| 【発明の名称】 |
インライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法および製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村田 泰之
【氏名】吉川 雄司
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| 【要約】 |
【課題】鋳造設備を一貫ラインとして設備をコンパクトにし、かつ従来の溶湯鍛造品並みの鋳物品質を得ること。
【解決手段】溶解炉11でアルミニウム合金を溶解し、一定温度に保持し一定量供給し、半凝固状態にし、鋳造鋳型14内に加圧供給する、工程からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。溶解炉11と、定温炉12と、溶湯供給プランジャー13と、鋳造金型14と、定温炉12と溶湯供給プランジャー13との間に配置された温度調整機能をもつ樋15と、からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶解炉でアルミニウム合金を溶解する工程と、前記アルミニウム合金を一定温度に保持する工程と、前記一定温度に保持された溶湯を一定量供給する工程と、前記一定量供給された前記アルミニウム合金を半凝固状態にする工程と、前記半凝固アルミニウム合金を鋳造金型内に加圧供給する工程と、からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 【請求項2】 前記アルミニウム合金を半凝固にする工程が、温度調整機能を有する樋に溶湯を流すことにより行う請求項1記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 【請求項3】 前記アルミニウム合金を半凝固にする工程が、温度調整機能を有する樋に溶湯を流した後、鋳造金型の下側に設けられたアルミカップに一定時間保留することにより行う請求項1記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 【請求項4】 溶解炉と、前記溶解炉と連結されており溶湯を定温にて保留する定温炉と、溶湯供給プランジャーと、鋳造金型と、前記定温炉と前記溶湯供給プランジャーとの間に配置された温度調整機能を有する樋と、からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 【請求項5】 さらに、前記溶湯供給プランジャーと前記鋳造金型との間に配置される溶湯保持アルミカップを有する請求項4記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 【請求項6】 前記樋は該樋に付着する溶湯のシェルを除去するスクレーパーを有する請求項4または請求項5記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 【請求項7】 前記樋は順に配置された冷却部と加熱部を有している請求項4または請求項5または請求項6記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金鋳物の製造方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のアルミニウム合金鋳物の製造方法には、鋳造法と半溶融加工法とがある。 1) 鋳造法では、図4に示すように、溶解炉1で溶湯2を作り、保持炉に入れ、給湯装置を使い鋳造機3で鋳物を鋳造していた。重力鋳造、低圧鋳造、溶湯鍛造は鋳造法に含まれる。 2) 半溶融加工法では、図5に示すように、電磁攪拌鋳造機4でビレット5を製造し、切断後半溶融状態まで加熱し、鋳造機6で鋳物を鋳造していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の鋳造法および半溶融加工法には、以下の問題がある。 1) 鋳造法溶解炉と鋳造機が離れているため、溶湯の運搬に費用がかかる。そのため、自動化を進めるにしても設備が大きくなりメリットが出ない。溶湯鍛造では金型への熱負荷が大きく金型寿命が短い(金型費大)。また、重力鋳造、低圧鋳造では、鋳造時の加圧力が小さく、溶湯鍛造や半溶融加工法に比較して材質面での信頼性が低く、また強度も低い。 2) 半溶融加工法電磁攪拌連鋳機は設備費用がかかる。また、大ロットであるため、少量生産には向かない。ビレット切断、スラグの加熱に費用がかかる。本発明の目的は、溶解炉と鋳造機とを従来に比べて接近して配置することを可能にし、従来の溶湯鍛造、加圧鋳造なみの材質面の信頼性が得られるアルミニウム合金鋳物の製造方法および装置を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明はつぎの通りである。 (1) 溶解炉でアルミニウム合金を溶解する工程と、前記アルミニウム合金を一定温度に保持する工程と、前記一定温度に保持された溶湯を一定量供給する工程と、前記一定量供給された前記アルミニウム合金を半凝固状態にする工程と、前記半凝固アルミニウム合金を鋳造金型内に加圧供給する工程と、からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 (2) 前記アルミニウム合金を半凝固にする工程が、温度調整機能を有する樋に溶湯を流すことにより行う(1)記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 (3) 前記アルミニウム合金を半凝固にする工程が、温度調整機能を有する樋に溶湯を流した後、鋳造金型の下側に設けられたアルミカップに一定時間保留することにより行う(1)記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法。 (4) 溶解炉と、前記溶解炉と連結されており溶湯を定温にて保留する定温炉と、溶湯供給プランジャーと、鋳造金型と、前記定温炉と前記溶湯供給プランジャーとの間に配置された温度調整機能を有する樋と、からなるインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 (5) さらに、前記溶湯供給プランジャーと前記鋳造金型との間に配置される溶湯保持アルミカップを有する(4)記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 (6) 前記樋は該樋に付着する溶湯のシェルを除去するスクレーパーを有する上記(4)または(5)に記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 (7) 前記樋は順に配置された冷却部と加熱部を有している(4)または(5)または(6)記載のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置。 【0005】上記(1)の方法では、溶湯を半凝固状態にして金型に加圧供給するので、加圧効果と収縮量が少ないこととガスの巻き込み量が少ないこと等により、鋳造品の品質が溶湯鍛造品なみに向上し鋳物の軽量化がはかられる。また、溶湯の有する含熱量が少ないため溶湯鍛造に比較して金型の損傷が少なく、金型費の大幅削減がはかられる。また、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり、溶湯運搬などの余分な費用がかからない。上記(2)の方法では、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流すことにより行うので、容易に半凝固状態を得ることができる。上記(3)の方法では、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流しアルミカップに一定時間保留することにより行うので、容易に半凝固状態を得ることができる。この場合、溶湯は金型内にアルミカップごと加圧供給される。上記(4)の装置では、定温炉と溶湯供給プランジャーとの間に温度調整機能を有する樋を配置したので、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり運搬などの余分な費用がかからない。また、半凝固で加圧供給するので、従来の半溶融加工法でのビレット切断、スラグ再加熱の費用がかからない。さらに、溶湯の有する含熱量が少ないため溶湯鍛造に比較して金型の損傷が少なく、金型費の大幅削減がはかられる。上記(5)の装置では、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流しアルミカップに一定時間保留することにより行うので、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり、溶湯運搬などの余分な費用がかからない。この場合、溶湯は金型内にアルミカップごと加圧供給される。上記(6)の装置では、スクレーパーを設けたので、樋に付着するシェルを除去することができる。上記(7)の装置では、樋は冷却部と加熱部を有しているので、溶湯の温度を所望の値に制御できる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明実施例のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置を、図1〜図3を参照して説明する。本発明実施例のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置は、図1に示すように、溶解炉11と、溶解炉11と連結されており溶湯を定温にて保留する定温炉12と、溶湯供給プランジャー13と、溶湯供給プランジャー13によって溶湯が加圧供給される鋳造金型14と、定温炉12と溶湯供給プランジャー13との間に傾斜させて配置された、溶湯を半凝固状態にする、温度調整機能を有する樋15と、からなる。樋15は揺動可能であり、金型が開いている時はプランジャー13の上部に溶湯を供給可能であり、金型が閉じている時は金型と干渉しない位置に退避可能である。ここで、アルミニウム合金溶湯の半凝固状態とは、図3において、固相率がたとえば30〜70%程度をいい、AC4CH合金(アルミ合金)の場合溶湯温度を575〜600℃程度の温度範囲に制御することにより得られる。 【0007】図2の実施例では、インライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置は、さらに、溶湯供給プランジャー13と鋳造金型14との間に配置される純アルミの溶湯保持アルミカップ16を有する。樋15を通過した溶湯は溶湯保持アルミカップ16に入り、一定時間保留される。アルミカップ16は溶湯とともに溶湯供給プランジャー13により鋳造金型14内に加圧供給される。 【0008】樋15には、樋に付着する溶湯の半凝固状態のシェルを除去するスクレーパー17が設けられる。また、樋15は、溶湯の流れ方向に順に配置された冷却部18と加熱部19を有している。冷却部18は冷却水が通される水流パイプ20を有し、加熱部19は溶湯を加熱するヒーター21を有する。 【0009】つぎに、本発明実施例のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法を説明する。