トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き




【発明の名称】 クロス溝付管の製造方法およびその装置ならびにクロス溝付管
【発明者】 【氏名】住本 研一

【要約】 【課題】従来のクロス溝付管の製造方法においては、生産性が低いという問題点があった。

【解決手段】クロス溝付管50を製造するための方法であって、表面に螺旋状に形成された凸条と、該凸条の少なくとも一部において凸条の延在方向と交差する方向に形成された凹所と、を有するマンドレルを準備し、このマンドレルを使用して管に対して転造加工を行って、主山51aおよび主谷51bからなる主溝51と、副山52aおよび副谷52bからなる副溝52と、が内面に形成されたクロス溝付管50を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クロス溝付管を製造するための方法であって、表面に螺旋状に形成された凸条と、該凸条の少なくとも一部において前記凸条の延在方向と交差する方向に形成された凹所と、を有するマンドレルを準備し、該マンドレルを使用して管に対して転造加工を行ってクロス溝付管を得ることを特徴とするクロス溝付管の製造方法。
【請求項2】 後方に引かれる管を絞り加工するための引抜孔を有するダイスと、このダイスの後方において前記管の外周面に沿って円環状に配列された複数の回転体と、これら円環状に配置された複数の回転体の外側において各回転体を前記管の前記外周面に沿って周方向に転動可能に支持するように配置されかつ前記管の軸線を中心として回転駆動されて各回転体を前記管の外周面に圧接させるとともに各回転体を前記管の前記外周面に沿って転がす外側支持体と、前記ダイスの前記引抜孔と対応する位置で前記管の内部に支持されたフローティングプラグと、このフローティングプラグの後端に回転自在に連結され各回転体と対応する位置で管の内部に支持されたマンドレルとを具備して、クロス溝付管を製造するための装置であって、前記マンドレルは、表面に螺旋状に形成された凸条と、該凸条の少なくとも一部において前記凸条の延在方向と交差する方向に形成された凹所と、を有していることを特徴とするクロス溝付管の製造装置。
【請求項3】 請求項2記載のクロス溝付管の製造装置において、前記凸条の高さが100〜250μmであり、前記凹所の深さが5〜20μmであることを特徴とするクロス溝付管の製造装置。
【請求項4】 内面に螺旋状に形成されるとともに主山および主谷から構成された主溝と、前記主谷の少なくとも一部において前記主谷の延在方向と交差する方向に形成された副山を有して構成された副溝と、を備え、前記副山の高さは、前記主山の高さよりも低いことを特徴とするクロス溝付管。
【請求項5】 請求項4記載のクロス溝付管において、前記主山の高さが100〜250μmであり、前記副山の高さが5〜20μmであることを特徴とするクロス溝付管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロス溝付管の製造方法およびその装置に関するものであり、また、クロス溝付管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱交換器等において使用する伝熱管においては、熱交換特性を向上させるために内面に螺旋状の溝が形成された溝付管が使用されることがある。このような溝付管は、例えば転造加工を利用して製造することができる。この方法を実現するための金属管内外面加工装置の一例は、特許第2590568号公報に開示されている。
【0003】図5は、上記公報記載の図であり、図において、符号1は金属管の一例としての銅管、2は銅管1を縮径するための縮径装置、20は金属管内外面加工機を示している。縮径装置2と金属管内外面加工機20とにより、金属管内外面加工装置が構成されている。
【0004】縮径装置2は、銅管1に圧接するテーパ穴(引抜孔)3aを有するダイス3と、このダイス3のテーパ穴3aに対応する位置において銅管1内に浮遊するフローティングプラグ4と、を備えている。このフローティングプラグ4は、図に示すように、大径部4aと、テーパ部4bと、小径のロッド部4cと、が順に連接されてなるものである。そして、このプラグ4のロッド部4cの先端には、ロッド部4cに対して同軸にマンドレル10が設けられている。
【0005】マンドレル10は、円筒状に形成されたものであり、その外周面には、螺旋状の凸条10aが形成されている。このマンドレル10は、プラグ4と一体回転可能とされており、軸受部材12により軸方向位置が規制されている。
