| 【発明の名称】 |
線材切断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 洋之
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| 【要約】 |
【課題】例えばヘッドの各巻線の端末線が、確実に切断されるようにした、線材切断装置を提供すること。
【解決手段】ヘッドに巻回された巻線の複数本の端末線40a,42a,44a,46aを、それぞれヘッドベース上に取り付けられた端子板上に整列した対応する端子24A,24B,24C,24D上を通るようにする保持手段51,52,53,54と、前記各端子上に切断刃を当接させることにより、各端末線を切断する切断部材55とを含み、前記切断部材の切断刃が、端子板上の端子のうち、中央寄りの端子24B,24Cに関して、端子の整列方向に延びる直線上の切断刃55bと、側方の端子24A,24Dに関して、それぞれ端子上にて前記整列方向とこれに垂直な方向に延びるL字形の切断刃55c,55dとを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘッドに巻回された巻線の複数本の端末線を、それぞれヘッドベース上に取り付けられた端子板上に整列した対応する端子上を通るように位置決めする保持手段と、前記各端子上に切断刃を当接させることにより、各端末線を切断する切断手段とを有しており、前記切断手段の切断刃が、端子板上の端子のうち、中央寄りの端子に関して、端子の整列方向に延びる直線上の切断刃と、側方の端子に関して、それぞれ端子上にて前記整列方向とこれに垂直な方向の二方向に延びる切断刃とを備えていることを特徴とする線材切断装置。 【請求項2】 前記切断手段の各切断刃が、ヘッドベースに対する端子板の位置決め誤差のばらつきの幅の半分だけ、各端子の外辺から内側にずれた位置に、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の線材切断装置。 【請求項3】 前記保持手段が、各端末線を上下から挟持する二つの部材から構成されていると共に、各部材が、互いに係合できる溝部及び凸部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の線材切断装置。 【請求項4】 前記保持手段が、切断手段による各端末線の切断後に、各端末線を把持した状態で、退避されることを特徴とする請求項1に記載の線材切断装置。 【請求項5】 前記切断手段の各切断刃が、端子板の表面に対して、垂直な面及び/または鋭角状の傾斜面とから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の線材切断装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、線材を切断するための線材切断装置に関し、特にビデオヘッドやデジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等の磁気ヘッドの巻線の端末線をヘッドの端子に固定した後、余った端末線を切断するための線材切断装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えばビデオヘッドには、VHS用のヘッドと8mm用のヘッドがある。さらに、VHS用のヘッドには、シングルアジマスヘッドやダブルアジマスヘッドがあり、また8mmヘッドにもジングルアジマスヘッドやダブルアジマスヘッドがある。ここで、例えば従来のVHS用のダブルアジマスヘッドは、図50に示すように構成されている。即ち、図50において、このヘッド500は、チップ501と、このチップ501を固定しているベース(真鍮製)502と、を備えている。チップ501には、2つの巻線用の穴が形成されており、各巻線用の穴の両側の各コアに、それぞれワイヤから成る巻線503,504,505,506が巻回されるようになっている。 【0003】ここで、2つの内側のコア(Iコア)には、左内側の巻線504と右内側の巻線505がそれぞれ巻線される。2つの外側のコア(Cコア)には、左外側の巻線503と右外側の巻線506がそれぞれ巻線されるようになっている。図示のように、左外側の巻線503の端末線503aは、ベース502の裏面側からスリットSを通って、ベース502の表面側の端子板507の端子507Bにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。また、左内側の巻線504の端末線504aは、同様にしてスリットSを通り端子507Aにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。