| 【発明の名称】 |
自動注湯機 |
| 【発明者】 |
【氏名】篠原 一寛
【氏名】市本 秀則
【氏名】矢野 重夫
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| 【要約】 |
【課題】自動注湯機に異常事態が発生した場合に、自動注湯機を適正に制御できるようにする。
【解決手段】鋳型の搬送ラインに沿って設置された取鍋と、この取鍋を傾動させて取鍋内の溶湯を上記鋳型内に注湯するように傾動機構とを備えた自動注湯機において、正常に注湯を行なうことができない異常事態が上記自動注湯機に発生したことが確認された場合に、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号を上記傾動機構の制御部56に出力する異常時制御手段54を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋳型の搬送ラインに沿って設置された取鍋と、この取鍋を傾動させて取鍋内の溶湯を上記鋳型内に注湯する傾動機構とを備えた自動注湯機において、正常に注湯を行なうことができない異常事態が上記自動注湯機に発生したことが確認された場合に、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号を上記傾動機構の制御部に出力する異常時制御手段を備えたことを特徴とする自動注湯機。 【請求項2】 取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯検出手段と、取鍋内の溶湯量を検出する溶湯量検出手段とを備え、上記出湯検出手段および溶湯量検出手段の検出信号に応じて自動注湯機に異常事態が発生したか否かを判定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の自動注湯機。 【請求項3】 上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していないことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項2記載の自動注湯機。 【請求項4】 上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていないことが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していることが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項2記載の自動注湯機。 【請求項5】 取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯検出手段と、取鍋が出湯停止位置に反転したことを検出する反転検出手段とを備え、この反転検出手段の検出信号に応じて取鍋が出湯停止位置に反転したことが確認され、かつ上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4記載の自動注湯機。 【請求項6】 鋳造ラインに事故が発生した場合等の非常時に作業者によって操作される非常停止スイッチを備え、この非常停止スイッチが操作されたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の自動注湯機。 【請求項7】 注湯作業が行われる作業エリア内に人が進入したことを検出する進入検出手段を備え、この進入検出手段の検出信号に応じて作業エリア内に人が進入したことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の自動注湯機。 【請求項8】 鋳型に対する注湯作業時に鋳型から溶湯がオーバフローしたことを検出するオーバフロー検出手段を備え、このオーバフロー検出手段の検出信号に応じて上記鋳型から溶湯がオーバフローしたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の自動注湯機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型内に溶湯を自動的に注湯する自動注湯機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば特開平7−185780号公報に示されるように、溶湯を保持する保持炉と、この保持炉を傾斜させてその注ぎ口から溶湯を導出させる第1の駆動手段と、上記注ぎ口からの出湯する溶湯を受ける取鍋と、この取鍋を吊り下げて保持炉の設置位置から鋳型(型枠)の注湯位置に運搬するホイストと、取鍋の重量を検出する重量検出手段と、プログラム制御手段とを備え、取鍋の重量を電気信号として検出し、この検出出力を監視して予め入力された設定値に達したときに、上記第1の駆動手段を制御して注ぎ口から溶湯の出湯を停止するとともに、個々の鋳型(型枠)に対する注湯時には、上記重量検出手段からの検出出力を常時監視し、それぞれの鋳型についての注湯量が設定値となった時点で、第2の駆動手段を制御して取鍋に与えた傾斜を水平位置に戻して出湯を停止するように構成された出湯装置が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された出湯装置では、取鍋の重量を検出するロードセル等からなる重量検出手段の検出信号に応じて鋳型への出湯量を検出し、この出湯量が設定値となった時点で、傾斜状態にある注湯中の取鍋を水平状態に戻して出湯を停止するように構成されているに過ぎないため、上記重量検出手段に故障が生じた場合等に、鋳型に対する出湯量が不適正になって不良品が形成されるのを防止することができなかった。また、鋳造ラインに事故が発生した場合あるいは上記注湯作業を行う作業エリア内に人が進入した場合等の異常発生時には、上記鋳型に対する注湯作業を停止することが望ましいが、この場合の制御について上記出湯装置では、何ら考慮されていなかった。 【0004】本発明は、このような事情に鑑み、自動注湯機に異常事態が発生した場合に、自動注湯機を適正に制御することができる自動注湯機を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、鋳型の搬送ラインに沿って設置された取鍋と、この取鍋を傾動させて取鍋内の溶湯を上記鋳型内に注湯する傾動機構とを備えた自動注湯機において、正常に注湯を行なうことができない異常事態が上記自動注湯機に発生したことが確認された場合に、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号を上記傾動機構の制御部に出力する異常時制御手段を備えたものである。 