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【発明の名称】 流し台溶接機用下部電極研磨装置
【発明者】 【氏名】大 河 原 和 也

【氏名】中 尾 肇

【氏名】細 江 一 之

【要約】 【課題】流し台のシ−ム溶接機における下部電極に修正研磨加工を施す必要がある場合、その作業を容易且つ確実に行うことのできる下部電極研磨装置を提供すること。

【解決手段】テ−ブルに配備した下部電極Mに流し台のシンクSをセットし、該シンクSのフランジ上に、シンク穴を形成した天板Tを載置して位置決めした後、前記流し台のシンクSと天板Tを、上部電極Nによりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置Aに、下部電極Mを研磨又は研削する工具18又は39を具備した研磨装置を、昇降自在にして架装した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テ−ブルに配備した下部電極に流し台のシンクをセットし、該シンクのフランジ上に、シンク穴を形成した天板を載置して位置決めした後、前記流し台のシンクと天板を、上部電極によりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置に、下部電極を研磨又は研削する工具を具備した研磨装置を、昇降自在にして架装したことを特徴とする流し台溶接機用下部電極研磨装置。
【請求項2】 テ−ブルに配備した下部電極に流し台のシンクをセットし、該シンクのフランジ上に、シンク穴を形成した天板を載置して位置決めした後、前記流し台のシンクと天板を、上部電極によりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置にベ−スフレ−ムを固定すると共に、該ベ−スフレ−ムにスライドベ−スを介して、先端部に下部電極を研磨する研磨刃具を回転可能に設けた研磨装置をエアシリンダ等の流体圧シリンダにより上下動可能に装備して成り、下部電極を研磨するに際しては、前記研磨装置を下部電極の所要個所に下降させると共に前記研磨刃具を回転させて研磨作業を行い、該作業が終了すれば、該研磨装置を上昇させるようにしたことを特徴とする請求項1の流し台溶接機用下部電極研磨装置。
【請求項3】 テ−ブルに配備した下部電極に流し台のシンクをセットし、該シンクのフランジ上に、シンク穴を形成した天板を載置して位置決めした後、前記流し台のシンクと天板を、上部電極によりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置にベ−スフレ−ムを固定すると共に、該ベ−スフレ−ムにスライドベ−スを介して、先端部に下部電極を研磨する研磨刃具を回転可能に設けた研磨装置をサ−ボモ−タとボ−ルネジにより上下動可能に装備して成り、下部電極を研磨するに際しては、前記研磨装置を下部電極の所要個所に下降させると共に前記研磨刃具を回転させて研磨作業を行い、該作業が終了すれば、該研磨装置を上昇させるようにしたことを特徴とする請求項1の流し台溶接機用下部電極研磨装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンクを下部電極にセットし、該シンクのフランジ上にシンク穴を設けた天板を載置して位置決めした後、天板のシンク穴の縁に沿って円盤状の上部電極を加圧状態で回転移動させながら電気抵抗シーム溶接を行う流し台シ−ム溶接機において、溶接により摩耗したり、表面が粗れたりした下部電極を研磨する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のようなシ−ム溶接における下部電極は、一定数製品を溶接すると、その溶接開始起点近くの表面が粗れ始め、そのまま溶接作業を続けると、溶接品質が低下するので、前記表面を修正研磨加工しなければならない。そのため、従来は、修正研磨の必要な下部電極を一旦本機から取外し、修正研磨すべき部位であるシンクフランジの当り面を加工可能な加工機に搭載して研磨加工を施しているため、引き続き同機種の流し台を生産する場合は、高額な下部電極の予備品を用意しておき、代替使用するか、修正研磨を施すべき下部電極を使わない別機種の製品を溶接するように生産計画を組まざるを得なかった。
