トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き




【発明の名称】 圧延材のデスケーリングガイド及びローラガイド装置
【発明者】 【氏名】岡田 庄司

【要約】 【課題】初期設備投資を押さえ、設備のランニングコストを低くし、省スペースの実現を図る。

【解決手段】ローラーガイド装置Bのガイド部の位置にガイド本体1及びデスケーリング体2,3を連設したデスケーリングガイドAを設置し、ガイド本体及びデスケーリング体の軸心に圧延材Mのガイド孔5が貫通し、各デスケーリング体はその軸心部に環状部を設け、環状部の外側の空間が除去水供給室7,9であり、デスケーリング体の外周面から除去水供給室に達する除去水供給口2c,3cを開け、ガイド本体とデスケーリング体の対向端部間にスリットノズル10を、デスケーリング体の対向端部間にスリットノズル8を形成し、ガイド孔内を通過する圧延材に対して各スリットノズルから除去水を噴射して360°全方位からの均一なデスケーリングを可能とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガイド本体と、このガイド本体とはガイド本体における上記圧延材の移動方向の一側端部に連設しているデスケーリング体と、このデスケーリング体とガイド本体とを分離可能に連結固定している連結固定手段と、連設しているガイド本体及びデスケーリング体の各軸心を貫通している圧延材のガイド孔とを具備しており、上記ガイド本体は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているガイド孔部を設けており、上記デスケーリング体は、軸心部に設けている環状部と、この環状部の外側と外周部との間に環状部を囲むように設けている空間部と、上記外周部に設けている上記空間部内に除去水を供給するための除去水供給口とを備えており、上記環状部は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているガイド孔部を設けており、上記空間部は、上記ガイド本体の一側端部との間で除去水供給室を形成しており、上記環状部の一端部は、上記ガイド本体の一側端部との間で対向しかつこの対向端部間でスリットノズルを形成しており、上記スリットノズルは、上記ガイド孔を挿通する上記圧延材を囲むように設けられていることを特徴とする圧延材のデスケーリングガイド。
【請求項2】 ガイド本体とデスケーリング体との対向間にスリットノズルの開口幅を調整するための調整板を配置してあることを特徴とする請求項1記載の圧延材のデスケーリングガイド。
【請求項3】 ガイド本体と、このガイド本体とはガイド本体における上記圧延材の移動方向の一側端部に連設している複数のデスケーリング体と、これらのデスケーリング体とガイド本体とを分離可能に連結固定している連結固定手段と、連設しているガイド本体及びデスケーリング体の各軸心を貫通している圧延材のガイド孔とを具備しており、上記ガイド本体は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているガイド孔部を設けており、上記各デスケーリング体は、軸心部に設けている環状部と、この環状部の外側と外周部との間に環状部を囲むように設けている空間部と、上記外周部に設けている上記空間部内に除去水を供給するための除去水供給口とを備えており、上記環状部は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているをガイド孔部を設けており、上記デスケーリング体のうち、互いに対向しているデスケーリング体は、一方のデスケーリング体の環状部の一端部が、他方のデスケーリング体の対向端部との間でスリットノズルを形成しており、上記ガイド本体とに対向しているデスケーリング体は、その環状部の一端部が、上記ガイド本体の対向端部との間でスリットノズルを形成しており、上記各スリットノズルは、上記ガイド孔を挿通する上記圧延材を囲むように設けられており、上記ガイド本体の一側で対向する上記デスケーリング体の空間部は、上記ガイド本体の一側端部との間で除去水供給室を形成しており、上記デスケーリング体の一側で対向する上記デスケーリング体の空間部は、上記デスケーリング体の一側端部との間で除去水供給室を形成していることを特徴とする圧延材のデスケーリングガイド。
【請求項4】 対向するガイド本体とデスケーリング体との間に、互いに対向するデスケーリング体間にそれぞれスリットノズルの開口幅を調整するための調整板を配置してあることを特徴とする請求項3記載の圧延材のデスケーリングガイド。
