| 【発明の名称】 |
ヘリカルギヤの粉末成形装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川島 仁孝
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| 【要約】 |
【課題】回転パンチのスムーズな回転動作を確保し、しかも小型のプレス機にも組み込み可能とする。
【解決手段】この成形装置1は、内周面にヘリカルギヤの歯部に対応して形成されたヘリカル形状の成形部3aを有するダイス3と、加圧部材7にスラスト軸受11Aを介して回転自在に支持され、先端に成形部3aと噛み合うヘリカル歯部61が形成された回転パンチ6bと、ベースプレート9に固定された固定パンチ5とを具備する。そして、ダイス3に供給された粉末をダイス3に挿入された回転パンチ6bおよび固定パンチ5で両側から保持し、加圧部材7で回転パンチ6bを加圧することにより、粉末を圧縮すると同時に、回転パンチ6bのヘリカル歯部61を成形部3aで円周方向に案内して回転パンチ6bを回転させるものである。この装置において、スラスト軸受11Aは滑り軸受とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内周面にヘリカルギヤの歯部に対応して形成されたヘリカル形状の成形部を有するダイスと、往復駆動される加圧部材にスラスト軸受を介して回転自在に支持され、先端にダイスの成形部と噛み合うヘリカル歯部が形成された回転パンチと、ベースプレートに固定された固定パンチとを具備し、ダイスに供給された粉末をダイスに挿入された回転パンチおよび固定パンチで両側から保持し、加圧部材で回転パンチを加圧することにより、粉末を圧縮すると同時に、回転パンチのヘリカル歯部をダイスの成形部で円周方向に案内して回転パンチを回転させる装置において、前記スラスト軸受を滑り軸受としたヘリカルギヤの粉末成形装置。 【請求項2】 固定パンチの先端にダイスの成形部と噛み合うヘリカル歯部を設け、且つ、ダイスをラジアル滑り軸受でダイプレートに対して回転自在に支持した請求項1記載のヘリカルギヤの粉末成形装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルギヤを粉末成形するための粉末成形装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ヘリカルギヤの粉末成形装置としては、例えば、特公平7-110964号公報や特許第2596141 号公報に示されるような装置があるが、これらは何れも粉末の成形時にダイスを回転させるようにした構造である。これに対し、粉末の成形時にダイスではなく、パンチを回転させるようにした装置も従来から多用されており、その構造例を図4に示す。 【0003】この装置(1)は、中心部に粉末を収容する収容部(2)を形成した円筒状のダイス(3)、ダイス(3)に外嵌されたダイプレート(4)、ダイス(3)の収容部(2)に下から挿入された下パンチ(5)、収容部(2)に上から挿入された上パンチ(6)、上パンチ(6)を下方(下パンチと接近する方向)に加圧する加圧部材(7)、ダイス(3)の収容部(2)に挿入されたコアロッド(8)を主要構成要素とするものである。 【0004】上パンチ(6)は、加圧部材(7)に固定された内径側の第1上パンチ(6a)と、加圧部材(7)に一対のスラスト軸受(11a)を介して回転可能に支持された外径側の第2上パンチ(6b)とを同心配置して構成される。一方、下パンチ(5)は、静止位置にあるベースプレート(9)上に固定されている。また、ダイス(3)は、一対のスラスト軸受(11b)を介してダイプレート(4)に回転自在に支持される。従来では、上記両スラスト軸受(11a)(11b)として、ローラやボール等の転動体を有する転がり軸受を使用している。 【0005】ダイス(3)の内周面には、ヘリカルギヤの外周面に形成される歯部の形状に対応したヘリカル形状をなす成形部(3a)が形成される。第2上パンチ(6b)および下パンチ(5)の先端部から中央部にかけての外周面には、成形部(3a)と噛合できるようにヘリカル形状としたヘリカル歯部(61)(51)がそれぞれ形成されている。 【0006】この装置による圧粉成形は、以下の手順で行なわれる。先ず、ダイス(3)の収容部(2)に下パンチ(5)およびコアロッド(8)を挿入した状態で収容部(2)に原料粉体を供給する。次に図示しないラムで加圧部材(7)を押圧・降下させ、上パンチ(6a)(6b)をダイス(3)の内径部に一体に挿入して収容部(2)内の粉体を圧縮する。この時、ダイス(3)の成形部(3a)と噛み合った第2上パンチ(6b)のヘリカル歯部(61)が成形部(3a)によって円周方向に案内されるため、第2上パンチ(6b)は回転しながら降下する。