| 【発明の名称】 |
形鋼およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】角村 義幸
【氏名】武藤 毅
【氏名】山田 聡
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| 【要約】 |
【課題】二重式圧延機でも圧延可能な形鋼とその製造方法の提供。
【解決手段】ウエブ12がフランジ11の途中に配置されており、フランジ11を構成する辺13、14の外面、内面のいずれか少なくとも一方に直線状または湾曲状の傾斜をつけた形鋼10。上ロール20と下ロール21のフランジ成形面がロール回転軸芯に直交する方向から傾いている二重式圧延機を用いて圧延する形鋼10の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウエブと該ウエブに一体のフランジを有し、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形鋼。 【請求項2】 前記ウエブの長さをW、前記フランジの幅をFであらわした場合、W/Fが1.5より大になる断面形状に設定した請求項1記載の形鋼。 【請求項3】 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の前記圧延機は上ロールと下ロールを有する二重式圧延機であり、該上下のロールの前記フランジの成形面がロールの回転軸芯に直交する方向から、素材のフランジを押圧する方向に、傾いており、該上下のロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 【請求項4】 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の圧延機が上ロールと下ロールとサイドロールを有するユニバーサル式圧延機であり、該上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる前記フランジの成形面が上下ロールの回転軸芯に直交する方向から、前記フランジに前記傾斜をつけるように、傾いており、該上下ロール、サイドロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 【請求項5】 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通してI形鋼に圧延し圧延中にI形鋼のウエブで切断して所定断面形状をもつ長寸素材を得、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の圧延機が上ロールと下ロールとサイドロールを有するユニバーサル式圧延機であり、該上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる前記フランジの成形面が上下ロールの回転軸芯に直交する方向から、前記フランジに前記傾斜をつけるように、傾いており、該上下ロール、サイドロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 【請求項6】 前記冷却・切断工程の後に、素材を矯正機に通して形状を矯正する矯正工程を有し、矯正機が、素材送り方向に交互に配置した上矯正ロールと下矯正ロールを有しており、該上下の矯正ロールの前記フランジの矯正面が矯正ロールの回転軸芯に直交する方向から、素材のフランジを押圧できる方向に、傾いており、該上下の矯正ロールを用いて前記矯正が行われる、請求項3または請求項4記載の形鋼の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ウエブとフランジを有しウエブがフランジ幅の途中に配置された形状の形鋼とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ウエブとフランジを有しウエブがフランジ幅の途中に配置された形状の形鋼の代表例として、T形鋼が知られている。T形鋼は、図25に示すように、ウエブ102をロール103、104で圧延することはできるが、フランジ101はロールで厚み方向に圧下できないのでフランジ101の圧延ができないため、二重式圧延機では製造されない。したがって、従来、通常のT形鋼は、つぎのように製造される。 ■ 図20に示すように2つの板片105、106を溶接107により接合する。 ■ 図21に示すようにH形鋼108のウエブ109で切断する。ウエブ109の切断には、H形鋼の圧延後にガス切断する方法と、圧延中に切断する方法がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のT形鋼には製造上、つぎの問題がある。 ■ 溶接T形鋼は、溶接工程があるためコストが高い。また、溶接により曲がりなどの変形が生じやすく、矯正、手直しが必要となり、コスト高となる。 ■ H形鋼をガス切断するものでは、ガス切断工数がかかり、切断時に曲がりが生じやすい。また、切断部に組織変化が生じやすく、切断部で他の部材に溶接して補強材として用いる場合、溶接性に注意をはらわらなくてはならなくなる。H形鋼を圧延中に切断するものでは、安定性に欠け切断面が平坦面になりにくく手直しが必要であり、コストがかかる。 ■ 溶接T形鋼にもH形鋼の分割によるT形鋼にも共通していえることであるが、曲がりを矯正するのにフランジのロール矯正ができない。すなわち、図22に示すように、上矯正ロール111と下矯正ロール112によりウエブ102の矯正は可能であるが、左右方向は下矯正ロール112とフランジ101の間に隙間があるためフランジ101の圧下ができず、曲がり矯正ができない。また、下矯正ロール112を図22中左にずらしてフランジ101を圧下すると上フランジ辺は圧下できるが、下フランジ辺は圧下が不十分となり、場合によっては下フランジ辺にウエブ側への倒れ変形が生じる。また、下フランジ辺と下矯正ロールの軸方向隙間が小さ過ぎると、製品厚みが予定より厚くなった場合に製品が下矯正ロールに入らなくなる。また、図23に示すように、T形鋼をロール上に斜めに配置して矯正する場合は、上矯正ロール111とフランジ101の上辺の内側との間に隙間113ができるため、矯正時にフランジ101の上辺が図24に示すように内側に倒れてしまい、矯正ができない。このようにロール矯正が不可能か不十分となるため、プレスにて圧迫する必要があり、工数がかかり、コストが高くなる。本発明の目的は、ユニバーサル圧延機のみならず二重式圧延機でも圧延可能な、ウエブとフランジを有しウエブがフランジ幅の途中に配置された形状の形鋼と、その製造方法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、ユニバーサル圧延機のみならず二重式圧延機でも圧延可能であり、さらに矯正ロールによる矯正も可能な、ウエブとフランジを有しウエブがフランジ幅の途中に配置された形状の形鋼と、その製造方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成する本発明はつぎの通りである。 (1) ウエブと該ウエブに一体のフランジを有し、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形鋼。 (2) 前記ウエブの長さをW、前記フランジの幅をFであらわした場合、W/Fが1.5より大になる断面形状に設定した(1)記載の形鋼。 (3) 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の前記圧延機は上ロールと下ロールを有する二重式圧延機であり、該上下のロールの前記フランジの成形面がロールの回転軸芯に直交する方向から、素材のフランジを押圧する方向に、傾いており、該上下のロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 (4) 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の圧延機が上ロールと下ロールとサイドロールを有するユニバーサル式圧延機であり、該上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる前記フランジの成形面が上下ロールの回転軸芯に直交する方向から、前記フランジに前記傾斜をつけるように、傾いており、該上下ロール、サイドロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 (5) 加熱した素材を複数段の圧延機に順に通してI形鋼に圧延し圧延中にI形鋼のウエブで切断して所定断面形状をもつ長寸素材を得、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法であって、前記所定断面形状が、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する直線状または湾曲状の傾斜がつけられている形状であり、各段の圧延機が上ロールと下ロールとサイドロールを有するユニバーサル式圧延機であり、該上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる前記フランジの成形面が上下ロールの回転軸芯に直交する方向から、前記フランジに前記傾斜をつけるように、傾いており、該上下ロール、サイドロールを用いて前記圧延が行われる、形鋼の製造方法。 (6) 前記冷却・切断工程の後に、素材を矯正機に通して形状を矯正する矯正工程を有し、矯正機が、素材送り方向に交互に配置した上矯正ロールと下矯正ロールを有しており、該上下の矯正ロールの前記フランジの矯正面が矯正ロールの回転軸芯に直交する方向から、素材のフランジを押圧できる方向に、傾いており、該上下の矯正ロールを用いて前記矯正が行われる、(3)または(4)記載の形鋼の製造方法。 【0005】上記(1)の形鋼では、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられているので、二重式圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、二重式圧延機による圧延が可能となる。ユニバーサル式圧延機による圧延は従来通り可能である。上記(2)の形鋼では、W/Fが1.5より大になる断面形状に設定したので、補強材として用いるのに十分な断面係数が確保される。