右外側の巻線506の端末線506aは、スリットSを通り端子507Cにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。そして右内側の巻線505の端末線505aは、端子507Dにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。 【0004】この場合、上記各巻線503乃至506は、各コアに巻回された後、その端末線503a乃至506aが、図51に示すように、それぞれ対応する端子507A乃至507Dに向かって延びた状態にて、刃先が一側の端子507Aから507Dに向かって延びるように当接される一枚刃のカミソリ等の切断部材508によって、一度に切断される。これにより、各端末線503a乃至506aは、それぞれ端子507A乃至507Dの端縁にて端末処理されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような一枚刃の切断部材508による端末線503a乃至506aの切断においては、切断部材508の刃が端子板507に当接されるだけであることから、端子板507の表面に凹凸があるような場合には、この凹凸形状の影響を受けて、各端末線503a乃至506の切断が確実に行なわれ得なくなることがあるという問題があった。 【0006】また、各端末線503a乃至506aに切断部材508の刃を当接させた状態にて、各端末線503a乃至506aの自由端を引っ張ることにより、各端末線503a乃至506aを切断する場合には、例えば両側の端末線503a及び506aと切断部材508の刃の為す角が小さいと、図52に示すように、端末線503a及び506aが、図面にて矢印で示すように横滑りしてしまう。特に、図52に示すように、例えば端末線503aが端子507Aに対して角部付近で僅かに端子507Aに接触するような状態の場合には、特に横滑りしやすくなり、切断が確実に行なわれ得ないという問題があった。 【0007】さらに、切断部材508を使用せずに、単に端末線503a乃至506aの自由端を引っ張ることにより、各端末線503a乃至506aを切断する場合には、ハンダ端子部にハンダ付けされた巻線の線材がこのハンダ端子部から外れてしまい、導通不良の原因となるという問題があった。 【0008】ここで、上述した端末線503a乃至506aの自由端を引っ張る場合、巻線の線材は一般に巻線時の抵抗を低減させるために低摩擦コーティングを施されていることから、端末線503a乃至506aの自由端を把持するためのチャック等から線材が外れやすいという問題があった。 【0009】これに対して、端子507A乃至507Dが一列に並ばずに、図53に示すように、外側の端子507A,507Dが、図面にて僅かに上方にずれるように配設されている場合も、同様に、両側の端末線503a及び506aと切断部材508の刃の為す角θがより小さくなるので、図53に示すように、端末線503a及び506aが、図面にて矢印で示すように横滑りしてしまうと共に、図54に示すように、例えば端末線503aが端子507Aに対して角部付近で僅かに端子507Aに接触するような状態の場合には、特に横滑りしやすくなり、切断が行なわれ得ないという問題があった。 【0010】また、一枚刃の切断部材508を使用する場合、両側の端子507A,507Dがずれていることから、図54に示すように、例えば507Dに対する端末線506aの切断位置が端子から外れてしまうので、切断された端末線506aが端子507Dからはみだしてしまうことになる。このはみだしを避けるために、図55に示すように、切断部材508の刃先を、両側の端子507A及び507Dのずれ方向に移動させて切断を行なう場合には、内側の端子507B,507Cに対する端末線504a,505aの接触長さが短くなってしまうことから、導通不良の原因となるという問題があった。 【0011】さらに、両側の端末線503a,506aの横滑りを防止するために、切断部材508の代わりに、図56に示すように、三枚刃の切断部材509を使用する方法もある。この場合、切断部材509は、内側の二つの端末線504a,505aを切断するための横方向に延びる刃509aと、外側の二つの端末線503a,506aをそれぞれ切断するための縦方向に延びる二つの刃509b,509cを備えている。このような三枚刃の切断部材509を使用した端末線503a乃至506aの切断の場合には、両側の端末線503a,506aは、図56にて矢印で示すように、逆に縦方向に逃げることになり、同様に、切断が確実に行なわれ得なくなってしまうという問題があった。 【0012】本発明は、以上の点に鑑み、例えばヘッドの各巻線の端末線が、確実に切断されるようにした、線材切断装置を提供することを目的としている。