両上パンチ(6a)(6b)の回転に追従して原料粉体が収容部(2)内で回転するため、ヘリカル形状に形成された成形部(3a)の裏側まで均一に粉体を押し込むことが可能となり(上記両広報記載の装置では、かかる作用をダイスを回転させて行なっている)、複雑な形状のヘリカルギヤを高精度に圧粉成形することができる。 【0007】成形完了後、ヨークプレート(12)を後退させると、連結ロッド(13)を介してダイプレート(4)が降下し、さらにダイプレート(4)の降下に伴って、ダイス(3)が下方に牽引される。この牽引力により、ダイス(3)の成形部(3a)が下パンチ(5)のヘリカル歯部(51)によって円周方向に案内されるため、ダイス(3)は回転しながら降下する。その結果、収容部(2)内の圧粉体がダイス(3)に対して相対的に上昇し、ダイス(3)から取り出される。 【0008】ダイス(3)から取り出された圧粉体の外周面には、成形部(3a)の形状に対応したヘリカル歯が形成され、また、その内径部にはコアロッド(8)の断面形状に対応した形状の軸孔が形成される。この圧粉体を炉に入れて焼結した後、サイジング等の後処理を施してヘリカルギヤが製品化される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、加圧部材(7)と第2上パンチ(6b)との間には、スラスト軸受11a)が介装されるが、この軸受(11a)は粉体の圧縮時に大きなスラスト荷重を受ける。このスラスト荷重は、例えば粉体として鉄粉を使用した場合には、単位面積当たり5ton /cm2 程度にまで達する過大なものである。従って、従来のように、スラスト軸受(11a)として転がり軸受を使用したのでは、この高荷重を線(ローラの場合)または点(ボールの場合)で受けることとなり、受圧面(軸受軌道面等)が局所的に変形して第2上パンチ(6b)のスムーズな回転運動が阻害されるおそれがある。 【0010】また、このような高荷重下で使用されるスラスト軸受は転動体の径がかなり大きくなるため、装置の全高が高くなる。そのため、小型のプレス機では上記ダイセットを組み込むことができず、成形不能となる。 【0011】そこで、本発明は、回転パンチのスムーズな回転動作を確保することができ、しかも小型のプレス機にも組み込むことのできるヘリカルギヤの粉末成形装置の提供を目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、本発明では、内周面にヘリカルギヤの歯部に対応して形成されたヘリカル形状の成形部を有するダイスと、往復駆動される加圧部材にスラスト軸受を介して回転自在に支持され、先端にダイスの成形部と噛み合うヘリカル歯部が形成された回転パンチと、ベースプレートに固定された固定パンチとを具備し、ダイスに供給された粉末をダイスに挿入された回転パンチおよび固定パンチで両側から保持し、加圧部材で回転パンチを加圧することにより、粉末を圧縮すると同時に、回転パンチのヘリカル歯部をダイスの成形部で円周方向に案内して回転パンチを回転させる装置において、前記スラスト軸受を滑り軸受とした。 【0013】ここで、「スラスト軸受」とは、主として軸方向の力を支持する軸受をいい、呼び接触角が45°を越えるものをいう。また、「滑り軸受」とは、面で摺動する軸受をいい、本発明では特にスラスト滑り軸受(軸方向の力を面で支持する軸受で、通常は円板状である)を使用する。 【0014】また、固定パンチの先端にダイスの成形部と噛み合うヘリカル歯部を設け、且つ、ダイスをラジアル滑り軸受でダイプレートに対して回転自在に支持してもよい。 【0015】ここで「ラジアル滑り軸受」とは、軸を面で支持し、その面と軸とが滑り運動を行なう軸受であって、主としてラジアル荷重を受ける軸受をいう。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。 【0017】図1は、本発明にかかる粉末成形装置の断面図である。この成形装置(1)は、その主要構造を従来装置(図4)と共通にしており、従来装置と同様に、収容部(2)を有するダイス(3)、ダイス(3)を収容したダイプレート(4)、ダイス(3)の収容部(2)に下から挿入される下パンチ(5)、収容部(2)に上から挿入される上パンチ(6)、上パンチ(6)を加圧する加圧部材(7)、収容部(2)に挿入されたコアロッド(8)を具備する。上パンチ(6)は、加圧部材(7)に固定された第1上パンチ(6a)と、加圧部材(7)にスラスト軸受(11A)を介して回転可能に支持された第2上パンチ(6 b:回転パンチ)とで構成される。一方、下パンチ(5:固定パンチ)は、静止位置にあるベースプレート(9)上に固定されている。