| 【発明の名称】 |
フィンガーチャック |
| 【発明者】 |
【氏名】花井 輝男
【氏名】中島 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】把握径の変更にともない、カムアームのフィンガージョーを交換する際に、そのカムアームに適合するフィンガージョーのみが組み付くようにすることである。
【解決手段】チャック本体内に配設したスパイダーにカムアーム14の基端14aを回動可能に取付け、案内長孔24に前部ボディに設けた支持ピンを嵌合して、カムアーム14をチャック半径方向に傾動可能とする。カムアーム先端部14bに係合孔35とスプリングピン36を設け、このカムアーム14と適合するフィンガージョー29に係合孔35と対向するスプリングピン42を設け、スプリングピン36と対向する係合孔40を設ける。この係合孔35,40とスプリングピン42,36との係合により、カムアーム14のフィンガージョー29を変更するときには、カムアーム14には適合するフィンガージョーのみが組み合う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チャック本体に揺動可能に設けられたカムアームの先端に複数の把握径に対応してフィンガージョーが交換可能に設けられているフィンガーチャックにおいて、少なくともカムアームまたはフィンガージョーの何れか一方に係合部材を設け、他方に係合部材に係合する係合孔を設け、カムアームとそのカムアームに適合するフィンガージョーの組合せにおいてのみ係合部材と係合孔とが係合するように、係合部材と係合孔との係合位置を設定してあることを特徴とするフィンガーチャック。 【請求項2】 カムアームに設けた係合部材と係合孔とに夫々係合する係合孔と係合部材とをフィンガージョーに設けたことを特徴とする請求項1記載のフィンガーチャック。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、チャック本体に揺動可能に設けられたカムアームに複数の把握径に対応してフィンガージョーが交換可能に設けられているフィンガーチャックに関し、詳しくは、カムアームまたはフィンガージョーの一方に設けた係合部材と他方に設けた係合孔との係合により、適合するカムアームとフィンガージョーのみ組合せ可能としたフィンガーチャックに関する。 【0002】 【従来の技術】従来のフィンガーチャックを図1、図3、図4を参照して説明する。チャック本体4内に配設したスパイダー12にはチャック軸線方向へ摺動するドロースリーブ11が挿通されている。また、スパイダー12にはカムアーム14の基端14aが回動可能に連結され、このカムアーム14の案内長孔24にフィンガーチャック1の前部ボディ7に設けられた支持ピン23が嵌合されている。カムアーム先端部14bにはフィンガージョー29が締着固定されている。ドロースリーブ11の摺動によりスパイダー12がチャック本体4内をチャック軸線方向に移動することでカムアーム14が傾動かつ移動し、カムアーム先端部14bに取付けたフィンガージョー29によってワークを把握するようになっている。カムアーム先端部14bのフィンガージョー29は、把握すべきワークの外形寸法により、その外形寸法に対応したフィンガージョー29に交換されるようになっている。フィンガージョー29の交換は、図3に示すカムアーム14の前面に刻設されたカムアーム14を識別するための数字記号である識別刻印(ここではアーム種別”1”を示している)38とフィンガージョー29の前面に刻設された数字記号の識別刻印(ここでは取付けられるべき対応したアーム種別”1”を示す)44とによって、カムアーム14とフィンガージョー29との組合せが正しいか目視によって確認し、同一の識別刻印のものを組み合わせて行なっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記従来のものでは、ワークの外形寸法が変わり、それに伴いその外形寸法に対応したフィンガージョーに交換するときに、フィンガージョーとカムアームとに刻設された夫々の識別刻印により正しい組合せであるかを目視により確認して締着していた。しかし、識別刻印の目視による確認のみであるので、例えば、把握可能なワークの外形寸法が14,15,16インチに対応するフィンガーチャック(アーム種別”1”)と16,17,18インチに対応するフィンガーチャック(アーム種別”2”)とがあると、夫々16インチの把握径が重複し、一方のフィンガーチャックのカムアームにそのカムアームの16インチに対応するフィンガージョーを取付けるときに、間違えて他方のフィンガーチャックの16インチに対応するフィンガージョーを取付けてしまうことがあった。このように間違えてフィンガージョーを取付けるとワークを確実に把握することができない問題があった。本願発明の課題は、カムアームのフィンガージョーを交換するときに、カムアームの種別に対応して、間違いなく、フィンガーチャックのフィンガージョーを取付けることができるようにすることである。