| 【発明の名称】 |
導電ペースト用ニッケル粉末とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】石山 直希
【氏名】次田 康裕
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| 【要約】 |
【課題】粒子形状が球状で単分散性にすぐれた導電ペースト用ニッケル粉末を提供する。
【解決手段】硫黄を含有する雰囲気中にて、塩化ニッケルの蒸気に気相還元反応を行わせることにより、粒径が0.1μm〜1.0μmで、硫黄を500ppm〜2000ppm含有し、該硫黄が表面部分に存在する球状ニッケル粉末を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒子形状が球状で、粒径が0.1μm〜1.0μmで、500ppm〜2000ppmの硫黄を含有することを特徴とする導電ペースト用ニッケル粉末。 【請求項2】 硫黄が主として表面部分に存在する請求項1に記載の導電ペースト用ニッケル粉末。 【請求項3】 硫黄を含有する雰囲気中にて、塩化ニッケルの蒸気に気相還元反応を行わせることにより、粒子形状が球状で、粒径が0.1μm〜1.0μmで、硫黄を500ppm〜2000ppm含有し、該硫黄が主として表面部分に存在する導電ペースト用ニッケル粉末を製造する方法。 【請求項4】 硫黄を含有する雰囲気がH2Sおよび/またはSO2で形成されることを特徴とする請求項3に記載の導電ペースト用ニッケル粉末の製造方法。 【請求項5】 塩化ニッケルが硫黄含有化合物を含み、塩化ニッケルの蒸発とともに硫黄含有化合物が分解してSO2ガスおよび/またはH2Sガスを発生することを特徴とする請求項3または4に記載の導電ペースト用ニッケル粉末の製造方法。 【請求項6】 塩化ニッケルが硫黄含有化合物を含み、塩化ニッケルの高温加水分解反応により生成したHClガスと硫黄含有化合物が反応してSO2ガスおよび/またはH2Sガス を発生することを特徴とする請求項3または4に記載の導電ペースト用ニッケル粉末の製造方法。 【請求項7】 気相還元反応における塩化ニッケル濃度を0.1g/リットル〜5.0g/リットルとし、かつ反応温度を800℃〜1300℃とすることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の導電ペースト用ニッケル粉末の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、導電ペースト用金属ニッケル粉末に関し、特に、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の内部電極を形成するために用いられるニッケルペーストの構成成分であるニッケル粉末の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】電子機器具の高性能化、小型化、高容量化、高周波化に伴い、電子回路の設計において多層化、薄層化ならびに異種材料による高積層化が、急激に進んでいる。 【0003】特に積層セラミックコンデンサーの小型化と高積層化に伴い、電極材料の卑金属化が進められ、従来のPd系からPd−Ag系への移行も進んでおり、さらに低価格化のために電極材料としてNi系への転換が急激に進んでいる。 【0004】積層セラミックコンデンサー製造に用いられるニッケルペーストは、電極膜を形成する成分としてのニッケル粉末と、セルロース系樹脂、ターピネオール等の有機バインダーをスリーロールミルによって混練することにより製造される。特に積層数の多い高容量の積層セラミックコンデンサーでは、内部電極の薄層化が必要で、1μm前後の薄さが要求される。そのためには、内部電極用導電ペーストには、乾燥した電極膜の表面における凹凸が小さく、薄く平滑な電極面が得られ、焼成後には電極膜のボイドが少なく、大きな有効面積の得られることが必要不可欠である。そのために、セラミックコンデンサーの小型化と高積層化においては、電極材料としてのニッケル粉末の要求特性が益々厳しくなっている。 【0005】特に、セラミックコンデンサーの製造過程において、誘電体と電極材料であるニッケル粉末含有ペーストを積層、焼結する際に、ニッケル粉末の粒子形状、粒径、粒度分布、分散性、充填性、結晶性が、焼結特性に影響するので、歩留まりに大きく影響する。すなわち、断線の無い内部電極を歩留まり良く製造するためには、ニッケル粉末の要求特性として、粒子形状は球状で、粒径は0.1μm〜1.0μmであり、ペーストを塗布する場合には、分散性が良く、さらに焼結においては充填性や結晶性が良好なことが必要である。 【0006】このようなニッケル粉末の製造法には種々の方法が知られているが、セラミックコンデンサーの内部電極用ニッケルペーストに用いるのに適した粉末の製造方法として大きく2つに分類できる。 【0007】(1)粉末またはガス状のニッケル化合物を熱分解するか、あるいは水素還元する方法、および(2)ニッケル塩含有溶液から還元によって得る方法が、知られている。 【0008】しかし(2)の金属塩溶液の還元では、粒子形状が球状で粒径が0.1μm〜1.0μmのニッケル粉末を得ることは可能だが、低温での反応(例えば水溶液なら100℃以下)であるため、得られるニッケル粉末は微細な結晶粒子の集合体として得られる場合が多く、結晶性が劣る。そのため、酸化されやすく、かつニッケル粉末の真密度が低いため、乾燥した電極膜の高密度化を満足することが出来ない。 【0009】結晶性の高いニッケル粉末を得るためには(1)の製造方法が有利である。