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【発明の名称】 |
振動切断用鋸刃 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮川 展幸 |
【課題】工具に複雑な機構を設けることなく、刃先部が振動して効果的な切断を行うことができ、刃が往復運動する工具だけでなく刃が回転運動する丸鋸等の工具にも幅広く採用することができる振動切断用鋸刃を提供する。
【解決手段】鋸刃本体部1と複数の刃先部2とを有する振動切断用鋸刃であって、鋸刃本体部1と刃先部2との間に、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動を刃先部2側へと反射伝達させる振動反射中間部4を介設してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋸刃本体部と複数の刃先部とを有する振動切断用鋸刃であって、鋸刃本体部と刃先部との間に、切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動を刃先部側へと反射伝達させる振動反射中間部を介設してなる振動切断用鋸刃。 【請求項2】 切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動の周期と刃先部の振動の周期とが同期して、両者が共振関係で振動するように、振動反射中間部を調整して介設したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項3】 鋸刃本体部と刃先チップとを別体に形成し、該刃先チップに刃先部と該刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった振動反射中間部とを設け、該振動反射中間部を介して同刃先チップを鋸刃本体部に接合一体化したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項4】 鋸刃本体部と刃先部を有する刃先チップとを別体に形成し、該刃先チップを同刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった振動反射中間部となる結合部材を介して鋸刃本体部に接合一体化したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項5】 鋸刃本体部及び刃先部とは結晶性を変化させることによって弾性係数が異なった振動反射中間部を形成したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項6】 鋸刃本体部と刃先部との間にスリットを形成し、該スリットを振動反射中間部となしたことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項7】 振動反射中間部となるスリットに刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった中間材を充填したことを特徴とする請求項6記載の振動切断用鋸刃。 【請求項8】 刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なると共に、鋸刃本体部面方向での変形が鋸刃本体部厚さ方向での変形よりも大きく弾性変形するよう同弾性係数に異方性を有した材料で振動反射中間部を形成したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。 【請求項9】 切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動の周期を20kHz以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の振動切断用鋸刃。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、刃先部に振動を与えながら該刃先部で被切断材を切断することができる振動切断用鋸刃に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、切削工具において、刃先に振動を与えながら加工を行うと、切削抵抗の低減、加工速度の上昇、刃の長寿命化、脆性材料や高粘性材料の加工等に効果があることが知られている。そのためには、刃先を振動させるための圧電素子や磁歪素子を用いた振動子等の機構を切削工具に設け、その駆動電源等が必要となっていた。例えば、外部機構を設けない切削工具として、特公平8−29504号公報に示されるような「振動工具」も知られている。該「振動工具」は、切削工具の内部において、往復運動する刃を固定する部位に振動子を設け、その周囲に振動を許容する間隙を設けることで、切断時に振動を刃先に伝達するようになしたものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の技術においては、刃先を振動させるための振動子等の機構が切削工具の内部に必要であり、該機構を動作させるために駆動電源等も必要で、工具として複雑な構造となっており、又、刃が往復運動する工具にしか応用できないという問題があった。 