【0006】金属管内外面加工機20は、マンドレル10を構成要素の1つとして備えるものであり、銅管1の内面に螺旋状の溝を形成するためのものである。
【0007】金属管内外面加工機20は、銅管1をマンドレル10に圧接する転造ボール(回転体)21と、転造ボール21の径方向の力を保持する径方向保持部材(外側支持体)22と、を備えている。
【0008】転造ボール21は、径方向保持部材22内に複数配置されており、径方向保持部材22は、第1の枠体23および第2の枠体24によって挟持されている。また、径方向保持部材22は、超硬合金で形成された内リング25と、この内リング25をバックアップするための外リング26と、により構成されている。
【0009】第1および第2の枠体23、24には、それぞれ、大径凹部23a、24aが形成されているとともに、これら大径凹部23a、24aの内側に小径凹部23b、24bが形成されている。そして、小径凹部23b、24bには、転造ボール21の軸方向位置を規制する第1および第2の軸方向保持部材27、28が、それぞれ設けられている。これら軸方向保持部材27、28は、環状に形成されており、その内径が、縮径装置2により縮径された銅管1の外径よりも十分大きく形成されている。また、第1の枠体23には、第1の軸方向保持部材27の内周面に連続する径とされた貫通孔23cが形成されており、この貫通孔23cの縮径装置2側には、縮径装置2側に向けて拡径するテーパ面23dが連接されている。一方、第2の枠体24の小径凹部24bの内側には、貫通孔24cが形成されており、この貫通孔24cには、転造ボール21で転造された銅管1の外周面を整形する整形ダイス29が嵌合されている。この整形ダイス29は、当板29aにより軸方向後段側(図において右側)への移動が規制されるようになっている。
【0010】なお、図において、符号30は、転造ボール21に潤滑油を供給するためのノズルを示している。
【0011】上記のように構成された金属管内外面加工装置においては、金属管内外面加工機20が回転駆動される。この際、フローティングプラグ4が挿入された銅管1を、ダイス3のテーパ穴3aおよび金属管内外面加工機20の軸心に通して、後段方向(図において右側)に引っ張ると、フローティングプラグ4のテーパ部4bがダイス3のテーパ穴3aに保持され、これにより、フローティングプラグ4の位置が定まる。これとともに、マンドレル10に対応する銅管1の外周において、転造ボール21が公転するようになる。このため、ダイス3およびフローティングプラグ4によって銅管1が縮径され、さらに、転造ボール21によって銅管1がマンドレル10の外周面に圧接されて、銅管1の内周面に螺旋状の溝が転造形成される。そして、さらに後段側に位置する整形ダイス29によって、銅管1の外周面が整えられる。
【0012】ところで、上記のような溝付管の熱交換特性をさらに向上させることを目的として、上記の螺旋状の溝(主溝)に対して、この溝に対して交差するとともにこの溝と同程度の深さを有する付加的な溝(副溝)を付加することが行われることがある。
【0013】このようなクロス溝付管を製造するには、以下のような2つの方法が考えられる。
【0014】第1の方法としては、図6に示すように、螺旋状に凸条が形成されたマンドレル10を使用して1回目の転造を行い、焼鈍の後、先とは逆向きの螺旋状に凸条が形成されたマンドレル10’を使用して2回目の転造を行うという方法である。ここで、1回目の転造の後に焼鈍を行うのは、1回目の転造により、管に加工硬化が生じるためである。
【0015】第2の方法としては、図7に示すように、螺旋状に凸条が形成された前方マンドレル10と逆向きの螺旋状に凸条が形成された後方マンドレル10’とが連結されたマンドレル11を準備し、このマンドレル11を使用して転造を行うという方法である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のクロス溝付管の製造方法の第1方法においては、転造工程が2回必要であることにより、通常の溝付管の製造と比較して、大幅に生産性が低下するという問題点があった。
【0017】上記従来のクロス溝付管の製造方法の第2方法においては、転造工程は1回で済むものの、マンドレル10による転造によって、管に加工硬化が生じてしまうことにより、マンドレル10’による転造速度を大きくすることができないという問題点があった。そのため、管の引っ張り速度を、通常の溝付管の製造と比較して、大幅に遅くするしかなく、結局、第1方法の場合と同様に、大幅に生産性が低下することとなる。