【請求項5】 ガイドボックスに支持軸を中心として一対のローラホルダーを開閉可能に設けてあり、一対のローラホルダーの一端部側にガイドローラを回転自在に設けてあり、上記ローラホルダーの他端部側に請求項1記載の圧延材のデスケーリングガイドを設けてあり、上記デスケーリングガイドのガイド本体は、上記ローラホルダー側に位置していることを特徴とする圧延材のローラガイド装置。
【請求項6】 対向するガイド本体とデスケーリング体との間にスリットノズルの開口幅を調整するための調整板を配置してあることを特徴とする請求項5記載の圧延材のローラガイド装置。
【請求項7】 ガイドボックスに支持軸を中心として一対のローラホルダーを開閉可能に設けてあり、一対のローラホルダーの一端部側にガイドローラを回転自在に設けてあり、上記ローラホルダーの他端部側に請求項3記載の圧延材のデスケーリングガイドを設けてあり、上記デスケーリングガイドのガイド本体は、上記ローラホルダー側に位置していることを特徴とする圧延材のローラガイド装置。
【請求項8】 対向するガイド本体とデスケーリング体との間に、互いに対向するデスケーリング体間にそれぞれスリットノズルの開口幅を調整するための調整板を配置してあることを特徴とする請求項7記載の圧延材のローラガイド装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧延材のローラガイド装置その他の案内装置に取付けて圧延材の案内とデスケーリングとを行うことができるデスケーリングガイド及びローラガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延材を熱間圧延する場合、熱間圧延中に発生するスケールは、圧延材に比べて硬いため圧延材にスケールが付いたまま圧延すると、圧延ロールに傷が付いたり、圧延材に転写されたり、圧延材にスケールが噛み込まれ表面品質に悪影響を与えるために、圧延前にスケールを除去することが必要となる。そこで、従来スケールを除去する装置であるデスケーリング装置として、例えば特公平6−61574号公報に示すように圧延材に加圧手段であるスケールブレーカにより曲げ力を加えてクラックを発生させてからブラシロールでスケールを除去するものや、特公平7−45057号公報に示すようにノズルを数十個ならべて配置したり、またはストリップの上方にこれに直交する方向に直線状のスリットノズルを配置して、ストリップに高圧水を噴射してスケールを除去するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のデスケーリング装置は、複数の大型ブラシとその駆動装置、クラック生成用の加圧手段、高圧水を得るための大型の水ポンプユニット等の各種の大型の設備が必要となることから、初期設備投資や設備維持費用がかかり、圧延スタンド間の限られたスペースでは圧延材の案内装置の併用することが難しかった。また高圧水を使用する従来のデスケーリング装置の場合には、高圧水を発生させるために多くの電力・動力と多量の水を必要とするために、ランニングコスト高になると共に、初期設備投資が大きいという問題もあった。そしてデスケーリング後の高圧かつ多量の水の処理問題があり、さらに水を大量に用いるために圧延材の温度が低下してしまうという問題もあった。この発明の目的は、初期設備投資を押さえ、かつ設備のランニングコストを低くし、省スペースの実現を図りつつ、圧延材の温度の低下をさせずに十分にスケール除去を可能とすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、圧延ラインに用いられるローラーガイド装置等の案内装置の入口または出口のガイド部に当る位置にデスケーリングガイドが設置されるものであり、デスケーリングガイドの内部を通過する圧延材を案内すると共に、圧延材に対してスケールの除去水を噴射して360°全方位からの均一なデスケーリングを可能とするものである。上記デスケーリングガイドは、ガイド本体と、このガイド本体とはガイド本体における上記圧延材の移動方向の一側端部に連設しているデスケーリング体と、このデスケーリング体とガイド本体とを分離可能に連結固定しているボルト等の連結固定手段と、連設しているガイド本体及びデスケーリング体の各軸心を貫通している圧延材のガイド孔とを具備しているものである。上記ガイド本体は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているガイド孔部を設けている。上記デスケーリング体は、軸心部に設けている環状部と、この環状部の外側と外周部との間に環状部を囲むように設けている空間部と、上記外周部に設けている上記空間部内に除去水を供給するための除去水供給口とを備えている。