーを前記ワークプレートホルダーの4隅に一個ずつ合計4個設けたことを特徴とする請求項1記載のワイヤーソー装置。
【請求項3】 前記所定距離が前記距離センサーから下方に5〜7mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤーソー装置。
【請求項4】 前記ワークが半導体シリコン単結晶インゴットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のワイヤーソー装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のワイヤーソー装置を用い、ワーク切断開始時から前記距離センサーとワイヤー列の上面との距離を測定し、各距離センサーとワイヤー列の上面との距離があらかじめ設定した所定距離に達したことを1個又は複数個の全ての距離センサーが検知した時に当該1個又は複数個のうちの最後に検知した距離センサーからの信号によりワークの切断作業を終了するようにしたことを特徴とするワークの切断方法。
【請求項6】 前記ワークが傾斜状態でワークプレートホルダーに保持されている場合にはワークプレートホルダーの最も高い傾斜位置に少なくとも1個の距離センサーを設置するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のワークの切断方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク、例えば、半導体シリコン単結晶インゴット(以下、単にインゴットということがある)を切断又はスライスしてウェーハを切り出すにあたり、切断終了を自動的に検知し完全なスライスウェーハを得ることができるようにした切断終了検知装置付ワイヤーソー装置及びワークの切断方法に関する。
【0002】
【関連技術】従来、ワーク、例えば、半導体シリコン単結晶インゴットを切断又はスライスしてウェーハ状に切り出すためのワークの切断装置としては、図6〜8に示すようなワイヤーソー装置が用いられている。
【0003】図6において、ワイヤーソー装置12は3つのメインローラ14,16,18を三角形の各頂点位置に互いに平行、且つ回転自在に配置して構成され、これらのメインローラ14,16,18間には線径0.08〜0.25mm程度の特殊ピアノ線からなる1本のワイヤー20が所定のピッチで螺旋状に巻回されワイヤー列を形成している。該メインローラは複数本配設されればよく、その本数に特別の限定はないが、図示した3本又は4本が通常使用される。
【0004】そして、上方の2つのメインローラ14,16の間、即ち切断領域であって、且つこれらメインローラ14,16の上方には、ワークホルダー22に保持された円筒状半導体シリコンインゴット等のワークWがセットされている。該ワークWは、不図示の駆動手段によってワークホルダー22が上下動せしめられることによって、該ワークホルダー22と共に上下動する。
【0005】下方のメインローラ18は駆動メインローラであって、これは駆動モータ24によって正逆転せしめられる。
【0006】該メインローラ14,16の上方には、微細な砥粒を油性又は水溶性のクーラントで懸濁することによって作られた砥粒スラリー26を噴出するノズル28が設置されている。30は該メインローラ14,16間に設けられたスラリー溜りで、ノズル28から噴出したスラリー26を受ける作用を行う。スラリー26は不図示のスラリータンクに貯留されている。
【0007】上記した複数のメインローラ14,16,18間に螺旋状に巻きつけられたワイヤー20を、ワイヤー送り出し側からワイヤー受け取り側に向けて、往復運動させながら移動させる。
【0008】このように移動するワイヤー20にワークWを所定の送り速度で圧接するとともに、この圧接部にスラリー26を供給することによって、複数のウェーハを同時に切り出すことができる。そして、このワイヤーソー装置12は、同時に多数のウェーハを切り出すことができるため、従来の内周刃スライサー等に代わって多用されるようになっている。
【0009】ところで、このワイヤーソー装置12でワークWを切断するためには、ワークWを支持装置32を介してチルチング機構を備えたワークホルダー22に支持させておく必要がある。このチルチング機構は切断すべきワーク(インゴット)Wの方位調整用として設置されている。
