| 【発明の名称】 |
斜歯を有する成形体の再圧装置および再圧方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】前川 和則
【氏名】守屋 謙一
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| 【要約】 |
【課題】成形体の内外周の斜歯の捻れ方向や捻れ角が異なっている場合でも再圧を可能とする。
【解決手段】内周面に斜歯溝6aを有するダイス6と、外周面に斜歯溝6aに噛み合う斜歯溝8aおよび軸線部に孔8bを有する下パンチ8と、外周面に斜歯溝9aを有し下パンチ8の孔8bに相対回転自在に嵌合されたコアロッド9と、下パンチに対向配置された上パンチ11とを備え、下パンチ8とダイス6とを互いに相対回転自在に構成し、下パンチ8および上パンチ11を互いに接近離間可能に構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内周面に斜歯溝を有するダイスと、外周面に上記斜歯溝に噛み合う斜歯溝および軸線部に孔を有する第1のパンチと、外周面に斜歯溝を有し上記第1のパンチの孔に相対回転自在に嵌合されたコア部材と、上記第1のパンチに対向配置された第2のパンチとを備え、上記第1のパンチと上記ダイスとを互いに相対回転自在に構成し、上記第1、第2のパンチを互いに接近離間可能に構成したことを特徴とする斜歯を有する成形体の再圧装置。 【請求項2】 前記第2のパンチは、前記コア部材と嵌合する断面円形の孔と、前記ダイスと嵌合する断面円形の外周面とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の斜歯を有する成形体の再圧装置。 【請求項3】 前記第1のパンチは回転しないように固定され、前記ダイスと前記第2のパンチは、軸線回りに回転自在であることを特徴とする請求項1または2に記載の斜歯を有する成形体の再圧装置。 【請求項4】 前記ダイスの斜歯溝の前記第2のパンチ側の端部に、上記斜歯溝よりも大径でかつ溝の幅が広い案内斜歯溝を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の斜歯を有する成形体の再圧装置。 【請求項5】 前記コア部材の斜歯溝の前記第2のパンチ側の端部に、上記斜歯溝よりも小径でかつ溝の幅が広い案内斜歯溝を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜歯を有する成形体の再圧装置。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の斜歯を有する成形体の再圧装置を前記第2、第1のパンチが上下に配置されるように用いた斜歯を有する成形体の再圧方法であって、前記コア部材の上端部を前記ダイスの上端面から突出させ、上記成形体を上記ダイスの上面に載置するとともに上記コア部材の上端部に係合させる工程と、上記ダイスおよび上記コア部材を上記第1のパンチに対して相対的に上昇させることにより、上記ダイスと上記成形体とを相対的に回転させて上記成形体の斜歯と上記ダイスの斜歯溝とを係合させて互いの位相を合わせるとともに、再圧のためのキャビティを形成する工程と、上記第2のパンチを上記第1のパンチに接近させて上記成形体を上記キャビティ内に装填し、かつ圧縮する工程とを備えたことを特徴とする斜歯を有する成形体の再圧方法。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の斜歯を有する成形体の再圧装置を前記第2、第1のパンチが上下に配置されるように用いた斜歯を有する成形体の再圧方法であって、前記コア部材の上端面を前記ダイスの上端面と同一高さとし、上記成形体を上記ダイスと上記コア部材の上端面に同軸に載置する工程と、上記ダイスおよび上記コア部材を上記第1のパンチに対して相対的に上昇させることにより、上記ダイスおよび上記成形体を上記コア部材に対して相対的に回転させて上記成形体の斜歯と上記コア部材の斜歯溝とを係合させて互いの位相を合わせた後に、上記成形体を上記ダイスに対して相対的に回転させて上記成形体の斜歯と上記ダイスの斜歯溝とを係合させて互いの位相を合わせるとともに、再圧のためのキャビティを形成する工程と、上記第2のパンチを上記第1のパンチに接近させて上記成形体を上記キャビティ内に装填し、かつ圧縮する工程とを備えたことを特徴とする斜歯を有する成形体の再圧方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えばヘリカルギアなどのような斜歯を有する成形体の再圧装置および再圧方法に係り、特に、成形体の内外周の斜歯の捻れ方向や捻れ角が異なる場合であっても再圧を可能とする技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内外周面に斜歯を有する焼結体の再圧装置としては、粉末の成形装置とほぼ同じ構成のものが用いられていた。