【0018】また、上記のような主溝と副溝との深さが同程度のクロス溝付管であると、主溝をなす主山と副溝をなす副山との間に深い峡谷部が形成されることとなる。このような深い峡谷部が存在する場合には、伝熱媒体の凝縮時に、深い峡谷部に液だまりが生じてしまい、凝縮液の流動性が低下して、結局、凝縮特性が悪くなってしまうという問題があった。
【0019】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、生産性を損なうことなくクロス溝付管を製造し得るクロス溝付管の製造方法を提供することを目的とする。また、そのようなクロス溝付管の製造装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、蒸発特性を向上させ得るとともに凝縮特性を維持し得るクロス溝付管を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のクロス溝付管の製造方法においては、クロス溝付管を製造するための方法であって、表面に螺旋状に形成された凸条と、該凸条の少なくとも一部において前記凸条の延在方向と交差する方向に形成された凹所と、を有するマンドレルを準備し、該マンドレルを使用して管に対して転造加工を行ってクロス溝付管を得ることを特徴としている。請求項2記載のクロス溝付管の製造装置においては、後方に引かれる管を絞り加工するための引抜孔を有するダイスと、このダイスの後方において前記管の外周面に沿って円環状に配列された複数の回転体と、これら円環状に配置された複数の回転体の外側において各回転体を前記管の前記外周面に沿って周方向に転動可能に支持するように配置されかつ前記管の軸線を中心として回転駆動されて各回転体を前記管の外周面に圧接させるとともに各回転体を前記管の前記外周面に沿って転がす外側支持体と、前記ダイスの前記引抜孔と対応する位置で前記管の内部に支持されたフローティングプラグと、このフローティングプラグの後端に回転自在に連結され各回転体と対応する位置で管の内部に支持されたマンドレルとを具備して、クロス溝付管を製造するための装置であって、前記マンドレルは、表面に螺旋状に形成された凸条と、該凸条の少なくとも一部において前記凸条の延在方向と交差する方向に形成された凹所と、を有していることを特徴としている。請求項3記載のクロス溝付管の製造装置においては、請求項2記載のクロス溝付管の製造装置において、前記凸条の高さが100〜250μmであり、前記凹所の深さが5〜20μmであることを特徴としている。請求項4記載のクロス溝付管においては、内面に螺旋状に形成されるとともに主山および主谷から構成された主溝と、前記主谷の少なくとも一部において前記主谷の延在方向と交差する方向に形成された副山を有して構成された副溝と、を備え、前記副山の高さは、前記主山の高さよりも低いことを特徴としている。請求項5記載のクロス溝付管においては、請求項4記載のクロス溝付管において、前記主山の高さが100〜250μmであり、前記副山の高さが5〜20μmであることを特徴としている。
【0021】請求項1記載の発明によると、表面に凸条と凹所とが形成されたマンドレルを使用して転造加工が行われる。この場合、主に凸条にしたがってマンドレルが回転するので、管の引っ張り速度を落とす必要がない。よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造が行われる。請求項2記載の発明によると、回転体によって管がマンドレルの外周面に圧接されて、管の内面に螺旋状の溝が転造形成される。この場合、マンドレルは、表面に螺旋状に形成された凸条を有しているので、凸条の一部に凹所が形成されていても、管内面に対する接触性(食いつき)が良く、管の引っ張り速度を落とす必要がない。よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造が行われる。請求項3記載の発明によると、凸条の高さが100〜250μmであり、凹所の深さが5〜20μmである。凹所の深さが比較的浅いことにより、凹所を形成したにしても、マンドレルの管内面に対する接触性(食いつき)がそれほど低下することはない。したがって、管の引っ張り速度を落とす必要がなく転造加工を行うことができ、よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造が行われる。