【0006】上記構成によれば、異常時制御手段において自動注湯機に異常事態が発生したことが確認された場合には、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力され、上記取鍋からの出湯動作が自動的に停止されることになる。 【0007】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の自動注湯機において、取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯検出手段と、取鍋内の溶湯量を検出する溶湯量検出手段とを備え、上記出湯検出手段および溶湯量検出手段の検出信号に応じて自動注湯機の異常事態が発生したか否かを判定するように構成したものである。 【0008】上記構成によれば、鋳型への注湯作業時に、上記出湯検出手段および溶湯量検出手段の検出信号に応じて自動注湯機の異常事態が発生したか否かが判定され、異常事態が発生したことが確認された場合には、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力され、上記取鍋からの出湯動作が自動的に停止されることになる。 【0009】請求項3に係る発明は、上記請求項2記載の自動注湯機において、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していないことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0010】上記構成によれば、鋳型への注湯作業時に、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認されたにも拘らず、上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していないことが確認された場合には、上記出湯検出手段または溶湯量検出手段の一方に故障が発生したと判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0011】請求項4に係る発明は、上記請求項2記載の自動注湯機において、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていないことが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していることが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0012】上記構成によれば、鋳型への注湯作業時に、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていないことが確認されたにも拘らず、上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していることが確認された場合には、上記出湯検出手段または溶湯量検出手段の一方に故障が発生したと判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0013】請求項5に係る発明は、上記請求項1〜請求項4記載の自動注湯機において、取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯検出手段と、取鍋が出湯停止位置に反転したことを検出する反転検出手段とを備え、この反転検出手段の検出信号に応じて取鍋が出湯停止位置に反転したことが確認され、かつ上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0014】上記構成によれば、出湯状態にある取鍋を反転させて出湯を停止させる際、反転検出手段の検出信号に応じて取鍋が出湯停止位置に反転したことが確認されたにも拘らず、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋の注湯口から溶湯が流れ出ていることが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0015】請求項6に係る発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の自動注湯機において、鋳造ラインに事故が発生した場合等の非常時に作業者によって操作される非常停止スイッチを備え、この非常停止スイッチが操作されたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0016】上記構成によれば、鋳造ラインに事故が発生した場合等の非常時に作業者によって非常停止スイッチが操作された場合には、自動注湯機に異常事態が発生した判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0017】請求項7に係る発明は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の自動注湯機において、注湯作業が行われる作業エリア内に人が進入したことを検出する進入検出手段を備え、この進入検出手段の検出信号に応じて作業エリア内に人が進入したことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0018】上記構成によれば、進入検出手段の検出信号に応じて注湯作業が行われる作業エリア内に人が進入したことが確認された場合には、自動注湯機に異常事態が発生した判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0019】請求項8に係る発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の自動注湯機において、鋳型に対する注湯作業時に鋳型から溶湯がオーバフローしたことを検出するオーバフロー検出手段を備え、このオーバフロー検出手段の検出信号に応じて上記鋳型から溶湯がオーバフローしたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判定するように構成したものである。 【0020】上記構成によれば、鋳型に対する注湯作業時に、オーバフロー検出手段の検出信号に応じて上記鋳型から溶湯がオーバフローしたことが確認された場合には、自動注湯機に異常事態が発生した判断され、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号が上記傾動機構の制御部に出力されることになる。 