すなわち、そのような再圧装置は、内周面に斜歯溝が形成されたダイスと、外周面に斜歯溝が形成された上パンチおよび下パンチと、上端外周面に斜歯溝が形成されたコアロッドとを有し、上パンチおよび下パンチが軸線回りに回転自在に支持されている。このような再圧装置では、ダイスと下パンチおよびコアロッドで形成したキャビティに焼結体を装填し、上パンチを下降させて焼結体を圧縮するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような再圧装置では、焼結体の内外周の斜歯の捻れ方向や捻れ角が異なっている場合には、焼結体の装填や再圧した製品の取出しを行うことができないという問題があった。また、ダイスと上パンチ、コアロッドと下パンチおよび上パンチとが斜歯溝で噛み合う構成であるため、それらの製造コストがかなり割高になるという問題もあった。さらに、焼結体等の成形体の装填を簡単かつ確実に行えるようにしたいとの要請もあった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の斜歯を有する成形体の再圧装置(以下、単に再圧装置と称する)は、内周面に斜歯溝を有するダイスと、外周面に上記斜歯溝に噛み合う斜歯溝および軸線部に孔を有する第1のパンチと、外周面に斜歯溝を有し第1のパンチの孔に相対回転自在に嵌合されたコア部材と、第1のパンチに対向配置され軸線回りに回転自在な第2のパンチとを備え、第1のパンチとダイスとを互いに相対回転自在に構成し、第1、第2のパンチを互いに接近離間可能に構成したことを特徴としている。 【0005】上記構成の再圧装置にあっては、まず、ダイス、第1のパンチおよびコア部材で形成されるキャビティを形成する。この場合において、コア部材が第1のパンチに対して相対回転自在であるから、キャビティに成形体を挿入する際に、成形体に対してダイスとコア部材とがそれぞれ別個に相対回転する。すなわち、成形体の内外周の斜歯の捻れ方向や捻れ角が異なっても、キャビティに成形体を装填することができる。そして、この状態で第1、第2のパンチを互いに接近させて成形体を圧縮することにより、再圧を行うことができる。 【0006】また、上記構成の再圧装置では、第1のパンチの孔に斜歯溝を設ける必要がないため、その製造コストを低減することができる。さらに、第2のパンチを、コア部材と嵌合する断面円形の孔と、ダイスと嵌合する断面円形の外周面を備えた構成とすることにより、第2のパンチの製造コストも低減することができる。なお、第2のパンチがこのような円筒状をなしていても、再圧は支障なく行うことができる。 【0007】第1のパンチを回転しないように固定し、ダイスと第2のパンチを軸線回りに回転自在に設けることができる。これにより、成形体を第2のパンチでキャビティに挿入すると、成形体がダイスの斜歯溝に沿って回転し、第2のパンチも回転して挿入がスムーズに行われる。また、キャビティへの成形体の挿入をさらに簡単にするために、ダイスの斜歯溝の第2のパンチ側の端部に、この斜歯溝よりも大径でかつ溝の幅が広い案内斜歯溝を設けると好適である。また、コア部材の斜歯溝の第2のパンチ側の端部に、この斜歯溝よりも小径でかつ溝の幅が広い案内斜歯溝を設けるとさらに好適である。 【0008】また、本発明は、上記構成の再圧装置を第2、第1のパンチが上下に配置されるように用いる再圧方法であって、コア部材の上端部をダイスの上端面から突出させ、成形体をダイスの上面に載置するとともにコア部材の上端部に係合させる工程と、ダイスおよびコア部材を第1のパンチに対して相対的に上昇させることにより、ダイスと成形体とを相対的に回転させて成形体の斜歯とダイスの斜歯溝とを係合させて互いの位相を合わせるとともに、再圧のためのキャビティを形成する工程と、第2のパンチを第1のパンチに接近させて成形体をキャビティ内に装填し、かつ圧縮する工程とを備えたことを特徴としている。 