請求項4記載の発明によると、主溝に加えて、副山を有する副溝が設けられている。よって、伝熱媒体の蒸発時には、副山に案内させた効率的な蒸発が起こることとなり、蒸発特性が向上する。また、副溝をなす副山の高さが、主溝をなす主山の高さよりも低いものとされている。よって、主山と副山との間には浅い谷部しか存在せず、伝熱媒体の凝縮時に、液だまりが生じることがない。したがって、凝縮特性が低下することがない。請求項5記載の発明によると、主山の高さが100〜250μmであり、副山の高さが5〜20μmであることにより、伝熱媒体の蒸発時に副山に案内させた効率的な蒸発を起こさせることができて蒸発特性を向上させ得るとともに、かつ、副山の高さがそれほど高くないことにより、主山と副山との間には浅い谷部しか形成せず、これにより伝熱媒体の凝縮時に液だまりを生じさせず、凝縮特性を低下させることがない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】本発明によるクロス溝付管の製造装置は、縮径装置2と金属管内外面加工機20とから構成される上記金属管内外面加工装置と同様の構成を有しており、同様の構成については、説明を省略する。
【0024】本発明によるクロス溝付管の製造装置と、上記金属管内外面加工装置とが、本質的に相違するのは、マンドレルの構成である。
【0025】図1には、本発明のクロス溝付管の製造装置において使用されるマンドレル40の一実施形態を示している。
【0026】マンドレル40は、図1におけるA部分の拡大図である図2に示すように、表面に螺旋状に形成された凸条41と、この凸条41において凸条41の延在方向と直交する方向に形成された凹所42と、を有して構成されている。この場合、凸条の高さが100〜250μmとされ、凹所の深さが5〜20μmとされていることが好ましい。
【0027】本発明のクロス溝付管の製造装置は、上記金属管内外面加工装置の場合と同様にして使用される。
【0028】すなわち、転造ボール21によって銅管1がマンドレル40の外周面に圧接されて、銅管1の内面に、凸条41に対応した螺旋状の主溝が転造形成される。これとともに、銅管1の内面に、凹所42に対応した副溝が転造形成される。
【0029】図3には、このようにして形成された、例えば銅製のクロス溝付管50を示している。クロス溝付管50の内面には、図3におけるB部分の拡大図である図4に示すように、主溝51と副溝52とが形成されている。
【0030】主溝51は、管内面において螺旋状に形成されている。すなわち、螺旋状に形成された主山51aと、主山51aどうしの間に位置する主谷51bと、から構成されている。主山51aの高さHは、マンドレル40の凸条41の高さに対応しており、例えば100〜250μmとされている。
【0031】副溝52は、主谷51bにおいて主谷51bの延在方向と直交する方向に形成された副山52aと、副山52aどうしの間に位置する副谷52bと、から構成されている。副山52aの高さhは、マンドレル40の凹所41の深さに対応しており、例えば5〜20μmとされている。
【0032】上記構成を有するクロス溝付管50を伝熱管として使用した場合には、主溝51に加えて、副山52aを有する副溝52が設けていることにより、伝熱媒体の蒸発時には、副山52aに案内させた効率的な蒸発(図4において矢印Cで示している)を起こさせることができ、蒸発特性を向上させることができる。また、副溝52をなす副山52aの高さを、主溝51をなす主山51aの高さよりも低いものとしていることにより、主山51aと副山52aとの間には浅い谷部(すなわち、浅い副谷52b)しか形成せず、伝熱媒体の凝縮時に、液だまりを生じさせることがない。したがって、凝縮特性を低下させることがない。
【0033】副山52aが低すぎると蒸発特性の向上効果が小さくなることから、また、副山52aが高すぎると伝熱媒体の凝縮時に液だまりを生じさせてしまうことから、副山52aの高さhは、例えば5〜20μmとされることが好ましい。
【0034】また、クロス溝付管の製造装置におけるマンドレル40に関しては、凹所42の深さが浅すぎると、副山52aが小さくなって蒸発特性の向上効果が小さくなることから、また、凹所42の深さが深すぎると、管内面に対する接触性(食いつき)を損なうため、凹所42の深さは、例えば5〜20μmとされることが好ましい。