上記(3)の形鋼の製造方法では、形鋼のフランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールのフランジの成形面がロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、二重式圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、二重式圧延機による圧延が可能である。上記(4)の形鋼の製造方法では、形鋼のフランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる、フランジの成形面が、上下ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、ユニバーサル圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、ユニバーサル圧延機による圧延が可能である。上記(5)の形鋼の製造方法では、I形鋼を圧延し圧延中にそれを2分して形鋼を製造するに際し、形鋼のフランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる、フランジの成形面が、上下ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、ユニバーサル圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、ユニバーサル圧延機による圧延が可能である。上記(6)の形鋼の製造方法では、矯正機が、上矯正ロールと下矯正ロールを有しており、上下の矯正ロールの、フランジ矯正面が、矯正ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、上下矯正ロールによる矯正においてフランジに厚み方向に荷重が加わり、矯正が可能である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明実施例の形鋼を、図1〜図10を参照して説明し、本発明実施例の形鋼の製造方法を図11〜図15を参照して説明し、本発明実施例の形鋼の適用例を図16〜図19を参照して説明する。本発明の全実施例にわたって共通する部分には本発明の全実施例にわたって同じ符合を付してある。本発明実施例の形鋼10は、図1に示すように、ウエブ12とウエブに一体のフランジ11を有している。ウエブ12はフランジ幅の途中に配置されている。フランジ11はフランジ11を構成する2辺13、14を有する。辺13は外面15、内面16(内面がウエブ側の面)を有し、辺14は外面17、内面18を有する。2辺13、14のうちの少なくとも1辺の、外面と内面の少なくとも1方には、フランジ端からウエブ12に近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する、直線状または湾曲状の、傾斜がつけられている。すなわち、辺13の外面15、内面16の少なくとも一方に、および/または、辺14の外面17、内面18の少なくとも一方に、傾斜がつけられている。 【0007】傾斜が直線状の場合、傾斜面の、ウエブ12と直交する方向となす角度θは、0°より大で望ましくは60°以下である。θは3°以上であることが望ましい。60°以下とする理由は、θが60°を超えるとフランジ11の根もとに肉がつきすぎ必要な断面係数、剛性を確保することが困難になるからである(フランジの先端に肉がつく程剛性を確保することが容易になる)。3°以上とする理由は、θが3°未満の場合は圧延時に圧延ロールによるカジリ疵が製品に発生しやすくなるからである。また、ウエブ12の長さをW、フランジ11の全幅をFであらわした場合、W/F>1.5に設定されている。これは、形鋼10に、従来のT形鋼の断面係数と等しいかそれより大きい断面係数をもたせるためである。 【0008】フランジ11の一方の辺13と他方の辺14は、長さが互いに同じであっても異なってもよく、また傾斜の角度が互いに同じであっても異なってもよく、また形状が互いに対称であっても非対称であってもよい。ウエブ12の厚みは、一定である。図1〜図10は、種々のフランジ形状を示しており、これらはいずれも本発明に含まれる。 【0009】図1では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、内面16、18の傾斜は互いに等しい。フランジ11の辺13、14の外面15、17には傾斜はつけられていない。図2では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、内面16、18の傾斜は互いに異なる。フランジ11の辺13、14の外面15、17には傾斜はつけられていない。図3では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18につけられている。辺13、14は互いに長さが異なり、内面16、18の傾斜は互いに等しい。フランジ11の辺13、14の外面15、17には傾斜はつけられていない。 【0010】図4では、傾斜がフランジ11の辺13、14の外面15、17につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、外面15、17の傾斜は互いに等しい。フランジ11の辺13、14の内面16、18には傾斜はつけられていない。