上記環状部は、軸心に上記ガイド孔の一部を構成しているガイド孔部を設けている。上記空間部は、上記ガイド本体の一側端部との間で除去水供給室を形成している。上記環状部の一端部は、上記ガイド本体の一側端部との間で対向しかつこの対向端部間でスリットノズルを形成し、上記スリットノズルは、上記ガイド孔を挿通する上記圧延材を囲むように設けられているものである。デスケーリングガイドにおけるデスケーリング体は単数又は複数設けるものであり、複数のデスケーリング体を配置する場合には、一側にガイド本体を他端側に各デスケーリング体を連設する。上記デスケーリング体のうち、互いに対向しているデスケーリング体は、一方のデスケーリング体の環状部の一端部が、他方のデスケーリング体の対向端部との間でスリットノズルを形成しており、上記ガイド本体とに対向しているデスケーリング体は、その環状部の一端部が、上記ガイド本体の対向端部との間でスリットノズルを形成し、各スリットノズルは、上記ガイド孔を挿通する上記圧延材を囲むように設けられている。上記ガイド本体の一側で対向する上記デスケーリング体の空間部は、上記ガイド本体の一側端部との間で除去水供給室を形成している。上記デスケーリング体の一側で対向する上記デスケーリング体の空間部は、上記デスケーリング体の一側端部との間で除去水供給室を形成している。ガイド本体とデスケーリング体との隙間を、または相互に対向するデスケーリング体の隙間をスリットノズルとして用いる。ガイド本体とデスケーリング体との間に、または相互に対向するデスケーリング体間に調整板を介在させて、調整板の枚数の増減や厚さを変えることにより、スリットノズルの開口幅を調整することができる。スリットノズルの開口幅の調整は、例えばガイド本体とデスケーリング体との端部間を雌雄のねじで接合させ、または相互に対向するデスケーリング体の端部間を雌雄のねじで接合させ、デスケーリング体を回して対向間隙を調整することを通じて行うこともでき、調整手段は適宜である。この発明のローラガイド装置は、ガイドボックスに支持軸を中心として一対のローラホルダーを開閉可能に設けてあり、一対のローラホルダーを一端部側にガイドローラを回転自在に設けてあり、上記ローラホルダーの他端部側のガイド部の位置に上記デスケーリングガイドを設け、ガイド本体をガイドローラ側に位置するものである。
【0005】
【作用】デスケーリングガイドのガイド孔を通過する圧延材は、ガイド孔によって案内されると共に、上記圧延材を囲むスリットルノズルから噴射水が圧延材に対して全方位から吹付けられてスケールが除去される。デスケーリングガイドは、これを圧延材のローラガイド装置等の案内装置に取付けることができ、しかも既存の案内装置にも利用でき、必要に応じてデスケーリングガイドのみの交換でデスケーリング機能が付加できるから、初期設備投資を押さえかつ省スペースの実現が可能となる。ローラガイド装置はデスケーリングガイドのスリットノズルと圧延材との距離を非常に近くすることができるから、噴射水が低圧でもデスケーリングに十分な衝突圧が得られ、安価なデスケーリングが可能となり、高圧水の付帯設備が不要で省スペース、簡単なメンテナンスによりランニングコストが押さえられる。デスケーリング体の増設及び調整板の増減でスリットノズルの開口幅の調整をすることによって除去水の噴出量の調整を行い、所要のデスケーリング能力を容易に得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図3には、圧延材Mの案内装置としてローラガイド装置Bを、そしてこのローラガイド装置の入口側(図1右側)のガイド部に配置した圧延材のデスケーリングガイドAが例示されている。
【0007】そこで、まず、デスケーリングガイドAについて、主に、図1及び図4〜図14を参照して説明する。このデスケーリングガイドは、ガイド本体1と、このガイド本体における圧延材Mの移動方向の一側(図4では右側)端部に連設している単数又は複数のデスケーリング体(図1及び図4では2体のデスケーリング体2,3)と、デスケーリング体とガイド本体とを分離可能に連結固定する連結固定手段4とを具備し、軸心部に圧延材を案内するガイド孔5を貫通している。
【0008】図4〜図7に示すガイド本体1において、軸心にはガイド孔5の一部を構成しているガイド孔部1aを貫通している。このガイド孔部は、その口径が後端側(図5右側)が広く、先端側が狭く形成されている。ガイド本体1は、後端側であるデスケーリング体3と対向する側がつば状の連結部1bとなっており、この連結部には連結固定手段として、例えばボルト4が挿通するボルト孔1b1が複数開けられている。ガイド本体1の後端側に段部1cが形成されている。また図5及び図6に示す例では、ガイド本体1の後端面のガイド孔部1aの開口端外周全周がガイド孔部の内方に向けてかつ後端側に傾いた傾斜面1dを形成している。