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、チャック本体に揺動可能に設けられたカムアームの先端に複数の把握径に対応してフィンガージョーが交換可能に設けられているフィンガーチャックにおいて、少なくともカムアームまたはフィンガージョーの何れか一方に係合部材を設け、他方に係合部材に係合する係合孔を設け、カムアームとそのカムアームに適合するフィンガージョーの組合せにおいてのみ係合部材と係合孔とが係合するように、係合部材と係合孔との係合位置を設定してある(請求項1)。 【0005】好適には、カムアームに設けた係合部材と係合孔とに夫々係合する係合孔と係合部材とをフィンガージョーに設ける(請求項2)。 【0006】 【発明の実施の形態】次に、本願実施の形態を図1から図4により説明する。フィンガーチャック1はアダプタ2を介して工作機械のスピンドル3にワークを把握する側が上方を向くように取付けられるようになっている。フィンガーチャック1のチャック本体4はカップ状の後部ボディ5と、後部ボディ5の前面に取付ボルト6で一体に固着されている板状の前部ボディ7(フロントプレート)から構成されている。後部ボディ5の中心部に固着されている案内スリーブ8のガイド孔9には、支持筒10を小径部11aにネジによって一体に設けたドロースリーブ11がチャック1軸線方向へ摺動自在に挿入されている。 【0007】ドロースリーブ11の小径部11aにはスパイダー12が挿通されており、スパイダー12とドロースリーブ11の大径部11bとの間には球面座13が介装され、この球面座13を介してスパイダー12がドロースリーブ11に対して三次元的に僅かに傾動自在となっている。スパイダー12は外周を3等分する位置の連結部12aが後部ボディ5の開口部5aを貫通してチャック本体4から半径方向外方へ突出されている。このスパイダー12の連結部12aにはカムアーム14の基端14aが連結ピン15により枢着してある。 【0008】前部ボディ7の中央部には取付部材16が取付けられ、取付部材16の中心孔には後面に回止部材17を一体に備えた支持部材18が軸方向移動自在に案内されている。支持部材18にはドロースリーブ11の大径部11bを摺動案内する支持孔20が設けられており、この支持孔20は支持部材18に螺着された閉鎖部材21により塞がれ、前記支持部材18、回止部材17と共に軸方向に所定量移動するようになっている。閉鎖部材21の前面には図示しない治具が取付けられる。この閉鎖部材21と支持部材18と回止部材17とは、ワークが取付けられていないときドロースリーブ11に設けられた空気供給路11cから供給される空気により上方に付勢されており、ワークが取付けられるとワークの重量により下がり、治具によりワークの心出しが行なわれる。また、前部ボディ7の外周部には、スパイダー12の連結部12aと対向する位置に径方向に開口する嵌合溝22が夫々形成されている。また、前部ボディ7の嵌合溝22が形成された部分には支持ピン23が設けられ、この支持ピン23をカムアーム14の中間部に設けられたくの字形に屈曲した案内長孔24に摺動自在に嵌装してあり、カムアーム14を傾動かつ前後移動可能に支持している。また、前部ボディ7の前端面7aには支持体25が設けられ、この支持体25にアルミホイール等のワークを受ける受座26が着脱可能に取付けられている。 【0009】次にカムアーム14について図2,図3により説明する。カムアーム14の両側面には前部ボディ7の前端面7aとの位置によりワークが正常把握状態で把握されているかを確認するための凹溝27が形成されている。また、案内長孔24の端部には切粉排出用の切粉排出面28が形成されている。カムアーム14の先端部14bにはフィンガージョー29をカムアーム14に螺着固定するための取付ボルト30を挿入するための挿入孔31が設けられている。また、図2,図3においてカムアーム14の先端部14bの下側にはフィンガージョー29の凸部32が嵌合する凹部33が形成されている。この凹部33の幅方向中心には嵌合孔34と係合孔35とが形成されており、嵌合孔34には係合部材であるスプリングピン36が自身の弾性により嵌合している。カムアーム14の係合孔35とスプリングピン36が設けられる位置は、把握径範囲が異なる別種のカムアーム14A(図2下図)の係合孔35Aとスプリングピン36Aが設けられる位置と図2に示すように夫々異なる位置となっている。カムアーム14の前側傾斜面14cには、このカムアーム14に適合する複数のフィンガージョー29を螺着固定した場合に対応(把握)可能なワークの外形寸法を示す寸法刻印37が例えば14,15,16(インチ)と数字により刻設されている。さらにカムアーム14の前側垂直面14dにはカムアーム14を識別するための数字記号である識別刻印38(例えば図3において”1”)が刻設されている。 【0010】次にフィンガージョー29について図2,図4により説明する。フィンガージョー29には取付ボルト30が螺合されるねじ部39が設けられている。図2においてフィンガージョー29の上側には凸部32が設けられている。