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土壌浄化方法及び装置 - 特開平11−57685 | j-tokkyo
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【発明の名称】 土壌浄化方法及び装置
【発明者】 【氏名】佐久間 正芳
【氏名】小野 陽一郎
【氏名】井上 肇
【氏名】田中 明雄
【課題】土壌中の揮発性有機塩素系化合物などの汚染物を効率よく除去できる土壌浄化方法及び装置を提供すること。

【解決手段】有害物質で汚染された土壌に汚染物を抽出する井戸を掘削し、土壌中の汚染物を真空ポンプで吸引除去するに当たり、吸引井戸1の周囲に熱源11を備えた加熱井戸10を複数個設置し、地下水及び土壌を加熱することにより、揮発性有機汚染物が土壌中を移動しやすくし、汚染物を効率よく除去する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有害物質で汚染された土壌に、汚染物を抽出する井戸を掘削し、土壌中の汚染物を真空ポンプで吸引除去する土壌浄化方法において、吸引井戸の他に加熱井戸を設置し、その加熱井戸内に熱源を設置して井戸内の地下水を加熱した後、汚染物を吸引除去することを特徴とする土壌浄化方法。
【請求項2】 有害物質で汚染された土壌に、汚染物を抽出する井戸を掘削し、土壌中の汚染物を真空ポンプで吸引除去する土壌浄化装置において、吸引井戸の他に熱源を備えた加熱井戸を有することを特徴とする土壌浄化装置。
【請求項3】 吸引井戸を中心にしてその周辺に複数個の加熱井戸を有する請求項2記載の土壌浄化装置。
【請求項4】 加熱井戸を中心にしてその周辺に複数個の吸引井戸を有する請求項2記載の土壌浄化装置。
【請求項5】 加熱井戸内に温度センサを有する請求項2記載の土壌浄化装置。
【請求項6】 加熱井戸内に地下水のレベルセンサを有し、そのセンサの測定水位によって熱源の作動・停止が制御される請求項2記載の土壌浄化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物で汚染された土壌の浄化方法及び装置に係り、特に工場廃棄物によって汚染された土壌から有害な揮発性化合物を真空抽出によって吸引除去する土壌浄化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄剤として多用されているトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン等の揮発性有機塩素系化合物が地中に浸透し、土壌及び地下水を汚染することが問題となっている。土壌汚染の場合、揮発性有機塩素系化合物などの汚染物は、土壌中及び地下水中に気相あるいは液相として存在している。そこで、土壌中に存在する揮発性の汚染物を除去するために、従来、真空抽出法が利用されている。真空抽出法とは、地表面から土壌中の汚染領域まで吸引井戸を掘り、地表面に設置した真空ポンプで土壌中の汚染物を吸引井戸を通して吸引除去するものである。
【0003】真空抽出法で汚染物を吸引除去するには、従来、図2に示す土壌浄化装置が使用されている。この装置では、まず、汚染領域を掘削し、土壌中に吸引井戸1を気密に挿入する。吸引井戸1の先端にはストレーナ2が付いており、この部分から、汚染物は、土壌中の空気、汚染物蒸気、水蒸気及び汚染地下水の気液混合流として矢印8のような流れで吸引される。ストレーナ2は、吸引中に井戸内に土壌等の固体を吸い込まない役目もはたしている。吸引井戸1は、地表面で連結管3と接続され、さらに気液分離槽4、真空ポンプ5等の吸引装置に接続される。真空ポンプ5の後段には、処理槽6が設置され、汚染物は処理槽6で活性炭などに吸着されるか、又は熱分解や他の方法で分解された後、排気管7から排出される。
【0004】真空抽出による土壌浄化は、土壌中の揮発性を有する汚染物質を吸引して行う性質上、汚染土壌の性質に左右される。土壌の性質のなかでも通気性は、浄化効率を決定する大きな要因となっている。特に、粘土など、通気性の悪い土壌に存在している汚染物は、吸引除去が困難である。また、真空ポンプで汚染物を吸引除去していると、汚染物と一緒に土壌中の水分や地下水が吸引されて、吸引井戸内や吸引井戸周辺に水分が集積し、これによっても土壌の通気性が悪くなり、汚染物の吸引除去が阻害され、浄化効率が低下する。そのため、土壌の通気性が悪い場合には、地下水を揚水除去するなどして通気性を改善する必要があり、真空抽出法単独では、土壌中の揮発性有機塩素系化合物を効率よく除去することができないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、土壌中の汚染物、例えば、揮発性有機塩素系化合物を効率よく除去できる土壌浄化方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸引井戸の他に加熱井戸を掘削し、この井戸内部に加熱源を設置し、井戸内の地下水を加熱し、土壌内の温度上昇によって揮発性有機塩素系化合物を含む汚染物のガス化を促進して、効率よく有機塩素系化合物を除去するように構成したものである。
