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【発明の名称】 タレットパンチプレス
【発明者】 【氏名】内田 一之

【要約】 【課題】危険領域のx軸方向の長さ及びy軸方向の長さを所定の上部,下部金型9,13の外径に対応して変化させることにより、板材Wを上部タレット11と下部タレット15の間の所定位置に位置決めした時に、ワーククランプ33が危険領域に侵入することを極力少なくする。

【解決手段】危険領域のx軸方向の長さ及びy軸方向の長さが所定の上部,下部金型9,13の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲及びy軸範囲を設定する危険領域設定部43を設け、危険領域のx軸範囲内及びy軸範囲内にワーククランプ33が侵入しているか否かについて判別する危険領域侵入判別部45を設けてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレームの一方側上部に複数の上部金型を保持する上部タレットを回転可能に設け、上記フレームの一方側下部に複数の下部金型を保持する下部タレットを回転可能かつ上部タレットの上下に対向して設け、上部,下部タレットの回転により複数の上部,下部金型のうち所定の上部,下部金型を加工位置に割出し可能に構成し、上部タレットの上方位置に所定の上部金型を上方向から押圧するストライカを設け、フレームの他方側にx軸方向へ延伸したキャレッジベースをy軸方向へ移動可能に設け、このキャレッジベースにキャレッジをx軸方向へ移動可能に設け、このキャレッジに板材の端部をクランプする複数のワーククランプをx軸方向へ位置調節可能に設け、x軸原点位置に対するキャレッジのx軸方向の位置を検出するキャレッジ位置検出器を設け、各ワーククランプにキャレッジに対するワーククランプのx軸方向の位置を検出するクランプ位置検出器をそれぞれ設け、上記キャレッジ位置検出器による検出値と上記クランプ位置検出器による検出値に基づいて、所定の上部金型により打抜かれる可能性のある危険領域のx軸範囲内に上記ワーククランプが侵入しているか否かについて判別する危険領域侵入判別部を設けてなることを特徴とするタレットパンチプレス。
【請求項2】 y軸原点位置に対する前記キャレッジベースのy軸方向の位置を検出するキャレッジベース位置検出器を設け、前記危険領域侵入判別部を、上記キャレッジベース位置検出器による検出値及びキャレッジベースに対する前記ワーククランプのy軸方向の位置に基づいて、前記危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別可能に構成してなることを特徴とする請求項1に記載のタレットパンチプレス。
【請求項3】 前記クランプ位置検出器は巻取り,送出し可能なスケールを備え、このスケールの先端部を前記キャレッジのx軸側端面に固定してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタレットパンチプレス。
【請求項4】 複数の上部,下部金型の外径情報を記憶する金型情報記憶部を設け、x軸原点位置に対する前記加工位置のx軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、前記危険領域のx軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲を設定する危険領域設定部を設けてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載のタレットパンチプレス。
【請求項5】 前記危険領域設定部を、y軸原点位置に対する前記加工位置のy軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、前記危険領域のy軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のy軸範囲を設定可能に構成してなることを特徴とする請求項4に記載のタレットパンチプレス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状のワークに対してパンチング加工を行うタレットパンチプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のタレットパンチプレスについて簡単に説明する。
【0003】上記タレットパンチプレスはブリッジ型の本体フレームをベースにしており、この本体フレームは上下に対向した上部フレームと下部フレームを備えている。上部フレームの後方側には複数の上部金型を保持する上部タレットが回転可能に設けてあり、下部フレームの後方側には複数の下部金型を保持する下部タレットが回転可能かつ上部タレットに上下に対向して設けてある。ここで、上部,下部タレットの回転により複数の上部,下部金型のうち所定の上部,下部金型を加工位置に割出し可能に構成してある。そして、上部タレットの上方位置には所定の上部金型を上方向から押圧するストライカが設けてある。
【0004】上部フレームの前方側にはx軸方向(左右方向)へ延伸したキャレッジベースがy軸方向(前後方向)へ移動可能に設けてあり、このキャレッジベースにはキャレッジがx軸方向へ移動可能に設けてある。そして、このキャレッジには板材の端部をクランプする複数のワーククランプがx軸方向へ位置調節可能に設けてある。
