| 【発明の名称】 |
工具ホルダ |
| 【発明者】 |
【氏名】溝口 春機
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| 【要約】 |
【課題】切削工具に対する締付け力解除の作業性が容易な工具ホルダを得る。
【解決手段】ホルダ本体1、コレット10、中間ロッド15、クランプボルト25、プルスタッド30から構成された工具ホルダ。コレット10と中間ロッド15とは一体的にねじ結合されている。コレット10はクランプボルト25を矢印a方向に正転させることで中間ロッド15を介してホルダ本体1内に引き込まれ、切削工具40を圧着保持する。このとき、クランプボルト25の頭部26はホルダ本体1の段差面4cに面摩擦で圧接して回転する。一方、締付けを解除するとき、クランプボルト25を逆転させる。このとき、クランプボルト25は頭部26とホルダ本体1の中心孔4の間に挿入した鋼球6を介してころがり摩擦で回転し、コレット10が前方に押し出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 後部に工作機械の主軸に装着されるテーパシャンク部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の前部に形成されたテーパ孔部に装着され、後方に付勢されることで切削工具の保持力を生じるコレットと、前記コレットの後部に連結された状態で前記ホルダ本体の中心孔内に軸方向に移動可能に装着されたロッドと、前記ロッドの後部に螺着された状態で前記ホルダ本体の中心孔に後方から挿入され、正転させることでロッドを介してコレットに締付け力を付与し、逆転させることでコレットの締付け力を解除させるクランプボルトと、を備え、前記クランプボルトの頭部はホルダ本体の内面に対して、正転時には面摩擦で圧接し、逆転時にはころがり摩擦で圧接すること、を特徴とする工具ホルダ。 【請求項2】 後部に工作機械の主軸に装着されるテーパシャンク部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の前部に形成されたテーパ孔部に装着され、後方に付勢されることで切削工具の保持力を生じるコレットと、前記コレットの後部に螺着された状態で前記ホルダ本体の中心孔に後方から挿入され、正転させることでコレットに締付け力を付与し、逆転させることでコレットの締付け力を解除させるクランプボルトと、を備え、前記クランプボルトの頭部はホルダ本体の内面に対して、正転時には面摩擦で圧接し、逆転時にはころがり摩擦で圧接すること、を特徴とする工具ホルダ。 【請求項3】 後部に工作機械の主軸に装着されるテーパシャンク部を有し、中心孔の前部に切削工具のテーパシャンク部が挿入されるテーパ孔部を有するホルダ本体と、前記切削工具の後部に螺着された状態で前記ホルダ本体の中心孔に後方から挿入され、正転させることで切削工具のテーパシャンク部にホルダ本体のテーパ孔部への圧接力を付与し、逆転させることで圧接力を解除させるクランプボルトと、を備え、前記クランプボルトの頭部はホルダ本体の内面に対して、正転時には面摩擦で圧接し、逆転時にはころがり摩擦で圧接すること、を特徴とする工具ホルダ。 【請求項4】 前記クランプボルトの頭部は、正転時には前方面部がホルダ本体の中心孔に形成した段差面に圧接し、逆転時にはホルダ本体の内周面に設けた回転自在な鋼球に圧接することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の工具ホルダ。 【請求項5】 前記クランプボルトの頭部は、ころがり摩擦で鋼球を介してホルダ本体の内周面に圧接するカラーが分離されていることを特徴とする請求項4記載の工具ホルダ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、工具ホルダ、詳しくは、ドリルやエンドミル等の切削工具を工作機械の主軸に装着するための工具ホルダに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、工具ホルダとしては、図5に示すものが提供されていた。この工具ホルダは、引込みタイプとして構成されたもので、本体1と、スプリングコレット10と、中間ロッド15と、クランプボルト20と、プルスタッド30とで構成されている。