【0009】各デスケーリング体2,3は、いずれも実質的に同一構成であるので、一方のデスケーリング体2について説明し、他方3については概説する。図8〜図10に示す一方のデスケーリング体2において、これは、軸心部に設けている環状部2aと、この環状部の外側と外周部との間に環状部を囲むように設けている空間部2bと、外周部に設けてあって空間部内に除去水を供給するための除去水供給口2cとを備えている。環状部2aは、軸心にガイド孔5の一部であるガイド孔部2a1を設けている。環状部2aの先端側(図8左側)のガイド孔部2a1の開口端にはガイド孔部の内方に向けてかつ後端側に傾いた傾斜面2dを形成している。除去水供給口2cは、図8及び図9に示すようにデスケーリング体2の外周面から空間部2bに達している。除去水供給口2cには除去水の供給手段である例えば供給パイプ6(図1)が接続される。またデスケーリング体2の外周側には、このデスケーリング体を軸心方向(図8左右方向)に貫通するボルト孔2eを軸心を中心として外周に沿って間隔を置いて複数(図9では4個)設けてある。除去水供給口2cは、図9に示すように円周方向に隣接するボルト孔2e間に配置されている。また図8及び図11〜図12に示す他方のデスケーリング体3において、一方のデスケーリング体2と相違する構成のみを説明すると、ガイド孔部3a1の口径は一端(先端)から他端(後端)までほぼ同径である。そしてデスケーリング体3の後端面のガイド孔部3a1の開口端外周全周がガイド孔部の内方に向けてかつ後端側に傾いた傾斜面3dを形成している。またデスケーリング体3の後端外周全周に嵌合部3fが形成されている。3aは環状部、3bは空間部、3cは除去水供給口、3d1は傾斜面、3eはボルト孔を示すもので、これらはデスケーリング体2の環状部2a、空間部2b、除去水供給口2c、傾斜面2d、ボルト孔2eにそれぞれ対応している。ここで、両デスケーリング体2,3間の関係を図1、図4及び図8を参照して説明する。デスケーリング体2の端部の外周部は、デスケーリング体3の外周部の嵌合部3fに嵌合状態に連設している。両デスケーリング体2,3の嵌合状態において、一方のデスケーリング体2の空間部2bは、他方のデスケーリング体3の一側端部(後端部)との間で除去水供給室7(図4)を形成している。また一方のデスケーリング体2の環状部2aの一端部の傾斜面2dは、他方のデスケーリング体3の一側端部(後端部)の傾斜面3dと対向しかつ対向する傾斜面間でスリットノズル8を形成している。スリットノズル8は、ガイド孔部2a1,3a1を挿通する圧延材Mを囲む360°のリング状のノズルとなっている。スリットノズル8は除去水供給室7と連通している。このため、除去水供給室7では、入口が除去水供給口2cであり、出口がスリットノズル8となり、供給パイプ6からの除去水は除去水供給口から除去水供給室を経てスリットノズルに向けて送水される。デスケーリング体2,3間のボルト孔2e,3eは互いに一直線上に連通して、1つの孔を形成している。嵌合状態にあるデスケーリング体2,3間には、調整板であるシム11を設けてある。このシムは、図8及び図14に示すようにリング状に形成されており、ボルト孔2eと対応する位置にボルト孔11aを設けてある。またシム11は嵌合部3fに配置され、スリットノズル8の開口幅を決定している。このため、シム11の厚みを変更することにより、また図16に示す例で後述するように枚数を増減させることにより、そのスリットノズルの開口幅調整が可能となる。
【0010】またガイド本体1とデスケーリング体2,3との関係を図1、図4及び図8を参照して説明する。デスケーリング体3の先端部の外周部は、対向するガイド本体1の後端外周部の嵌合部1cに嵌合状態に連設している。両者の連設状態では、デスケーリング体3の空間部3bは、ガイド本体1の一側端部(後端部)との間で除去水供給室9(図4)を形成している。またデスケーリング体3の環状部3aの他端部の傾斜面3d1は、ガイド本体1の一側端部の傾斜面1dと対向しかつ対向する傾斜面間でスリットノズル10を形成している。スリットノズル10は、ガイド孔部1a1,3a1を挿通する圧延材Mを囲む360°のリング状のノズルとなっている。スリットノズル10は除去水供給室9と連通している。このため、除去水供給室9では、入口が除去水供給口3cであり、出口がスリットノズル10となり、供給パイプ6からの除去水は除去水供給口から除去水供給室を経てスリットノズルに向けて送水される。ガイド本体1とデスケーリング体3との間のボルト孔1b1,3eは互いに一直線状に連通して、1つの孔を形成している。嵌合状態にあるガイド本体1とデスケーリング体3との間には、調整板であるシム12を設けてある。このシムは、上記シム11と同一構成である。またシム12は嵌合部1cに配置され、スリットノズル10の開口幅を決定している。このため、シム12の厚みを変更することにより、または枚数を増減させることにより、その幅調整が可能となる。