【0003】而して、上記の下部電極の修正研磨作業において、加工機がある場合は、該加工機に下部電極を搭載し、電極加工部の芯出し作業などを行った後、加工作業に入るのが通常で、この作業には機械の段取りも含め、約半日程度の時間を必要とされている。また、前記加工機がない場合は、一般的には、下部電極の修正加工を請け負う業者に送りこみ、修正加工を依頼しているが、この修正加工に要する時間は前記の加工機がある場合に比して長時間を要し、日単位の時間が必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のような従来技術に鑑み、流し台のシ−ム溶接機における下部電極に修正研磨加工を施す必要がある場合、その作業を容易且つ確実に行うことのできる下部電極研磨装置を提供することを、その課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決することを目的としてなされた本発明における第一発明の構成は、テ−ブルに配備した下部電極に流し台のシンクをセットし、該シンクのフランジ上に、シンク穴を形成した天板を載置して位置決めした後、前記流し台のシンクと天板を、上部電極によりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置にベ−スフレ−ムを固定すると共に、該ベ−スフレ−ムにスライドベ−スを介して、先端部に下部電極を研磨する研磨刃具を回転可能に設けた研磨装置をエアシリンダ等の流体圧シリンダにより上下動可能に装備して成り、下部電極を研磨するに際しては、前記研磨装置を下部電極の所要個所に下降させると共に前記研磨刃具を回転させて研磨作業を行い、該作業が終了すれば、該研磨装置を上昇させるようにしたことを特徴とするものであり、また、第二発明の構成は、テ−ブルに配備した下部電極に流し台のシンクをセットし、該シンクのフランジ上に、シンク穴を形成した天板を載置して位置決めした後、前記流し台のシンクと天板を、上部電極によりシ−ム溶接する流し台シ−ム溶接機において、上部電極装置にベ−スフレ−ムを固定すると共に、該ベ−スフレ−ムにスライドベ−スを介して、先端部に下部電極を研磨する研磨刃具を回転可能に設けた研磨装置をサ−ボモ−タとボ−ルネジにより上下動可能に装備して成り、下部電極を研磨するに際しては、前記研磨装置を下部電極の所要個所に下降させると共に前記研磨刃具を回転させて研磨作業を行い、該作業が終了すれば、該研磨装置を上昇させるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態例を図により説明する。図1は本発明が適用される流し台シ−ム溶接機の下部電極の平面図、図2は上部電極装置に装備した本発明下部電極研磨装置の一例の正面図、図3は図2の装置の右側面図、図4は図2のZ矢視図、図5は本発明装置の別例の正面図、図6は図5の装置の右側面図、図7は図5のZ矢視図、図8は図5〜図7に示す電極研磨装置を取付けた流し台シ−ム溶接機の一例の正面図、図9は本発明研磨装置の効果を説明するための拡大正断面図、図10は下部電極の修正研磨部位の説明図である。
【0007】図1において、Mは下部電極、1はその取付ベース、2は下部電極Mをセットした取付ベース1の位置決め金具、3は取付ベース1を取付台に取付けるための位置決めピンであり、この下部電極Mは、図8に例示するシーム溶接機にセットされ、シンクSと天板Tとを位置決め固定してから、上部電極Nとの協働作用で前記シンクSと天板Tとをシーム溶接するものである。
【0008】本発明は上記溶接機の下部電極Mの研磨装置を、上部電極Nを具備した上部電極装置Aに設けたものであるから、図2〜図4によって第一発明の例について説明する。図2〜図4において、11は上部電極装置Aの側面に固定したベ−スフレ−ム、12は該フレ−ム11の両側に設けたリニアガイド、13は該リニアガイド12に案内されて昇降するスライドベ−ス、14は該スライドベ−ス13の昇降を駆動するエアシリンダ、15はスライドベ−ス13に装着した主軸モ−タ、16は同じく主軸ユニット、17は該主軸ユニット16に挿装した回転軸、18は該回転軸17の先端に設けた修正用の研磨刃具、19,20はそれぞれモ−タ15の出力軸と回転軸17の上部に取付けたプ−リ、21はそれらプ−リ19,20に掛け回したベルトで、以上のベースフレーム11からベルト21までの構成により本発明研磨装置の一例に構成される。この装置は、エアシリンダ14の駆動によりスライドベ−ス13が昇降し、モ−タ15の駆動により回転軸17を介し研磨刃具18を回転させて、その先端部において下部電極Mの修正対象面の研磨作業を行うようになっている。なお、図2〜図4において、22はベ−スフレ−ム11に設け主軸ユニット16の下降位置を決めるたストッパ、23は研磨刃具18の切り込み量を調整するための調整ネジ、24は前記切り込み量を確認するダイヤルゲ−ジ、25はリミットスイッチである。