【0004】本発明は、上記従来の技術における問題を悉く解決するために発明されたもので、その課題は、工具に複雑な機構を設けることなく、刃先部が振動して効果的な切断を行うことができ、刃が往復運動する工具だけでなく刃が回転運動する丸鋸等の工具にも幅広く採用することができる振動切断用鋸刃を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の振動切断用鋸刃は、鋸刃本体部と複数の刃先部とを有する振動切断用鋸刃であって、鋸刃本体部と刃先部との間に、切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動を刃先部側へと反射伝達させる振動反射中間部を介設してなる。 【0006】したがって、この場合、鋸刃本体部と刃先部との間に介設される振動反射中間部によって、切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動が刃先部側へと反射伝達され、刃先部が振動されながら被切断材を効果的に切断する。すなわち、鋸刃による切断は、断続的な衝撃を伴うため、その際に生じる振動を利用し、刃先部の振動として切断することができるもので、該振動による切断は、刃先部と被切断材との接触時間を減らし、刃先部の昇温を抑えたり、微振動により切削屑を積極的に排出することで、切断抵抗が下がり、又、刃先部の酸化や摩耗を減少させ、結果として、刃先部の寿命が延びる。このように、切断時に生じる衝撃が利用され鋸刃自体で振動するので、工具には複雑な機構を設ける必要がなく、又、刃が往復運動する工具だけでなく刃が回転運動する丸鋸等の工具にも幅広く採用することができる。 【0007】本発明の請求項2記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動の周期と刃先部の振動の周期とが同期して、両者が共振関係で振動するように、振動反射中間部を調整して介設したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、切断時の衝撃によって生じる振動と共振して刃先部が振動されるので、刃先部と被切断材との間で生じた衝撃による振動エネルギーがより効果的に刃先部の振動とされる。 【0008】本発明の請求項3記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、鋸刃本体部と刃先チップとを別体に形成し、該刃先チップに刃先部と該刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった振動反射中間部とを設け、該振動反射中間部を介して同刃先チップを鋸刃本体部に接合一体化したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、鋸刃本体部とは別体に形成された刃先チップに振動反射中間部が設けられるので、鋸刃本体部の製造は簡単となり、刃先チップの材料選択肢が多くなって、該刃先チップに設けられる振動反射中間部の弾性係数の調整巾も広がり、同刃先チップの耐摩耗性を向上させて刃先部の寿命をより延長させることができる。 【0009】本発明の請求項4記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、鋸刃本体部と刃先部を有する刃先チップとを別体に形成し、該刃先チップを同刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった振動反射中間部となる結合部材を介して鋸刃本体部に接合一体化したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、刃先チップが鋸刃本体部とは別体に形成されるので、該鋸刃本体部の製造が簡単となり、又、同刃先チップの耐摩耗性を向上させて刃先部の寿命をより延長させることもでき、しかも、同鋸刃本体部に刃先チップを接合一体化する際に用いる結合部材が振動反射中間部として活用され、該振動反射中間部の弾性係数の調整巾も広がる。 【0010】本発明の請求項5記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、鋸刃本体部及び刃先部とは結晶性を変化させることによって弾性係数が異なった振動反射中間部を形成したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、結晶性を変化させることによって振動反射中間部が形成されるので、該振動反射中間部は別部材を使用することなく簡単に形成され、しかも、イオン種・照射エネルギー、熱処理条件等を変化させることにより、同振動反射中間部の弾性係数を容易に調整することができる。 