トップ :: B 処理操作 運輸 :: B09 固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生

【発明の名称】 汚染土壌の浄化処理装置
【発明者】 【氏名】芋 生 誠
【氏名】土 弘 道 夫
【氏名】鈴 木 繁 樹
【氏名】川 端 淳 一
【氏名】中 村 充 利
【氏名】新 野 義 仁
【氏名】藤 坂 恭 史
【課題】汚染土壌を溶媒のなかに入れ適度に撹拌することにより溶液と汚染土壌を接触反応させ、有害物質の分離後、無害となった土壌を効率よく溶液から回収することができ、これらの作業を連続的に行うことのできる装置を提供する。

【解決手段】溶液が入れられていて、処理すべき汚染土壌が投入され、物理化学処理を行う反応槽(1)と、分離後の処理土壌を排出する排出装置(2)とからなり、前記反応槽(1)内の下部には、土壌と溶液の撹拌と、前記排出装置(2)への輸送とを同時に行うスクリュ(3)が設けられている汚染土壌の浄化処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶液が入れられていて、処理すべき汚染土壌が投入され、物理化学処理を行う反応槽と、分離後の処理土壌を排出する排出装置とからなり、前記反応槽内の下部には、土壌と溶液の撹拌と、前記排出装置への輸送とを同時に行うスクリュが設けられていることを特徴とする汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項2】 土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送とを同時に行うスクリュがリボンスクリュであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項3】 土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送とを同時に行うスクリュがカットフライトスクリュであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項4】 土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送とを同時に行うスクリュがリボンスクリュとバドルスクリュの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項5】 土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送とを同時に行うスクリュがリボンスクリュとフラットバーの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項6】 分離後の処理土壌を排出する排出装置がスクリューコンベヤであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【請求項7】 分離後の処理土壌を排出する排出装置がバケットコンベヤであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素系化合物、重金属などの有害物質が混入した汚染土壌を、物理化学的処理によって浄化する汚染土壌の浄化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有害物質が混入した汚染土壌を浄化する物理化学的処理には、溶媒抽出による方法、浮上分離による方法、電気分解による方法などがある。
【0003】溶媒抽出による方法とは、汚染土壌を溶媒のなかに入れ適度に土壌と溶媒を接触させることにより、汚染土壌中にある有害物質を溶媒側に移動・抽出させて除去する方法である。
【0004】浮上分離による方法とは、汚染土壌を溶媒のなかに入れ適度に撹拌して、土壌中の溶液より比重の小さい有害物質を浮上させて除去する方法である。
【0005】電気分解による方法とは、酸化、中和などの電極反応を利用して、有害物質を除去する方法である。
【0006】一般には、これらの方法を組合せて浄化処理することが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法により処理を行うには、汚染土壌を溶媒のなかに入れ適度に撹拌することにより溶液と汚染土壌を接触反応させる必要がある。また、有害物質の分離後は、無害となった土壌を効率よく溶液から回収することが必要とされる。しかし、従来は、これらの作業を連続的に行う装置はなかった。
【0008】従って、本発明は、前記作業を能率よく連続的に行うことのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶液が入れられていて、処理すべき汚染土壌が投入され、物理化学的処理を行う反応槽と、分離後の処理土壌を排出する排出装置とからなり、前記反応槽内の下部には、土壌と溶液の撹拌と、前記排出装置への輸送とを同時に行うスクリュが設けられている汚染土壌の浄化処理装置が提供される。
【0010】土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送とを同時に行うスクリュとしては、リボンスクリュ、カットフライトスクリュ、リボンスクリュとバドルスクリュの組合せ、リボンスクリュとフラットバーの組合せが適宜採用される。
【0011】また、分離後の処理土壌を排出する排出装置としては、スクリュコンベヤ、バケットコンベヤが適宜採用される。
