トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨




【発明の名称】 光学素子の加工方法及び加工装置
【発明者】 【氏名】村杉 芳徳

【氏名】宮本 俊男

【氏名】村田 全旦

【要約】 【課題】多角面を有する光学素子の各面の加工の生産性の向上を図る。

【解決手段】平面を研磨又は研削する加工工具と、前記光学素子の前記各面を前記加工工具に対して平面状態に姿勢保持する保持手段であって、該保持手段は前記光学素子の前記第一と第二の反射面の成す角度に対応した開角度を備えた保持面と、及び前記第三の反射面fを突き当てする突き当て面とを有し、前記光学素子の前記各面を保持手段の前記各面に突き当て保持し、前記保持手段を回転操作して前記光学素子の各面を前記加工工具の移動軌跡上に平面位置に保持するようにした光学素子の加工装置の保持手段の回転操作により各面の加工を正確に実行することができた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも互いに傾斜した第一と第二の反射面と、第三の反射面と、入射面及び射出面とを有した光学素子の加工装置において、平面を研磨又は研削する加工工具と、前記光学素子の前記各面を前記加工工具に対して平面状態に姿勢保持する保持手段であって、該保持手段は前記光学素子の前記第一と第二の反射面の成す角度に対応した開角度を備えた保持面と、及び前記第三の反射面を突き当てする突き当て面とを有し、前記光学素子の前記各面を保持手段の前記各面に突き当て保持し、前記保持手段を回転操作して前記光学素子の各面を前記加工工具の移動軌跡上に平面位置に保持するようにしたことを特徴とした光学素子の加工装置。
【請求項2】 前記保持手段の保持面及び突き当て面は複数用意し、複数個の光学素子を同時に可能可能としたことを特徴とした請求項1記載の光学素子の加工装置。
【請求項3】 ダハ面と入射面と、反射面及び射出面を有した光学素子の加工方法において、前記ダハ面と及び該ダハ面と前記反射面とにより挟まれた面を突き当て面とする保持手段により前記光学素子を保持し、前記保持手段の回転操作により前記反射面と前記入射面及び射出面を加工工具の加工移動軌跡上に対し平面状態を維持するようにして加工することを特徴とした光学素子の加工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素子、特に、ペンタプリズム等の多角形から構成された傾斜面の組み合わせから成る光学素子の各面を研削/研磨加工する装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は本発明を適用可能なペンタプリズムの光学素子の正面図、図2は斜視図であり、該素子は一眼レフレックス カメラ等に使用され、リターンミラーMからの光線を入射する入射面bと、該入射面からの光線を反射するダハ面d,dと、該ダハ面からの光線を反射する反射面aと、該反射面からの光線を射出する射出面cと及び、前記ダハ面d,dと前記反射面aとにより挟めれた面f等の多角形で形成された複数の傾斜面で構成されている。
【0003】各面は高い表面仕上げ精度が要求されており、従来においては各面毎に個別に加工作業を行っていた。
【0004】図1のプリズムにおいて、入射面bは基準平面であり、入射光線G1と平行平面である。反射面aは入射面bと角度αを成し、射出面cは入射面bと角度βを成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3〜図5は従来例を示すための保持工具であるが、図1の反射面aを加工するために保持工具Aにプリズムを貼り付けて固定する際に、ダハ面と射出面cを工具に貼り付けて反射面aを不図示の加工工具(研削/研磨)の工具移動軌跡P1−P1と平面状態になるように保持し、反射面aの加工を終了するとプリズムを一旦剥がし、図4 に示す別の保持工具Bにプリズムを貼り付けて入射面bが平面状態になるように貼り付けし、更に、射出面cの加工も図5に示すように貼り付け工程を行っていた。
【0006】従って、従来の加工方法は貼り付け工程を複数繰り返すものであり生産性の向上を期待し難く、又、複数回の貼り付け工程を経るので加工面の加工精度の不揃い等の問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも互いに傾斜した第一と第二の反射面f,fと、第三の反射面aと、入射面b及び射出面cとを有した光学素子の加工装置において、平面を研磨又は研削する加工工具と、前記光学素子の前記各面を前記加工工具に対して平面状態に姿勢保持する保持手段であって、該保持手段は前記光学素子の前記第一と第二の反射面f,fの成す角度に対応した開角度を備えた保持面と、及び前記第三の反射面fを突き当てする突き当て面とを有し、前記光学素子の前記各面を保持手段の前記各面に突き当て保持し、前記保持手段を回転操作して前記光学素子の各面を前記加工工具の移動軌跡上に平面位置に保持するようにした光学素子の加工装置を提案することにより上記課題の解決を図る。
【0008】更に、前記保持手段の保持面及び突き当て面は複数用意し、複数個の光学素子を同時に可能可能としたことにより生産性の向上を図った。
【0009】又、ダハ面と入射面と、反射面及び射出面を有した光学素子の加工方法において、前記ダハ面と及び該ダハ面と前記反射面とにより挟まれた面を突き当て面とする保持手段により前記光学素子を保持し、前記保持手段の回転操作により前記反射面と前記入射面及び射出面を加工工具の加工移動軌跡上に対し平面状態を維持するようにして加工することを特徴とした光学素子の加工方法の提案により、従来例のような、貼り付け/剥がし操作の繰り返しを回避した加工方法を提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に図6以下を参照して本発明の実施例を説明する。