なお、図4において、辺13、14の長さを互いに異ならせてもよく、また、外面15、17の傾斜を互いに異ならせてもよい。 【0011】図5では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18と外面15、17につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、内面16、18の傾斜は互いに等しく、外面15、17の傾斜は互いに等しい。内面16、18の傾斜と外面15、17の傾斜とは、互いに等しくても、または互いに異なってもよい。辺13、14は互いに対称であっても非対称であってもよい。外面15、17の傾斜はウエブ12の延長までこなくてもよい。図6では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18と外面15、17につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、内面16、18の傾斜は互いに異なり、外面15、17の傾斜は互いに異なる。外面15、17の傾斜はウエブ12の延長までこなくてもよい。図7では、傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18と外面15、17につけられている。辺13、14は互いに長さが異なり、内面16、18の傾斜は互いに等しく、外面15、17の傾斜は互いに等しい。外面15、17の傾斜はウエブ12の延長までこなくてもよい。 【0012】図8では、フランジ11の辺13と辺14が非対称である。辺13に内面16と外面15の一方(たとえば、内面16)に、または内面16と外面15の両方に傾斜がつけられている場合、辺14には内面18と外面17の他方(たとえば、外面17)に傾斜がつけられている。辺13、14は互いに長さが等しくても異なってもよく、辺13の傾斜と辺14の傾斜は互いに等しくても異なってもよい。図9では、フランジ11の辺13と辺14が非対称であり、辺13と辺14の一方(たとえば、辺14)のみが、内面18と外面17が平行な平行フランジから構成されており、辺13と辺14の他方(たとえば、辺13)には、その内面16と外面15の少なくとも一方に(図示例では内面16と外面15の両方に)、傾斜がつけられている。辺13、14は互いに長さが等しくても異なってもよく、辺13の内外面の傾斜は互いに等しくても異なってもよい。 【0013】図10では、傾斜が湾曲状の傾斜からなる。図10は一例として、図1において、直線状の傾斜を湾曲状の傾斜に変えたものを示している。すなわち、湾曲状傾斜がフランジ11の辺13、14の内面16、18につけられている。辺13、14は互いに長さが等しく、内面16、18の傾斜は互いに等しい。フランジ11の辺13、14の外面15、17には傾斜はつけられていない。図1のみでなく、図2〜図9において、直線状の傾斜を湾曲状の傾斜に変えたものも本発明に含まれる。 【0014】つぎに、本発明実施例の形鋼の製造方法を説明する。図11は二重式圧延機を用いて形鋼を製造する場合を示す。本発明実施例の形鋼の製造方法は、加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断、または所定長さに切断後冷却する、工程からなる。そして、長寸素材の圧延後の所定断面形状は、ウエブ12がフランジ11幅の途中に配置されており、フランジ11を構成する2辺13、14の少なくと1辺の外面15、17、内面16、18のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブ12に近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する、直線状または湾曲状の、傾斜がつけられている形状(例を、図1〜図10に示す形状)である。各段の圧延機は上ロール20と下ロール21を有する二重式圧延機であり、上下のロール20、21のフランジ11成形面25、26、28、(27)がロール20、21の回転軸芯29に直交する方向から、素材のフランジ11を押圧する方向に、傾いており、この上下のロール20、21を用いて圧延が行われる。上ロール20と下ロール21とは素材送り方向には同じ位置にあり、圧延時に素材の厚さを変える。ここで、素材のフランジ11を押圧する方向とは、ロール20、21が素材を圧下した時に成形面25、26、28、(27、この27は存在しない場合もある)が素材に素材厚み方向に圧下の分力を作用させる方向、したがって、ロール20、21の軸芯側からロール20、21の表面側にいくにしたがって対向成形面25、26および28、(27)間距離が大になる方向である。また、ロール20、21のウエブ12成形面23、24は、ロール20、21の回転軸芯29に平行な方向に対して傾いている。 【0015】ロール20、21が上記のフランジ11成形面25、26、28、(27)を有するため、二重式圧延機であっても、圧延時に素材のフランジ11に圧下の分力をかけることができ、フランジ11を圧延することができる。ウエブ12にはウエブ成形面23、24から圧下力が作用するので、圧延できる。