| 【発明の名称】 |
厚鋼板の板幅制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川原 淳
【氏名】川島 章浩
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| 【要約】 |
【課題】仕上圧延終了後の板幅変動を少なくすることができる厚鋼板の板幅制御方法を提供する。
【解決手段】圧延機1で圧延途中の鋼板2の幅を幅計3で、鋼板長さ方向に定ピッチ測定し、各点における板幅偏差を計算する。演算装置4は、この測定データに基づいて、次パスの圧延ロールのギャップを、板幅変動をなくするように調整する。ロールギャップの調整は、油圧圧下装置5を介して行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調整圧延、幅出圧延、仕上圧延の各工程を経て製造される厚鋼板の板幅を制御する方法であって、圧延の途中で板幅を複数点測定し、この測定データに基づいて、次パスの圧延ロールのギャップを、板幅変動をなくするように調整することを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。 【請求項2】 請求項1に記載される厚鋼板の板幅制御方法であって、圧延の途中で長さ方向各部の板幅を測定し、測定された板幅の変動を補償するのに必要なゲージメータ板厚の補正量を算出し、次パス圧延において、鋼板各部の目標ゲージメータ板厚に前記補正量を加えることにより、圧延ロールのギャップを調整することを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。 【請求項3】 請求項1に記載される厚鋼板の板幅制御方法であって、圧延の途中で長さ方向各部の板幅を測定し、測定された板幅の変動を補償するのに必要なロールギャップ補正量を算出し、次パス圧延において、鋼板各部における目標ロールギャップ値に前記補正量を加えることにより、圧延ロールのギャップを調整することを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。 【請求項4】 請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載される厚鋼板の板幅制御方法であって、圧延ロールのギャップの調整を、仕上圧延中のいずれかのパスにおいて行うことを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。 【請求項5】 請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載される厚鋼板の板幅制御方法であって、圧延ロールのギャップの調整を、幅出圧延最終パスにおいて行うことを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。 【請求項6】 請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載される厚鋼板の板幅制御方法であって、圧延ロールのギャップの調整を、調整圧延最終パスにおいて行うことを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、調整圧延、幅出圧延、仕上圧延の工程を経て製造される厚鋼板の板幅を制御する方法に関するものであり、さらに詳しくは、スキッドマーク、スラブ初期形状不良等に起因する板幅の変動を無くすような板幅制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】連続鋳造又は分塊圧延によって製造されたスラブを素材とし、可逆圧延機により厚鋼板を製造する場合、最初に、調整圧延によりスラブを所定の厚さまで圧延して表面の平坦化を行った後、スラブを90度回転して幅出圧延を行い、圧延されたスラブの長さが目標幅になったところで再びスラブを90度回転し、次いで、目標板厚の厚鋼板が得られるまで仕上圧延を行って製品とするのが一般的である。 【0003】これらの圧延工程において、圧延された鋼板の板厚、板幅、板長を目標値どおりに仕上げることが、次の精整工程(剪断工程)における縁部切り捨て量を低減して歩留を向上させる意味で極めて重要である。これらの内、板厚を目標値に一致させる方法については種々の研究がなされており、十分な制御精度が得られているが、板幅を目標値に一致させる方法の開発は未だ十分ではない。 【0004】厚鋼板の板幅を制御する技術としては、たとえば、特開昭62−137114号公報に記載されるようなものがある。これは、幅出圧延の最終直近パスにおいて、圧延材の長さを幅・長さ計によって測定し、その測定長さに基づいて幅出圧延後の板厚を補正することにより、幅出圧延後の板長(製品の幅)を目標値に保とうとするものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭62−137114号公報に記載されるような技術では、製品の長手方向所望の位置の板幅を目標値に一致させることは可能であるが、鋼板内での板幅の変動を避けることができない。 