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によれば、ヘッドに巻回された巻線の複数本の端末線を、それぞれヘッドベース上に取り付けられた端子板上に整列した対応する端子上を通るように位置決めする保持手段と、前記各端子上に切断刃を当接させることにより、各端末線を切断する切断手段とを有しており、前記切断手段の切断刃が、端子板上の端子のうち、中央寄りの端子に関して、端子の整列方向に延びる直線上の切断刃と、側方の端子に関して、それぞれ端子上にて前記整列方向とこれに垂直な方向の二方向に延びる切断刃とを備えている、線材切断装置により、達成される。 【0014】請求項1の構成によれば、ヘッドに巻回された複数の巻線の各端末線が、保持手段によって、端子板上の対応する端子上を通るように、位置決めされた状態で、切断手段の切断刃が、それぞれ各端子上で端末線に当接することにより、各端末線が切断される。その際、側方の端子に当接される切断刃が、二方向に延びるように形成されていることにより、ヘッドの中央付近から側方の端子に向かって比較的小さな角度で斜めに延びる端末線に対して、切断刃が確実に当接して、切断することになる。 【0015】前記切断手段の各切断刃が、ヘッドベースに対する端子板の位置決め誤差のばらつきの幅の半分だけ、各端子の外辺から内側にずれた位置に、配設されている場合には、ヘッドベースに対して端子板が最大誤差を有している場合であっても、各切断刃は、端末線の切断の際に、確実に端子の内側の位置で、端末線に当接することになり、各端末線が確実に切断されることになる。 【0016】前記保持手段が、各端末線を上下から挟持する二つの部材から構成されていると共に、各部材が、互いに係合できる溝部及び凸部を備えている場合には、低摩擦コーティングが施された巻線の端末線であっても、端末線が確実に保持されることになり、切断手段による切断が確実に行われることになる。 【0017】前記保持手段が、切断手段による各端末線の切断後に、各端末線を把持した状態で、退避される場合には、切断手段の各切断刃の当接によって端末線が切断され得なかったとしても、保持手段の退避によって、端末線には、切断刃の刃先で最大応力が作用することになり、端末線が確実に切断されることになる。 【0018】前記切断手段の各切断刃が、端子板の表面に対して、垂直な面及び/または鋭角状の傾斜面とから形成されている場合には、各切断刃は、エンドミルによるフライス加工等によって容易に形成される。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施例を図1乃至図49を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0020】図1は、本発明によるヘッドの巻線の端末線の切断装置の好ましい実施形態を備える巻線装置を示している。図1の巻線装置は、給排部Pと巻線部Rを有している。給排部Pは、マガジンユニット1、ワークピックアンドプレースユニット2、トランスファーユニット3、端末処理ユニット4および治具ピックアンドプレースユニット5等を有している。また巻線部Rは、チップホルダユニット6、画像処理ユニット7、スピンドルユニット8、フックユニット9、ワイヤ供給ユニット10および顕微鏡ユニット11等を有している。 【0021】ここで、図1の巻線装置の動作例を概略的に説明する。図1の巻線装置の動作は、図2と図3に示している。図2は、給排部Pの動作および巻線部Rの一部の動作を示していて、図3は巻線部Rの残りの動作を示している。図1と図2を参照すると、ワークとしてのヘッドは、マガジン(図示せず)に並べられた状態で、マガジンユニット1に導入される(ステップS1)。このマガジンは、ワークであるヘッドを、たとえば直列に複数個並べて配置することができるようになっている。 【0022】マガジンは、マガジンユニット1においてピッチ送りされて、新しいワークがワークピックアンドプレースユニット2の取り込み位置に移動する(ステップS2)。このマガジンに並べられているヘッドのうちの1つのヘッドが、ワークピックアンドプレースユニット2より、トランスファーユニット3側に移載される(ステップS3,S4)。この際にヘッドは、トランスファーユニット3の上のワーク治具に移載される。 【0023】ヘッドを載せたワーク治具は、トランスファーユニット3により、巻線装置の中央部に移動する(ステップS5)。そしてワーク治具は、治具ピックアンドプレースユニット5により、巻線部Rのチップホルダユニット6に移載される(ステップS6,S7)。このチップホルダユニット6に移載されたワーク治具上のヘッドは、画像処理ユニット7によりヘッドの巻線穴の中心の検出を行って、ヘッドの微小位置決めを行う(ステップS8)。