【0005】従って、上部,下部タレットを回転させて複数の上部,下部金型のうち所定の上部,下部金型を加工位置に割出す。又、複数のワーククランプにより板材の端部をクランプした状態のもとで、キャレッジをx軸方向へ移動させると共に、キャレッジベースをy軸方向へキャレッジと一体的に移動させることにより、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めする。そして、ストライカにより所定の上部金型を上方向から押圧する。これによって、板材に対して所望のパンチング加工を行うことができる。
【0006】ところで、加工位置に割出した所定の下部金型の上側にワーククランプが位置した状態のもとで、パンチング加工を行うと、所定の上部金型によりワーククランプを打抜いてしまうので、その可能性のある領域(危険領域)を予め設定し、センサ,ドグを用いて危険領域内にワーククランプが侵入しているか否かを判別している。そして、危険領域内にワーククランプが侵入していると判別されると、原則としてストライカにより所定の上部金型を押圧しないこととし、例外的に所定の下部金型の外径が小さいことからワーククランプが所定の下部金型上に位置してない場合に限り、ストライカにより所定の上部金型を押圧する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記危険領域の長さはドグの長さに対応して一定であって、かつ最大径の金型に対応してドグの長さは長くなるため、危険領域は一定の大きい領域になる。そのため、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めすると、ワーククランプが危険領域に侵入する場合が多くなり、一連のパンチング作業が煩雑化する。
【0008】これに対し、実開昭62−28109の技術では、ワーククランプのキャレッジに対する取付位置を予めワークテーブル上のクランプ位置検出センサで検出して記憶し、加工中のワーク移動データおよび選択金型データと照合し、ワーククランプが危険領域に入ったことを検出している。しかしこの方法では、加工するワークのサイズが変ったためにワーククランプをキャレッジに対する取付位置を変更する毎に、キャレッジをフルストローク移動させてワーククランプのキャレッジに対する取付位置の検出を行なわねばならず、段取り時間が増大する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明にあっては、フレームの一方側上部に複数の上部金型を保持する上部タレットを回転可能に設け、上記フレームの一方側下部に複数の下部金型を保持する下部タレットを回転可能かつ上部タレットの上下に対向して設け、上部,下部タレットの回転により複数の上部,下部金型のうち所定の上部,下部金型を加工位置に割出し可能に構成し、上部タレットの上方位置に所定の上部金型を上方向から押圧するストライカを設け、フレームの他方側にx軸方向へ延伸したキャレッジベースをy軸方向へ移動可能に設け、このキャレッジベースにキャレッジをx軸方向へ移動可能に設け、このキャレッジに板材の端部をクランプする複数のワーククランプをx軸方向へ位置調節可能に設け、x軸原点位置に対するキャレッジのx軸方向の位置を検出するキャレッジ位置検出器を設け、各ワーククランプにキャレッジに対するワーククランプのx軸方向の位置を検出するクランプ位置検出器をそれぞれ設け、上記キャレッジ位置検出器による検出値と上記クランプ位置検出器による検出値に基づいて、所定の上部金型により打抜かれる可能性のある危険領域のx軸範囲内に上記ワーククランプが侵入しているか否かについて判別する危険領域侵入判別部を設けてなることを特徴とする。
【0010】請求項1に記載の発明特定事項によると、上部,下部タレットを回転させて、複数の上部,下部金型のうち所定の上部,下部金型を加工位置に割出す。又、複数のワーククランプにより板材の端部をクランプした状態のもとで、キャレッジをx軸方向へ移動させると共にキャレッジベースをy軸方向へキャレッジと一体的に移動させることにより、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めする。この時、キャレッジ検出器により検出されたx軸原点位置に対するキャレッジのx軸方向の位置、及びクランプ位置検出器により検出されたキャレッジに対するワーククランプのx軸方向の位置に基づいて、危険領域侵入判別部により、危険領域のx軸範囲にワーククランプが侵入しているか否かについて判別する。
【0011】そして、危険領域侵入判別部により危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入していないと判別された場合には、又は危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入していると判別されかつ危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入していない場合には、ストライカにより所定のパンチを上方向から押圧する。これによって、板材に対して所望のパンチング加工を行う。