本体1の軸心部には先端から後端に貫通する中心孔4が形成されている。コレット10は中心孔4の前部テーパ孔部4aに装着され、後方(矢印A方向)に付勢されることで切削工具40のシャンク部40aを圧着保持する。ロッド15の前部はコレット10の後部に結合され、後部にはクランプボルト20が螺着している。 【0003】この工具ホルダにおいては、クランプボルト20を矢印a方向に正転させることで、ロッド15を介してコレット10を後方に引き込み、コレット10に切削工具40に対する締付け力を付与する。工具40を取り出す際には、クランプボルト20を矢印aとは逆方向に回転させることで、コレット10の締付け力を解除する。なお、クランプボルト20を回転させるには、プルスタッド30を取り外して、図示しないL形レンチをボルト頭部21の六角孔22に嵌合するか、プルスタッド30を装着した状態でL形レンチを貫通孔31から挿入して六角孔22に嵌合して行われる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の構成からなる工具ホルダにおいて、クランプボルト20を正/逆回転させるトルクに関しては、工具締付け時(コレット引込み時)よりも締付け解除時(コレット押出し時)の方が増大する。これは、クランプボルト20を正転させてコレット10を引き込んだときに、コレットテーパ部10aと本体テーパ孔部4aとに喰い付き現象が発生するからである。 【0005】従って、工具取り外し時にクランプボルト20を逆転させてもテーパ部10aとテーパ孔部4aとの結合が離れず、この結合を解除するにはクランプボルト20の頭部21を後方から衝撃を加えてコレット10を叩き出す必要がある。しかし、これでは作業性が悪いという問題点を有している。 【0006】そのため、プルスタッド30の先端面30aとクランプボルト20の頭部21とを近接して位置させ、プルスタッド30を本体1に装着した状態でL形レンチを貫通孔31から挿入してクランプボルト20を逆転させる方法が提案されている(特開平8−150504号公報参照)。この方法では、クランプボルト20を逆転させると、頭部21がプルスタッド30の先端面30aに圧接し、コレット10が前方に押し出され、テーパ部10aとテーパ孔部4aとの結合が解除されることになる。 【0007】しかし、この方法においては、解除時に頭部21とプルスタッド先端面30aとが面摩擦で圧接するため、クランプボルト20を逆転させるのに非常に大きなトルクを必要とし、作業が困難であるという問題点を有している。 【0008】そこで、本発明の目的は、切削工具に対する締付け力解除の作業性が容易な工具ホルダを提供することにある。 【0009】 【発明の要旨及び効果】以上の目的を達成するため、本発明に係る工具ホルダは、後部に工作機械の主軸に装着されるテーパシャンク部を有するホルダ本体と、このホルダ本体の前部に形成されたテーパ孔部に装着され、後方に付勢されることで切削工具の保持力を生じるコレットと、このコレットの後部に連結された状態でホルダ本体の中心孔内に軸方向に移動可能に装着されたロッドと、このロッドの後部に螺着された状態でホルダ本体の中心孔に後方から挿入され、正転させることでロッドを介してコレットに締付け力を付与し、逆転させることでコレットの締付け力を解除させるクランプボルトとを備え、クランプボルトの頭部はホルダ本体の内面に対して、正転時には面摩擦で圧接し、逆転時にはころがり摩擦で圧接することを特徴とする。前記ロッドを省略し、クランプボルトをコレットの後部に直接螺着させてもよい。 【0010】以上の本発明においては、コレットの締付け力を解除する際、クランプボルトを逆転させると、クランプボルトの頭部はホルダ本体の内面に対してころがり摩擦で圧接し、コレットが前方に押し出される。ころがり摩擦は面摩擦に比べて摩擦抵抗が格段に小さく、小さいトルクでクランプボルトを逆転させることができる。 【0011】従って、本発明によれば、切削工具を取り外す際にクランプボルトを逆転させるトルクが小さくて済み、かつ、クランプボルトを叩き出さなくても回転だけでコレットを押し出して締付け力を解除でき、作業性が良好である。 【0012】さらに、本発明に係る工具ホルダは、コレットを用いることなく、ホルダ本体は前部に切削工具のテーパシャンク部が挿入されるテーパ孔部を有するものであっても、前記同様の作用効果を奏することができる。