位置決めを終了したヘッドは、チップホルダユニット6の働きにより、巻線装置の右側へスライドする(ステップS9)。 【0024】スピンドルユニット8は、ワイヤ供給ユニット10より一定量のワイヤ(線材ともいう)を繰り出して、フックユニット9との組合せによりヘッドに対して巻線を行う。この巻線の様子は、顕微鏡ユニット11により観察することができる(ステップS10)。 【0025】次に図3に示すように、巻線が終わったヘッドは、画像処理ユニット7により巻線のチェックを行って、巻線装置の中央部に戻す(ステップS11)。そして治具ピックアンドプレースユニット5により、ワーク治具を移載する(ステップS12)。再びワーク治具は給排部Pのトランスファーユニット3の上に移載される(ステップS13)。そしてワーク治具は、トランスファーユニット3により、巻線装置の左側に移動しながら、端末処理ユニット4により各端末線の処理を受ける(ステップS14)。ワークピックアンドプレースユニット2により、ヘッドがマガジンユニット1側のマガジンに排出される(ステップS15)。この排出の際には、ワークとしてのヘッドは、良品ヘッドと不良品ヘッドに分けられて、マガジンユニット1側のマガジンに排出される(ステップS16)。 【0026】このようにして、ワークであるヘッドに対して巻線が行われ、その巻線状態のチェックを行った後に各ヘッドにおける巻線の端末線の後処理を行うようになっている。ワーク治具Jとは、図10に示すように、ワークであるヘッドを位置決めした状態で、給排部Pから巻線部Rの移動を行うための治具であり、線材の端末線を仮固定するためのリードクランパー25A,25B,25C,25Dを備えている。 【0027】次に図4ないし図8を参照して、対象となるヘッドとして、たとえばVHS−ダブルアジマスヘッドHを説明する。図4は、ヘッドHの表面側を示し、図5はその裏面側を示し、図6はその側面を示している。図4で示すように、ヘッドHは、チップ20とこのチップ20を固定している例えば真鍮製のベース22を備えている。チップ20には、図8に示すように2つの巻線用の穴24,26が形成されている。つまりチップ20は、4つのコア30,32,34,36を有していて、それぞれにワイヤを巻線するようになっている。 【0028】2つの内側のコア(Iコア)32,34には、左内側の巻線42と右内側の巻線44がそれぞれ巻線される。2つの外側のコア(Cコア)30,36には、左外側の巻線40と右外側の巻線46がそれぞれ巻線されるようになっている。図4に示すように、左外側の巻線40の端末線40aは、ベース22の裏面側22b(図5)からスリットSを通って、図4のベース22の表面側22aの端子板24の端子24Bにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。また、左内側の巻線42の端末線42aは、同様にしてスリットSを通り端子24Aにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。右外側の巻線46の端末線46aは、スリットSを通り端子24Cにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。そして右内側の巻線44の端末線44aは、端子24Dにハンダ付けもしくはボンディングされるようになっている。 【0029】これらの巻線40,42,44,46の端末線40a,42a,44a,46aを、端子24Aないし24Dに対して固定するのは、図1の巻線装置の給排部Pにおいて一度に行うので、その給排部Pに搬送するまでは、図10に示すようなワーク治具Jのワイヤクランパー25Aないし25Dにそれぞれ仮に固定するようになっている。図10のワーク治具Jは、図4と図7に示すヘッドHを保持して図1の巻線装置上で移動するためのものである。図8は、ダブルアジマスヘッドのチップ20を示しているが、図9は、シングルアジマスヘッドのチップの例を示している。 【0030】ここで、本実施形態による巻線切断装置は、上述した巻線装置において、端末処理ユニット4内に組み込まれていて、図3に示したステップST14にて、以下のように機能する。上記ステップST14をさらに詳細に説明すると、ワークは、図10に示した状態、即ちワーク治具にセットされた状態で、巻線が終了し、各巻線の端末線がスリットSを通って裏側から表側へ引き回される。そして、各端末線は、端子板24の端子24A,24B,24C,24Dの上を通過して、ワーク治具のリードクランパ25A,25B,25C,25Dによりクランプされた状態で、ワーク治具と共にトランスファーユニット3の上を搬送される。ここで、トランスファーユニット3の各ポイントにて、以下の作業が行なわれるようになっている。 