【0011】本発明の請求項6記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、鋸刃本体部と刃先部との間にスリットを形成し、該スリットを振動反射中間部となしたことを特徴とする。したがって、この場合は特に、鋸刃本体部と刃先部との間に形成されるスリットが振動反射中間部となって、切断時の衝撃により生じる振動が刃先部へと直接的に反射伝達され、該刃先部の振動変位量も増大して振幅の大きな振動を得ることができる。 【0012】本発明の請求項7記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項6記載の振動切断用鋸刃において、振動反射中間部となるスリットに刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なった中間材を充填したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、上記スリットに充填される中間材の弾性係数を異ならせることによって、刃先部の振動数を容易に調整制御することができる。 【0013】本発明の請求項8記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、刃先部及び鋸刃本体部とは弾性係数が異なると共に、鋸刃本体部面方向での変形が鋸刃本体部厚さ方向での変形よりも大きく弾性変形するよう同弾性係数に異方性を有した材料で振動反射中間部を形成したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、刃先部が振動する際に、鋸刃本体部厚さ方向での変形が抑えられるので、鋸刃全体に異常振動が発生し難く、しかも、同刃先部は鋸刃本体部面方向で大きく弾性変形して効果的に振動するので、刃先部の被切断材との接触時間がより短くなって該刃先部の温度上昇が防止され、又、切削屑がスムーズに排出されて切断抵抗もより低減される。 【0014】本発明の請求項9記載の振動切断用鋸刃は、上記請求項1記載の振動切断用鋸刃において、切断時に複数の刃先部と被切断材との間の衝撃によって生じる振動の周期を20kHz以上に設定したことを特徴とする。したがって、この場合は特に、刃先部が高周波数で振動することになって、より効果的な振動切断を行うことができる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の請求項1、2に対応する一実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃は、鋸刃本体部1と複数の刃先部2とを有する振動切断用鋸刃であって、鋸刃本体部1と刃先部2との間に、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動を刃先部2側へと反射伝達させる振動反射中間部4を介設してなる。 【0016】この場合、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動の周期と刃先部2の振動の周期とが同期して、両者が共振関係で振動するように、振動反射中間部4を調整して介設している。すなわち、振動反射中間部4の形成材料やその形成方法等によって刃先部2の固有振動数を調整し、該刃先部2の振動の周期と衝撃によって生じる振動の周期(丸鋸回転刃である場合:衝撃周期(Hz)=回転数(rps) ×刃数(刃先部2の数))とを相互に共振関係となるように合わせている。 【0017】該振動切断用鋸刃は往復運動して被切断材3を切断するもので、X方向へ移動している際に被切断材3が切削されるものであるが、同振動切断用鋸刃を丸鋸回転刃として同様に形成しても良い。又、振動切断用鋸刃は全体が 0.6〜1.5 %Cの一般的な炭素鋼、例えば、SK5(JISG4401)で一体に形成され、刃先部2は同炭素鋼を焼き入れ硬化させて形成され、振動反射中間部4は同炭素鋼にイオン注入を施して形成されている。又、振動反射中間部4より外側で複数の刃先部2が連設されており、該複数の刃先部2は一体的に振動する。 【0018】なお、この場合は、炭素鋼に窒素、炭素等を注入して振動反射中間部4が形成されているが、振動反射中間部4は同炭素鋼にプレス加工を施してその内部に圧縮応力が生じるように形成しても良く、又、同炭素鋼に磁場をかけてその一部を磁化させて形成しても良い。又、鋸刃本体部1と刃先部2とを別体に形成し、両者をCr合金、W合金等の中間部材を介して接合一体化し、該中間部材を振動反射中間部4としても良い。又、刃先部2は炭素鋼を焼き入れ硬化させて形成されているが、鋸刃本体部1に超硬合金等の硬質材料でなるチップを接合固着して刃先部2を形成しても良い。 【0019】該振動切断用鋸刃で被切断材3を切断すると、該被切断材3に刃先部2が断続的に衝突して鋸刃自体に振動が生じる。該振動は、衝撃周波数と鋸刃の固有振動数により決定され、該鋸刃が固定されている工具へと伝達され減衰する。