【0011】連結固定手段としては、図1及び図4の例では、ボルト4を使用しており、このボルトをボルト孔1b1,2e,3eを挿通し固定することにより、連設状態にあるガイド本体1及びデスケーリング体2,3を互いに分離可能に連結固定する。
【0012】次に、ローラガイド装置Bについて、主に図1〜図3を参照して説明する。ガイドボックス13にはこのガイドボックスに回動可能に立設した支持軸14を中心として一対のローラホルダー15を揺動可能に軸支してある。各ローラホルダー15の先端部(図1の左側部)にガイドローラ(図1ではガイドローラ16,19)を設けてある。図1の例では、主ガイドローラ16をローラピン17に回転自在に、かつ面間調整可能に軸支し、支持軸14の偏心軸部18に副ガイドローラ19を回転自在に、かつ面間調整可能に軸支してある。ローラホルダー15の支持軸14と、副ガイドローラ19の支持軸を共用にしてある。主ガイドローラ16の面間調整は、ローラホルダー15の後部にねじ込んだ押ねじ20をガイドボックス13に当接させ、押ねじのねじ込み量の調整によって行う。副ガイドローラ19の面間調整は、支持軸14に螺設したねじ歯車21に噛合し、互に逆ねじ関係にある軸一体のピニオン22を回動することによって調整する構成である。
【0013】デスケーリングガイドAとローラガイド装置Bとの関係を説明する。図1〜図3に示すように、デスケーリングガイドAは、圧延ライン上に配置されているローラガイド装置B内の入口又は出口(図示の例では入口)のガイド部に嵌合され、押しボルト23、コッター(図示せず)等の固定手段で固定されている。デスケーリングガイドAは、この固定手段の固定を解除することにより、ローラガイド装置Bから外すことができる。
【0014】つぎに、作用について説明する。図1において、圧延材MがデスケーリングガイドAのガイド孔5を通ってガイドローラ16,19を経て圧延機へ誘導案内される過程で、供給パイプ6から供給される除去水は除去水供給室7,9に供給され、やがてスリットノズル8,10からガイド孔5内の圧延材Mに向けて噴射され、しかも除去水は圧延材Mに対して全方位向けて噴射されるため、圧延材表面に付着しているスケールが急冷されて亀裂が生じ、このスケールは除去水の噴射圧力により粉砕され剥離させられて圧延材表面から除去され、このためにスケールを除去した状態で圧延材が圧延機で圧延されることを可能にする。この際、圧延材Mは、ガイドローラ16,19に誘導案内されるために、デスケーリングガイドAのガイド孔5内を安定した状態で通過できるために、スリットノズル8,10と圧延材との距離を短くでき、スリットノズルは近接した状態で圧延材のデスケーリングができるから、噴射水の圧力が高圧でなくても十分なデスケーリング能力が得られる。図1に示すローラガイド装置Bによれば、スリットノズル8,10と圧延材Mの距離が非常に近くすることができるため低圧で十分なデスケーリング能力(衝突圧)を持ち、大きな設備を使わずに既存のローラーガイド装置のガイド部の交換のみで容易に所要のデスケーリング機能を得ることができる。
【0015】デスケーリングガイドAを交換する場合には、押しボルト23を緩めてデスケーリングガイドをローラガイド装置Bの後端側から引出し、新たなデスケーリングガイドを挿入して、押しボルトを締付けて固定する。ローラガイド装置にデスケーリング機能が不要ならば、デスケーリングガイドAを取出し、例えばエンリーガイドを挿入して押しボルト23で固定するか、または取出すことなく除去水の供給を停止して、ガイドとして使用する。
【0016】図15に示すデスケーリングガイドA1では、デスケーリング体3をもう一体増設し、スリットノズル10を増やしている。すなわち、デスケーリングガイドA1では、デスケーリング体2とガイド本体1との間に2体のデスケーリング体3を介設してスリットノズル10を設け、全体としてスリットノズルの数が図1の例に比較して増設された。デスケーリングガイドA1におけるその他の構成は、デスケーリングガイドAのそれと実質的に同一であり、符号を一致させて対応関係を明らかにしている。なお、ガイド本体1並びにデスケーリング体2及びデスケーリング体3を接続するための連結固定ボルト24は、デスケーリングガイドAの連結固定ボルト4に比較して増設分だけ長いものとなっている。