このものでは、クランプボルトは切削工具の後部に直接螺着されるか、ロッドを介して切削工具に結合されることになる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る工具ホルダの実施形態について添付図面を参照して説明する。 【0014】(第1実施形態、図1、図2参照)図1において、本発明の第1実施形態である工具ホルダは、ホルダ本体1と、スプリングコレット10と、中間ロッド15と、クランプボルト25と、プルスタッド30とで構成されている。 【0015】ホルダ本体1は、矢印A方向の後部に工作機械の主軸に挿入されるテーパシャンク部2を備え、中間部にマニュピレータ保持部3を備え、前後に貫通する中心孔4が形成されている。中心孔4の前部内周面にはテーパ孔部4aが形成されている。 【0016】スプリングコレット10は、テーパ部10aを有する割り爪部11とねじ部12を有し、ホルダ本体1の中心孔4に前方から挿入されている。テーパ部10aがホルダ本体1のテーパ孔部4aに圧着することで割り爪部11が内方に撓み、切削工具40のシャンク部40aを保持する。中間ロッド15は前部外周面にねじ部16を形成し、中心孔17の後部にねじ部18を形成したもので、外周面には軸方向に溝部19が形成されている。この中間ロッド15はねじ部16をコレット10のねじ部12に螺着してコレット10と一体的に結合され、ホルダ本体1の中心孔4に挿入されている。そして、ホルダ本体1の外周面から螺着されたガイドねじ14の先端が溝部19に係合することによって、軸方向には移動可能かつ回転はしない状態にセットされる。 【0017】クランプボルト25は、頭部26とねじ部29とを有し、ホルダ本体1の中心孔4に後方から挿入され、ねじ部29が前記中間ロッド15のねじ部18に螺着している。頭部26には六角孔27が形成されると共に、外周面には断面略半円形の環状溝部28が形成されている。一方、ホルダ本体1の中心孔4には溝部28と対向する位置に断面半円形の環状溝部5が形成され、溝部5,28に複数の鋼球6が装着されている。鋼球6を装着するため、ホルダ本体1には溝部5から外周面に連通する孔(図示せず)が形成されており、クランプボルト25を中心孔4に挿入した後、連通孔を通じて鋼球6を溝部5,28に装着する。連通孔は鋼球6の装着した後、図示しないピンを螺着することで塞がれる。 【0018】プルスタッド30は、貫通孔31を有し、先端ねじ部32をホルダ本体1の中心孔4の後部に形成したねじ部4bに螺着したものである。このプルスタッド30は、ホルダ本体1が工作機械の主軸に挿入されたとき、主軸内のクランプ機構によって引き込まれる。これにて、テーパシャンク部2が主軸のテーパ孔部に圧着されることになる。 【0019】以上の構成からなる工具ホルダにおいて、切削工具40の着脱は以下のようにして行われる。まず、切削工具40のシャンク部40aをコレット10内に所定量挿入し、L形レンチを用いて、プルスタッド30を取り外した状態で、あるいはプルスタッド30を取り付けた状態であれば貫通孔31からL形レンチを挿入して、L形レンチの先端をクランプボルト25の六角孔27に嵌合し、クランプボルト25を矢印a方向に正転させる。このとき、頭部26は前方面部26aが中心孔4に形成した段差面4cに面摩擦で圧接し(図2参照)、中間ロッド15を介してコレット10が後方に付勢される。これにてコレット10のテーパ部10aがホルダ本体1のテーパ孔部4aに圧着し、割り爪部11が切削工具40のシャンク部40aを締め付けて保持する。このとき、鋼球6と溝部28との間には間隙αが存在し(図2参照)、鋼球6の摩擦抵抗は微々たるものである。 【0020】一方、切削工具40を取り外す際には、前記締付け時と同様にL形レンチを用いてクランプボルト25を矢印aとは逆方向に回転させる。この種の工具ホルダでは、前述のように、コレット10を引き込んだときにテーパ孔部4aとテーパ部10aに喰い付き現象を生じ、両者を離脱させるのに大きなトルクを必要とする。本第1実施形態では、クランプボルト25を逆転させると、ボルト25が後方(矢印A方向)へ移動しようとするが、溝部28の一側面28aが鋼球6と圧接し、ボルト25は後方への移動を阻止された状態で逆転する。