該振動エネルギーを利用すべく、鋸刃本体部1と刃先部2との間に弾性係数の異なる振動反射中間部4を介設し非線形振動とすることで、同刃先部2は自励振動することとなる。 【0020】特に、振動数が高い場合は、媒質の異なる部分での反射が大きいので、刃先部2と鋸刃本体部1との間に弾性係数の異なった振動反射中間部4を介設することで媒質を変え、微振動を反射させて刃先部2へと反射伝達させることができる。又、例えば、ヤング率が小さくて弾性変形し易い材料の場合には、衝撃による変位を直接に振幅とした振動が得られ、ヤング率の大きい材料とした場合には、より高い固有振動数による固有振動が得られる。これらの作用効果により、刃先部2には、微振動が伝達され、前記の如き振動切断によって軽切断、長寿命鋸刃が得られる。 【0021】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、鋸刃本体部1と刃先部2との間に介設される振動反射中間部4によって、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動が刃先部2側へと反射伝達され、刃先部2が振動されながら被切断材3を効果的に切断する。 【0022】すなわち、鋸刃による切断は、断続的な衝撃を伴うため、その際に生じる振動を利用し、刃先部2の振動として切断することができるもので、該振動による切断は、刃先部2と被切断材3との接触時間を減らして、刃先部2の温度上昇を抑えたり、微振動により切削屑9を積極的に排出することで切断抵抗も下がり、刃先部2の酸化や摩耗を減少させ、結果として、刃先部2の寿命が延びる。このように、切断時に生じる衝撃が利用され鋸刃自体で振動するので、工具には複雑な機構を設ける必要がなく、又、刃が往復運動する工具だけでなく刃が回転運動する丸鋸等の工具にも幅広く採用することができる。 【0023】又、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動の周期と刃先部2の振動の周期とが同期して、両者が共振関係で振動するように、振動反射中間部4を調整しており、切断時の衝撃によって生じる振動と共振して刃先部2が振動されるので、該刃先部2と被切断材3との間で生じた衝撃による振動エネルギーがより効果的に同刃先部2の振動とされる。 【0024】図2は、本発明の請求項1〜3に対応する別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1と刃先チップ5とを別体に形成し、該刃先チップ5に刃先部2と該刃先部2及び鋸刃本体部1とは弾性係数が異なった振動反射中間部4とを設け、該振動反射中間部4を介して同刃先チップ5を鋸刃本体部1に接合一体化している。 【0025】この場合、刃先チップ5の被切断材3と接触する刃先部2には、超硬合金、サーメット、セラミックス等の耐摩耗性に富んだ硬質材料が使用され、同刃先チップ5の鋸刃本体部1との接合部位となる振動反射中間部4には、Ni(Ni合金)、Co(Co合金)、Cu(Cu合金)、Al(Al合金)、Ti(Ti合金)、ステンレス等の同接合に適した材料が使用されて、該振動反射中間部4は同刃先チップ5を鋸刃本体部1に接合固着するための結合材を兼ねるものとなる。 【0026】又、刃先チップ5は、図3に示す如く、ホットプレス法によって製造され、すなわち、振動反射中間部4及び刃先部2となる各粉末状の材料をその組成比を決定してヒータ11で加熱されるホットプレス型12内に充填し、該ホットプレス型12によって加圧・加熱成形することで製造される。 【0027】該製造方法によると、刃先部2及び振動反射中間部4となる各材料の組成比や形状を任意に設定して所望の刃先チップ5を容易に製造することができ、又、刃先チップ5を鋸刃本体部1に接合固着するための結合材となる振動反射中間部4が同時に製造されることにもなる。又、該実施形態の振動切断用鋸刃は丸鋸回転刃となるもので、一般的な炭素鋼で略円盤状に形成された鋸刃本体部1の外周に突設される複数の凸段部10の片側面に刃先チップ5が各々、高周波加熱、電子ビーム、レーザービーム等によって接合固着される。 【0028】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1とは別体に形成された刃先チップ5に振動反射中間部4が設けられるので、鋸刃本体部1の製造は簡単となり、刃先チップ5の材料選択肢が多くなって、該刃先チップ5に設けられる振動反射中間部4の弾性係数の調整巾も広がり、同刃先チップ5の耐摩耗性を向上させて刃先部2の寿命をより延長させることができる。なお、該実施形態の振動切断用鋸刃においても、上記実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0029】図4は、本発明の請求項1、2、4に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1と刃先部2を有する刃先チップ5とを別体に形成し、該刃先チップ5を同刃先部2及び鋸刃本体部1とは弾性係数が異なった振動反射中間部4となる結合部材6を介して鋸刃本体部1に接合一体化している。