圧延による形鋼の製造では、従来の溶接による形鋼の製造のように溶接の熱がかからず、またH形鋼の切断のようにガス切断の熱やホット切断のような切断の不安定さがないので、圧延後に矯正しなくても圧延のままで形鋼として用いることができるが、高い精度が必要な場合は、圧延後、矯正機に通して矯正してもよい(後述)。また、溶接や切断工程を伴わないので、コストが低減される。 【0016】図12はユニバーサル圧延機を用いて形鋼を製造する場合を示す。本発明実施例の形鋼の製造方法は、加熱した素材を複数段の圧延機に順に通して所定断面形状をもつ長寸素材に圧延し、長寸素材を冷却後所定長さに切断、または所定長さに切断後冷却する、工程からなる。そして、長寸素材の圧延後の所定断面形状は、ウエブ12がフランジ11幅の途中に配置されており、フランジ11を構成する2辺13、14の少なくとも1辺の外面15、17、内面16、18のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブ12に近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する、直線状または湾曲状の、傾斜がつけられている形状(例を、図1〜図10に示す形状)である。各段の圧延機は、上ロール31と下ロール32とサイドロール33を有するユニバーサル式圧延機であり、該上下のロール31、32の側面34、35とサイドロール33の外周面36からなるフランジ成形面が、上下ロール31、32の回転軸芯37に直交する方向から、フランジ11に傾斜をつけるように、傾いており、この上下ロール31、32、サイドロール33を用いて圧延が行われる。上ロール31と下ロール32とサイドロール33は、素材送り方向には同じ位置にあり、圧延時に素材の厚さを変える。 【0017】ロール31、32、33が上記のフランジ成形面34、35、36を有するため、圧延時に素材のフランジ11に圧下の分力をかけることができ、フランジ11を圧延することができる。ウエブ12には上ロール31、下ロール32から圧下力が作用するので、圧延できる。圧延による形鋼の製造では、従来の溶接による形鋼の製造のように溶接の熱がかからず、またH形鋼の切断のようにガス切断の熱やホット切断のような切断の不安定さがないので、圧延後に矯正しなくても圧延のままで形鋼として用いることができるが、高い精度が必要な場合は、圧延後、矯正機に通して矯正してもよい(後述)。また、溶接や切断工程を伴わないので、コストが低減される。 【0018】図13は、加熱した素材を複数段の圧延機に順に通してフランジ11を両端にもつI形鋼に圧延し圧延中にI形鋼のウエブで切断して所定断面形状をもつ長寸素材を得、長寸素材を冷却後所定長さに切断または所定長さに切断後冷却する、工程からなる形鋼の製造方法を示す。所定断面形状は、ウエブがフランジ幅の途中に配置されており、フランジを構成する2辺の少なくとも1辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方に、フランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する、直線状または湾曲状の、傾斜がつけられている形状(図1〜図10に示したもの)である。各段の圧延機が上ロールと下ロールとサイドロールを有するユニバーサル式圧延機であり、図12に準じる。上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなるフランジ成形面が上下ロールの回転軸芯に直交する方向から、素材のフランジに傾斜をつけるように、傾いており、上下ロール、サイドロールを用いて圧延が行われる。この方法は、圧延中の切断を伴うので、圧延後に矯正機に通して矯正することが必要となる。ただし、この傾斜面をもつフランジ11を有する形状の形鋼10はロール矯正をすることが可能である。 【0019】本発明実施例の形鋼の製造方法は、圧延、冷却・切断工程の後に、素材を複数段の矯正機に通して形状を矯正する矯正工程(図14または図15)を有していてもよい。図14では、各段の矯正機は、上矯正ロール41か下矯正ロール42を有している。上矯正ロール41と下矯正ロール42とは素材送り方向に互いに異なる位置に交互に位置している。この上下の各矯正ロール41、42のフランジ矯正面43、44、45、46は矯正ロールの回転軸芯47に直交する方向から、素材のフランジ11を押圧できる方向に、傾いている。素材のウエブ12は上下の矯正ロール41、42の回転軸芯47に平行である。フランジ矯正面43、44間の間隔およびフランジ矯正面45、46間の間隔はロール表面に近づくにつれて広がる。この素材送り方向に交互に配置した上矯正ロール41、下矯正ロール42を用いて素材の曲がり矯正が行われる(素材の厚さの変化はない)。上下の矯正ロール41、42がロール軸芯と直交する方向から傾いた矯正面43、44、45、46を有するので、フランジ11に厚み方向に荷重をかけることができ、フランジ11の矯正が可能である。 【0020】図15は図14とは異なる本発明実施例であり、図15では、矯正機が、素材送り方向に交互に配置した上矯正ロール51と下矯正ロール52を有している。この上下の矯正ロール51、52のフランジ矯正面53、54、55、(56)は、矯正ロールの回転軸芯57に直交する方向から、素材のフランジ11を押圧できる方向に、傾いている。素材のウエブ12は上下の矯正ロール51、52の回転軸芯57に対して傾いている。