【0012】一方、危険領域侵入判別部により危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入していると判別されかつ危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入している場合には、一旦キャレッジベースを危険領域に離反するy軸方向へ移動させた後に、ワーククランプのクランプ換えを行って、再度板材の位置決めを行う。
【0013】請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の発明特定事項の他に、y軸原点位置に対する前記キャレッジベースのy軸方向の位置を検出するキャレッジベース位置検出器を設け、前記危険領域侵入判別部を、上記キャレッジベース位置検出器による検出値及びキャレッジベースに対する前記ワーククランプのy軸方向の位置に基づいて、前記危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別可能に構成してなることを特徴とする。
【0014】請求項2に記載の発明特定事項によると、請求項1に記載の発明特定事項による作用の他に、板材を上部タレットと下部タレットの間に位置決めした時に、キャレッジベース検出器により検出されたy軸原点位置に対するキャレッジベースのy軸方向の位置及びキャレッジベースに対するワーククランプのy軸方向の位置に基づいて、危険領域侵入判別部により、危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別する。
【0015】請求項3に記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項の他に、前記クランプ位置検出器は巻取り,送出し可能なスケールを備え、このスケールの先端部を前記キャレッジのx軸側端面に固定してなることを特徴とする。
【0016】請求項3に記載の発明特定事項によると、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0017】請求項4に記載にあっては、請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項の他に、複数の上部,下部金型の外径情報を記憶する金型情報記憶部を設け、x軸原点位置に対する前記加工位置のx軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、前記危険領域のx軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲を設定する危険領域設定部を設けてなることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明特定事項によると、請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項による作用の他に、危険領域侵入判別部により危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別する前に、x軸原点位置に対する加工位置のx軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、危険領域設定手段により、危険領域のx軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲を設定する。
【0019】請求項5に記載の発明にあっては、請求項4に記載の発明特定事項の他に、前記危険領域設定部を、y軸原点位置に対する前記加工位置のy軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、前記危険領域のy軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のy軸範囲を設定可能に構成してなることを特徴とする。
【0020】請求項5に記載の発明特定事項によると、請求項4に記載の発明特定事項による作用の他に、危険領域侵入判別部により危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別する前に、y軸原点位置に対する加工位置のy軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、危険領域設定手段により、危険領域のy軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のy軸範囲を設定する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】図4を参照するに、本発明の実施の形態に係わるタレットパンチプレス1はブリッジ型の本体フレーム3をベースにしており、この本体フレーム3は上部フレーム5と下部フレーム7を上下(図4において上下)に対向して揃えている。上部フレーム5の後方側(図4において左方側)には複数の上部金型9を保持する上部タレット11が回転可能に設けてあり、下部フレーム7の後方側には複数の下部金型13を保持する下部タレット15が回転可能かつ上部タレット11に上下に対向して設けてある。ここで、上部,下部タレット11,15の回転により複数の上部,下部金型9,13のうち所定の上部,下部金型9,13を加工位置に割出し可能に構成してある。そして、上部タレット11の上方には所定の上部金型9を上方向から押圧するストライカ17が設けてあり、このストライカ17は油圧シリンダ19の作動により昇降するものである。