【0031】先づ、断線検知ユニットにて、光センサを使用して、端末線の有無が確認される。これは、例えば端子24Aとリードクランパ25Aの間に張られた端末線40aの上方から、反射式光センサにより、端末線40aの検知が行なわれ、他の端末線42a,44a,46aについても同様の検知が行なわれる。続いて、固定ユニットにて、各端末線40a,42a,44a,46aが、それぞれ端子24A,24B,24C,24Dに対して固定される。これは、各端子24A,24B,24C,24Dに前以て予備ハンダが盛ってあり、熱でハンダを溶融させることにより、対応する端末線40a,42a,44a,46aをハンダ内に埋め込んで、機械的に連結し且つ電気的に導通させるものである。 【0032】次に、本実施形態の線材切断装置50(後述)にて、端末線40a,42aの上方に、一方のチャック51が、また下方に、他方のチャック52が、それぞれ同時に進入すると共に、端末線44a,46aの上方に、図11,12に示すように一方のチャック53が、また下方に、他方のチャック54が、それぞれ同時に進入し、それぞれ端末線40a,42a,44a,46aを挟持して、位置決めし、固定保持する。その後、端子板24の各端子24A,24B,24C,24D付近に、切断手段としての切断部材55が下降する。これによって、各端末線40a,42a,44a,46aが切断部材55の切断刃によって切断されることになる。最後に、ワーク治具の各リードクランパ25A,25B,25C,25Dが、それぞれ図13に示すように開放して、端末線40a,42a,44a,46aの切断された部分(例えば40b)が解放される。 【0033】このようにして端末線40a,42a,44a,46aの余った部分が切断された後、ワークとしてのヘッドは、線材切断装置50から次の導通及び絶縁チェックユニットに搬送され、導通及び絶縁チェックが行なわれる。この導通及び絶縁チェックは、例えばプローブピンを端子板24の端子24E,24F,24G,24H(図4参照)に当接させることにより、例えば端末線40aと42a、44aと46aの導通(即ち、断線の有無)を確認すると共に、端末線40a,46aとヘッド本体との間の絶縁(即ち、ワイヤ被覆破壊の有無)を確認する。かくして、ステップST14が完了し、ステップST15にて、完成品としてのヘッドがワークP−Pユニットによって移載(排出)される。 【0034】図14及び図15は、上述した線材切断装置を詳細に示す平面図及び部分拡大平面図である。図14及び図15において、線材切断装置50は、揺動部50aが、水平な回転軸56の周りに揺動可能に枢支されていると共に、自由端付近に、保持手段としての二組のチャック51,52及び53,54を有している。さらに、線材切断装置50は、ヘッドの端子板に向かって降下することにより、後述するようにその切断刃が、ヘッドの端子板に設けられた各端子24A,24B,24C,24D上を通る各端末線40a,42a,44a,46aに当接するように構成された切断手段としての切断部材55を備えている。 【0035】これら二組のチャック51,52及び53,54は、上述したように、それぞれ対となって、図16に示すように、互いに接近することにより、巻線40,42,44,46の端末線40a,42a,44a,46aを挟持して、固定保持するようになっている。 【0036】ここで、チャック51,52は、支持部57により、またチャック53,54は、支持部58により、それぞれ互いに当接しまたは離反することで開閉可能に、支持されている。また、これら支持部57,58が図15の鎖線図示のM1の位置まで揺動することにより、端末線40a,42a,44a,46aの領域から退避されるように構成されている。 【0037】さらに、線材切断装置50は、その揺動部50aが、回転軸56の周りに揺動することにより、図17に示すように、切断部材55によって切断された端末線部分40b,42b,44b,46bをチャック51,52及び53,54の間に挟持した状態で、上方に向かって揺動して、反対側まで180度反転し、チャック51,52,53,54を巻線切断装置50に設けられた残材廃棄パイプ59の上方に移動たすようになっている。 【0038】この際、切断部材55の下降によって端末線40a,42a,44a,46aが切断されなかった場合には、図18に示すように、揺動部50aの揺動によって、強く引っ張られることになる。従って、端子24A,24B,24C,24D付近にて切断部材55の刃が当接していることから、各端末線40a,42a,44a,46aは、切断部材55の刃先の部分にて最も大きな応力が発生することにより、切断される。 【0039】尚、切断部材55の下降によって切断された端末線40a,42a,44a,46aに関しては、切断された端末線部分40b,42b,44b,46bは、そのままチャック51,52,53,54によって移動されることになる。