特に、ニッケル塩溶液をミストにして熱分解する噴霧熱分解法や、ニッケル塩蒸気を水素ガスで還元する化学気相反応法(CVD法)は、1000℃以上の反応で単分散粒子を製造できるため、結晶性が他の製造方法に比べ高くなることが予想される。しかし、高温下での還元反応では、ニッケルの場合、結晶性の向上と共に、晶壁面の生成が起こりやすくなる傾向があり、球状のニッケル粉末を得るためには反応条件を厳密にコントロールする必要があった。 【0010】例えば、特開平4−45207公報および、特開平4−365806公報等に導電ペーストフィラー用球状ニッケル超微粉の製造方法が開示されている。特開平4−365806公報では、塩化ニッケルの蒸気と水素との化学気相反応(CVD法)において、反応温度を1004℃〜1453℃にし、かつ塩化ニッケルの蒸気濃度(分圧)を0.05〜0.3に限定することで球状ニッケル超微粉を製造できると示されている。このニッケル超微粉の粒子形状は、反応温度と塩化ニッケル蒸気濃度に依存しており、また粒子の成長速度に依存しているものと考えられる。しかし、量産規模で大量な製造を行う行程では、粒子の成長速度を厳密にコントロールすることが難しくなる。そしてこのようなコントロールは、反応装置のコスト高、更には製品の製造コスト高を引き起こすため、粒子形状が球状に制御されたニッケル粉末を量産規模で低コストで生産することが困難であるという問題点があった。 【0011】さらに、晶癖の発生を防止するための粒子形状の制御方法について検討する必要がある。晶癖面を有した粒子が存在すると、この粉末をペーストにして内部電極として塗布したとき、電極膜の充填性が悪化して、焼結時の電極膜の収縮量が大きくなり、このために電極膜の断線が生じやすくなる。特に電極膜の薄層化を実現するためにはできるかぎり電極膜の密度を高くする必要がある。そのためには粒子形状は球状で、粒径は0.1μm〜1.0μmに制御された、ペースト分散性が良く、さらに焼結においては、充填性、結晶性が良好なニッケル粉末が強く求められている。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点を解決するために、粒径が0.1μm〜1.0μmで、かつ粒子形状が球状で、単分散性にすぐれた結晶性の高い導電ペースト用ニッケル粉末およびその製造方法を提供することを課題とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の導電ペースト用ニッケル粉末は、粒子形状が球状で、粒径が0.1μm〜1.0μmで、500ppm〜2000ppmの硫黄を含有する。この場合、硫黄は主として表面部分に存在すればよい。 【0014】本発明の製造方法は、一態様では、硫黄を含有する雰囲気中にて、塩化ニッケルの蒸気に気相還元反応を行わせることにより、粒子形状が球状で、粒径が0.1μm〜1.0μmで、硫黄を500ppm〜2000ppm含有する導電ペースト用ニッケル粉末を製造し、このとき、気相還元反応に用いるガスが水素ガスで、硫黄を含有する雰囲気が硫黄含有化合物ガス(例えば、H2S および/またはSO2 )で形成されることが好ましい。硫黄が主として表面部分に存在する粒子を作製できる。 【0015】また、本発明の製造方法は、別の態様では、塩化ニッケル中に、NiS、Ni3S2あるいはNiSO4などの硫黄含有化合物を含み、塩化ニッケルの蒸発とともに硫黄含有化合物が分解してSO2ガスおよび/またはH2Sガスを発生するか、または塩化ニッケルの高温加水分解反応により生成したHClガスと硫黄含有化合物とが反応し、SO2ガスおよび/またはH2Sガスを発生することが好ましい。 【0016】塩化ニッケルの蒸気濃度は、0.1g/リットル〜5.0g/リットルで、かつ反応温度を800℃〜1300℃とすることが好ましい【0017】 【発明の実施の形態】上記の課題を達成するために、塩化ニッケルの蒸気と水素の化学反応によりニッケル粉末を製造する方法において、硫黄含有雰囲気下でニッケル粉末を生成させることで、ニッケル粉末の粒子表面の少なくとも一部を硫化させると共に、ニッケル粉末の球状化を促進することを基本とする。微量の硫黄がニッケル粉末の各粒子中に存在することにより、晶壁面の発生を防止でき、球状でかつ結晶性の良好なニッケル粉末を製造できる。以下詳細に説明する。 【0018】本発明では、塩化ニッケルの蒸気を水素ガスで還元してニッケル粉末を製造する方法において、生成したニッケル粉末に含まれる硫黄の含有量が500ppm〜2000ppmの範囲内になるように硫黄含有気流中にて水素ガスと塩化ニッケル蒸気との間で化学気相反応を行わせる。これにより、粒径が0.1μm〜1.0μmで、硫黄を500ppm〜2000ppm含有した球状ニッケル粉末を製造できる。 【0019】硫黄含有雰囲気は、硫黄含有化合物ガス(例えば、H2Sおよび/またはSO2)で形成することが望ましい。この場合、キャリヤーガスとしてのN2あるいはArガス中にH2Sおよび/またはSO2を含有させてもよく、あるいは還元ガスとしてのH2ガス中にH2Sおよび/またはSO2を含有させてもよい。また、塩化ニッケル中に、NiS、Ni3S2あるいはNiSO4などの硫黄含有化合物を添加混合してもよい。この場合、塩化ニッケル中に含まれる硫黄含有化合物が、塩化ニッケルの蒸発と共に硫黄含有化合物が分解し、または塩化ニッケルの高温加水分解反応により生成したHClガスと反応し、SO2ガスやH2Sガスを発生する。 【0020】塩化ニッケルの蒸発は、その濃度を0.1g/リットル〜5.0g/リットルとし、かつ反応温度を800℃〜1300℃で反応させることが望ましい。 