【0021】 【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る自動注湯機の実施形態を示している。この自動注湯機は、後述する鋳型の搬送ラインによって搬送される鋳型内に溶湯を注湯する取鍋1と、上記鋳型に対する注湯位置から取鍋1に対する受湯位置に取鍋1を搬送する搬送機構2と、注湯時に取鍋1を傾動させる傾動機構3と、上記搬送機構2により注湯位置に搬送された取鍋1を下降させて上記傾動機構3上に受渡しする受渡し手段4とを有している。 【0022】上記取鍋1は、受渡し手段4に設けられた吊下部5に係合される一対のフック6と、傾動機構3に設けられた後述のロック手段によって係止される被係止片7と、搬送機構2による取鍋1の搬送状態でこの取鍋1を手動操作により傾動させる傾動操作手段8と、溶湯の注湯口9とを有している。この注湯口9の近傍には、傾動機構3に設けられた係合部12の突部に対応する上窄まりの凹部10を備えた左右一対の被係合部11が設けられている。上記凹部10には、取鍋1の注湯口9から導出される溶湯の注湯方向に配設された一対の相対向するテーパ面が設けられ、後述する取鍋1の受渡し時に、上記係合部12の突部が上記テーパ面により案内されて凹部10内に嵌入されるようになっている。 【0023】上記搬送機構2は、天井部等に設置された走行レール13に沿って走行する走行台車14を有し、図3に示すように、鋳型Aの搬送ライン66に沿って一対の傾動機構3が並列に設置された注湯位置18,19から、溶湯の保持炉17が並列に設置された受湯位置15,16に上記取鍋1を搬送するように構成されている。そして、上記受湯位置15,16において受湯された取鍋1が、上記注湯位置18,19に搬送されて傾動機構3上に受渡しされるようになっている。 【0024】また、搬送機構2には、上記注湯位置18,19に搬送された取鍋1をその搬送方向に位置決めする位置決め手段20が設けられている。この位置決め手段20は、図4に示すように、搬送レール13に沿って設置された支持フレーム21と、この支持フレーム21によって揺動自在に支持された一対の揺動アーム22と、この揺動アーム22を揺動変位させる駆動シリンダ23とを有している。 【0025】そして、上記走行台車14が注湯位置18,19に到達して停止したことが確認された時点で、駆動シリンダ23によって上記揺動アーム22が実線で示す退避位置から仮想線で示す挟持位置に駆動され、走行台車14に突設された位置決めアーム24が、上記揺動アーム23の先端部に設けられた挟持ローラ25により挟持されることにより、上記走行台車14の走行方向、つまり取鍋1の搬送方向の位置ずれが修正され、この取鍋1が注湯位置18,19に正確に位置決めされるようになっている。 【0026】上記受渡し手段4は、フック6の吊下部5を昇降駆動する昇降駆動部を有し、上記吊下部5に吊下された取鍋1を、図1に示す上方の搬送位置から下方の載置位置に移動させて上記傾動機構3上に受渡しするように構成されている。上記吊下部5には、図2に示すように、下窄まりに傾斜する一対の傾斜面26,26が搬送レール13の設置方向、つまり取鍋1の搬送方向に相対向するように配設され、上記フック6を吊下部5に係合する際に、上記傾斜面26,26に沿ってフック6が吊下部5の中央部側に案内されることにより、取鍋1の搬送方向にフック6が位置決めされた状態で係止されるようなっている。 【0027】上記傾動機構3は、図1に示すように、上記搬送機構2による取鍋1の搬送方向と直交する方向に設置された案内レール27と、この案内レール27に沿って注湯を行う前方の作動位置から、図1に示す後方の受渡し位置に走行する走行基台28からなる移動手段と、この走行基台28からなる移動手段上に設置された受けフレーム29と、前方の作動位置に移動した上記走行基台28および取鍋1を取鍋1の搬送方向に沿って搬送する搬送台車67と、上記受けフレーム29上に載置された取鍋1の総重量を検出するロードセンサ30と、取鍋1の注湯口9から導出された溶湯を鋳型の注湯位置に案内する案内部31とを有している。 【0028】上記受けフレーム29には、先窄まりの突部が上端部に形成された係合部12と、取鍋1の底部および後部を支持する支持ローラ32,33と、前端部に設けられた支持軸34と、この支持軸34を中心に後部から底部にかけて円弧状に伸びるラックギア35とが設けられ、受けフレーム29に設けられた上記係合部12と、取鍋1に設けられた被係合部11とによって取鍋1の誘導手段が構成され、上記傾動機構3に対する取鍋1の受渡し時に、上記誘導手段によって取鍋1がその注湯方向に誘導されて位置決めされるようになっている。 【0029】すなわち、図1に示すように、走行基台28からなる移動手段によって傾動機構3を後方の受渡し位置に移動させた状態で、上記受渡し手段4により取鍋1を下降させて上方の搬送位置から図5に示す下方の載置位置に取鍋1を移動させることにより、この取鍋1に設けられた被係合部11の凹部10内に、上記係合部12の突部が嵌入されて取鍋1がその注湯方向、つまり上記走行基台28の走行方向に位置決めされた状態で、上記受けフレーム29の支持ローラ32,33上に取鍋1が載置されて支持されることになる。 【0030】また、上記受けフレーム29のラックギア35は、走行基台28に設けられた駆動ギア36に係合され、この駆動ギア36が駆動モータ37によって回転駆動されることにより、上記受けフレーム29上に載置された取鍋1が、上記支持軸34を支点にして揺動変位し、図5の実線で示すように注湯口9が水平状態となった初期位置から、図5の仮想線で示すように注湯口9が先下がり状態となった出湯位置に変位するように構成されている。 【0031】上記受けフレーム29は、取鍋1の下部前面に突設された上記被係止片7の上面に先端部が係脱自在に係合されるロックレバー38と、このロックレバー38を駆動する駆動シリンダ39とを有するロック手段40を備え、上記取鍋1が受けフレーム29上に載置された時点で、上記駆動シリンダ39によりロックレバー38を駆動してその先端部を上記被係止片7の上面に圧接させることにより、取鍋1の浮上がりを規制した状態で取鍋1を支持するように構成されている。また、上記受けフレーム29には、図6に示すように、取鍋1の側壁面に当接してその側方移動を規制する支持ローラ41が設けられている。 