【0023】図1及び図4を参照するに、上部フレーム5の前方側(図1において下方側、図4において右方側)にはx軸方向(左右方向、図1において左右方向、図4において紙面に向って表裏方向)へ延伸したキャレッジベース21がy軸モータ23の駆動によりy軸方向(前後方向、図1において下上方向、図4において紙面に向って表裏方向)へ移動可能に設けてあり、このキャレッジベース21にはキャレッジ25がx軸モータ27の駆動によりx軸方向へ移動可能に設けてある。ここで、y軸モータ23はy軸原点位置に対するキャレッジベース21のy軸方向の位置を検出するy軸エンコーダ29を備えており、x軸モータ27はx軸原点位置に対するキャレッジ25のx軸方向の位置を検出するx軸エンコーダ31を備えている。そして、上記キャレッジ25には板材Wの端部をクランプする複数のワーククランプ33がx軸方向へ位置調節可能に設けてあり、各ワーククランプ33は適宜のモータの駆動によりx軸方向へ移動可能に構成しても差支えない。図1及び図2に示すように、各ワーククランプ33にはキャレッジ21の左側面(図1において左側面、図2において右側面)に対するワーククランプ33のx軸方向の位置を検出するクランプ位置検出器35がそれぞれ設けてあり、各クランプ位置検出器35は巻取り,送出し可能なスケール37を備えてあって、スケール37の先端部はキャレッジ25の左側面に固定してある。
【0024】図3を参照するに、上記タレットパンチプレス1は危険領域侵入判別制御システム39を備えており、この危険領域侵入判別制御システム39は記憶部41と危険領域設定部43と危険領域侵入判別部45と制御部47とからなっている。上記危険領域侵入判別部45にはy軸エンコーダ29及びx軸エンコーダ31が接続してあり、制御部47には油圧シリンダ19等が接続してある。ここで、上記記憶部41は、タレットステーションに対応した複数の上部,下部金型9,13の外径情報及び各クランプ位置検出器35の検出結果を記憶するものである。また、危険領域設定部43は、x軸原点位置に対する前記加工位置のx軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型9,13の外径情報に基づいて危険領域(所定の上部金型9によりワークランプ33を打抜いてしまう可能性のある領域)のx軸方向の長さが所定の上部,下部金型9,13の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲を設定すると共に、y軸原点位置に対する加工位置のy軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型9,13の外径情報に基づいて危険領域のy軸方向の長さが所定の上部,下部金型9,13の外径とほぼ同じになるように危険領域のy軸範囲を設定するものである。更に、危険領域侵入判別部45は、x軸エンコーダ31による検出値とクランプ位置検出器35による検出値に基づいて危険領域のx軸範囲内にワーククランプ33が侵入しているか否かを判別すると共に、y軸エンコーダ29による検出値及びキャレッジベース21に対するワーククランプ33のy軸方向の位置に基づいて危険領域のy軸範囲内にワーククランプ33が侵入しているか否かについて判別するものである。そして、制御部47は、危険領域のx軸範囲内及びy軸範囲内にワーククランプ33が侵入していると判別された場合に、油圧シリンダ19の作動を停止すると共にアラームを発生させるものである。
【0025】次に、本発明の実施の形態の作用について説明する。
【0026】上部,下部タレット11,15を回転させて、複数の上部,下部金型9,13のうち所定の上部,下部金型9,13を加工位置に割出す。又、複数のワーククランプ33により板材Wの端部をクランプした状態のもとで、x軸モータ27の駆動によりキャレッジ25をx軸方向へ移動させると共に、y軸モータ23の駆動によりキャレッジベース21をy軸方向へキャレッジ25と一体的に移動させることにより、板材Wを上部タレット11と下部タレット15の間の所定位置に位置決めする。危険領域侵入判別部45により、x軸エンコーダ31によって検出されたx軸原点位置に対するキャレッジ25のx軸方向の位置及びクランプ位置検出器35により検出されたキャレッジ25に対するワーククランプ33のx軸方向の位置に基づいて、危険領域のx軸範囲内にワーククランプ33が侵入しているか否かについて判別すると共に、y軸エンコーダ29により検出されたy軸原点位置に対するキャレッジベース21のy軸方向の位置及びキャレッジベース21に対するワーククランプ33のy軸方向の位置に基づいて、危険領域のy軸範囲内にワーククランプ33が侵入したか否かについて判別する。
【0027】そして、危険領域侵入判別部45により危険領域のx軸範囲内及びy軸範囲内のいずれかにワーククランプ33が侵入していないと判別された場合には、油圧シリンダ19を作動させてストライカ17により所定の上部金型9を上方向から押圧する。これによって、板材Wに対して所望のパンチング加工を行うことができる。一方、危険領域侵入判別部45により危険領域のx軸範囲内及びy軸範囲内にワーククランプ33が侵入していると判別された場合には、油圧シリンダ19の作動を停止し、y軸モータ23の駆動によりキャレッジベース21を危険領域に離反するy軸方向(前方向)へ移動させてワーククランプ33によるクランプ換えを行って、再度板材Wの位置決めを行う。