【0035】上記のように構成されたクロス溝付管の製造装置であると、凸条41の高さが100〜250μmであり、凹所42の深さが5〜20μmである。凹所42の深さが比較的浅いことにより、凹所42を形成したにしても、マンドレル40の管内面に対する接触性(食いつき)を、さほど低下させることがない。したがって、管の引っ張り速度を落とす必要がなく転造加工を行うことができ、よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管50の製造を行うことができる。
【0036】また、上記のようなクロス溝付管の製造方法であると、表面に凸条41と凹所42とが形成されたマンドレル40を使用して転造加工を行う。この場合、主に凸条41にしたがってマンドレル40が回転するので、管の引っ張り速度を落とす必要がない。すなわち、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管50の製造を行うことができる。
【0037】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態とすることもできる。
a)管として銅管を適用対象とすることに代えて、アルミニウム管等、転造加工の可能な他の任意の管を適用対象とすること。
b)マンドレル40に関して、凸条41の直交方向に凹所42を形成することに代えて、凸条41の延在方向に対して任意の角度をもって凹所42を形成すること。
c)マンドレル40に関して、凸条41全体にわたって凹所42を形成することに代えて、凸条41の一部においてのみ凹所42を形成すること。
d)クロス溝付管50に関して、主谷51bの直交方向に副山52aを形成することに代えて、主谷51bの延在方向に対して任意の角度をもって副山52aを形成すること。
e)クロス溝付管50に関して、主谷51b全体にわたって副山52aを形成することに代えて、主谷51bの一部においてのみ副山52aを形成すること。
【0038】
【発明の効果】本発明のクロス溝付管の製造方法およびその装置ならびにクロス溝付管によれば、以下の効果を奏する。請求項1記載のクロス溝付管の製造方法によれば、表面に凸条と凹所とが形成されたマンドレルを使用して転造加工が行われる。この場合、主に凸条にしたがってマンドレルが回転するので、管の引っ張り速度を落とす必要がない。すなわち、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造を行うことができる。請求項2記載のクロス溝付管の製造装置によれば、回転体によって管をマンドレルの外周面に圧接して、管の内面に螺旋状の溝を転造形成することができる。この場合、マンドレルは、表面に螺旋状に形成された凸条を有しているので、凸条の一部に凹所が形成されているにしても、管内面に対する接触性(食いつき)が良く、管の引っ張り速度を落とす必要がない。よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造を行うことができる。請求項3記載のクロス溝付管の製造装置によれば、凸条の高さが100〜250μmであり、凹所の深さが5〜20μmである。凹所の深さが比較的浅いことにより、凹所を形成したにしても、マンドレルの管内面に対する接触性(食いつき)を、さほど低下させることがない。したがって、管の引っ張り速度を落とす必要がなく転造加工を行うことができ、よって、加工速度を落とすことなく、1回の転造加工を行うだけでクロス溝付管の製造を行うことができる。請求項4記載のクロス溝付管によれば、主溝に加えて、副山を有する副溝が設けていることにより、伝熱媒体の蒸発時には、副山に案内させた効率的な蒸発を起こさせることができ、蒸発特性を向上させることができる。また、副溝をなす副山の高さを、主溝をなす主山の高さよりも低いものとしていることにより、主山と副山との間には浅い谷部しか形成せず、伝熱媒体の凝縮時に、液だまりを生じさせることがない。したがって、凝縮特性を低下させることがない。請求項5記載のクロス溝付管によれば、主山の高さが100〜250μmであり、副山の高さが5〜20μmであることにより、伝熱媒体の蒸発時に副山に案内させた効率的な蒸発を起こさせることができて蒸発特性を向上させ得るとともに、かつ、副山の高さがそれほど高くないことにより、主山と副山との間には浅い谷部しか形成せず、これにより伝熱媒体の凝縮時に液だまりを生じさせず、凝縮特性を低下させることがない。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
【公開番号】 特開平11−285764
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−90463