【0032】上記取鍋1に設けられた傾動操作手段8は、図7に示すように、取鍋1の側壁面に突設されたトラニオン軸42と、このトラニオン軸42に固定されウォームホイール43と、このウォームホイール43を駆動するウォームギア44と、このウォームギア44に駆動力を伝達するベベルギア機構45と、このベベルギア機構45を駆動する操作ハンドル46とを有している。そして、この操作ハンドル46を回動操作することにより、上記ベベルギア機構45、ウォームギア44およびウォームホイール43を介して上記トラニオン軸42に駆動力を伝達し、このトラニオン軸42を回転駆動して取鍋1を傾動変位させるように構成されている。 【0033】また、上記傾動機構3に設けられた注湯の案内部31は、図8に示すように、搬送機構3に設けられた回動軸47を支点にして揺動自在に支持されるとともに、駆動シリンダ48および駆動レバー49を有する駆動手段50により駆動されて揺動変位するように構成されている。すなわち、上記駆動手段50の駆動力に応じて上記案内部31が、図の実線で示す下方の注湯位置から、仮想線で示す上方の退避位置に揺動変位することにより、鋳型Aの搬送時に、上記案内部31が鋳型Aに当接しないように上方に退避するとともに、溶湯の注湯時に、鋳型Aの注湯部に対応した位置に上記案内部31の先端部が下降するようになっている。 【0034】上記自動注湯機には、図9に示すように、鋳型Aに対する必要注湯量を検出する注湯量検出手段51と、取鍋1内に収容された溶湯の残量を検出する残量検出手段52と、取鍋1内に収容された溶湯を鋳型A内に注湯するように制御するとともに、溶湯の残量が少なくなった取鍋1を受湯位置15,16に搬送して溶湯を補給するように制御する注湯制御手段53と、注湯時に異常事態が発生したことが確認された場合に、上記取鍋1を初期位置に復帰させるように制御する異常時制御手段54とが設けられている。 【0035】上記注湯量検出手段51は、鋳造ラインから出力される制御信号等に応じて上記注湯位置18,19に順次搬送される鋳型Aに対する溶湯の必要注湯量を検出し、この検出信号を上記注湯制御手段53に出力するように構成されている。また、残量算出手段52は、上記ロードセル30によって検出された取鍋1の総重量から、予め記憶された取鍋1の自重を減算することにより、取鍋1内に収容された溶湯の残量を求め、この残量の検出信号を上記注湯制御手段53に出力するように構成されている。 【0036】注湯制御手段53は、上記注湯量検出手段51および残量算出手段52等の出力信号に応じ、現在注湯中の取鍋1によって引き続き注湯を行うことが可能であるか否かを判定し、可能であると判断された場合に、上記取鍋1による注湯を継続し、不可能であると判断された場合に、注湯する取鍋1を切換えて待機中の取鍋1による注湯を開始するとともに、溶湯の残量が少なくなった取鍋1を受湯位置15,16に搬送して受湯作業を行わせる制御信号を、上記搬送機構制御部55および傾動機構制御部56に出力するように構成されている。 【0037】また、上記異常時制御手段54は、鋳造ラインに事故が発生した場合等の非常時に、作業者によって操作される非常停止スイッチ57、注湯作業が行われる作業エリア内に人が進入したことを検出するドアスイッチ58からなる進入検出手段、鋳型Aに対する注湯作業時に鋳型Aから溶湯がオーバフローしたことを検出するオーバフローセンサ59からなるオーバフロー検出手段、取鍋1内の溶湯が注湯口9から流れ出ているか否かを検出するフォトセンサ等の出湯センサ60からなる出湯検出手段および上記ロードセンサ30からなる溶湯量検出手段の出力信号に応じ、正常に注湯を行なうことができない異常事態が自動注湯機に発生したこと確認された場合に、上記取鍋1を初期位置に復帰させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力するように構成されている。 【0038】図3に示すように、鋳型Aの搬送ライン66に沿って設置された注湯位置18,19に一対の取鍋1を配設し、この取鍋1を選択的に作動させて注湯を行うとともに、上記注湯位置18,19の間に1個の鋳型Aを介在させた状態で搬送するように構成された自動注湯機において、上記注湯制御手段53により実行される制御動作を、図10〜図13に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、まず現在注湯中の取鍋1が鋳型Aの搬送方向上流側の注湯位置18に配設された1号機であるか否かを判定し(ステップS1)、YESと判定された場合には、上記残量検出手段52において検出された上記1号機の取鍋1内における溶湯の残量Wを記憶する(ステップS2)。 【0039】次に、注湯開始信号の入力時点で、上記注湯量検出手段51により検出された鋳型Aの搬送方向上流側に配設された注湯位置18の少なくとも1枠分だけ上流側に位置する鋳型Aから、現在注湯中の取鍋1の設置位置(1号機)に至る範囲に配列された鋳型Aに対する必要注湯量、つまり現在の注湯位置18に搬送された鋳型Aと、その上流側に位置する鋳型Aとからなる2枠分の鋳型Aに対する必要注湯量を読み込んだ後(ステップS3)、上記1号機の取鍋1内に収容された溶湯の残量Wに基づいて上記2枠分の注湯が可能であるか否かを判断する(ステップS4)。 【0040】上記ステップS4でNOと判定され、1号機の取鍋1によって上記2枠分の鋳型Aに対する注湯が不可能であることが確認された場合には、鋳型Aの搬送方向下流側の注湯位置19に配設された2号機に対し、未注湯の鋳型Aが到達した時点で注湯を開始するように指示する制御信号を出力した後(ステップS5)、上記1号機の残量Wに基づいて注湯位置18に到達した1枠分の鋳型Aに対する注湯が可能か否かを判定する(ステップS6)。なお、上記ステップS4でYESと判定された場合には、上記ステップS6に直接移行して上記鋳型Aに対する注湯が可能か否かを判定する。 【0041】上記ステップS6でYESと判定され、現在注湯中の1号機が設置された上記注湯位置18に到達した鋳型Aに対する注湯が可能であることが確認された場合には、上記鋳型Aに対する注湯作業が完了したか否かを判定し(ステップS7)、NOと判定された場合には、ロードセル30の検出信号に応じて注湯量を検出しつつ、1号機の取鍋1を傾動させて上記鋳型Aに対する注湯を実行させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力する(ステップS8)。 【0042】次いで、上記鋳型Aに対する必要注湯量に相当する所定量の溶湯が1号機の取鍋1から注湯されたか否かを、上記ロードセル30の出力信号に応じて判定し(ステップS9)、NOと判定された場合には、上記ステップS8に戻り、上記鋳型Aに対する注湯を継続する。