この場合、刃先部2を有する刃先チップ5には、超硬合金、サーメット、セラミックス等の耐摩耗性に富んだ硬質材料が使用され、振動反射中間部4となる結合部材6には、Ni(Ni合金)、Co(Co合金)、Cu(Cu合金)、Ag(Ag合金)、ステンレス等の接合に適した材料が使用されている。 【0030】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、刃先チップ5が鋸刃本体部1とは別体に形成されるので、該鋸刃本体部1の製造が簡単となり、又、同刃先チップ5の耐摩耗性を向上させて刃先部2の寿命をより延長させることもでき、しかも、同鋸刃本体部1に刃先チップ5を接合一体化する際に用いる結合部材6が振動反射中間部4として活用され、該振動反射中間部4の弾性係数の調整巾も広がる。なお、それ以外は、上記図2に示した実施形態と同様に構成されており、上記同実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0031】図5、6は、本発明の請求項1、2、5に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1及び刃先部2とは結晶性を変化させることによって弾性係数が異なった振動反射中間部4を形成している。この場合、図5(a)に示す如く、鋸刃本体部1の外周に突設される凸段部10の部分の結晶性を変化させて振動反射中間部4を形成しても良く、又、図5(b)に示す如く、鋸刃本体部1の周方向にわたる凸段部10の根元部分の結晶性を変化させて振動反射中間部4を形成しても良い。又、結晶性を変化させる方法としては、図6に示す如く、鋸刃本体部1の側方から前記振動反射中間部4が形成されるべき部位に、イオンビームB(イオン種:N、C、O、Ti等)を照射したり、或いは、同部位を、加圧によって塑性変形させたり、磁場をかけて磁化させたり、熱処理を施して相変態させたりする方法がある。 【0032】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、結晶性を変化させることによって振動反射中間部4が形成されるので、該振動反射中間部4は別部材を使用することなく簡単に形成され、しかも、イオン種・照射エネルギー、熱処理条件等を変化させることにより、同振動反射中間部4の弾性係数を容易に調整することができる。なお、それ以外は、上記図2に示した実施形態と同様に構成されており、上記同実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0033】図7は、本発明の請求項1、2、6に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1と刃先部2との間にスリット7を形成し、該スリット7を振動反射中間部4となしている。この場合、鋸刃本体部1の外周部分の各凸段部10の間で刃先部2のすくい面の延長線上に外方及び両側方へ開口するようにスリット7は形成され、該スリット7は巾寸法が略 0.1〜1.0mm で刃先部2ら離れる方向へ略楔状となっている。又、同スリット7はレーザーにて形成されるもので、それ故に、その巾寸法、長さ寸法及び形状を正確に形成することができ、弾性係数の微調整が可能となる。 【0034】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部1と刃先部2との間に形成されるスリット7が振動反射中間部4となって、切断時の衝撃により生じる振動が刃先部2へと直接的に反射伝達され、該刃先部2の振動変位量も増大して振幅の大きな振動を得ることができる。なお、それ以外は、上記図2に示した実施形態と同様に構成されており、上記同実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0035】図8は、本発明の請求項1、2、6、7に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、振動反射中間部4となるスリット7に刃先部2及び鋸刃本体部1とは弾性係数が異なった中間材8を充填している。この場合、中間材8はNi(Ni合金)、Co(Co合金)、Cu(Cu合金)、Al(Al合金)、Ti(Ti合金)、ステンレス等でなり、メッキ法等によってスリット7内に充填されている。 【0036】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、スリット7に充填される中間材8の弾性係数を異ならせることで、刃先部2の振動数を容易に調整制御することができる。なお、それ以外は、上記図7に示した実施形態と同様に構成されており、上記同実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0037】図9は、本発明の請求項1、2、8に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、刃先部2及び鋸刃本体部1とは弾性係数が異なると共に、鋸刃本体部1面方向での変形が鋸刃本体部1厚さ方向での変形よりも大きく弾性変形するよう同弾性係数に異方性を有した材料で振動反射中間部4を形成している。