【0012】汚染土壌は、土壌投入口より反応槽の溶液中に投入される。リボンスクリュは、適度な回転運動により土壌と溶液の撹拌を行い有害物質の分離反応を促進する。汚染土壌は、分離反応の進行に従い、リボンスクリュの回転運動により順次、排出装置の方向に輸送される。反応槽では、土壌と溶液の撹拌と、排出装置への輸送が同時に行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は汚染土壌の浄化処理装置の正面図、図2は同側面図であり、本装置は、大別して、主に物理化学的処理を行う反応槽1と、分離後の処理土壌を排出する排出装置2とからなる。
【0014】反応槽1には溶液が入れられている。反応槽1の中の下部には、本実施例では撹拌用のリボンスクリュ3が設置されている。図3にリボンスクリュの詳細を示す。
【0015】汚染土壌は、土壌投入口4より反応槽1の溶液中に投入される。リボンスクリュ3は、適度な回転運動により土壌と溶液の撹拌を行い有害物質の分離反応を促進する。
【0016】汚染土壌は、分離反応の進行に従い、リボンスクリュ3の回転運動により順次、排出装置2の方向に輸送される。この反応槽1では、土壌と溶液の撹拌と、排出装置2への輸送を同時に行う。
【0017】土壌の汚染の程度や分離反応の進捗によりスクリュの回転数、回転方向などの運動パターンを変化させて、処理反応を制御する。運動パターンの設定は、制御盤のボタンやダイヤルなどによって行う。
【0018】排出装置2は、本実施例ではスクリュコンベヤを約45度傾けた構造となっている。反応槽1とは接続部5を介して接続されている。反応槽1で分離処理の完了した無害となった土壌は、接続部5を通り排出装置2に移され排出装置2のスクリュの回転運動により掻き揚げられ排出口6より排出される。スクリュコンベヤの排出口が溶液面上にあること、及びスクリュコンベヤの傾きにより土壌は溶液から効率よく回収され、脱水効果もある。
【0019】図1及び図2において、7はリボンスクリュ3を作動させる撹拌用電動機であり、8はスクリュコンベヤ2を作動させる排出用電動機であり、また9は溶液及び水を供給する透明ビニールホース、10は各ホースに設けたボールバルブである。
【0020】反応槽の下部に設置されるスクリュは、撹拌や輸送の効率をよくするために、リボンスクリュの他、図4ないし図6に示すのもが好適に使用でき、図4に示すものはカットフライトスクリュ3Aであり、図5に示すものはリボンスクリュとバドルスクリュの組合3Bであり、図6はリボンスクリュとフラットバーの組合3Cである。
【0021】図7は、排出装置として簡易なバケットコンベヤ2Aを用いた例である。
【0022】上述のように、土壌の汚染の程度や分離反応の進捗によりスクリュの回転数、回転方向などの運動パターンを変化させて、処理反応の制御を行うが、図8に撹拌スクリュの運転パターンの1例を示す。
【0023】図9に制御盤での制御フローを示す。スタート(Sー1)後、手動運転か自動運転の選択をする(Sー2)。
【0024】手動運転による場合は、回転速度を設定し(S−3、ダイヤルにて設定、0〜20rpm)、正転運転か逆転運転を選択する(Sー4)。
【0025】正転運転の場合は、運転ボタン(S−5)入力後、正転運転(Sー6)が開始され、運転停止ボタン(S−7)で正転運転が終了する。
【0026】逆転運転の場合は、運転ボタン(S−8)入力後、逆転運転(Sー9)が開始され、運転停止ボタン(S−10)で逆転運転が終了する。
【0027】自動運転による場合は、回転速度を設定し(S−11、ダイヤルにて設定、0〜20rpm)、正転時間を設定し(S−12、ダイヤルにて設定、0〜20min)、休止時間を設定し(Sー13、ダイヤルにて設定、0〜20min)、逆転時間を設定する(S−14、ダイヤルにて設定、0〜20min)。
【0028】運転ボタン(S−15)入力後、前記設定により自動的に開始され、正転時間(S−16)、休止(インターバル)(S−17)、逆転運転(Sー18)後、運転停止ボタンにより運転が終了する(S−10)。
【0029】今回、10〜20%油を含有した汚染土壌の浄化処理に本装置を使用した。汚染土壌を1m3反応槽に投入した。溶液には過酸化水素、苛性ソーダをそれぞれ1%溶解した水溶液2m3を使用した。撹拌スクリュは制御盤の設定により図8の運動パターンを繰返した。排出装置は5〜15rpmの連続回転で処理土の回収を行った。
【0030】この結果、約30分で汚染土壌の処理及び回収を完了した。処理土壌の含水比は20〜30%であった。
【0031】本装置は、汚染土壌の処理だけでなく、所定粒度の個体材料と溶液とを反応させて、その後、個体材料を回収する作業にも広く活用できる。
【0032】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、下記のすぐれた効果を奏する。
(a) 汚染土壌を溶媒のなかに入れ、スクリュの動きにより適度に撹拌することにより溶液と汚染土壌とを接触反応させ、有害物質の分離後、無害となった土壌を効率よく溶液から回収することができ、これらの作業を連続的に行うことができる。
(b) スクリュにより攪拌しながら排出装置に運ぶことができる。
(c) スクリュコンベアが傾いているので、脱水が自動的に行うことができる。
(d) 制御装置により物理化学的処理の設定(正転、逆転時間の設定等)が容易になった。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開平11−147086
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−317000