| 【発明の名称】 |
金属成形機 |
| 【発明者】 |
【氏名】野 田 三 郎
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| 【要約】 |
【課題】製品の圧縮率にばらつきが生じないような正確な最終圧縮を可能とすると同時に、溶湯の飛散を防止する。
【解決手段】固定金型14と移動金型17からなる金型と、金型の移動ダイプレート15に連結され、金型の開閉および型締を行う型締機構40と、溶融金属を貯え、溶融金属Mを金型内のキャビティ18に圧送する圧送手段を備えた保持炉20と、固定金型の底部に設けられたノズル部28と、ノズル部と前記保持炉とを接続する給湯管21と、金型のキャビティ18の周囲を取り囲むように金型分割面に配置されるシールドブロック30と、低圧型締時に所定の製品圧縮規制量δだけ前記シールドブロック30が金型分割面から突出するように当該シールドブロックを上方に付勢する付勢手段32を設け、シールドブロックにより移動金型の最終型締開始位置を規制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】固定金型と移動金型からなる金型と、金型の移動ダイプレートに連結され、金型の開閉および型締を行う型締機構と、溶融金属を貯え、溶融金属を金型内のキャビティに圧送する圧送手段を備えた保持炉と、前記固定金型の底部に設けられたノズル部と、前記ノズル部と前記保持炉とを接続する給湯管と、前記金型のキャビティの周囲を取り囲むように金型分割面に配置されるシールドブロックと、低圧型締時に所定の製品圧縮規制量δだけ前記シールドブロックが金型分割面から突出するように当該シールドブロックを上方に付勢する付勢手段と、を具備することを特徴とする金属成形機。 【請求項2】前記付勢手段は、低圧型締時に前記型締機構から作用する型締力よりも大きな反発力を発生する弾性体からなることを特徴とする請求項1に記載の金属成形機。 【請求項3】前記製品圧縮規制量δを調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の金属成形機。 【請求項4】前記調整手段は、前記シールドブロックの下面に先端が螺合する複数本の位置決めボルトからなり、前記位置決めボルトの長さを変えることにより前記シールドブロックの突出量を調整可能にしたことを特徴とする請求項3に記載の金属成形機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保持炉から気体圧力や電磁ポンプなどを用いて溶融金属を直接金型キャビティ内に充填し、さらに、金型を型締して鋳造品を圧縮成形する金属成形機に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の従来技術としては、特開平4−75757号公報に開示されている縦型機の場合の成形法を挙げることができる。 【0003】寸法精度が高く、また、強度の高い優れた品質の製品を成形するためには、最終型締時の製品圧縮の仕方が重要となる。つまり、製品の圧縮率にばらつきが生じないように、金型の最終型締動作をコントロールしなければならない。 【0004】従来、製品の圧縮率にばらつきが生じないように最終型締をするために、移動ダイプレートの最終型締時の位置を規制することが行われている。型締装置が油圧式のものや、電動式のものでは、その規制を、移動ダイプレートの位置を磁気スケール等で読み取り、型締機構のサーボ弁や、サーボモータを制御し、移動ダイプレートの位置制御により行っている。また、トグル式の型締装置の場合では、金型の型厚調整装置を利用して最終的な型締位置を規制している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の油圧駆動の成形機では、移動ダイプレートの正確な位置決めが困難なため、製品の圧縮率にばらつきが生じる上に、型締により製品を圧縮したときに金型の分割面のすき間から溶湯が外に飛び出さないようにする溶湯飛散防止装置が別途必要になるという問題があった。 【0006】また、電動式の型締装置や、トグル式の型締装置をもった金属成形機では、製品圧縮率にばらつきが生じないように最終型締めをすることは容易であるが、溶湯飛散防止は別途必要としていた。 【0007】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、製品の圧縮率にばらつきが生じないような正確な最終圧縮を可能とすると同時に、溶湯の飛散防止をできるようにした金属成形機を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、固定金型と移動金型からなる金型と、金型の移動ダイプレートに連結され、金型の開閉および型締を行う型締機構と、溶融金属を貯え、溶融金属を金型内のキャビティに圧送する圧送手段を備えた保持炉と、前記固定金型の底部に設けられたノズル部と、前記ノズル部と前記保持炉とを接続する給湯管と、前記金型のキャビティの周囲を取り囲むように金型分割面に配置されるシールドブロックと、低圧型締時に所定の製品圧縮規制量δだけ前記シールドブロックが金型分割面から突出するように当該シールドブロックを上方に付勢する付勢手段と、を具備することを特徴とするものである。 