この場合、振動反射中間部4は、結晶によって弾性係数に異方性を有する素材(Ta、Fe−Si、Fe−Cr等)、或いは、図10に示すように、鋸刃本体部1面方向で層状に縦弾性係数の小さい材料(Al、Cu、Zn等)を挿入してなる素材を、鋸刃本体部1面方向での変形が鋸刃本体部1厚さ方向での変形よりも大きく弾性変形するような向きにして、鋸刃本体部1と刃先部2の間に介設することにより形成されている。 【0038】したがって、該実施形態の振動切断用鋸刃においては、特に、刃先部2が振動する際に、鋸刃本体部1厚さ方向での変形が抑えられるので、鋸刃全体に異常振動が発生し難い。しかも、図11(a)に示す如く、刃先部2の突出方向、或いは、図11(b)に示す如く、刃先部2の並設方向に、同刃先部2は鋸刃本体部1面方向で大きく弾性変形して効果的に振動し、刃先部2の被切断材3との接触時間がより短くなって該刃先部2の温度上昇が防止され、又、切削屑9がスムーズに排出されて切断抵抗もより低減される。なお、それ以外は、上記図1に示した実施形態と同様に構成されており、上記同実施形態におけると同様の作用効果が奏される。 【0039】又、本発明の振動切断用鋸刃においては、上記いずれの実施形態の振動切断用鋸刃であっても、切断時に複数の刃先部2と被切断材3との間の衝撃によって生じる振動の周期を20kHz以上に設定することができる。例えば、丸鋸回転刃である場合、衝撃周期(Hz)=回転数(rps) ×刃数(刃先部2の数)となるので、刃数200の振動切断用鋸刃を100rpsで回転駆動させる工具として使用すれば良い。したがって、この場合は特に、刃先部2が高周波数で振動することになって、より効果的な振動切断を行うことができる。 【0040】 【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1記載の振動切断用鋸刃においては、切断時の衝撃による振動が振動反射中間部で刃先部側へと反射伝達され、これにより振動される同刃先部によって被切断材を効果的に切断することができ、この場合、鋸刃自体で振動することになって、工具には複雑な機構を設ける必要がなく、又、各種工具に幅広く採用することもできる。 【0041】又、本発明の請求項2記載の振動切断用鋸刃においては、特に、切断時の衝撃によって生じる振動と共振して刃先部が振動され、刃先部と被切断材との間で生じた衝撃による振動エネルギーがより効果的に刃先部の振動とされる。 【0042】又、本発明の請求項3記載の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部の製造が簡単となり、刃先チップに設けられる振動反射中間部の弾性係数の調整巾が広がり、刃先部の寿命をより延長させることもできる。 【0043】又、本発明の請求項4記載の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃本体部の製造が簡単となり、刃先部の寿命をより延長させることもでき、刃先チップを接合一体化する際に用いる結合部材が振動反射中間部として活用され、該振動反射中間部の弾性係数の調整巾も広がる。 【0044】又、本発明の請求項5記載の振動切断用鋸刃においては、特に、結晶性を変化させることによって振動反射中間部が簡単に形成され、しかも、該振動反射中間部の弾性係数を容易に調整することができる。 【0045】又、本発明の請求項6記載の振動切断用鋸刃においては、特に、スリットが振動反射中間部となって、切断時の衝撃により生じる振動が刃先部へと直接的に反射伝達され、該刃先部の振動変位量も増大して振幅の大きな振動を得ることができる。 【0046】又、本発明の請求項7記載の振動切断用鋸刃においては、特に、上記スリットに充填される中間材の弾性係数を異ならせることで、刃先部の振動数を容易に調整制御することができる。 【0047】又、本発明の請求項8記載の振動切断用鋸刃においては、特に、鋸刃全体に異常振動が発生し難く、しかも、刃先部が鋸刃本体部面方向で大きく弾性変形して効果的に振動し、該刃先部の被切断材との接触時間がより短くなって同刃先部の温度上昇が防止され、切断抵抗もより低減される。 【0048】又、本発明の請求項9記載の振動切断用鋸刃においては、切断時の衝撃によって生じる振動の周期が20kHz以上に設定され、刃先部が高周波数で振動することになって、より効果的な振動切断を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−239916 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−40721 |
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