フランジ矯正面53、54間の間隔およびフランジ矯正面55、(56)間の間隔はロール表面に近づくにつれて広がる。この交互に配置した上矯正ロール51、下矯正ロール52を用いて素材の曲がり矯正が行われる。上下の矯正ロール51、52がロール軸芯と直交する方向から傾いた矯正面53、54、55、56を有するので、フランジ11に厚み方向に荷重をかけることができ、フランジ11の矯正が可能である。 【0021】つぎに、本発明実施例の形鋼10の適用例を、図16〜図19を参照して、説明する。図16は、従来のVLCC(very large clude oil carrier)船60の二重壁に溶接付けされたロンジ(longitudinal)材のインバート(不等辺不等厚山形鋼)61とTロンジ(T形鋼)62を示している。このインバート61とTロンジ62を本発明実施例の形鋼10に置き換える。この場合、形鋼10の断面係数を各ロンジ材の断面係数に合わせるか、またはそれ以上にする。図17は、従来のバルブキャリア63の二重壁に溶接付けされたロンジ(longitudinal)材のインバート(不等辺不等厚山形鋼)61を示している。このインバート61を本発明実施例の形鋼10に置き換える。この場合、形鋼10の断面係数を各ロンジ材の断面係数に合わせるか、またはそれ以上にする。図18は、従来のコンテナ船64の二重壁に溶接付けされたロンジ(longitudinal)材のインバート(不等辺不等厚山形鋼)61と平鋼65を示している。このインバート61と平鋼65を本発明実施例の形鋼10に置き換える。この場合、形鋼10の断面係数を各ロンジ材の断面係数に合わせるか、またはそれ以上にする。図19は、従来のLPG(液化石油ガス)船66の二重壁に溶接付けされたロンジ(longitudinal)材のインバート(不等辺不等厚山形鋼)61を示している。このインバート61を本発明実施例の形鋼10に置き換える。この場合、形鋼10の断面係数を各ロンジ材の断面係数に合わせるか、またはそれ以上にする。 【0022】 【発明の効果】請求項1の形鋼によれば、フランジを構成する辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられているので、二重式圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、二重式圧延機による圧延が可能となる。ユニバーサル式圧延機による圧延は従来通り可能である。請求項2の形鋼によれば、W/Fが1.5より大になる断面形状に設定したので、補強材として用いるのに十分な断面係数が確保される。請求項3の形鋼の製造方法によれば、形鋼のフランジを構成する辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールのフランジの成形面がロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、二重式圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、二重式圧延機による圧延が可能である。請求項4の形鋼の製造方法によれば、形鋼のフランジを構成する辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる、フランジの成形面が、上下ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、ユニバーサル圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、ユニバーサル圧延機による圧延が可能である。請求項5の形鋼の製造方法によれば、I形鋼を圧延し圧延中にそれを2分して形鋼を製造するに際し、形鋼のフランジを構成する辺の外面、内面のいずれか少なくとも一方にフランジ端からウエブに近づくにつれてフランジ厚を大とする方向に傾斜する傾斜がつけられており、上下のロールの側面とサイドのロールの外周面からなる、フランジの成形面が、上下ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、ユニバーサル圧延機による圧延においてフランジが厚み方向に圧下され、ユニバーサル圧延機による圧延が可能である。請求項6の形鋼の製造方法によれば、矯正機が、素材送り方向に交互に配置した上矯正ロールと下矯正ロールを有しており、上下の矯正ロールの、フランジ矯正面が、矯正ロールの回転軸芯に直交する方向から傾いているので、上下矯正ロールによる素材の曲がり矯正においてフランジに厚み方向に荷重が加わり、曲がり矯正が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110251 【氏名又は名称】トピー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田渕 経雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−342401 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−145597 |
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