トップ :: B 処理操作 運輸 :: B09 固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生

【発明の名称】 汚染土の生物的浄化方法および浄化装置
【発明者】 【氏名】辻 博和
【氏名】石川 洋二
【氏名】四本 瑞世
【課題】浄化効率の向上。

【解決手段】浄化装置は、地盤10中に凹所12を掘削形成し、この凹所12の内面に遮水シート14を覆設している。遮水シート14が覆設された凹所12内には、酸素を供給するための給気管16が、その底部側に複数設けられている。油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土は、遮水シート14が覆設された凹所12内に投入して、所定期間この凹所12内に貯留し、コンプレッサ18を介して、給気管16から酸素を供給して、生物的に処理される。この場合、汚染土は、凹所12内に投入する前に、適当な混合機を使用して、水と混合してスラリー状汚染土20を作成し、このスラリー状汚染土20が凹所12内に投入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土の生物的浄化方法において、前記汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土を作成し、このスラリー状汚染土を貯留して、前記スラリー状汚染土に酸素を供給することを特徴とする汚染土の生物的浄化方法。
【請求項2】 地盤中に掘削された凹所と、この凹所の内面に覆設された遮水シートと、前記凹所内に設置された給気管とを備え、前記遮水シートで覆設された凹所内に、油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土と水とを混合したスラリー状汚染土を貯留し、前記給気管を介して、前記スラリー状汚染土に酸素を供給することを特徴とする汚染土の生物的浄化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚染土の生物的浄化方法および浄化装置に関し、特に、この種の浄化方式における汚染土の処理を促進する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場跡地などで基礎工事を行う場合、燃料油や機械油,原油が掘削土砂に混入した、いわゆる油汚染土が発生することがある。また、化学工場の跡地なでは、油以外に、例えば、有機塩素系の化合物で汚染された土砂が排出されることもある。
【0003】このような有害物質を含んだ汚染土は、そのまま放置すると、油の臭いが周辺に拡散したり、あるいは、雨水によって有害物質が地下水に混入するなど、周辺環境に悪影響を及ぼす。
【0004】そこで、このような汚染土は、何らかの処理を施すことにより無害化しており、このような汚染土の浄化処理方法として、近時、細菌などの微生物を利用した生物的浄化方法が注目されている。
【0005】生物的浄化方法は、自然状態よりも効率よく汚染物質の分解を行わせることができ、新たな薬剤を使用しないので安全であり、かつ、安価で処理できるという長所がある。
【0006】このような生物的浄化方法には、汚染土を機械で耕運し、汚染土の上部から散水する畑方式,高さが1.5m程度の汚染土の畝を作り、この畝を定期的に切返す畝切り方式,予め畝の下に給気管と給水管とを設置しておき、汚染土の畝に酸素および水を供給する強制通気方式などが提案,実用化されている。
【0007】しかしながら、このような従来の生物的浄化方法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、前述した3方式では、いずれも汚染土を固相の状態で処理するので、微生物の分布が不均一になるとともに、その流動性がなく、微生物と有害物質とが、近接していないので、浄化に時間がかかるという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、浄化効率が向上する汚染土の生物的浄化方法および浄化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土の生物的浄化方法において、前記汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土を作成し、このスラリー状汚染土を貯留して、前記スラリー状汚染土に酸素を供給するようにした。また、本発明は、地盤中に掘削された凹所と、この凹所の内面に覆設された遮水シートと、前記凹所内に設置された給気管とを備え、前記遮水シートで覆設された凹所内に、油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土と水とを混合したスラリー状汚染土を貯留し、前記給気管を介して、前記スラリー状汚染土に酸素を供給するようにした。このように構成した浄化方法および浄化装置によれば、汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土を作成するので、有害物質を分解する微生物などを均一に分散させることができるとともに、作成されたスラリー状汚染土は、流動性を有しているので、酸素を供給することなどにより流動させると、酸素をスラリー汚染土に十分に供給することができる。また、スラリー状汚染土が流動性を有しているので、流動させることにより、有害物質と微生物などとを近接させることができ、有害物質の分解を促進することが可能になる。さらに、十分な酸素存在下では、含水率の高い方が、微生物の生存範囲が広くなり、微生物数が顕著に増加するが、本発明の浄化方法および浄化装置では、汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土を作成するので、このような条件を満足する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかる汚染土の生物的浄化方法および浄化装置の一実施例を示している。
【0012】同図に示した浄化装置は、地盤10中に凹所12を掘削形成し、この凹所12の内面に遮水シート14を覆設している。遮水シート14が覆設された凹所12内には、酸素を供給するための給気管16が、その底部側に複数設けられている。
【0013】各給気管16は、多数の貫通孔が設けられた多孔管であって、相互に連通接続されていて、その一端には、コンプレッサ18が接続されている。油や有機塩素化合物などの有害物質を含む汚染土は、浄化装置の近傍に運ばれ、遮水シート14が覆設された凹所12内に投入して、所定期間この凹所12内に貯留し、コンプレッサ18を駆動して、給気管16から酸素を供給して、生物的に処理される。
【0014】この場合、汚染土は、凹所12内に投入する前に、適当な混合機を使用して、水と混合してスラリー状汚染土20とされ、このスラリー状汚染土20が凹所12内に投入される。
【0015】このように構成した浄化方法および浄化装置によれば、汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土20を作成するので、有害物質を分解する微生物などを均一に分散させることができるとともに、作成されたスラリー状汚染土20は、流動性を有しているので、給気管16を介して、酸素を供給することになどにより流動させると、酸素をスラリー汚染土20に十分に供給することができる。
【0016】また、スラリー状汚染土20が流動性を有しているので、流動させることにより、有害物質と微生物などとを近接させることができ、有害物質の分解を促進することが可能になり、浄化効率を大幅に向上させることができる。
【0017】さらに、十分な酸素存在下では、含水率の高い方が、微生物の生存範囲が広くなり、微生物数が増加するが、本発明の浄化方法および浄化装置では、汚染土と水とを混合してスラリー状汚染土20を作成するので、このような条件を満足しており、このことからも汚染土の浄化効率が向上する。
【0018】なお、本発明の生物的浄化方法および浄化装置では、例えば、凹所12内に収容されたスラリー状汚染土20を攪拌手段により流動させることもできる。
【0019】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる汚染土の生物的浄化方法および浄化装置によれば、浄化効率を大幅に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【出願日】 平成9年(1997)10月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松本 雅利
【公開番号】 特開平11−114547
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−280641