ダイス(3)の内周面には、ヘリカル形状の成形部(3a)が形成され、第1上パンチ(6a)および下パンチ(5)の外周面には、この成形部(3a)と噛合可能のヘリカル歯部(61)(51)がそれぞれ形成されている。 【0018】本発明では、加圧部材(7)と第1上パンチ(6)との間に配置されるスラスト軸受(11A)を滑り軸受とした。このスラスト滑り軸受(11A)は、図3に示すように、樹脂材料や金属材料(例えば砲金)等からなるベース(15)の表面(摺動面)の一箇所または複数箇所に潤滑剤を充填するための潤滑剤充填部(16)を陥没形成したもので、いわゆるドライベアリングと称されるものである。ベース(15)は中心部に孔(17)を有する円板状をなし、図面では4分割したベース(15)を例示している。 【0019】潤滑剤としては、黒鉛等の固体潤滑剤が好ましいが、使用条件によってはグリースや潤滑油等の流体潤滑剤も使用可能であり、さらにはベース(15)に潤滑油を含浸させた含油軸受を使用しても構わない。また、低摩擦性で摺動特性に優れた樹脂材料でベース(15)を形成することにより、潤滑剤を省略してもよく、この場合には潤滑剤の補給が不要となる利点がある。 【0020】このように、加圧部材(7)と第2上パンチ(6b)との間の軸受(11A)をスラスト滑り軸受とすれば、粉末圧縮時の加圧部材(7)からの加圧力を面で受けることができるため、転がり軸受を使用した場合に問題となる受圧面の局所的な変形を防止することができる。従って、粉体圧縮時においても第2上パンチ(6b)の円滑な回転運動を確保することができる。また、一般に滑り軸受は、同一許容荷重の転がり軸受に比べて肉厚(軸方向幅)を小さくできるので、装置(1)の全高を従来品よりも低く(具体的には200mm程度)することができる。従って、小型のプレス機にも組み込み可能となる。 【0021】従来では、図4に示すように、第2上パンチ(6b)を支持するスラスト軸受(11a)を上下に一対配置していたが、本発明装置では、上述のように第2上パンチ(6b)のスムーズな回転動作が確保されるため、スラスト軸受(11A)は上下の何れか一方にのみ配置すれば足りる。従って、この点からも装置の全高を低減することができる。 【0022】また、従来では、ダイプレート(4)に対してダイス(3)を上下一対のスラスト軸受(11b)で支持しているが、この軸受は図1に示すように、ラジアル軸受(11B)に置換することもできる。すなわち、ダイス(3)とダイプレート(4)との間は、上述の加圧部材(7)と第1上パンチ(6)との間のように粉末圧縮中の回転運動を考慮する必要がない。そのため、この部分の軸受に軸方向の耐圧性はそれほど必要とされず、従って、ラジアル軸受(11B)を使用しても特に問題は生じないのである。このようにラジアル軸受(11B)を使用すると、ダイス(3)の軸受部分の軸方向幅、さらにはダイス(3)そのものの軸方向幅を従来装置よりも短くできるので、ダイセット(1)の全高をさらに低減することができる。この軸受(11B)は転がり軸受でもよいが、より一層の小型化、簡略化を図るために円筒型の滑り軸受とするのが好ましい。 【0023】図2に、第2上パンチ(6b)の外周面と加圧部材(7)との間にラジアル軸受(11C)を介在させた実施形態を示す。第2上パンチ(6b)には半径方向の力はほとんど作用しないため、この種の軸受(11C)は基本的には不要であるが、当該軸受(11C)を使用することによって第2上パンチ(6b)の回転動作のさらなる円滑化を図ることができる。このラジアル軸受(11C)は、転がり軸受でもよいが、より一層の小型化、簡略化の観点から滑り軸受とするのが好ましい。 【0024】 【発明の効果】本発明では、回転パンチと加圧部材との間のスラスト軸受を滑り軸受としたので、粉末の圧縮時でも回転パンチの円滑な回転運動を確保することができる。また、ダイセットの全高を従来品よりも低くすることができ、小型のプレス機にも組み込み可能となる。 【0025】固定パンチの先端にダイスの成形部と噛み合うヘリカル歯部を設け、且つ、ダイスをラジアル滑り軸受でダイプレートに対して回転自在に支持すれば、ダイセットの全高をさらに低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002967 【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】江原 省吾 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−61203 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−226595 |
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