【0009】従って、エアシリンダ14を駆動してスライドベ−ス13を下降させて、図2,図3に示すように、研磨刃具18を下部電極Mの上面に配し、モ−タ15を駆動して研磨刃具18を回転させれば、下部電極Mの修正研磨すべき部位は研磨され修正される。即ち、下部電極Mの修正を要する面は、図10に例示するように、シンクSのフランジが当接するフランジ当り面のうち、水平部分m1と、弯曲した部分m2の連続曲面であり、かつ、その面の下部電極Mの全周に亘る面である。
【0010】このため、本発明では、上記2つの面m1とm2を、一つの工具で修正するため、図9に拡大表示した断面を持つ工具18を使用している。即ち、工具18の下端部は、前記水平部分m1を研磨する水平面18aと、該面18aに連続した弯曲部分m2を研磨する曲面18bを具備した下向きの略凸状をなす研磨刃具に形成されている。
【0011】これによって、従来は下部電極Mを予備のそれを代替使用したり、下部電極Mを取り外して修正業者に修正加工を依頼するなどの手数を掛ける必要はななる。なお、実際の研磨修正作業は、溶接時に使用する下部電極Mを架装したXY2軸のクロススライド1X,1Yを下部電極Mの修正研磨部位に沿って、同時2軸NC位置決め制御により移動させて行う。
【0012】図5〜図7は上記の研磨装置とは別の本発明研磨装置を示すもので、図5〜図7において、31は上部電極装置Aに固定したベ−スフレ−ム、32は該ベ−スフレ−ム31に設けたリニアガイド、33は該リニアガイド32に案内されて昇降するスライドベ−ス、34は該スライドベ−ス33の昇降を駆動するACサ−ボモ−タ、35は該サ−ボモ−タ34の駆動により回転するボ−ルネジで、このネジ35はスライドベ−ス33に螺合し、その回転によりスライドベ−ス33を昇降させるようになっている。36はスライドベ−ス33に装着したモ−タ、37は同じく主軸ユニット、38は該主軸ユニット37に挿装した回転軸、39は該回転軸38の先端に取付けた研磨刃具、40,41はそれぞれモ−タ36の出力軸,回転軸38の上部に取付けたプ−リ、42はそれらプ−リに掛け回したベルトで、サ−ボモ−タ34の駆動によりスライドベ−ス33は昇降し、モ−タ36の駆動により回転軸38を介して研磨刃具39は回転し、その先端部において研磨作業を行うようになっている。なお、図中、43はリミットスイッチである。
【0013】図5〜図7に示した本発明装置では、サ−ボモ−タ34を駆動してボ−ルネジ35を介しスライドベ−ス33を下降させて、図5,図6に示すように、研磨刃具18を下部電極Mの上面に配し、モ−タ15を駆動して研磨刃具39を回転させれば、先に説明した例と同様に、下部電極Mの修正研磨すべき部位は研磨され修正される。従って、従来のように下部電極Mを予備のそれを代替使用したり、下部電極Mを取り外して修正業者に修正加工を依頼するなどの手数を掛ける必要はない。また、この第二発明の研磨装置は、その昇降動作を第一発明のエアシリンダ14に替え、サ−ボモ−タ34とボ−ルネジ35を用いるようにしたから、研磨刃具39の切り込み量をNC制御化することができ、第一発明における調整ネジ23による切り込み調整が不要となるので、修正研磨の効率は更に向上するばかりでなく、NC制御化することにより、図9に示すように、一つの研磨刃具を使用して、故意に曲面部m2と水平部m1の繋ぎに角を持たせた形状に修正研磨加工することが可能となる。
【0014】図8は第二発明の下部電極研磨装置を取付けたシ−ム溶接機の一例を示すもので、この溶接機は上部電極装置が固定され、シンクSと天板Tをセットする下部電極の取付台Bが、XY同時2軸のNC制御により位置決め移動させられる構成のものである。本発明研磨装置は、シンクと天板をセットする下部電極取付台が固定され、上部電極のヘッド部分がXY同時2軸NC制御により位置決め移動させられる構成の溶接機にも適用できる。
【0015】
【発明の効果】本発明は上述の通りであって、本発明の下部電極研磨装置によれば、流し台のシ−ム溶接により損耗した下部電極の修正研磨に際して、従来行われていた下部電極を取り外すことなく修正研磨作業を行うことができるので、その作業効率は向上し、溶接作業の能率向上に資するところ大なるものがある。
【0016】更に、流し台溶接機がユ−ザに納入された後、新機種の流し台の溶接を行う必要が生じた場合、下部電極のシンク挿入部の形状を調整しなければならないが、このような場合でも、大きな径の研磨刃具を本発明研磨装置の主軸ユニットに搭載することにより、下部電極のシンク挿入部の修正加工が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000004374
【氏名又は名称】日清紡績株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助 (外1名)
【公開番号】 特開平11−239883
【公開日】 平成11年(1999)9月7日
【出願番号】 特願平10−59132