【0017】図16に示すデスケーリングガイドA2は、図4に示すデスケーリングガイドAからデスケーリング体3を外して、デスケーリングガイドAをガイド本体1とデスケーリング体2のみで構成し、その結果スリットノズル10が削除された。このため全体としてスリットノズルの数が図1の例に比較して減った。しかしながら、ガイド本体1とデスケーリング体2との間の調整板であるシム11を適宜枚数増減(図面では2枚に増設)させて、スリットノズル8からの噴射圧力、換言すれば、デスケーリング能力を最適なものに調整する。デスケーリングガイドA2におけるその他の構成は、デスケーリングガイドAのそれと実質的に同一であり、符号を一致させて対応関係を明らかにしている。なお、ガイド本体1とデスケーリング体2との間を接続するための連結固定ボルト34は、デスケーリングガイドAの連結固定ボルト4に比較して短い。
【0018】図1、図15又は図16に示すデスケーリングガイドA,A1,A2において、デスケーリング体を増減させることなく、調整板11,12のみの数を増やしてスリットノズル8の開口幅を調整してもよい。また調整板を用いることなく、スリットノズルを形成するデスケーリング体間またはデスケーリング体とガイド体との対向端部それぞれの形状を変更することにより、スリットノズルの開口幅を調整してもよい。
【0019】また対向するデスケーリング体の嵌合部や対向するガイド本体とデスケーリング体の嵌合部を、雌雄のねじで相互にねじ接合させて、一方のデスケーリング体を回して、相互の間隙を広挟させて、スリットノズルの開口幅を調整するようにしてもよい。このように、この発明では、デスケーリング体の数や調整板の数を増減させることが可能である。この増減によっても、スリットノズルの開口幅が調整され、したがって除去水の噴射量や噴射圧力が調整されるから、デスケーリング能力を目的に応じて調整することが可能となる。
【0020】スリットノズル8,10は、図1では圧延材Mの進行方向(矢印方向)と反対方向に除去水を噴射するようにして、スケールの除去を効果的に行うようにしているが、スケールが除去できるものであれば、スリットノズルによる噴射方向は図示の例に限られない。
【0021】デスケーリングガイドA,A1,A2における連結固定手段4,24,34は、クランプ等を使用してもよく、図示するボルトに限定されない。
【0022】圧延材の案内装置は、ローラガイド装置に限られず、例えばフリクションガイド装置等であってもよい。ローラガイド装置は、図1では主ガイドローラ16と副ガイドローラ19を備えたものであったが、主ガイドローラのみであってもよく、図示のものに限られない。
【0023】
【実施例】図1に示すガイドローラ装置Bにおいて、ガイドローラは主ガイドローラ16と副ガイドローラ19とからなり、デスケーリングガイドAのデスケーリング体として2体2,3を連設し、ガイド本体1とデスケーリング体2との間、デスケーリング体2,3間に挿置されるシム11,12のそれぞれを1枚として、スリットノズル8,10をガイド孔5の全周に設けて圧延材Mに対して360°全方位からのデスケーリングを行うようにした。この結果、圧延材Mとスリットノズル8,10の距離をローラ噛込み時に50mm以内として、従来例(100〜150kg/cm2 )と比べて1/10程度(5〜20kg/cm2 )で所要のデスケーリング能力を得ることが可能となった。
【0024】
【発明の効果】この発明のデスケーリングガイドによれば、従来例のような多数のノズルを使用するものと比べ、低圧・低水量なことから、初期設備投資がかからず、圧延材の過剰な温度低下を防ぐことができ、そして案内装置に設けることによりこの案内装置全体の交換が不要となり、ガイドの交換のみで既存の案内装置にデスケーリング機能を容易に付加することが可能となる。この発明のデスケーリングガイドによれば、デスケーリング体の増設及び調整板の増減でスリットノズルの開口幅の調整をすることによって除去水の噴出量の調整を行い、所要のデスケーリング能力を容易に得ることができる。この発明のローラガイド装置によれば、ガイド部にデスケーリングガイドを設けることにより、スリットノズルと圧延材との距離を非常に近くすることができるから、噴射水が低圧でもデスケーリングに十分な衝突圧が得られ、従来例に比べ低圧でも十分なデスケーリングが可能となるため、安価なデスケーリングが可能となり、高圧水の付帯設備が不要で省スペース、簡単なメンテナンスによってランニングコストが押さえられる。
【出願人】 【識別番号】000182476
【氏名又は名称】寿産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小平 進
【公開番号】 特開平11−5115
【公開日】 平成11年(1999)1月12日
【出願番号】 特願平9−158699