【0010】この支持装置32は、ワークプレート34を備えている(図7及び図8)。このワークプレート34の下面には当て板36が接着剤によって接着され、この当て板36にワークWが接着される。このワークプレート34の両端部には側方に突出した凸条段部34a,34bが設けられている。
【0011】38はワークプレートホルダーで、該ワークプレート34の凸条段部34a,34bを受け入れ可能な形状の溝38a,38bを有している。
【0012】このようなワイヤーソー用ワーク支持装置32を介してワークホルダー22によって支持されたワークWは、ワイヤーソー装置12における切断ワイヤー20に押し付けられて切断される。なお、チルチング機構を用いたワークWの方位調整の結果として、ワークプレート34とワイヤー20列のなす平面とは傾斜状態で対峙することが多い。
【0013】一方、現在では、半導体シリコン単結晶インゴットのスライス加工には、φ200mm、φ300mmとその直径が大きくなるにつれて、ワイヤーソー装置がスライス装置として導入されてきているのが一般的になってきている。
【0014】この従来のワイヤーソー装置では、切断距離(インゴット口径+当て板切り込み深さ等)と切断速度から切断時間を計算し、その値から切断終了の信号を取出し、ワイヤーソー装置の停止等を決定している。
【0015】しかし、ワイヤーソー装置の操業条件等に依存して、ワイヤーの断線・脱線等の事故が発生することも少なくない。そうした場合、ワイヤーソー装置を停止させて、トラブルを修復した後に、ワイヤーソー装置を再稼動させて切断作業を再開する。しかし、再切断を行っても、従来は切断時間を基準として切断終了の信号を取出しているため、切断が完全に終了しないのに、切断が終了したとの信号を受け、再稼動させたワイヤーソー装置は、インゴット設定位置まで戻り、停止してしまう。
【0016】実際に、インゴットの切断が完了しているかどうか確認出来れば良いが、切断されたウェーハ(インゴット)は、スラリーにより汚れてしまっているので、目視で見分けることはほとんど不可能であり、結果的にインゴットの完全な切断が行われず、したがって、ウェーハを得ることが出来ず、多大な損害を被ることとなることも多かった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、切断条件のいかんを問わず、即ち通常切断時でも、ワイヤーの断線や脱線修復後の再切断時においても、インゴットの切断が完全に行われたことを自動的かつ確実に確認でき、インゴットの不完全切断を完全に解消することができるようにした切断終了検知装置付ワイヤーソー装置及びワークの切断方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の切断終了検知装置付ワイヤーソー装置は、ワークプレートホルダーにワークプレートを介して保持されたワークを切断するワイヤーソー装置であって、該ワークプレートホルダーの下面に該ワイヤーソー装置のワイヤー列の上面との距離を測定検知する距離センサーを1個又は複数個設け、各距離センサーと該ワイヤー列の上面との距離があらかじめ設定した所定距離に達したことを当該1個又は複数個の全ての距離センサーが検知した時に切断作業を終了するようにしたことを特徴とする。
【0019】ここでいう所定距離とは、ワーク(インゴット)がワイヤー列によって間違いなくウェーハに切断されている状態の距離センサーとワイヤー列との距離を意味するものである。具体的には、後述する実施の形態で説明するように、距離センサーの下方に5〜7mmの距離を設定すればワーク(インゴット)がワイヤー列によって間違いなくウェーハに切断される。
【0020】前記距離センサーを前記ワークプレートホルダーの4隅に一個ずつ設けておけば、ワークであるインゴットが傾いていても合計4個全ての距離センサーが検知した状態では、インゴットは完全に切断されていることとなる。
【0021】本発明のワークの切断方法は、上記したワイヤーソー装置を用い、ワーク切断開始時から前記距離センサーとワイヤー列の上面との距離を測定し、各距離センサーとワイヤー列の上面との距離があらかじめ設定した所定距離に達したことを1個又は複数個の全ての距離センサーが検知した時に当該1個又は複数個のうちの最後に検知した距離センサーからの信号によりワークの切断作業を終了するようにしたことを特徴とする。