【0011】図6は本加工装置に使用する光学素子のプリズムを保持する手段2の斜視図であり、該手段2は部材2Aと部材2Bとから構成している。
【0012】部材2Aは直方体ブロックを山形形状(V字状)に切り欠いた切り欠き部2aを示し、該切り欠きの両側面2a1,2a2の成す開角度は前記プリズム1の反射面d,d(ダハ面)の成す角度と一致するように形成してある。
【0013】前記各切り欠き面は前記プリズムの反射面(ダハ面)を貼り付ける面と成り、その貼り付け面2a1,2a2の中央部分は凹部を形成して貼り付けの接着剤(松ヤニ)を逃がす部分としている。
【0014】部材2Bは断面が略L字形状を成し、基準平面部2b1、垂直面2b2と、前記部材2Aを載置する載置面2b3,2b4を形成している。
【0015】図7は部材2A,2Bと被加工用のプリズム1との配置及び各部の角度関係を示す図である。
【0016】図7に示すように、部材2Bには前記部材2Aの切り欠き部2aに嵌め込まれたプリズム1の第三の反射面fを当接して貼り付ける貼り付け面2b5が形成されており、該貼り付け面2b5は、前記ダハ面d,dを部材2Aの貼り付け面2a1,2a2に沿って嵌め込んで、反射面fを該貼り付け面2b5に突き合わせした状態で、プリズム1の入射面bが保持手段の部材2Bの基準面2B1と平行位置関係に保たれるように形成してある。
【0017】図8〜図10は加工装置による加工方法を示す図である。
【0018】図8において、符号6は加工装置の基準基板部材であり、8は前記基板6上に取り付けた射出面cを加工する場合のc面加工用位置合わせ基板である。該c面加工用位置合わせ基板8上には前記図6、7に示した保持手段2を、前記保持手段の部材2Bの基準面2b2が位置合わせ用基板8の上面に接するように5個配列して取り付けてある。
【0019】前記保持手段2に被加工用プリズムを貼り付け固定してから各保持手段2をc面加工用位置合わせ基板8上に配列固定すると、各保持手段に固定された各プリズムの反射面cは図8に示すようにc面加工用平面X上に平行配置される。
【0020】言い換えると、前記X平面は加工装置の研磨工具10の研磨のための移動軌跡平面に設定されており、前記基準基板部材6の上面位置から前記c面加工用平面Xまでに距離がhの距離になるように前記c面加工用位置合わせ基板8の厚さ寸法が設定されている。
【0021】上記のようにc面加工用の位置合わせが行われた後に、研磨工具10の加工制御手段12により、研磨工具10の回転動作と前記c面加工用平面X上の往復運動とが行われて5個のプリズムのc面の研磨加工が同時に実行される。
【0022】次に、前記c面の加工が終了すると、前記各保持手段2を前記C面加工用位置合わせ基板8から取り外して、入射面のb面加工用位置合わせ基板14上に取り付ける。図9。
【0023】この取り付けは基板14の上面に前記保持手段の基準面2b1が接するように固定する。
【0024】b面加工用位置合わせ基板14の厚さ寸法は基板6上に、保持手段を固定した位置合わせ基板14を取り付けた時に、プリズムのb面位置が研磨工具の移動軌跡位置のhの寸法になるように設定する。
【0025】次に、前記b面の加工が終了すると、前記各保持手段2を前記b面加工用位置合わせ基板14から取り外して、反射面のa面加工用位置合わせ基板16上に取り付ける。図10。
【0026】この取り付けは基板16の上面に前記保持手段の基準面2b6が接するように固定する。
【0027】a面加工用位置合わせ基板16の厚さ寸法は基板6上に、保持手段を固定した位置合わせ基板16を取り付けた時に、プリズムのa面位置が研磨工具の移動軌跡位置のhの寸法になるように設定する。
【0028】以上の図8乃至図10の加工工程によりプリズムの各面の研磨加工が行われる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明は、少なくとも互いに傾斜した第一と第二の反射面f,fと、第三の反射面aと、入射面b及び射出面cとを有した光学素子の加工装置において、平面を研磨又は研削する加工工具と、前記光学素子の前記各面を前記加工工具に対して平面状態に姿勢保持する保持手段であって、該保持手段は前記光学素子の前記第一と第二の反射面f,fの成す角度に対応した開角度を備えた保持面と、及び前記第三の反射面fを突き当てする突き当て面とを有し、前記光学素子の前記各面を保持手段の前記各面に突き当て保持し、前記保持手段を回転操作して前記光学素子の各面を前記加工工具の移動軌跡上に平面位置に保持するようにした光学素子の加工装置のより、保持手段の回転操作により各面の加工を正確に実行することができた。
【0030】更に、前記保持手段の保持面及び突き当て面は複数用意し、複数個の光学素子を同時に可能可能としたことにより生産性の向上が図れた。
【0031】又、ダハ面と入射面と、反射面及び射出面を有した光学素子の加工方法において、前記ダハ面と及び該ダハ面と前記反射面とにより挟まれた面を突き当て面とする保持手段により前記光学素子を保持し、前記保持手段の回転操作により前記反射面と前記入射面及び射出面を加工工具の加工移動軌跡上に対し平面状態を維持するようにして加工することを特徴とした光学素子の加工方法の提案により、従来例のような、貼り付け/剥がし操作の繰り返しを回避した加工方法が可能となった。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 儀一
【公開番号】 特開平11−42544
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−201439