【0028】以上のごとき、本発明の実施の形態によれば、センサ,ドグを用いることなく、危険領域侵入判別部45により危険領域のx軸範囲内及びy軸範囲内にワーククランプ33が侵入しているか否かについて判別することができ、かつ危険領域設定部43により危険領域のx軸方向の長さ及びy軸方向の長さが所定の上部,下部金型9,13の外径とほぼ同じであるように危険領域のx軸範囲及びy軸範囲を設定することができるため、危険領域のx軸方向の長さ及びy軸方向の長さを一定にすることがなく所定の上部,下部金型9,13の外径に対応して変化させることができ、板材Wを上部タレット11と下部タレット15の間の所定位置に位置決めした時にワーククランプ33が危険領域に侵入することが少なくなり、一連のパンチング加工の作業の能率が向上する。
【0029】クランプ位置検出器35を各ワークランプ33に設けたことにより、キャレッジ25がキャレッジベース21のx軸方向のいずれの位置に位置していても、キャレッジ21の左側面に対するワークランプ33のx軸方向の位置を検出することができる。また、ワーククランプ33のキャレッジ21に対する取付位置を変更すると同時にその取付位置が認識される。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、センサ,ドグを用いることなく、キャレッジ位置検出器による検出値とクランプ位置検出器による検出値に基づいて、危険領域侵入判別部により、危険領域のx軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別することができるため、危険領域のx軸方向の長さを一定にすることなく、所定の上部,下部金型の外径に対応して変化させることができる。従って、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めした時に、ワーククランプが危険領域のx軸範囲内に侵入することが少なくなり、一連のパンチング作業の能率が向上する。
【0031】クランプ位置検出器を各ワークランプに設けたことにより、キャレッジがキャレッジベースのx軸方向のいずれの位置に位置していても、キャレッジのx軸側端面に対するワークランプのx軸方向の位置を検出することができる。また、ワーククランプのキャレッジに対する取付位置を変更すると同時にその取付位置が認識される。
【0032】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果を奏する他に、キャレッジベース位置検出器による検出値及びキャレッジベースに対するワーククランプのy軸方向の位置に基づいて、危険領域侵入判別部により、危険領域のy軸範囲内にワーククランプが侵入しているか否かについて判別することができるため、危険領域のy軸方向の長さを一定にすることなく、所定の上部,下部金型の外径に対応して変化させることができる。従って、ワークを上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めした時に、ワーククランプが危険領域のy軸範囲内に侵入することが少なくなり、一連のパンチング作業がより向上する。
【0033】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明による効果と同様の効果を奏する。
【0034】請求項4に記載の発明によると、請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の発明による効果の他に、x軸原点位置に対する加工位置のx軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の情報に基づいて、危険領域設定部により、危険領域のx軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のx軸範囲を設定することができるため、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めした時に、ワーククランプが危険領域のx軸範囲内に侵入することが極力少なくなり、一連のパンチング加工の作業能率がより向上する。
【0035】請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明による効果の他に、y軸原点位置に対する加工位置のy軸方向の長さ及び所定の上部,下部金型の外径情報に基づいて、危険領域設定部により、危険領域のy軸方向の長さが所定の上部,下部金型の外径とほぼ同じになるように危険領域のy軸範囲を設定することができるため、板材を上部タレットと下部タレットの間の所定位置に位置決めした時に、ワーククランプが危険領域のy軸範囲内に侵入することが極力少なくなり、一連のパンチング加工の作業能率がより一層向上する。
【出願人】 【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
【出願日】 平成9年(1997)10月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開平11−123474
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−290084