これにて、中間ロッド15と共にコレット10が前方に押し出され、割り爪部11による切削工具40に対する締付けが解除される。この逆転時における鋼球6と溝部28,5とはころがり摩擦で圧接するため、摩擦抵抗は非常に小さい。即ち、テーパ孔部4aとテーパ部10aとの喰い付き現象を離脱させるためのトルクは、摩擦抵抗が低いことにより従来と比較して小さく、及び、クランプボルト25を叩いて喰い付きを解除したりする必要なく、コレット10の締付け力を解除でき、作業性は良好である。 【0021】(第2実施形態、図3参照)本第2実施形態は、前記クランプボルト25の頭部26からカラー50を分離したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。従って、図3において図1と同一部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。カラー50は、貫通孔51を有し、外周面には断面半円形の環状溝部52が形成されている。鋼球6は溝部52とホルダ本体1の環状溝部5とに挿入されており、カラー50は鋼球6を介して回転自在であり、かつ、軸方向には移動することはない。 【0022】この第2実施形態において、切削工具40の着脱はカラー50の貫通孔51を通じてL形レンチの先端をクランプボルト25の六角孔27に嵌合し、クランプボルト25を正転/逆転させて行うことは前記第1実施形態と同様である。締付け力を解除する際、クランプボルト25は間隙βだけ後方へ移動し、頭部26の後端面とカラー50の前端面とが面摩擦で圧接し、この摩擦抵抗でカラー50がクランプボルト25と一体的に回転する。カラー50がクランプボルト25と面摩擦で一体化するとクランプボルト25の後退は阻止され、鋼球6によるころがり摩擦でクランプボルト25及びカラー50が一体的に逆転し、コレット10が前方に押し出されて切削工具40に対する締付け力を解除する。 【0023】(第3実施形態、図4参照)本第3実施形態も引込みタイプの工具ホルダであるが、切削工具45をコレットではなく、ホルダ本体60の中心孔64に形成したテーパ孔部64aで直接保持する点で前記第1、第2実施形態と異なっている。切削工具45はテーパ孔部64aと嵌合するテーパシャンク部46を有し、後部にはねじ部47が形成されている。 【0024】クランプボルト55は図1に示したクランプボルト25と同様に、六角孔57と環状溝部58を形成した頭部56とねじ部59とからなり、ねじ部59は切削工具45のねじ部47に螺着している。また、溝部58とホルダ本体60の中心孔64の内周面に形成した環状溝部65には鋼球6が装着されている。 【0025】締付け時において、クランプボルト55を矢印a方向に正転させると、頭部56がホルダ本体60の中心孔64に形成した段差面64cと面摩擦で圧接すること、及び、解除時において逆転させると、頭部56が鋼球6を介して溝部65ところがり摩擦で圧接することは前記第1、第2実施形態と同様である。 【0026】なお、本第3実施形態においても、前記第2実施形態に示したように、クランプボルト55の頭部56からカラーを分離してもよい。また、クランプボルト55を中間ロッドを介して切削工具45の後部に結合してもよい。 【0027】(他の実施形態)なお、本発明に係る工具ホルダは前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲で種々に変更することができる。特に、ホルダ本体の構成や主軸への取付け構造、コレットの形状等は任意である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591286982 【氏名又は名称】株式会社エムエスティコーポレーション
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森下 武一
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| 【公開番号】 |
特開平11−42506 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−203554 |
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