また、上記ステップS9でYESと判定され、上記鋳型Aに対する注湯が完了したことが確認された場合には、1号機の取鍋1を反転させて上記鋳型Aに対する注湯を停止させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力した後(ステップS10)、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記取鍋1からの出湯が止まったか否かを判定する(ステップS11)。 【0043】上記ステップS11でNOと判定され、1号機の取鍋1からの出湯が止まっていないことが確認された場合には、上記ステップS10に戻り、取鍋1の反転動作を継続する。また、上記ステップS11でYESと判定され、取鍋1からの出湯が止まったことが確認された場合には、上記ステップS2で記憶された1号機の残量Wから上記鋳型Aに注湯された注湯量を減算することにより、記憶手段に記憶される溶湯の残量Wの値を修正する(ステップS12)。次に、上記ステップS12で修正された溶湯の残量Wに基づいて注湯位置18の上流側に位置する次枠の鋳型Aに対する注湯が可能であるか否かを判定し(ステップS13)、YESと判定された場合には、そのままリターンして上記制御動作を繰り返す。 【0044】上記ステップS13でNOと判定された場合には、上記1号機の取鍋1を受湯位置15,16に搬送して取鍋1内に受湯させる制御信号を上記搬送機構制御部55および傾動機構制御部56に出力して受湯制御を実行し(ステップS14)、その後にリターンする。また、上記ステップS6でNOと判定され、現在注湯中の取鍋1が設置された注湯位置18に到達した鋳型Aに対する注湯が不可能であることが確認された場合には、上記取鍋1から鋳型Aへの注湯を禁止し、上記ステップS14に移行して受湯制御を実行する。 【0045】すなわち、上記傾動機構3の走行基台28を前方の作動位置から後方の受渡し位置に移動させた状態で、上記受渡し手段4の吊下部5を下降させてこの吊下部5に取鍋1のフック6を係合した後、上記受渡し手段4によって取鍋1を搬送位置に上昇させ、搬送機構2により上記取鍋1を受湯位置15,16に搬送して保持炉17から上記取鍋1内に溶湯を補給する。 【0046】次いで、上記搬送機構2により取鍋1を注湯位置18,19に返送した後、上記受渡し手段4によって取鍋1を傾動機構3に下降させ、上記誘導手段により取鍋1を誘導してその注湯方向の位置決めを行いつつ、受けフレーム29上に載置する。そして、上記傾動機構3の走行基台28を後方の受渡し位置から前方の作動位置に移動させた状態で待機し、注湯開始信号が入力された時点で、上記傾動機構3を作動させて取鍋1を傾動させることにより、上記注湯口9および案内部31を介して上記鋳型Aに対する注湯を行う。 【0047】また、上記ステップS1でNOと判定され、現在注湯中の取鍋1が鋳型Aの搬送方向下流側の注湯位置19に配設された2号機であることが確認された場合には、図12に示すように、上記残量検出手段52において検出された上記2号機の取鍋1内における溶湯の残量Wを記憶した後(ステップS15)、注湯開始信号の入力時点で、上記注湯量検出手段51により検出された鋳型Aの搬送方向上流側に配設された注湯位置18の少なくとも1枠分だけ上流側に位置する鋳型Aから、現在注湯中の取鍋1の設置位置(2号機)に至る範囲に配列された鋳型Aに対する必要注湯量、つまり上記注湯位置18の上流側に位置する鋳型Aから2号機の注湯位置19に搬送された鋳型Aまでの4枠分の鋳型Aに対する必要注湯量を読み込む(ステップS16)。 【0048】次に、上記2号機の取鍋1内に収容された溶湯の残量Wに基づいて上記4枠分の注湯が可能か否かを判断する(ステップS17)。このステップS17でNOと判定され、2号機の取鍋1によって上記4枠分の鋳型Aに注湯が不可能であることが確認された場合には、上記溶湯の残量Wに基づいて2号機の注湯位置19から上流側に位置する3枠分の鋳型Aに対する注湯が可能か否かを判断し(ステップS18)、YESと判定された場合には、鋳型Aの搬送方向上流側の注湯位置18に配設された1号機に対して次回から注湯を開始するように指示する制御信号を出力する(ステップS19)。 【0049】また、上記ステップS18でNOと判定され、2号機の注湯位置19からその上流側に位置する3枠分の鋳型Aに対する注湯が不可能であることが確認された場合には、上記1号機に対して今回から注湯を開始するように指示する制御信号を出力した後(ステップS20)、上記2号機の残量Wに基づいて注湯位置19に到達した1枠分の鋳型Aに対する注湯が可能か否かを判定する(ステップS21)。次いで、上記鋳型Aに対する注湯作業が完了したか否かを判定し(ステップS22)、NOと判定された場合には、上記ロードセル30の検出信号に応じて注湯量を制御しつつ、2号機の取鍋1を傾動させて上記鋳型Aに対する注湯を実行させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力する(ステップS23)。 【0050】その後、上記ロードセル30の出力信号に応じて鋳型Aに対する必要注湯量に相当する所定量の溶湯が2号機の取鍋1から注湯されたか否かを判定し(ステップS24)、NOと判定された場合には、上記ステップS23に戻り、上記鋳型Aに対する注湯を継続する。また、上記ステップS24でYESと判定され、上記鋳型Aに対する注湯が完了したことが確認された場合には、2号機の取鍋1を反転させて上記鋳型Aに対する注湯を停止させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力した後(ステップS25)、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記取鍋1からの出湯が止まったか否かを判定する(ステップS26)。 【0051】上記ステップS26でNOと判定され、2号機の取鍋1からの出湯が止まっていないことが確認された場合には、上記ステップS25に戻り、取鍋1の反転動作を継続する。また、上記ステップS26でYESと判定され、取鍋1からの出湯が止まったことが確認された場合には、上記ステップS15で記憶された2号機の残量Wから上記鋳型Aに注湯された溶湯を減算することにより、記憶手段に記憶される溶湯の残量Wの値を修正する(ステップS27)。次に、上記ステップS12で修正された溶湯の残量Wに基づいて注湯位置18の上流側に位置する次枠の鋳型Aに対する注湯が可能であるか否かを判定し(ステップS28)、YESと判定された場合には、そのままリターンして上記制御動作を繰り返す。 