【0021】塩化ニッケル蒸気源として塩化ニッケル粉末を用いるのが好ましい。塩化ニッケル粉末は無水塩、含水塩のいずれを用いても良いが、含水塩を用いる場合は昇温時にH2Oが発生するので、無水塩の利用が好ましい。含水塩の利用が避けられない場合には、含水塩を、あらかじめ150℃〜200℃にて加熱することにより乾燥処理し、一度、結晶水を取り除いたあとに工程を進めればよい。 【0022】塩化ニッケル蒸気の発生には、例えば図1に示すCVD反応装置を用いる。図1のCVD反応装置10では、無水塩化ニッケル粉末を石英容器12に装入して蒸発部に置き、蒸発させ、キャリヤーガスとしてN2あるいはArガスを用いて、反応部に移送する。一方、水素ガスはノズル14より反応部に送られる。反応部における塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとしてN2 あるいはArなどの不活性ガスによる希釈後の濃度)が0.1g/リットル〜5.0g/リットル、好ましくは0.5g/リットル〜2.0g/リットルとなるように制御する。反応部の設定温度は、800℃〜1300℃、好ましくは900℃〜1100℃(ノズル近傍では、反応による発熱反応により約10℃〜100℃上昇する)に制御する。 【0023】この時、無水塩化ニッケル粉末中にNiS、Ni3S2あるいはNiSO4などの硫黄含有化合物を混合しておくと、塩化ニッケルの蒸発とともに硫黄含有化合物が分解し、または塩化ニッケルの高温加水分解反応により生成したHClガスと該硫黄含有化合物が反応し、SO2ガスやH2Sガスを発生する。 【0024】硫黄含有化合物ガスは、N2あるいはArのキャリアーガスに希釈され、反応部に搬送され、硫黄含有雰囲気中で塩化ニッケル蒸気と水素ガスが反応し、ニッケル粉末が生成する。前述のように、キャリヤーガスとしてのN2あるいはArガス中にH2SおよびまたはSO2を含有させても良く、あるいは還元ガスとしてのH2ガス中にH2SおよびまたはSO2を含有させても良い。ただし、得られる球状ニッケル粉末の硫黄含有量が500ppm〜2000ppmになるように添加量を調節する。 【0025】硫黄含有化合物の添加量は、一般的には、無水塩化ニッケル中に添加する場合は、無水塩化ニッケル中のSO4で200ppm〜2000ppm、N2、H2に添加する場合はH2Sで100ppm〜1000ppm程度である。しかし、反応条件によって、得られる球状ニッケル粉末の硫黄含有量が変動するので添加量は各反応条件において特定される。また、工業用の塩化ニッケルに不純物としてSO4 が1000ppm程度入っている場合があるが、これはそのまま本発明に利用できる。 【0026】生成した粉末は、キャリアガスに搬送されて、水冷装置16を通過し、回収部18に入る。回収部18は、ろ紙製の円筒フイルターあるいはテフロン製のバグフィルターをガラス管に収容して形成される。回収されたニッケル粉末は、水洗により未反応の塩化ニッケルやHCl等を除去し、乾燥する。 【0027】気相還元反応における塩化ニッケル濃度は0.1g/リットル〜5.0g/リットルとする。0.1g/リットル未満の濃度では、粉末の平均粒子径が0.1μmを下回ってしまう。また5.0g/リットルを越えると、1.0μmを越えた粗大粒子が生成し、製品の要求される粒径を満足しなくなる。塩化ニッケル濃度は、蒸発部の温度とボート面積とキャリアガス量とで制御する。 【0028】還元処理を行う温度範囲は800℃〜1300℃とするのが好ましい。800℃未満で還元反応を行った場合には、球状化の効果が得られず、晶癖面の発達した粒子が生成される。1300℃を越える温度域では、球状性は良好だが、1.0μm以上の粒子が混在され、粗大化の傾向になる。また、これ以上の温度に加熱することは、反応管の材質の選択に大きな制約を受けるため、現実的ではない。 【0029】得られるニッケル粉末の硫黄含有量を500〜2000ppmとしているのは、500ppm以下では、球状化効果が乏しく、粒子の晶癖面の発達してしまい、また、2000ppm以上では、特に球状化の効果を一定値以上に上がらず、むしろ製品のNi純度が低下してしまうからである。 【0030】球状化のメカニズムは、例えば次のように考えられる。以下の式(数1および数2)で示されるように、NiCl2蒸気が水素ガスによって還元され、ニッケル粒子が生成される。反応部高温下で、この生成粒子と微量のH2S が反応し、粒子表面が硫化され、NiSまたはNi3S2(液体)を生成する。それぞれの化学種の融点あるいは共晶温度は、以下の通りであり(表1)、共晶組成での融点低下および硫化による発熱によって、表面張力により、Ni粒子の球状化が促進される。 【0031】 【数1】 NiCl2(g)+H2(g)=Ni(s)+2HCl(g) (1) 【0032】 【数2】 Ni(s)+H2S=NiSまたはNi3S2(l)+H2(g) (2) 【0033】 【表1】