この凸部32の幅方向中心にはカムアーム14にフィンガージョー29を固着するときにカムアーム14の嵌合孔34と対向する位置に係合孔40が形成されており、カムアーム14の係合孔35と対向する位置に嵌合孔41が形成されている。フィンガージョー29の嵌合孔41にはカムアーム14の嵌合孔34と同様にスプリングピン42が嵌合されている。また、フィンガージョー29の前側垂直面29aには対応するワークの外形寸法を示す寸法刻印43(例えば図4において”16”)と、適合するカムアーム14に刻設された識別刻印38の数字記号と同一の識別刻印44(図4において”1”)とが刻設されている。フィンガージョー29とカムアーム14とに夫々設けられた係合孔35,40はスプリングピン36,42の外形より僅かに大きい内径となっている。尚、カムアーム14に適合するフィンガージョーでは、同一の識別刻印が刻設され、対応する把握径が異なるものであっても、全て同じ位置に係合部材と係合孔とが設けられている。45はカムアーム14の開放状態でスパイダー12をチャック1軸線方向と直交する姿勢に保持するブロックである。 【0011】把握するワークの外径寸法が変わるとそれに伴いその外径寸法に対応した把握径となるように、カムアーム先端部14bのフィンガージョー29はその外形寸法に対応したものに交換される。作業者はフィンガージョー29交換のときにはカムアーム14の前側傾斜面14cに刻設された対応可能な把握径と前側垂直面14dの識別刻印38を目視により確認し、フィンガージョー29の前側垂直面29aに刻設されている把握径と識別刻印44とを確認し、カムアーム14の識別刻印38と同じ識別刻印44のフィンガージョー29をカムアーム14に取付ける。このカムアーム14へフィンガージョー29を取付けるときには、カムアーム14のスプリングピン36がフィンガージョー29の係合孔40に係合し、カムアーム14の係合孔35にフィンガージョー29のスプリングピン42が係合する。 【0012】このスプリングピン36,42と係合孔40,35との係合により、把握径範囲が異なるフィンガーチャックの同一把握径が刻印されているフィンガージョーを間違えて取付ようとしても、例えば、図2に示すように把握可能な把握径範囲が異なる14,15,16インチ用のカムアーム14と16,17,18インチ用のカムアーム14Aとではスプリングピン36,42,36A,42A位置と係合孔35,40,35A,40A位置とが夫々異なるのでカムアーム14にカムアーム14Aのフィンガージョー29Aが取り付くことがない。また、カムアーム14とフィンガージョー29とに夫々スプリングピン36,42と係合孔35,40とを設けたので、従来の係合孔とスプリングピンとが設けられていないカムアームとフィンガージョーとを一緒に使用していてもスプリングピン36,42により、適合しないカムアームとフィンガージョーとを一体に取付けようとしても、スプリングピン36,42の突出により適合しないカムアームとフィンガージョーとが一体に組付くことが防止される。 【0013】尚、本願実施の形態において、カムアームとフィンガージョーに係合部材を別部材として植設しているが、カムアームとフィンガージョーに一体に形成しても良く、係合部材と係合孔の形状は相補形状であればどのような形状でも良いことは言うまでもない。また、取付ボルト30の挿入孔31とねじ部39の位置を換えることで適合するカムアームとフィンガージョーのみを組み合うようにすることも可能であるが、例えば、取付ボルト30の位置を嵌合する先端部分に近づけたときには、取付ボルト30にかかるモーメントが大きくなり、取付ボルト30が破損する恐れがあり、好ましくない。 【0014】 【発明の効果】以上のように本願では、カムアームまたはフィンガージョーの何れか一方に係合部材を設け、他方に係合部材が係合する係合孔を設けたので、適合するカムアームとフィンガージョーとの組合せのみ、カムアームとフィンガージョーとが組み付き、適合しないカムアームとフィンガージョーとが組み付くことが防止できる。これにより、確実なワークの把持が行なえる。また、カムアームとフィンガージョーとに夫々係合孔と係合部材とを設けることで、従来の係合孔と係合部材とを備えていないフィンガーチャックと一緒に使用しても、適合しないカムアームとフィンガージョーとでは組付くことがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000241588 【氏名又は名称】豊和工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月20日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−123606 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月11日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−306663 |
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