【0052】上記ステップS27でNOと判定され、注湯位置18の上流側に位置する次枠の鋳型Aに対する注湯が不可能であることが確認された場合には、上記2号機の取鍋1を受湯位置15,16に搬送して取鍋1内に受湯させる制御信号を上記搬送機構制御部55および傾動機構制御部56に出力して受湯制御を実行する(ステップS29)。また、上記ステップS21でNOと判定され、現在注湯中の取鍋1が設置された注湯位置19に到達した鋳型Aに対する注湯が不可能であることが確認された場合には、上記取鍋1から鋳型Aへの注湯を禁止し、上記ステップS29に移行して受湯制御を実行した後にリターンする。 【0053】次に、上記異常時制御手段54において実行される制御動作を図14および図15に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、上記非常停止スイッチ57が操作されたか否かを判定し(ステップS31)、YESと判定された場合には、異常事態が発生したことを報知する警報を作動させるとともに(ステップS32)、現在注湯中の取鍋1を初期位置に復帰させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力して上記取鍋1からの出湯動作を停止させる(ステップS33)。 【0054】また、上記ステップS31でNOと判定された場合には、上記ドアスイッチ58がON状態となったか否かを判定し(ステップS34)、YESと判定された場合には、上記ステップS32に進んで異常発生時の制御を実行する。次に、上記オーバフローセンサ59の出力信号に応じて注湯時に鋳型Aから溶湯がオーバフローしているか否かを判定し(ステップS35)、YESと判定された場合には、上記ステップS32に進んで異常発生時の制御を実行する。なお、自動注湯機の作動時には、上記ステップS31,S34,S35の判定動作を所定時間ごとに実行し、異常が発生したことが確認された時点で、上記異常発生時の制御を実行するように構成されている。 【0055】次いで、注湯開始信号の入力時点で、上記傾動機構3により取鍋1を傾動させて鋳型Aに対する注湯を開始する制御信号を傾動機構制御部56に出力するとともに(ステップS36)、タイマーをセットし(ステップS37)、このタイマーがタイムアップした時点で、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ているか否かを判定する(ステップS38)。 【0056】上記ステップS38でNOと判定され、取鍋1の傾動開始時点から所定時間が経過しているにも拘らず、上記注湯口9からの出湯が開始されていないことが確認された場合には、上記出湯センサ60または傾動機構3に故障が発生したと判断して上記ステップS32に進み、異常事態が発生したことを報知する警報を作動させるとともに、現在注湯中の取鍋1を初期位置に復帰させる異常発生時の制御を実行する。 【0057】上記ステップS38でYESと判定され、出湯が開始されたことが確認された場合には、上記ロードセル30の出力信号に応じて取鍋1内に収容された溶湯の残量が変化したか否かを判定する(ステップS39)、このステップS39でNOと判定され、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ていることが確認されたにも拘らず、上記溶湯の残量が変化していないことが確認された場合には、上記出湯センサ60またはロードセル30に故障が発生したと判断して上記ステップS32に進み、異常発生時の制御を実行する。 【0058】また、上記ステップS39でYESと判定された場合には、上記鋳型Aに対する必要注湯量に相当する所定量の溶湯が1号機の取鍋1から注湯されたか否かを、上記ロードセル30の出力信号に応じて判定し(ステップS40)、NOと判定された場合には、ステップS36に戻って上記注湯作業を継続し、上記ステップS40でYESと判定された時点で、上記取鍋1を反転させて鋳型Aに対する注湯を停止させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力した後(ステップS41)、取鍋1が出湯停止位置に復帰するまでの時間を計時するタイマーがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS42)。 【0059】上記ステップS42でNOと判定された場合には、上記取鍋4の傾動角度を検出する図外の角度検出手段から出力される検出信号に応じて取鍋1が出湯停止位置に反転したか否かを判定する(ステップS43)。このステップS43でNOと判定された場合には、上記ステップS41に戻り、取鍋1の反転動作を継続する。また、上記ステップS43でYESと判定され、あるいは上記ステップS42でYESと判定されて取鍋1が出湯停止位置に反転したことが確認された時点で、上記取鍋1の反転動作を停止させる制御信号を上記傾動機構制御部56に出力した後(ステップS44)、タイマーをセットする(ステップS45)。 【0060】そして、上記タイマーがタイムアップしたことが確認された時点で、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記注湯口9からの出湯が止まったか否かを判定する(ステップS46)。このステップS46でNOと判定され、取鍋1の反転動作の終了時点から所定時間が経過しているにも拘らず、上記注湯口9からの出湯が止まっていないことが確認された場合には、上記出湯センサ60または傾動機構3に故障が発生したと判断して上記ステップS32に進み、異常発生時の制御を実行する。 【0061】上記ステップS46でYESと判定され、出湯が停止したことが確認された場合には、上記ロードセル30の出力信号に応じて取鍋1内に収容された溶湯の残量に変化がないか否かを判定する(ステップS47)、このステップS47でNOと判定され、上記出湯センサ60の検出信号に応じて上記取鍋1の注湯口9から溶湯の流れが止まったことが確認されたにも拘らず、上記溶湯の残量が変化していることが確認された場合には、上記出湯センサ60またはロードセル30に故障が発生したと判断して上記ステップS32に進み、異常発生時の制御を実行する。また、上記ステップS47でYESと判定された場合には、注湯制御が正常に実行されたと判断して制御動作を終了する。 