【0022】本発明において、ワークプレートホルダーの4隅に距離センサーを設ける構成とすれば、ワイヤー列のなす平面との距離を切断開始時から測定し、4隅に設置された距離センサーの一つが最後に所定の距離に達したことを検知した時に切断終了として、ワークであるインゴット(ウェーハ)をセット位置まで戻して、操作終了とすることができるので、ワークプレートとワイヤー列のなす平面とが互いに傾斜状態であってもインゴットの切断終了を正確に判断できる有利さがある。
【0023】本発明においては、上記したワークプレートホルダーの4隅に距離センサーを設ける構成が最も好ましいが、その他の個数の距離センサーを設置して切断終了を検知することも可能である。例えば、1個の距離センサーを設置することもできる。ワークプレートとワイヤー列のなす平面とが互いに傾斜していない場合には距離センサーは1個でも複数個でも同時に切断終了を検知するので特別の問題は生じない。ワークプレートとワイヤー列のなす平面とが互いに傾斜している場合には、その傾斜状態を予め測定し、一番高い傾斜部位に1個の距離センサーを設置しておけば、インゴットの切断終了を正確に検知することができる。
【0024】従来の切断距離(インゴット口径+当て板切り込み深さ等)と切断速度から切断時間を計算し切断終了信号を出す方法では、実際の切断終了時間と計算上の切断終了時間との間に30分程度の誤差が生じ、不完全切断となることも多かったが、本発明の構成を採用することにより、切断終了を的確に検知出来るようになり、切断の不完全さを完全に解消させることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添付図面中、図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明の切断終了検知装置付ワイヤーソー装置の要部を示す概略側面図、図2は図1のII−II線断面図、図3はワークプレートホルダーの摘示概略下面図、図4は図3のワークプレートホルダーを用いた場合の当て板とインゴットとの配置位置状態を示す概略側面説明図及び図5は当て板の摘示正面図である。
【0026】本発明の切断終了検知装置付ワイヤーソー装置の基本的構成は、図6〜図8に示した従来のワイヤーソー装置と変わるところはないので、その構成についての再度の説明は避け、本発明の特徴点についてのみ説明する。
【0027】図1〜図3によく示されるように、本発明のワイヤーソー装置の構造は、ワークプレートホルダー38の下面に距離センサー40a〜40dが取りつけられている点を除いて図7及び図8に示した従来構造と変わるところはない。
【0028】該距離センサー40a〜40dは、ワイヤーソー装置のワイヤー20列の上面との距離を測定検知し、あらかじめ設定した所定距離eに該ワイヤー20列の上面が到達すると、切断終了信号を出す構成とされている。該距離センサー40a〜40dは、1個又は複数個が設けられるが、図3に示したごとく、ワークプレートホルダー38の下面の4隅にそれぞれ1個、合計4個の距離センサー40a,40b,40c,40dを設置(図1及び2の例では取付け、図3及び4の例では埋設)するのが好ましい。
【0029】本発明においては、ワイヤー20列の上面が所定距離eに達した場合に距離センサー40a〜40dが切断終了信号を出す構成とされているが、この所定距離eとしてインゴットWがワイヤー20列によって間違いなくウェーハに切断されている状態の距離センサーとワイヤー20列との距離を設定することが必要である。
【0030】上記した所定距離eの設定は、例えば、図4に示すごとくワークプレート34の下面とワークプレートホルダー38の下面とが面一である場合には、ワークプレート34と当て板36との接着面42が距離センサー40a〜40dの設定位置とほぼ一致することとなる。この場合には、例えば、該接着面42、即ち距離センサー40a〜40dの設定位置、から下方に5〜7mm、例えば6mmの距離を所定の距離として設定すればよい。