【0034】 【実施例】 [実施例1]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水が取り除かれた塩化ニッケル無水塩を得た。図1に示したCVD粉末製造装置を用い、前記塩化ニッケル無水塩350gを石英容器に装入した後、蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて、12リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が0.6g/リットルとなるように制御した。 【0035】反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから4リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。 【0036】生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0037】粒子形状は10000倍のSEM観察により行なった。粒径は10000倍のSEM観察から粒子100個を測長し、その平均値とした。粉末の硫黄品位について燃焼法(RECO法)にて測定した。その結果、粒子の形状は球形であり、粒径は0.38μmであった。硫黄品位は1000ppmであった。 【0038】[実施例2]試薬特級のNiCl2・6H2O(分析の結果、SO4は100ppm未満であった)を150℃で乾燥して、結晶水が取り除かれた塩化ニッケル無水塩を得た。実施例1と同様に前記塩化ニッケル無水塩350gを石英容器に装入後、蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて12リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が0.6g/リットルとなるように制御し反応部の設定温度を1100℃に制御した。 【0039】ここで、還元ガスとしての水素ガス中に500ppmのH2Sガスを含有させ、実施例1と同様に還元反応を行い、ニッケル粉末を回収した。その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.42μmであった。硫黄品位は1200ppmであり、主として表面領域に多く存在していた。 【0040】[実施例3]試薬特級のNiCl2・6H2O(分析の結果、SO4は100ppm未満であった)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。還元ガスとして純水素ガスを用い、キャリヤーガスとして500ppmのH2Sガスを含有させた窒素ガスを用い塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が0.6g/リットルとなるように制御した他は実施例1と同様な条件で還元反応を行い、ニッケル粉末を回収した。その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.40μmであった。硫黄品位は700ppmであり、主として表面領域に存在していた。 【0041】[実施例4]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて18リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が0.1g/リットルとなるように制御した。 【0042】反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから8リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0043】その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.10μmであった。硫黄品位は500ppmであった。 【0044】[実施例5]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を1000℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて4リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が3.0g/リットルとなるように制御した。 【0045】反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから4リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0046】その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.7μmであった。硫黄品位は1500ppmであった。 【0047】[実施例6]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を1000℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて2.5リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が5.0g/リットルとなるように制御した。 【0048】反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純H2 ガスを、石英製のノズルから2.5リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0049】その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.8μmであった。硫黄品位は1800ppmであった。 【0050】[実施例7]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて8リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が1.0g/リットルとなるように制御した。 