【0062】上記のように鋳型Aの搬送ライン66に沿って設置された取鍋1と、この取鍋1を傾動させる傾動機構3とを備え、この傾動機構3により取鍋1を傾動変位させて取鍋1内の溶湯を上記鋳型A内に注湯するように構成された自動注湯機において、正常に注湯を行なうことができない異常事態が上記自動注湯機に発生したことが異常時制御手段54により確認された場合に、注湯中の取鍋1を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号を上記異常時制御手段54から傾動機構制御部56に出力するように構成したため、上記異常発生時に注湯中の取鍋1を速やかに初期位置に復帰させて出湯動作を停止させることにより、不完全な注湯制御が実行されて不良品が生成されること等を効果的に防止することができる。 【0063】すなわち、取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯センサ60からなる出湯検出手段と、取鍋1内の溶湯量を検出するロードセンサ30からなる溶湯量検出手段とから出力される検出信号に応じ、上記取鍋1内の溶湯を鋳型A内に注湯する作業およびこの注湯作業を終了させる作業が適正に実行されているか否かを判定し、適正に実行されていないことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したて判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させることにより、上記鋳型A内に対する注湯量が不足して不良品が生成されたり、必要以上の溶湯が鋳型A内に注湯されて溶湯がオーバフローしたりするのを事前に防止することができる。 【0064】例えば上記実施形態では、取鍋1を傾動させて鋳型Aに対する注湯を開始する際に、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ていることが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋1内の溶湯量が変化していないことが確認された場合に、上記出湯検出手段または溶湯量検出手段の一方に故障が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成したため、故障した検出手段によって検出された不正確なデータに基づいた注湯制御が実行されることに起因する不良品の生成を効果的に防止することができる。 【0065】また、上記実施形態では、注湯中の取鍋1を反転させて鋳型Aに対する注湯を停止する際に、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ていないことが確認され、かつ上記溶湯量検出手段の検出信号に応じて取鍋内の溶湯量が変化していることが確認された場合に、上記出湯検出手段または溶湯量検出手段の一方に故障が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成しため、上記取鍋1が出湯停止位置に反転していないにも拘らず、出湯停止状態となったと誤判定されて反転動作が停止されることに起因する溶湯のオーバフロー等を事前に防止することができる。なお、上記ロードセンサ30に代え、残量検出手段53の検出信号に応じて取鍋1内の溶湯量が変化しているか否かを判別するように構成してもよい。 【0066】また、上記実施形態に示すように、取鍋1の注湯口9から溶湯が流れ出ているか否かを検出する出湯センサ60からなる出湯検出手段と、取鍋1の傾斜角度を検出する角度検出手段または取鍋1が出湯停止位置に反転するまでの時間を計時するタイマーからなる反転検出手段とを設け、注湯中の取鍋1を反転させて鋳型Aに対する注湯を停止する際に、上記反転検出手段の検出信号に応じて取鍋1が出湯停止位置に反転したことが確認されたにも拘らず、上記出湯検出手段の検出信号に応じて取鍋1の注湯口9から出湯が止まっていないことが確認された場合には、上記出湯検出手段または反転検出手段に故障が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成しため、上記取鍋1が出湯停止位置に反転していないにも拘らず、出湯停止状態となったと誤判定されて反転動作が停止されることに起因して溶湯がオーバフローしたり、上記取鍋1の反転時に必要以上に反転動作が継続されること等を効果的に防止することができる。 【0067】また、上記実施形態では、鋳造ラインに事故が発生した場合等の非常時に作業者によって操作される非常停止スイッチ57を設け、この非常停止スイッチ57が操作されたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成したため、上記鋳造ラインが停止状態となったにも拘らず、上記自動注湯機による注湯作業が継続されるという誤動作を発生を防止し、この注湯作業を停止した状態で上記鋳造ラインの修理を行うことができる。 【0068】また、上記実施形態では、注湯作業が行われる作業エリア内に人が進入したことを検出するドアスイッチ58等からなる進入検出手段を設け、この進入検出手段の検出信号に応じて作業エリア内に人が進入したことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成したため、上記作業エリア内に人が進入した状態で注湯作業が行われるのを防止して安全性を確保することができる。 【0069】さらに、上記実施形態では、鋳型に対する注湯作業時に鋳型Aから溶湯がオーバフローしたことを検出するオーバフローセンサ59からなるオーバフロー検出手段を設け、このオーバフロー検出手段の検出信号に応じて上記鋳型Aから溶湯がオーバフローしたことが確認された場合に、自動注湯機に異常事態が発生したと判断して上記取鍋1を初期位置に復帰させるように構成したため、上記出湯制御手段53に故障が発生する等により、正常な注湯制御が実行ができなくなって上記溶湯のオーバフローが発生したとしても、このオーバフローを速やかに解消することができる。なお、上記自動注湯機の異常発生時に、取鍋1を必ずしも初期位置に復帰させる必要はなく、上記注湯口9から出湯を確実に阻止できる非注湯位置まで、上記取鍋を反転させるように構成してもよい。 【0070】また、上記実施形態では、鋳型Aに対する注湯量を検出する注湯量検出手段51と、上記取鍋1内に収容された溶湯の残量を検出する残量検出手段52と、上記注湯位置18,19に配設された取鍋1を選択して注湯を行うように制御する注湯制御手段53とを設け、上記注湯量検出手段51および残量検出手段52の検出信号に応じ、現在注湯中の取鍋1によって引き続き注湯が可能か否かを上記注湯制御手段53において判定し、不可能であることが確認された場合に、注湯する取鍋1を変更して待機中の取鍋1による注湯を開始するように構成したため、鋳型Aの搬送方向下流側に位置する注湯位置19に配設された一方の取鍋1から、上流側に位置する注湯位置18に配設された他方の取鍋1に変更する際に、未注湯の鋳型Aが上記他方の取鍋1を通過してしまうことを防止し、上記取鍋1の切換えを適正に実行することができる。 