【0031】図5に示した通常の当て板36のサイズは幅75mm×長さ500mm×最大高さ20mm(最小高さ15mm)である。当て板36は幅方向の中央部分が上方に湾曲した凹形状をしているため、図5に示したように最大高さ20mmと最小高さ15mmがある。
【0032】上記した距離センサー40a〜40dの所定距離e=6mmと設定した場合は、図4によく示されるごとく、インゴットWの切断後さらに当て板の最小高さ15mmのうちの15mm−6mm=9mmだけ当て板36を切り込んだ状態でワイヤー20列による切断作業が終了することになる。したがって、距離センサー40a〜40dが所定距離eを検知した場合には当該距離センサー40a〜40dの測定対象となるインゴットWの部分が完全に切断されていることは間違いない。
【0033】インゴットWが傾斜することなく水平状態でワークプレートホルダー38に保持されている場合には、距離センサー40a〜40dは1個設けても複数個設けても、所定距離eを検知した時点で切断を終了すればインゴットWは完全にウェーハに切断されている。
【0034】それ故、この水平状態の場合には距離センサー40a〜40dの設置個数に制限はなく、その設置位置もワークプレートホルダー38の下面でかつワイヤー20列の上方であればどの位置でもよいことになる。
【0035】また、この水平状態の場合、複数個の距離センサー40a〜40dを設けた場合でも、いずれか1個の距離センサーが所定距離eを検知した時点で又は全ての距離センサーが所定距離eを検知した時点のいずれの時点で切断終了の信号を出してもインゴットWが完全に切断されていることに変わりはない。
【0036】次に、インゴットWが傾斜した状態でワークプレートホルダー38に保持されている場合には、その傾斜の態様、即ち1方向傾斜か2方向傾斜かによって距離センサーの使用態様が多少異なる。
【0037】1方向傾斜の場合にも、距離センサー40a〜40dの設置個数は1個でも複数個設けてもよいが、その使用に当たっては所定の制限の下に制約された使用をしないとインゴットWを完全に切断することができない。
【0038】つまり、1個の距離センサー、例えば、40aを用いる場合には、あらかじめ、一方向傾斜の傾斜方向を確認し、ワークプレートホルダー38の最も高い傾斜位置に距離センサー40aを設けておけばよく、この距離センサー40aが所定距離eを検知し、切断終了信号をだしてもインゴットWが完全に切断されていることに変わりはない。
【0039】しかし、1個の距離センサー、例えば、40bをワークプレートホルダー38の最も高い傾斜位置以外(低い傾斜位置)に設置した場合には、この距離センサー40bが所定距離eを検知し、切断終了信号を出してもインゴットWが完全には切断されない場合が生ずる。したがって、1個の距離センサーを使用する場合には最も高い傾斜位置に設置することが必要である。
【0040】次に2個の距離センサー40a,40bを使用する場合には、一方の距離センサー40aを最も高い傾斜位置に設置しておけば、他方の距離センサー40bを低い傾斜位置に設置しておいてもよい。このような距離センサー40a,40bの配置の場合には両方の距離センサー40a,40b(換言すれば、最も高い傾斜位置の距離センサー40a)が所定距離eを検知した時に切断終了信号を出せばインゴットWは完全に切断されていることになる。
【0041】つまり、2個の距離センサー40a,40bを用いる場合にはそのうちの1個の距離センサーを最も高い傾斜位置に設置することが必要である。3個以上の距離センサーを設置する場合も、そのうちの少なくとも1個の距離センサーを最も高い傾斜位置に設置しておき、全ての距離センサー、換言すれば最も高い傾斜位置の距離センサーが所定距離を検知した時に切断終了信号を出すようにすればインゴットWは完全に切断されていることになる。
【0042】2方向傾斜の場合にも距離センサー40a〜40bの設置個数は1個でも複数個でもよいが、1方向傾斜の場合と同様に所定の制限の下に使用しないとインゴットWを完全には切断できない場合がある。1個の距離センサーの場合には、1方向の場合と同様に最も高い傾斜位置に距離センサー、例えば、40aを設置しておけばよい。この距離センサー40aが所定距離eを検知し、切断終了信号を出してもインゴットWは完全に切断されている。その以外の位置(低い傾斜位置)に距離センサーを設置した場合にはインゴットWが完全には切断されない場合がある。