【0006】鋼板内での板幅変動が生じる代表的な原因のうち第1の要因はスキッドマークである。すなわち、素材であるスラブは、まず加熱炉で加熱されるが、その際、図2(a)に示すように、加熱炉内のスキッドに接している部分の温度は他の部分より低くなるため、圧延時においてその部分の変形抵抗が他の部分より大きくなる。そのため、幅出圧延においてスキッドマーク部の伸びが他の部分に比して小さくなり、幅出圧延完了時(90回転の終了時)、図2(b)に示すように、スキッドマーク部の幅が狭くなる。 【0007】その後の仕上圧延においても、スキッドマーク部分は幅広がりが少ないので、結局、仕上圧延完了時においては図2(c)に示すように、スキッドマーク部の幅が狭い鋼板が得られる。 【0008】鋼板内での板幅変動が生じる第2の要因として、板厚の比較的厚い領域で、スラブ先後端の局所的な変形に起因する板内幅変動がある。これは、特に板の先後端において材料の横からの拘束力が少ないことに起因して、板幅方向に材料の流動が生じるために発生するものである。厚板圧延の場合は、調整圧延の後、スラブを90°回転して幅出し圧延を行い、その後さらに90°回転して仕上げ圧延を行うため、上記変形が複合し、変形の予測(モデリング)をさらに困難にしている。 【0009】鋼板内での板幅変動が生じる第3の要因として、スラブ素材の形状不良があげられる。厚板において、薄物材(一般に板厚7〜8mm以下)の製品を製造する場合、連続鋳造によって製造されたスラブを、分塊圧延機又は厚板圧延機である程度の厚みまで圧延した後(たとえば250mmから130mmの厚みまで圧延)、再び加熱炉に入れて再昇熱してから圧延することがある。その際、上述したようにスラブに3次元変形が生じるため、必ずしもスラブ初期形状が矩形とならないことが多い。 【0010】この様子を図3に示す。図3において6は、このようにして中間圧延されたスラブであり、矩形でない形状をしている。さらに、図3に示すように、1つのスラブを複数個に切断して小型のスラブとし、これを加熱して圧延することもある。この場合には、小型のスラブの形状は複雑な形状となる。 【0011】また、スラブの表面性状を改善するために、局所的にスラブ表面を切削するスラブ手入れ等も行われており、これもスラブ初期形状を複雑にし、板幅制御の外乱となる。 【0012】このように、仕上圧延完了時において鋼板の幅変動がある場合、その最も狭い部分が製品幅となるように、予め平均目標幅を広めに設定しておく必要があり、剪断工程における切り捨て量が多くなって歩留の低下をもたらす原因となっていた。 【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、仕上圧延終了後の板幅変動を少なくすることができる厚鋼板の板幅制御方法を提供することを課題とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための第1の手段は、調整圧延、幅出圧延、仕上圧延の各工程を経て製造される厚鋼板の板幅を制御する方法であって、圧延の途中で板幅を複数点測定し、この測定データに基づいて、次パスの圧延ロールのギャップを、板幅変動をなくするように調整することを特徴とする厚鋼板の板幅制御方法(請求項1)である。 【0015】本手段においては、実測された板幅変動に基づいて、この板幅変動を無くすように、次パス圧延中に圧延ロールのギャップを調整する。ロールギャップを狭めれば板厚が薄くなり、その分、材料の横流れにより板幅が広くなる。逆に、ロールギャップを広くすると板幅は狭くなる。よって、ロールギャップの調整により、板幅変動をなくすることができる。 【0016】前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、圧延の途中で長さ方向各部の板幅を測定し、測定された板幅の変動を補償するのに必要なゲージメータ板厚の補正量を算出し、次パス圧延において、鋼板各部の目標ゲージメータ板厚に前記補正量を加えることにより、圧延ロールのギャップを調整することを特徴とするもの(請求項2)である。 【0017】本手段においては、測定された板幅の変動を補償するのに必要なゲージメータ板厚の補正量を算出して、これに応じてゲージメータ板厚を変更している。ゲージメータ板厚を制御する装置は圧延機に標準的に設置されているので、単にこの装置に補正入力を加えるだけでよく、特別な制御装置を新たに設けることなく、板幅制御を行うことができる。 【0018】前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段であって、圧延の途中で長さ方向各部の板幅を測定し、測定された板幅の変動を補償するのに必要なロールギャップ補正量を算出し、次パス圧延において、鋼板各部における目標ロールギャップ値に前記補正量を加えることにより、圧延ロールのギャップを調整することを特徴とするもの(請求項3)である。 【0019】本手段においては、前記第2の手段のようにゲージメータ板厚を変更せず、直接圧延ロールのギャップを変更している。よって、ゲージメータ板厚制御装置の設置されていない圧延機(特に粗圧延機)においても、板幅制御を行うことができる。 