【0071】なお、上記実施形態では、搬送ライン66に沿って設置された注湯位置18,19に一対の取鍋1を配設した例についに説明したが、上記搬送ライン66に沿って3個以上の取鍋1を配設した構造としてもよい。この場合には、現在注湯中の取鍋1からその上流側に配設された取鍋1に切換える際に、この取鍋1が設置された注湯位置の少なくとも1枠分だけ上流側に位置する鋳型Aから、現在注湯中の取鍋1の設置位置に至る範囲に配列された鋳型Aに対する必要注湯量を検出し、この必要注湯量に基づいて現在注湯中の取鍋1によって引き続き注湯が可能か否かを判定するように構成する等により、未注湯の鋳型Aが上記他方の取鍋1を通過してしまうことを確実に防止することができる。 【0072】また、上記実施形態では、受湯位置15,16と注湯位置18,19との間において取鍋1を搬送する搬送機構2と、鋳型Aに対する注湯位置18,19に設置された取鍋1の傾動機構3と、上記搬送機構2により注湯位置18,19に搬送された取鍋1を下降させて上記傾動機構3上に受渡しする受渡し手段4と、この受渡し手段4によって取鍋1を傾動機構3上に受渡しする際に、取鍋1を誘導して位置決めする上記係合部12および被係合部11からなる誘導手段とを設けたため、上記受湯位置15,16と、注湯位置18,19とが離れた位置にある場合でも、上記取鍋1に対して溶湯を補給する受湯作業を、簡単な構成で容易に行うことができる。 【0073】すなわち、大きな重量を有する傾動機構3を上記注湯位置18,19に残した状態で、取鍋1のみを搬送機構2により注湯位置18,19から受湯位置15,16に搬送して受湯作業を行うことができるため、上記搬送機構2を大型化することなく、その構造を簡略化して製造コストを安価に抑えることができる。また、上記誘導手段によって取鍋1を位置決めした状態で、上記搬送機構2から傾動機構3上に受渡しすることができるため、上記のように傾動機構3から取鍋1を離脱させて搬送するように構成したにも拘らず、上記傾動機構3上に取鍋1を適正状態で載置してこの傾動機構3によって取鍋1を傾動変位させることができる。 【0074】しかも、上記搬送機構2から傾動機構3上に取鍋1を受渡した後、他の取鍋1を上記搬送機構2によって受湯位置15,16に搬送することができるため、単一の搬送機構2により複数の取鍋1を順次搬送することができる。したがって、複数の取鍋1を上記注湯位置18,19に配設して交互に注湯作業を行うように構成することにより、一方の取鍋1を受湯位置に搬送して受湯作業を行っている間に、鋳造ラインを停止させることなく、他方の取鍋1によって鋳型Aに対する注湯作業を行うことができるため、作業効率を向上させることができる。 【0075】さらに、上記実施形態では、上記搬送機構2によって取鍋1を吊下した状態で、この取鍋1を傾動操作する傾動操作手段8を設けたため、上記自動注湯機の作動を停止する際等に、搬送機構3によって取鍋1を溶湯の排出位置に搬送した後、上記傾動操作手段8により取鍋を傾動変位させて、取鍋1内の溶湯を排湯タンク等の排出部に排出することにより、上記注湯作業の終了時等に、取鍋1内において溶湯が硬化するという事態の発生を防止することができる。 【0076】なお、図16および図17に示すように、取鍋1の受湯口を開閉する開閉蓋61を設け、上記受湯位置15,16に配設された開閉駆動アーム62と、この開閉駆動アーム62を作動させる図示を省略したロータリシリンダ等からなる駆動部とを有する駆動手段によって上記開閉蓋61を開閉駆動するように構成してもよい。すなわち、取鍋1の上端部に設置された駆動軸63によって上記開閉蓋61を揺動自在に支持し、上記駆動軸63の両側端部に、開閉蓋61の重量よりもやや軽いバランサ64を設けるとともに、このバランサ64に被駆動アーム65を突設し、上記開閉駆動アーム62によって被駆動アーム65を押動することにより、上記駆動軸63を回動変位させて開閉蓋61を図16に示す閉止位置から図17に示す開放位置に揺動変位させるようにしてもよい。 【0077】上記のように取鍋1の受湯口を開閉する開閉蓋61を設け、この開閉蓋61を開閉駆動する駆動軸63および開閉駆動アーム62等からなる駆動部を設けた場合には、保持炉17から上記取鍋1内に溶湯を補給する受湯作業を行う際に、上記開閉蓋61を開放することにより、上記受湯作業を容易に行うことができるとともに、受湯後に上記開閉蓋61を閉止した状態で、上記取鍋1を注湯位置18,19に搬送して注湯作業を行うことができる。したがって、上記取鍋1の搬送時および注湯作業時に、溶湯の温度が低下するのを効果的に防止することができる。また、上記開閉蓋61の重量に対応したバランサ64を上記駆動軸63からなる駆動部に設け、このバランサ64と上記開閉蓋61の重量とをバランスさせるように構成した場合には、開閉蓋61を軽い力で開閉駆動できるという利点がある。 【0078】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、鋳型の搬送ラインに沿って設置された取鍋と、この取鍋を傾動させて取鍋内の溶湯を上記鋳型内に注湯するように傾動機構とを備えた自動注湯機において、正常に注湯を行なうことができない異常事態が上記自動注湯機に発生したことが確認された場合に、注湯中の取鍋を強制的に非注湯位置に反転させる制御信号を上記傾動機構の制御部に出力する異常時制御手段を設けたため、上記異常発生時に注湯中の取鍋を速やかに初期位置に復帰させて出湯動作を停止することにより、不完全な注湯制御が実行されて不良品が生成されること等を効果的に防止できるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003137 【氏名又は名称】マツダ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−123532 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月11日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−294416 |
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