【0009】本発明の好適な実施の形態によれば、前記付勢手段は、低圧型締時に前記型締機構から作用する型締力よりも大きな反発力を発生するスプリングなどの弾性体が用いられる。 【0010】また、本発明による金属成形機では、前記製品圧縮規制量δを調整する調整手段をさらに備えることが好ましく、この調整手段は、発明の実施の形態によれば、前記シールドブロックの下面に先端が螺合する複数本の位置決めボルトからなり、前記位置決めボルトの長さを変え、このボルトを締切ることにより前記シールドブロックの突出量が調整可能にされている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について、添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明を縦型機に適用した実施の形態による金属成形機を示す。10はベースで、12は本機のフレームを示す。このフレーム12の上には、固定ダイプレート13が設けられ、この固定ダイプレート13に固定金型14が取り付けられている。 【0012】移動ダイプレート15は、固定ダイプレート13から鉛直に立設されたタイバー16を案内に上下に移動可能なように取り付けられている。固定ダイプレート13の下面には、固定金型14と対向するようにして移動金型17が取り付けられている。製品のキャビティ18は、固定金型14と移動金型17の対向面により形成されている。 【0013】金型内のキャビティ18へは、溶湯保持炉20に貯留されている溶湯Mが直接給湯管21およびノズル部26を通って供給される。溶湯保持炉20は、蓋22によって密封されて、溶湯保持炉20内に貯留されている溶湯Mの湯面を加圧して金型に圧送する手段として加圧室23が形成されている。この加圧室23へは、送気管24によって所定の圧力の不活性ガスが供給されるようになっている。なお、25は、溶湯保持炉20を移動させ、かつノズル部26と給湯管21の接続を液密にするためのシリンダを示している。この実施の形態では、圧力気体により湯面を加圧して溶湯Mを圧送するようにしているが、電磁ポンプやメカニカルポンプによってもよい。 【0014】給湯管21の先端部は、溶湯Mをキャビティ18に射出するためのノズル部26に接続されている。このノズル部26の先端部は、固定ダイプレート13を貫通しており、ノズル部26の端面は、断熱リング27を介して固定金型14に当接するようになっている。この給湯管21の外周部には、溶湯Mが冷えるのを防止するためにヒータ28が巻装されている。 【0015】固定金型14には、キャビティ18の外側を囲むようにして、リング状のシールドブロック30が設けられている。このシールドブロック30は、固定金型14の内部に複数箇所埋設された弾性体であるコイルスプリング30により支持され、このコイルスプリング30がシールドブロック30を上方に付勢し、シールドブロック30の先端が所定の製品圧縮規制量δだけ突出するようにする付勢手段を構成するようになっている。 【0016】このようなシールドブロック30は、下面に位置決めボルト33の先端部が螺合することにより、固定金型14において位置決めされる。この位置決めボルト33は、固定金型14の底面からねじ込まれるようになっていて、位置決めボルト33の長さlを変え、この位置決めボルト33を締切ることによりシールドブロック30の突出量が調整可能になっている。 【0017】次に、型締機構40について説明する。この型締機構40は、移動ダイプレート15とトッププラテン35の間に組み込まれている型締シリンダ42と押込シリンダ43からなる多段シリンダを用いた油圧式である。押込シリンダ43と型締シリンダ42とは直列に連設されている。型締シリンダ42のピストンロッド46は、移動ダイプレートに連結され、ピストン44の前進・後退により金型が開閉される。また、押込シリンダ43のピストン45が前進すると、型締シリンダ42のピストン44にかかる圧力が増圧され、金型に最終型締力が作用するようになっている。 【0018】次に、型締機構40を作動させる油圧ラインについて説明する。50が油圧ポンプで、51が油圧ポンプ50を駆動するモータである。型締シリンダ42へは、油圧ポンプ50から吐出される圧油が方向切換制御弁52を介して供給され、この方向切換制御弁52を切り換えることにより、型締シリンダ42の動作を制御する。すなわち、ソレノイド52aが励磁されると、圧油は、低圧型締設定用の減圧弁53により所定の低圧型締設定圧に減圧されてヘッド側のシリンダ室に導入される。この圧油によりピストン44が前進して移動ダイプレート15とともに移動金型17が下降して低圧型締が行われる。他方、ソレノイド52bが励磁されると、圧油は型締シリンダ42のロッド側のシリンダ室に供給され、ピストン44が後退して型開きが行われる。 【0019】押込シリンダ43は、型締後にキャビティ18内に充填された溶湯をさらに加圧するためのもので、その動作は電磁切換弁54により制御される。すなわち、油圧ポンプ50から送られる圧油は、アキュームレータ55に一旦蓄圧され、電磁切換弁54のソレノイド54aが励磁されると、アキュームレータ55から圧油が押込シリンダ43のヘッド側のシリンダ室に供給されてピストン45を前進させると共に、パイロットチェック弁57が開き低圧型締回路が解除される。