【0043】複数の距離センサー、例えば、40a〜40dを用いる場合には、少なくとも1個の距離センサー40aを最も高い傾斜位置に設置しておくことが必要である。このような距離センサーの配置の場合には、全ての距離センサー40a〜40d、換言すれば最も高い傾斜位置の距離センサー40aが所定距離eを検知した時に、切断終了信号を出せば、インゴットWは完全に切断されていることとなる。
【0044】1個又は複数個の距離センサー40a〜40dをワークプレートホルダー38の下面に設置しても、上述したように、インゴットが傾斜していない場合以外には、所定の制限の下に距離センサーの設置及び使用の態様を決定する必要がある。
【0045】ワイヤーソー装置によるインゴットWの切断を行う場合に、上述したように切断にあたって最も高い傾斜位置を測定し、そこに距離センサーを設置するようにするのは手間もかかり面倒である、そこで、最も高い傾斜位置をその都度測定することなく、全ての距離センサー、換言すれば最後の距離センサーが所定距離eを検知した時点で、切断終了信号を出せばインゴットWが完全に切断されている構成とすることもできる。
【0046】すなわち、図3に示したごとく、4個の距離センサー40a〜40dを1個ずつワークプレートホルダー38の4隅の下面に設けておく構成が最も無駄のない配置である。この構成によれば、ワーク(インゴット)Wをいかなる傾斜状態でセットした場合でも、4個の距離センサー40a〜40dの全てが、換言すれば、4個の距離センサー40a〜40dの一つが最後に所定距離eに達したことを検知した時に切断終了信号を出すようにすれば、傾斜状態のインゴットWも常に完全に切断されることとなる。
【0047】上記した本発明装置の構成を実現するためには、ワークプレートホルダー38にワークプレート34及び距離センサー40a〜40dを取付けるため、当て板36の寸法よりも周囲10mm程度ずつ広く、長い寸法とすることが必要である。
【0048】当て板36は、図5に示すように、その上面、即ちワークプレート34との接着面36aはフラットで、その下面、即ち、インゴットWとの接着面36bは円弧表面となっているのが一般的である。インゴット(ウェーハ)Wが完全に切断される状態になるためには、前述したごとく、当て板36のフラット面36aから5〜7mm、例えば6mm下がった位置とすれば充分であるので、所定距離e=5〜7mm、例えば6mmを切断完了位置として設定すればよい。
【0049】ただし、この所定距離eは、当て板36の寸法に依存し、当て板36の高さによりこの位置設定は、変更しなければならず、e=5〜7mm、例えば6mmは好ましい例示であることはいうまでもない。
【0050】そして、実際の操業においてはワークプレートホルダー38の4隅にセットした距離センサー40a〜40dを基準となるワイヤー20列のなす平面位置からの距離が5〜7mm、例えば6mm以下となる点を絶えず検出・判断することにより、すべての距離センサー40a〜40dからの検出位置が、5〜7mm、例えば6mm以下となった時に、切断終了として、その後に続く、ワイヤー20抜き及びインゴット(ウェーハ)Wの原点復帰等が行われるようにすればよい。
【0051】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、切断条件のいかんを問わず、即ち通常切断時でも、ワイヤーの断線や脱線修復後の再切断時においても、インゴットの切断が完全に行われたことを自動的かつ確実に確認でき、インゴットの不完全切断を完全に解消することができ、従来の制御切断方式、即ち、切断距離(インゴット口径+当て板切り込み深さ等)と切断速度から切断時間を計算し、その値から切断完了の信号を取出し、装置の停止等を決定している方式よりも確実なものとなり、切断完了によるウェーハの多大な損失が皆無となるという大きな効果が達成される。
【出願人】 【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
【公開番号】 特開平11−262852
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−70219