【0020】前記課題を解決する第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、圧延ロールのギャップの調整を、仕上圧延中のいずれかのパスにおいて行うものである。 【0021】前記課題を解決する第5の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、圧延ロールのギャップの調整を、幅出圧延の最終パスにおいて行うものである。 【0022】前記課題を解決する第6の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、圧延ロールのギャップの調整を、調整圧延の最終パスにおいて行うものである。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態を実施する設備の概要を示す図である。図1において、1は圧延機、2は圧延中の鋼板、3は幅計、4は演算装置、5は油圧圧下装置である。 【0024】圧延機1で圧延途中の鋼板2の幅を幅計3で、鋼板長さ方向に定ピッチ(たとえば100mm)でn個測定し、その測定データをWi(n=1,…,n)とする。そして、その平均値をWaveとすると、定常部幅偏差ΔWiは、ΔWi=Wi−Wave …(1)で表される。 【0025】一方、演算装置4においては、圧延中の出側板厚hを目標板厚haimとするために、圧延荷重Pおよび無荷重におけるロールギャップSを検出し、これからゲージメータ式により出側板厚hを推定し、圧延荷重Pの変動があっても出側板厚hが目標板厚haimとなるようにロールギャップを修正するフィードバック制御(AGC:自動板厚制御)が行われている。 【0026】すなわち、h=S+P/M …(2)haim=S0+PL/M …(3)である。ここに、M:ミル定数S0:初期ロールギャップ(ロックオン時のロールギャップ) PL:ロックオン荷重である。 【0027】出口板厚偏差Δhは、Δh=h−haim=(S−S0)+(P−PL)/M …(4)よって、出口板厚偏差Δhを0にするために、ΔS=S−S0=−(P−PL)/M …(5)で決定されるΔSだけ、油圧圧下装置5によりロールギャップを変更する。 【0028】本発明の第1の実施の形態においては、測定された板幅に応じて目標板厚haimを変更する。すなわち、単位板厚変化量に対応する幅変化量をαとすると、haim'i=haim+k1・ΔWi/α …(6)となるように、板幅を測定した次パスの目標板厚(目標ゲージメータ板厚)を変更する。haim'iは、板幅測定値がΔWiである測定点が圧延機に噛み込んだときの目標板厚を示す。ここに、αは、前もって実験等により定めておく。また、k1は補正係数であり、実験等により適当に定める。(6)式により目標板厚が変更されることにより、(4)式、(5)式を介して圧延ロールのギャップが変更され、その結果、板幅変動が無くなる。 【0029】本発明の第2の実施の形態においては、演算装置4は、次パスの目標ゲージメータ板厚を変更するのでなく、直接ロールギャップを変更する。すなわち、ΔSi=−(P−PL)/M+k2・β・ΔWi …(7)となるように、板幅測定値がΔWiである測定点が圧延機に噛み込んだときのロールギャップΔSiを決定し、油圧圧下装置5によりロールギャップを変更する。ここに、係数βは、予め実験等により定めておくが、前記αとβの関係は、材料の塑性係数をKとして、β=(M+K)/(αM) …(8)で示される。また、k2は制御ゲインであり、実圧延において調整により決定する。 【0030】これら、第1の実施の形態、第2の実施の形態は、ゲージメータ板厚制御装置が設置されている場合に、それに補正入力として板幅制御のための入力を加えるだけで実施できるので、設備費を安価にすることができるという特長を有する。 【0031】圧延機が粗圧延機であってゲージメータ板厚制御装置が設置されていない場合には、ロールギャップ変更量をΔSiを、ΔSi=k2・β・ΔWi …(9)で決定すればよい。係数等の意味は(7)式同じである。 【0032】以上説明したような、ロールギャップの変更による板幅の制御は、調整圧延の最終パスで行ってもよく、幅出し圧延の最終パスで行ってもよく、仕上圧延中の適当なパスで行ってもよい。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明においては、圧延の途中で板幅を複数点測定し、この測定データに基づいて、次パスの圧延ロールのギャップを、板幅変動をなくするように調整しているので、エッジャの無い厚板圧延機においても、厚鋼板の長手方向における板幅変動が大幅に抑制され、その結果、精整工程において側縁部の切り捨て量を低減させ、製品歩留を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】細江 利昭
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| 【公開番号】 |
特開平11−342411 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−164378 |
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