【0051】反応温度を850℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから4リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0052】その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.4μmであった。硫黄品位は700ppmであった。 【0053】[実施例8]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて8リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が1.0g/リットルとなるように制御した。 【0054】反応温度を1250℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから4リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0055】その結果、粒子形状は球状であり、粒径は0.5μmであった。硫黄品位は1200ppmであった。 【0056】[比較例1]試薬特級のNiCl2・6H2O(分析の結果、SO4は100ppm未満であった)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。キャリヤーガスとして純窒素ガスを、還元ガスとして純水素ガス用い塩化ニッケル蒸気濃度が0.6g/リットルとなるように制御し、実施例1と同様な条件で還元反応を行い、ニッケル粉末を回収した。 【0057】その結果、粒子形状は球状粒子も観察されるが大部分が立方体、八面体状等の晶壁面を有していた。粒径は、0.35μmであった。ニッケル粉末中の含有S%を分析したところ、100ppm未満であった。 【0058】[比較例2]試薬特級のNiCl2・6H2O(分析の結果、SO4は100p未満であった)にNiSO4水溶液をNiCl2に対してSO4が400ppmになるように添加し、150℃で乾燥して、結晶水が取り除かれた塩化ニッケル無水塩を得た。該塩化ニッケル無水塩を原料として用いた以外は比較例1と同様の条件で還元反応を行い、ニッケル粉末を合成、回収した。 【0059】SEM観察から粒子形状は、球状粒子と、立方体、八面体状等の晶壁面を有した粒子が混在していた。粒径は、0.42μmであった。ニッケル粉末中の含有S%を分析したところ、450ppmであった。 【0060】[比較例3]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水が取り除かれた塩化ニッケル無水塩を用いた。蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて22リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が、0.08g/リットルとなるように制御した。 【0061】反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから8リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。その結果、粒子形状は球形であり、粒径は0.1μm未満であった。硫黄品位は500ppmであった。 【0062】[比較例4]不純物としてSO4を1000ppm含有した市販のNiCl2・6H2O(住友金属鉱山(株)製)を150℃で乾燥して、結晶水を取り除いた塩化ニッケル無水塩を得た。蒸発部の設定温度を950℃に制御し、キャリヤーガスとして純窒素ガスを用いて12リットル/分の流量にて、反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度(キャリヤーガスとして窒素ガスによる希釈後の濃度)が0.6g/リットルとなるように制御した。 【0063】反応温度を750℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを、石英製のノズルから4リットル/分の流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は、ろ紙による円筒フイルターにて回収し、水洗し、乾燥回収した。 【0064】その結果、粒子形状は球状、立方体、八面体状等で、晶壁面を有した粒子が混在していた。また粒子の焼結によると思われる凝集体が観察された。粒径は0.3μmであった。硫黄品位は500ppmであった。 【0065】 【発明の効果】本発明によれば、塩化ニッケル蒸気を水素還元することによりニッケル粉末を製造する方法において、粒子形状が球状で単分散性にすぐれたニッケル粉末を容易に提供し得、MLCCの内部電極を提供するのにより好ましいニッケルペーストを提供することを可能にした。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183303 【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鴨田 朝雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−80816 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−245267 |
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