本発明実施例のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法は、溶解炉11でアルミニウム合金を溶解する工程と、アルミニウム合金を定温炉12で一定温度に保持する工程と、一定温度に保持された溶湯を一定量供給する工程と、一定量供給されたアルミニウム合金を半凝固状態にする工程と、半凝固アルミニウム合金を鋳造金型14内に加圧供給する工程と、からなる。 【0010】図1では、アルミニウム合金を半凝固にする方法が、温度調整機能を有する樋15に溶湯を流すことにより行う。また、図2では、アルミニウム合金を半凝固にする方法は、温度調整機能を有する樋15に溶湯を流した後、鋳造金型14の下側に設けられたアルミカップ15に溶湯を一定時間保留することにより行う。この場合アルミカップ15は溶湯と共に溶湯供給プランジャー13により鋳造金型14内に加圧供給される。樋15では、冷却部18および加熱部19により溶湯を冷却、加熱することにより、溶湯を所望の半凝固状態にする。樋15に溶湯を流した後樋15に付着した凝固シェルはスクレーパー17によりかきとる。 【0011】樋15を設けて溶解炉11から鋳造金型14まで溶湯を供給するので、溶解炉から鋳造まで一貫のライン(インライン)となり、従来の溶湯運搬の費用が削減される。半凝固加工法のため、半溶融加工法でのビレット切断、スラグ再加熱の費用がかからない。加圧供給のため、重力鋳造品、低圧鋳造品に比べて、材質が向上し、20mm以上の肉厚部でも引張強度280MPa以上、破断伸び10%程度、107 回疲労強度が80MPa程度と、溶湯鍛造品並みとなり、鋳物の軽量化が達成できる。また、鋳造欠陥も減少するため(引け巣、ガスの巻き込み不良が少なくなるため)軽量化につなげられる。引け巣が少なくなる理由は、半凝固のため収縮量が少ないからである。また、ガスの巻き込み不良が少なくなるのは、半凝固のため粘性が高くエアを巻き込みにくいからである。さらに、溶湯の含熱量が小さいため、溶湯鍛造に比べ金型費用の大幅削減がはかられる。 【0012】 【発明の効果】請求項1のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法によれば、溶湯を半凝固状態にして金型に加圧供給するので、加圧効果と、収縮量が少ないことと、ガスの巻き込み量が少ないこと、等により、鋳造品の品質が溶湯鍛造品なみに向上し、鋳物の軽量化がはかられる。また、溶湯の有する含熱量が少ないため、溶湯鍛造に比較して金型の損傷が少なく、金型費の大幅削減がはかられる。また、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり、溶湯運搬などの余分な費用がかからない。請求項2のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法によれば、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流すことにより行うので、必要な半凝固状態を容易に得ることができる。請求項3のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造方法によれば、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流しアルミカップに一定時間保留することにより行うので、必要な半凝固状態を容易に得ることができる。この場合、溶湯は金型内にアルミカップごと加圧供給される。請求項4のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置によれば、定温炉と溶湯供給プランジャーとの間に温度調整機能を有する樋を配置したので、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり運搬などの余分な費用がかからない。また、半凝固で加圧供給するので、従来の半溶融加工法でのビレット切断、スラグ再加熱の費用がかからない。さらに、溶湯の有する含熱量が少ないため溶湯鍛造に比較して金型の損傷が少なく、金型費の大幅削減がはかられる。請求項5のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置によれば、溶湯の半凝固を温度調整機能を有する樋に溶湯を流しアルミカップに一定時間保留することにより行うので、溶解から鋳造まで一貫のラインとなり、溶湯運搬などの余分な費用がかからない。この場合、溶湯は金型内にアルミカップごと加圧供給される。請求項6のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置によれば、樋に対しスクレーパーを設けたので、樋に付着するシェルを除去することができる。請求項7のインライン半凝固アルミニウム合金鋳物製造装置によれば、樋は冷却部と加熱部を有しているので、溶湯の温度を任意の値に制御できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110251 【氏名又は名称】トピー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月31日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田渕 経雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−285805 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−85258 |
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