ここで、残材廃棄パイプ59は、図19に示すように、負圧発生装置60を介して、ダストボックス61に接続されている。そして、揺動部50aの揺動によって、チャック51,52,53,54により挟持された端末線の切断部分40b,42b,44b,46bが、残材廃棄パイプ59上に移動されると同時に、負圧発生装置60が作動するので、上記端末線の切断部分40b,42b,44b,46bは、チャック51,52,53,54が開放されることにより、残材廃棄パイプ59に吸い込まれて、ダストボックス61に収納され、その後負圧発生装置60が停止する。 【0040】その後、チャック51,52,53,54が開放状態のままで、揺動部50aが逆方向に揺動して、元の位置に戻る。また、切断部材55も上昇し、ワーク治具Jのリードクランパ25A,25B,25C,25Dも閉じて、元の状態に戻る。かくして、線材切断装置50によるヘッドの巻線40,42,44,46の端末線40a,42a,44a,46aの余った部分の切断が行なわれることになる。 【0041】図20乃至図22は、上述した切断手段としての切断部材55の構成例を示している。図20において、切断部材55は、本体55aの前側に、三枚の切断刃55b,55c,55dを備えている。第一の切断刃55bは、図23に示すように、本体55aの前端に沿って真っ直に延びる刃であり、第二及び第三の切断刃55c,55dは、それぞれ本体55aの前端の両側の角部を回り込むように、「L」字形の形状を有している。そして、両側の第二及び第三の切断刃55c,55dは、図23に示すように、第一の切断刃55bに対して、それぞれ同じ距離yだけ後方に位置するようになっている。 【0042】これにより、チャック51乃至54に固定保持された端末線40a,42a,44a,46aに対して、図24に示すように、切断部材55の切断刃55bが、端末線42a,44aを切断し、切断刃55cが端末線46aを切断し、そして切断刃55dが端末線40aを、それぞれ切断することになる。尚、上記第二及び第三の切断刃55c,55dは、それぞれ角部が僅かに円弧状に形成されているが、これは加工工具による加工性を考慮したものであり、その曲率半径は制限されるものではない。 【0043】ここで、上記切断部材55の各切断刃55b,55c,55dは、端子盤24に対して、その位置決め誤差のばらつきの半分だけ各端子の外辺からずれた位置に設けられる。具体的には、以下のように位置決めされる。即ち、第一の切断刃55bは、図25に示すように、端子24B,24Cの下辺よりΔyだけ上方に、第二及び第三の切断刃55c,55dは、それぞれ端子24B,24Cの下辺よりΔyだけ上方に且つ端子24A,24Dの外辺よりΔxだけ内側に、設置される。上記Δx,Δyの値は、図26に示すように、ヘッドHのベース22に端子盤24を貼付けた場合の基準位置に対するバラツキの寸法ΔX,ΔYに対して、【数1】
【数2】
となるように、選定される。 【0044】これは、以下の理由による。ベース22に対する端子盤24の基準位置に対する誤差ΔX,ΔYによる各端子24A,24B,24C,24Dのベース22に対する誤差が必ず発生するのに対して、切断部材55の各切断刃55b,55c,55dは、ベース22に対して常に正確に位置決めされる。従って、各切断刃55b,55c,55dは、各端子24A,24B,24C,24Dに対して、端子盤24の誤差ΔX,ΔYだけ位置決めの誤差を生ずることになる。これに対して、各切断刃55b,55c,55dによる端末線40a,42a,44a,46aの切断位置は、図27に示すように、できるだけ端子24A,24B,24C,24Dの下辺及び外辺に近接することが望ましい。これは、各端末線40a,42a,44a,46aと対応する端子24A,24B,24C,24Dとの接合長さが長くなり、導通が確実になるからである。 【0045】ところが、上述したように、切断部材55と端子盤24そして端子24A,24B,24C,24Dと間に、上記誤差ΔX,ΔYが発生することから、この誤差ΔX,ΔYによって、切断刃55b,55c,55dに対する端子の相対位置が、図28にて点線で示すように、ずれる可能性がある。これにより、切断刃55dに対する端子24Aの相対位置が、図28にて符号24A1で示す外側の位置にずれた場合には、図29(A)に示すように、端末線40aと端子24Aとの接合長さが短くなるものの、実用上は、問題なく接合が行なわれることになる。これに対して、切断刃55dに対する端子24Aの相対位置が、図28にて符号24A2で示す内側の位置にずれた場合には、図29(B)に示すように、端末線40aが端子24Aからはみだすことになり、このはみだし部分40a1は端子24Aに固定されずに、自由に動くことから、他の端子部に接触したり、実装時に他の部品と干渉してしまうという可能性があり、不良品として扱われることになる。 