【0009】この再圧方法によれば、成形体の斜歯とダイスの斜歯溝の位相が合ったときに成形体の自重によって両者が噛み合う。よって、その後に第2のパンチによって成形体を押圧すると、成形体はキャビティ内にスムーズ挿入される。したがって、成形体の装填を簡単に自動化することができる。 【0010】なお、上記再圧方法においてコア部材の上端面をダイスの上端面と同一高さにすることもできる。この場合には、成形体をダイスとコア部材の上端面に同軸に載置し、ダイスおよびコア部材を第1のパンチに対して相対的に上昇させる。これにより、コア部材は回転しないで成形体はダイスの上に乗ったまま回転するが、ダイスとコア部材との平面度の僅かな相違により、成形体の内周面の斜歯とコア部材の斜歯溝との位相が合ったときに両者が係合し、成形体の回転が停止するか、あるいはダイスよりも遅い速度で回転する。これにより、成形体とダイスとが相対的に回転することになり、両者の斜歯と斜歯溝の位相が合ったときに係合する。この再圧方法によれば、成形体をダイスの上端面においてスライドさせるだけで装填位置に配置することができるので、作業の自動化に極めて有利である。 【0011】 【発明の実施の形態】 A.再圧装置の構成以下、図1を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は実施の形態の成形体の再圧装置を示す側断面図である。図中符号1はベッドであり、ベッド1の上方には上下方向へ移動可能なラム2が配置されている。ベッド1の下側には、図示しない駆動機構により上下方向へ移動可能とされた可動プレート3が配置されている。可動プレート3には、ベース1に上下方向に摺動自在に支持された複数のガイドポスト4,…の下端部が連結されている。ガイドポスト4,…の上端部には、ダイスホルダー5が取り付けられている。ダイスホルダー5の内側には、ダイス6が軸受7によって軸線回りに回転自在に支持されている。 【0012】ダイス6の内周面には、ヘリカルギアの素材である焼結体(成形体)20の外周面の斜歯20aと対応した形状の斜歯溝6aが形成されている。この斜歯溝6aの上端部には、斜歯溝6aよりも大径でかつ溝の幅がやや広い案内斜歯溝6bが形成されている。そして、このダイス6には、ベース1に取り付けられた下パンチ(第1のパンチ)8が螺合させられている。 【0013】下パンチ8の上端部には、ダイス6aの斜歯溝6aと噛み合う斜歯溝8aが形成されている。また、下パンチ8の中央部には断面円形の孔8bが形成され、孔8bには、軸受10によって可動プレート3に回転自在に支持されたコアロッド(コア部材)9が回転自在に嵌合させられている。コアロッド9の上端部には、焼結体20の内周面の斜歯20bと対応した形状の斜歯溝9aが形成されている。なお、斜歯20bの捻れ角および/または捻れ方向は、外周面の斜歯20aと異なっている。また、斜歯溝9aのさらに上端側には、斜歯溝9aよりも小径でかつ溝の幅がやや広い案内斜歯溝9bが形成されている。コアロッド9の長さは、その上端部がダイス6の上端面から突出するような長さに設定されている。 【0014】次に、ラム2の下面には、上パンチ(第2のパンチ)11が軸受12を介して回転自在に取り付けられている。上パンチ11の中央部には、コアロッド9の斜歯溝9aの外周面と嵌合する断面円形の孔11aが形成されている。また、上パンチ11の外周面は、ダイス6の斜歯溝6aの内周面と嵌合する円筒曲面に形成されている。 【0015】B.再圧装置の動作次に、上記構成の再圧装置の動作について説明する。再圧の作業の開始時には、ダイス6の上端面の高さを下パンチ8の上端面に一致させておく。この状態で、コアロッド9の案内斜歯溝9bに焼結体20の斜歯20bを係合させ、図1に示すように、下パンチ8の上端面に焼結体20を載置する。次に、可動プレート3を上昇させることにより、ダイス6とコアロッド9とを下パンチ8に対して上方へ相対移動させる。すると、ダイス6は、上昇に伴って下パンチ8の斜歯溝8aに沿って回転する。その際、焼結体20は、ダイス6によって持ち挙げられるが、その内周面の斜歯20bがコアロッド9(下パンチ8とともに回転しない)の案内斜歯溝9bと噛み合っているために回転することはない。