【0007】すなわち、本発明の土壌浄化方法は、有害物質で汚染された土壌に、汚染物を抽出する井戸を掘削し、土壌中の汚染物を真空ポンプで吸引除去する土壌浄化方法において、吸引井戸の他に加熱井戸を設置し、その加熱井戸内に熱源を設置して井戸内の地下水を加熱した後、汚染物を吸引除去することを特徴とする。また、本発明の土壌浄化装置は、有害物質で汚染された土壌に、汚染物を抽出する井戸を掘削し、土壌中の汚染物を真空ポンプで吸引除去する土壌浄化装置において、吸引井戸の他に熱源を備えた加熱井戸を有することを特徴とする。本発明において、吸引井戸と加熱井戸の配置は、特に限定されるものではなく、吸引井戸を中心にしてその周辺に複数個の加熱井戸を設置したもの、あるいは加熱井戸を中心にしてその周辺に複数個の吸引井戸を設置したものでよい。吸引井戸と加熱井戸の設置距離、複数の加熱井戸を設置する場合のそれらの設置距離あるいは複数の吸引井戸を設置する場合のそれらの設置距離は、土壌の種類(粘土層、砂層など)や含水率などを考慮して適宜設定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例を示す土壌浄化装置を土壌中に設置した状態で示す構成図である。土壌中に、先端にストレーナ2が付いた吸引井戸1が設置されている。この吸引井戸1は、従来使用されているものであるが、本発明の土壌浄化装置では吸引井戸1の周辺に加熱井戸10が気密に挿入されている。この加熱井戸10の先端にはストレーナ2及び熱源11が付いている。
【0009】本発明の土壌浄化装置においては、加熱井戸10の先端に設置された熱源11により加熱井戸10の内部及び周辺の水分が加熱され、その温度が上昇する。また、その一部が蒸気となることにより、加熱井戸10の内部の圧力が高くなる。さらに、加熱により加熱井戸10の周辺の土壌温度が上昇することから、土壌中の揮発性有機汚染物の蒸気圧も高くなる。図6に代表的な揮発性有機汚染物であるトリクロロエチレンの蒸気圧線図を示す。トリクロロエチレンの蒸気圧は、温度の上昇とともに高くなることから、土壌粒子間や土壌に吸着している揮発性有機汚染物がガス化しやすくなる。したがって、揮発性有機汚染物が土壌内部を移動しやすくなり、吸引井戸1で吸引されやすくなる。また、他の揮発性有機汚染物に対しても同様の効果を期待できる。このように、吸引井戸1での吸引圧による負圧と加熱井戸10での加熱による蒸気発生に伴う正圧で、吸引井戸と加熱井戸との圧力差を大きくすることができ、土壌粒子間や土壌に吸着されている揮発性有機汚染物のガス化を促進し、浄化を促進することができる。
【0010】図3は、本発明の土壌浄化装置に用いる加熱井戸の一実施例を示す系統図である。加熱井戸10には、電気ヒータ12が装備されており、地下水が加熱される。地下水の温度は、温度センサ15でセンシングされ、温調器16による電気ヒータ12のコントロール機能により制御される。この実施例では、加熱井戸10内に地下水のレベルをセンシングするレベルセンサ17a、17b及び17cを設置し、温調器16と同様に、レベルスイッチ18による電気ヒータ12のコントロール機能も装備している。ここで、地下水位が低下してくると、レベルセンサ17a、17b及び17cが地下水位をセンシングし、レベルスイッチ18がその地下水位に応じて電気ヒータ12をオンオフするように構成されている。例えば、地下水位がレベルセンサ17b以上であれば、電気ヒータ12を稼動させ、地下水位がレベルセンサ17bより低くなったら、電気ヒータ12のスイッチを切る動作をするように電気ヒータ12のオンオフ回路を組むことができる。このように、簡単なレベルスイッチを設けることにより、電気ヒータ12が井戸内の地下水から露出したときに電気ヒータ12のスイッチを切り、空だきを防ぐことができる。
【0011】図4は、汚染土壌内の温度測定点の配置例を示す。温度測定点は、加熱井戸10の底部、吸引井戸1の底部及び加熱井戸と吸引井戸の中間地点である温度測定孔13の底部である。温度は、それぞれの底部に設置された熱電対14で測定される。
【0012】次に、加熱井戸内の熱源を稼動させ、加熱した場合の各測定点の温度変化を図5に示す。この実施例では、加熱井戸と温度測定孔の間の距離を1mとし、加熱井戸と吸引井戸の間の距離を2mとし、加熱井戸10の温度は、加熱井戸内部において常時熱源を稼動させて、常に90℃に保持した。一方、温度測定孔13の温度は、加熱開始時には約17℃であったが、加熱された汚染ガス、地下水及び土壌中の空気が吸引井戸1から吸引されるため、時間の経過とともに徐々に高くなる。吸引井戸1の温度測定点における温度は、温度測定孔13より加熱井戸10から離れていることから、温度測定孔13の温度より遅れて徐々に高くなっていくことが分かる。
【0013】したがって、加熱井戸10で地下水、さらには土壌を加熱することにより土壌粒子間及び土壌に吸着されている揮発性有機汚染物のガス化を促進でき、土壌間(井戸間)に大きな圧力差を発生することができ、土壌中からの揮発性有機汚染物の除去を促進することができる。また、揮発性有機汚染物の蒸気圧も温度の上昇とともに高くすることができる(図6)ため、土壌中からの揮発性有機汚染物の除去をさらに促進できる。すなわち、本発明による土壌浄化方法及び装置で地下水、さらには土壌を加熱することにより、土壌温度を上昇させ、揮発性有機汚染物の蒸気圧を高くし、揮発性有機汚染物が土壌中を移動しやすくすることにより、土壌中の揮発性有機汚染物を効率よく除去することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の土壌浄化方法及び装置によれば、土壌温度を容易に上昇させ、揮発性有機汚染物の蒸気圧を高くし、揮発性有機汚染物が土壌中を移動しやすくすることにより、土壌中の有機塩素系化合物などの揮発性有機汚染物を効率よく除去することができる。
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】日立プラント建設株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月8日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−57685
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−227618