【0046】ここで、前述したように、切断部材55の各切断刃55b,55c,55dが、端子24A,24B,24C,24Dに対して、Δx,Δyだけずれて配設されることにより、切断部材55に対する端子24A,24B,24C,24Dの相対位置がΔX,ΔYだけずれてしまったとしても、切断部材55の各切断刃55b,55c,55dと端子24A,24B,24C,24Dとの相対位置関係は、図30に示すようになる。これにより、例えば端子24Aが図30にて符号24A3で示す外側の位置にずれた場合には、図31(A)に示すようになり、図29に示す場合よりも接合長が長くなる。これに対して、切断刃55dに対する端子24Aの相対位置が、図30にて符号24A4で示す内側の位置にずれた場合、図31(B)に示すように、端末線40aが端子24Aからはみだすことなく、端子24A内に収まることになり、良品として扱われることになる。 【0047】図32は、上述したチャック51,52及び53,54の具体的な構成例を示している。図32において、チャック51は、断面が凹状に形成されていると共に、チャック52は、これに対応して断面が凸状に形成されている。これにより、チャック51及び52は、図33に示すように、互いに組み合わせられるようになっており、組み合わせられた状態にて、図33にて、水平方向に幅bを、また垂直方向に関して幅aを有するようになっている。ここで、好ましくは、上記幅aは、挟持すべき端末線の外径をDとしたとき、Dの0.1乃至0.5倍となるように選定され、また幅bは、(D+a)となるように選定されている。このような構成のチャック51及び52によれば、端末線の線材Wを挟持したとき、図34に示すように、線材Wは、チャック51のA1辺及びチャック52のA2辺、そしてチャック51のE1辺及びチャック52のE2辺によって挟持されると共に、チャック51のB1辺とチャック52のB2辺,C1辺とC2辺そしてD1辺とD2辺との間には、上記幅aに等しい間隙がある。尚、チャック53,54も、チャック51,52と同様に構成されている。 【0048】ここで、図17に示すように、線材切断装置50の揺動部50aが回転軸56の周りに揺動すると、チャック51,52そして53,54は、図34にて矢印P方向に移動することになり、これらチャック51乃至54により挟持された端末線40a,42a,44a,46aの線材Wは、図34にて右方の端子側が切断部材55により押さえられていることから、矢印Q方向の張力を受けることになる。これにより、線材Wは、チャック51のA1辺,E1辺とチャック52のA2辺,E2辺の間でも滑り摩擦力が生ずることになる。ところが、チャック51の辺D1,E1の間の角部とチャック52の辺C2,D2の間の角部が、上記張力Qが加えられた線材Wに対して食い込むことになり、実質的に線材Wは、チャック51,52間に確実に保持される。かくして、線材Wは、チャック51,52により保持されるので、切断部材55の切断刃55b,55c,55dの当接によって切断され得なかった端末線40a,42a,44aまたは46aが、揺動部50aの揺動によって、確実に上記切断刃55b,55c,55dによって切断されることになる。 【0049】図35乃至図38は、保持手段としてのチャック51,52,53,54の断面形状の他の構成例を示している。図35においては、チャック51,52は、二本の溝を有しており、チャック53,54は、これに対応して、二本の突条部を有している。これにより、線材Wは、チャック51乃至54により挟持されたとき、上記溝及び突条部によって、二重に把持されることになり、線材Wがより一層確実に保持されることになる。図36においては、チャック51,52は、V字形の溝を有しており、チャック53,54は、これに対応して、一つの半円形断面の突条部を備えている。これにより、線材Wは、チャック51乃至54の間で、このV字形の溝と突条部によって挟持される。この場合、チャック51,52の溝がV字形であることから、容易に形成されるので、加工コストが低減されることになる。 【0050】図37においては、チャック51,52は、蟻溝を有しており、チャック53,54は、これに対応して、四角形の断面の突条部を有している。これにより、線材Wは、チャック51乃至54の間で、この蟻溝と突条部によって挟持されると共に、蟻溝の鋭角の角部が線材Wに食い込むことにより、より確実に線材Wを保持できるようになっている。図38においては、チャック51乃至54は、図32と同様に形成されており、この場合、線材Wが、チャック51(または53)のC1辺とチャック52(または54)のC2辺の間に挟持され、その他の辺では間隙を有するように、構成されている。