そして、ダイス6の案内斜歯溝6bと焼結体20の斜歯20aとの位相が合うと、焼結体20は案内斜歯溝6bに自重によって装填される。その後、焼結体20は、ダイス6とともに回転しながら上昇し、その際にはコア9も回転する。そして、ダイス6、下パンチ8およびコアロッド9によって再圧のためのキャビティが形成される。 【0016】キャビティが形成されたら上パンチ11を下降させて焼結体20の上端面を押圧する。これにより、焼結体20は、下降しつつダイス6の斜歯溝6aに沿って回転する。また、焼結体20の回転に伴い、コアロッド9は焼結体20の斜歯20bに沿って回転する。この場合、コアロッド9は、ダイス6に対する焼結体20の相対的な回転に対して回転速度および/または方向が異なっている。そして、焼結体20の下端面が下パンチ8の上端面に達すると焼結体20が圧縮されて再圧が行われる。 【0017】再圧が終了したら上パンチ11を上昇させ、ダイス6およびコアロッド9を下降させて焼結体20を取り出す。この場合、焼結体20は下パンチ8に固定されたままであり、ダイス6は下パンチ8の斜歯溝8aに沿って回転し、コアロッド9は焼結体20の斜歯20bに沿って回転する。 【0018】上記構成の再圧装置にあっては、焼結体20の内外周面の斜歯の捻れ角や捻れ方向が異なっても再圧を行うことができるのは勿論のこと、下パンチ8と上パンチ11の製造コストを低減することができる。また、焼結体20をコアロッド9およびダイス6に簡単に噛み合わせることができるので、作業の自動化も簡単に行うことができる。 【0019】C.変更例なお、上記実施の形態では、コアロッド9の上端面をダイス6の上端面から突出させているが、両者の高さを同じにすることもできる。その場合の焼結体20の装填動作は以下のとおりである。まず、図1に示すように(ただし、コアロッド9の上端面はダイス6の上端面と同じ高さとする)、焼結体20をダイス6及びコアロッド9の上端面に載置する。その際には、ダイス6の上端面を水平に摺動するフィーダなどを用いることができる。次に、ダイス6とコアロッド9とを下パンチ8に対して上方へ相対移動させ、ダイス6を下パンチ8の斜歯溝8aに沿って回転させる。これにより、コアロッド9は回転しないで焼結体20はダイス6の上に乗ったまま回転するが、ダイス6とコアロッド9との平面度の僅かな相違により、焼結体20の内周面の斜歯20bとコアロッド9の案内斜歯溝9bとの位相が合ったときに両者が係合し、焼結体の回転が停止する。これにより、焼結体20とダイス6とが相対的に回転することになり、両者の斜歯20aと案内斜歯溝6bの位相が合ったときに係合する。その後、焼結体20は、ダイス6とともに回転しながら上昇し、その際にはコア9も回転する。そして、ダイス6、下パンチ8およびコアロッド9によって再圧のためのキャビティが形成され、上パンチ11を下降させることにより焼結体20はキャビティにスムーズに装填される。 【0020】D.その他の変更例本発明では以下のような変更が可能である。 ■上パンチ11は、本発明の目的を達成するためには必ずしも回転自在でなくても良い。 ■下パンチ8を回転自在とし、ダイス6およびコアロッド9のいずれか一方を回転しないように構成することもできる。 ■上記実施の形態では再圧装置は縦方向に配置されているが、横方向に配置することもできる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、成形体の内外周の斜歯の捻れ方向や捻れ角が異なっている場合でも再圧を行うことができるのは勿論のこと、ダイスやパンチ等の製造コストを低減することができ、しかも、成形体の装填を簡単に行うことができる等の効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000233572 【氏名又は名称】日立粉末冶金株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】末成 幹生
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| 【公開番号】 |
特開平11−61202 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−243453 |
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