これにより、型締シリンダ42のヘッド側の圧力が押込シリンダ43と型締シリンダ42の面積比で増圧され、押込が行われる。このときの押込圧力は、リリーフ弁56により設定される。 【0020】なお、図1において、58は圧力センサを示している。60は溶湯の温度を検出するためにキャビティ18の近傍に設けた温度センサを示し、62は、検出した溶湯温度に応じて、ガス抜き弁62を開閉したり、また、溶湯押込を開始するため電磁切換弁54の開閉を制御する制御装置64を示す。 【0021】次に、以上のように構成される金属成形機の作用について説明する。図2は、低圧型締時の動作を示す図である。型締シリンダ42のビストン44が圧油により前進し、移動金型17を所定の低圧型締力Fで固定金型14に対して押圧させる。このとき、位置決めボルト33の長さlになるように締め込まれている。また、コイルスプリング32がシールドブロック30を押し上げる反発力fの方が大きいような型締力F、すなわち、f > F で型締が行われる。このため、固定金型14と移動金型17の金型分割面14a、17aは、密着せずに型締めされ、製品圧縮規制量δだけすき間が保たれる。 【0022】次に、図3は、キャビティ内に溶湯Mを充填した状態を示す。この溶湯Mの充填は、図1において、保持炉20の加圧室23へ圧力気体を送気管24から供給することにより溶湯Mの湯面を加圧することにより行われる。このとき、製品圧縮規制量δだけ金型分割面14a、17aにすき間があるが、シールドブロック30の端面と移動金型17の金型分割面17aが密着しているため、キャビティ18内に充填された溶湯Mは飛散しないようになっているので、特に、溶湯飛散防止の手段を必要とない。また、溶湯Mの充填に際しては、キャビティ18内のガスは、ガス抜き弁62から金型外に排出される。 【0023】図4は、押込シリンダ43により増圧して溶湯Mを押込んでいる状態を示す。この押込は、溶湯温度が所定の温度まで低下したのを温度センサ60によって検出してから行われる。溶湯温度が所定温度まで低下すると、ガス抜き弁62が閉められ、押込シリンダ43のヘッド側のシリンダ室に圧油が供給されて押込が開始される。 【0024】このときの押込力をF1 とすると、コイルスプリング32の反発力f、製品の圧縮抵抗pとの関係では、p + f < F1となるような大きな押込力がシールドブロック30に作用するようになっている。シールドブロック30と位置決めボルト33が押し下げられる結果、金型分割面14a、17aは密着するので製品は圧縮される。この圧縮により、溶融金属はフラッシュ部63、ガッタ部64まで押し出されて最終圧縮される。 【0025】製品の圧縮の規制は、シールドブロック30によって移動金型17の最終型締開始位置を規制することにより行われる。この場合、圧縮率は、シールドブロック30の金型分割面14aからの突出量である製品圧縮規制量δと1対1に対応し、製品圧縮規制量δは、上記のようにコイルスプリング32の反発力により一定とすることができるので、鋳造サイクルを連続して行っても、製品圧縮率にばらつきがなく、繰り返し精度の高い製品圧縮率が得られる。したがって、製品の寸法精度、強度とも品質の良い製品を成形することができる。 【0026】この製品圧縮規制量δは、位置決めボルト33の長さlを変えることにより適宜調整できるので、製品圧縮率も変えることができる。 【0027】溶湯Mがアルミニウム合金である場合、溶湯押込開始の溶湯温度が400〜500℃で、製品の圧縮率は30〜40%が得られる。このときのキャビティ内圧力としては600〜1000kgf/cm2 が得られている。そして、同じ材料からなる同じ形状の普通ダイカスト製品に較べて、押込開始の溶湯温度が450℃、圧縮率が35%で引っ張り強さが40%向上する結果が得られた。 【0028】以上、本発明の金属成形機の実施形態について説明したが、シールドブロック30を付勢する手段としては、コイルスプリング、板ばねなどの弾性体の他、液圧シリンダのようなアクチュエータを用いるようにしてもよい。また、本発明は、縦型機だけでなく、横型機や傾斜型締機等でも実施することが可能である。 【0029】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シールドブロックの金型分割面からの突出量により移動金型の最終型締開始位置を規制するようにしたので、簡単な構成により製品の圧縮率にばらつきが生じないような正確な最終圧縮が可能となると同時に、溶湯の飛散防止が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003458 【氏名又は名称】東芝機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−147169 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−313522 |
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