これにより、線材Wは、チャック51乃至54の間で、C1辺及びC2辺の間に挟持されると共に、チャック52(または54)のC2辺とD2辺の間の角部が線材Wに食い込むことにより、より確実に線材Wを保持できるようになっている。 【0051】図39及び図40は、上述した切断部材55の切断刃55b,55c,55dの具体的な構成例を示している。先づ、図39において、切断刃55c,55dは、L字形に屈曲した各部分にて、それぞれ内側の垂直面と外側の鋭角状の傾斜面とから構成されている。また、図40において、切断刃55bは、それぞれ異なる傾斜角度で外側に向かって傾斜した二つの面から構成されている。尚、各切断刃55b,55c,55dの形状は、これに限らず、例えば図41に示すように、切断刃55b,55c,55dは、外側の垂直面と内側の鋭角状の傾斜面とから構成されていてもよい。また、図42に示すように、切断刃55c,55dは、図40に示した切断刃55bと同様に、それぞれ異なる傾斜角度で外側に向かって傾斜した二つの面から構成されていてもよい。さらに、切断刃55b,55c,55dは、図43に示すように、互いに逆方向に傾斜した所謂両刃として構成されていてもよい。 【0052】これら切断刃55b,55c,55dの形状は、何れも加工性を考慮して決定されたものであり、例えば図39に示した切断刃55c,55dは、エンドミル62を使用したフライス加工により、先づ図44に示すように内側の垂直面が加工され、続いて図45に示すように外側の傾斜面が加工されることにより、容易に形成される。また図40に示した切断刃55bは、同様にエンドミル62を使用したフライス加工により、先づ図46に示すように内側の傾斜面が加工され、続いて図47に示すように外側の傾斜面が加工されることにより、容易に形成される。 【0053】図48は、異なる端子配置を備えたヘッド70を示している。このようなヘッド70においては、三つのコイル71,72,73が設けられており、これらのコイル71,72,73の巻線からの二つの端末線71a,71b,72a,72b,73a,73bが、それぞれ端子74A,74B,74C,74D,74E,74Fに向かって延びている。このようなヘッド70の場合、端末線71a,71b,72a,72b,73a,73bを切断するための切断装置75は、その切断刃が、図49に示すように、各端子74A,74B,74C,74D,74E,74Fにて、それぞれ角部を有するように、全体として階段状に形成されている。 【0054】これによって、各端末線71a,71b,72a,72b,73a,73bが、それぞれ切断装置75の切断刃によって、横滑りを生ずることなく、確実に切断される。尚、この場合、端子74A,74B,74C,74D,74E,74Fに対する切断装置75の切断刃の位置決めは、上記端子の位置決め誤差のバラツキの幅に対応して、適宜に選定されるものである。 【0055】ところで本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の実施形態では、VHSのダブルアジマスヘッドを例にして説明しているが、これに限らない。ビデオヘッドとしては、VHSのタイプではダブルアジマスヘッドやシングルアジマスヘッドがあり、8mmビデオヘッドでは、やはりダブルアジマスヘッドやシングルアジマスヘッドがある。あるいはビデオヘッド以外にDATのヘッド等に対しても本発明は適用することができる。またビデオヘッドのみならず巻線を必要とするヘッドおよびワイヤ(端末線)を利用するもので、その端末線を切断するものであれば、その他あらゆる領域のものに幅広く本発明を適用することができる。また対象物であるヘッドの形状も図示の実施形態に限定されるものではない。そして対象物であるヘッドの形状に応じて本発明の線材切断装置の形状もそれに合せて変化する。また、上述した実施形態においては、端子24A,4B,24C,24Dは、図4乃至図17では、一列に並んでおり、また図24乃至図30及び図48,図49においては、段差を有するように整列しているが、何れの場合にも、また他の端子配置であっても、本発明を適用できることは明らかである。 【0056】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、例えばヘッドの各巻線の端末線が、確実に切断されるようにした、線材切断装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−5134 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−159954 |
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