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【発明の名称】 油汚染土の処理方法
【発明者】 【氏名】漆原 知則
【氏名】小谷 克己
【氏名】峠 和男
【氏名】誓山 真
【氏名】川地 武
【氏名】田口 信子
【課題】油分が環境へ拡散しない形で油汚染土を処理する。

【解決手段】本発明の処理方法においては、まず、油汚染土を風乾させる(ステップ101)。次に、乾燥させた油汚染土を油吸収性微細体である粉末カオリン粘土とともにミキサーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステップ102)。このようにすると、混合撹拌中において粉末カオリン粘土が油汚染土の土粒子表面に接触し、該接触による物理的作用で土粒子表面に付着している油層若しくは油膜を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、土粒子同士の間隙に存在する油分とともに、粉末カオリン粘土に吸収される。次に、混合撹拌された混合土をミキサーから取り出し、ふるいによる分離作業によって混合土から粉末カオリン粘土を分離除去する(ステップ103)。次に、ふるいの上に残留した処理土を盛土材、裏込め材などに再利用する(ステップ104)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油汚染土に油吸収性微細体を添加して混合撹拌し、該混合土から前記油吸収性微細体を分離して処理土とすることを特徴とする油汚染土の処理方法。
【請求項2】 前記油吸収性微細体を細粒材とする請求項1記載の油汚染土の処理方法。
【請求項3】 前記細粒材を生石灰とする請求項2記載の油汚染土の処理方法。
【請求項4】 前記混合土からの分離作業後において、消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和する請求項3記載の油汚染土の処理方法。
【請求項5】 混合撹拌された後の混合土をふるいによる分離作業によって前記油吸収性微細体を該混合土から分離除去する請求項1記載の油汚染土の処理方法。
【請求項6】 前記分離工程において散水を行う請求項5記載の油汚染土の処理方法。
【請求項7】 前記油汚染土に前記油吸収性微細体を添加する前に該油汚染土を乾燥させる請求項1記載の油汚染土の処理方法。
【請求項8】 前記油汚染土に前記油吸収性微細体を添加する前に該油汚染土を水洗浄する請求項1記載の油汚染土の処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油で汚染された土を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場跡地等で基礎工事を行う場合、燃料油や機械油が掘削土に混じって搬出されることがある。かかる油汚染土をそのまま放置すると、該土に混入している油分の臭いが周囲に拡散して周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水によって土粒子から遊離した場合には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因ともなる。
【0003】そのため、かかる油汚染土は、一般廃棄物とは区別し、いわゆる管理型処分場に廃棄処分とすることで環境への拡散防止を図らねばならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近では、環境保護の観点から廃棄物処分場の確保がかなり困難な状況になってきており、廃棄処分すべき処分場が見当たらないという問題や、浸出水に含まれる油分の処理設備が整っていない場合には油汚染土の受入れがそもそも困難であるという問題、あるいは、油含有量が一定量を越える場合には、焼却が必要となるが、その焼却土はやはり管理型処分場で廃棄処分しなければならないという問題を生じていた。
【0005】本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、廃棄物処分場を必要とすることなく、しかも油分が環境へ拡散しない形で油汚染土を処理することが可能な油汚染土の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る油汚染土の処理方法は請求項1に記載したように、油汚染土に油吸収性微細体を添加して混合撹拌し、該混合土から前記油吸収性微細体を分離して処理土とするものである。
【0007】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記油吸収性微細体を細粒材とするものである。
【0008】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記細粒材を生石灰とするものである。
【0009】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記混合土からの分離作業後において、消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和するものである。
【0010】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、混合撹拌された後の混合土をふるいによる分離作業によって前記油吸収性微細体を該混合土から分離除去するものである。
【0011】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記分離工程において散水を行うものである。
【0012】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記油汚染土に前記油吸収性微細体を添加する前に該油汚染土を乾燥させるものである。
【0013】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は、前記油汚染土に前記油吸収性微細体を添加する前に該油汚染土を水洗浄するものである。
【0014】本発明に係る油汚染土の処理方法においては、油汚染土に油吸収性微細体を添加して混合撹拌し、該混合土から前記油吸収性微細体を分離して処理土とする。
【0015】このようにすると、水や界面活性剤といった従来の溶液系洗浄手段では、土粒子表面に付着している油膜あるいは油層をどうしても除去できなかったのに対し、本発明では、油汚染土に油吸収性微細体を添加して混合撹拌する際、油吸収性微細体が土粒子表面に接触して該表面に付着している油層を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、土粒子同士の間隙に存在する油分とともに油吸収性微細体に吸収される。
【0016】したがって、このようにして油汚染土内の油分を吸収した油吸収性微細体を混合土から分離除去すれば、油汚染土を処理することが可能となる。
【0017】油吸収性微細体は、油分を吸収することができてしかも土粒子表面に付着した油分を機械的接触によって引き離すことができるようなものであればどのようなものでもよく、例えば、短繊維状あるいは微細粒子状等の油吸着材や高分子樹脂も考えられるが、かかる油吸収性微細体を砂質土、粉末粘土、消石灰、セメントなどの細粒材とすれば、機械的接触による油層の引き離し作用を十分に期待することができる。
【0018】特に、油吸収性微細体を生石灰とすれば、油汚染土の含水率がある程度高い場合、混合撹拌工程において生石灰が油汚染土中の水分を吸収して微細な消石灰粒子に化学変化する。そして、微細な消石灰粒子は、研磨剤と同様に土粒子表面に作用して該表面に付着している油膜を取り除くとともに、微細ゆえ全表面積が大きくなって油分の吸着効率が高くなる。
【0019】また、混合土からの分離作業後において、消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和するようにすれば、消石灰微粒子は水溶液内で溶解し、固形廃棄物としては排出されないこととなる。したがって、産業廃棄物の減容化を促進することが可能となる。
【0020】混合撹拌された後の混合土から油吸収性微細体をどのように分離除去するかは任意であるが、ふるいによる分離作業によって油吸収性微細体を混合土から分離除去するようにすれば、ふるい目を油吸収性微細体の径に応じて適宜選択することによって油吸収性微細体を確実に分離除去することが可能となる。
【0021】なお、油吸収性微細体を生石灰とした場合には、該生石灰が油汚染土に含まれる水分との水和反応で微細な消石灰粒子が生成され、これが土粒子表面の油膜除去にきわめて有効に作用する点は上述した通りであるが、さらにふるいによる分離作業においても、微細な分だけきわめて効率のよい分離が可能となる。
【0022】また、かかる分離工程において散水を行うようにすれば、油吸収性微細体がふるい目から落下しやすくなるとともに、ふるいの目詰まりを防止することも可能となる。
【0023】油汚染土に油吸収性微細体を添加するにあたり、予め該油汚染土を乾燥させておくと、油吸収性微細体に油分が吸収される前に油汚染土に含まれる水分が吸収されてしまい、肝心の油吸収能が低下するといった事態を回避することができるとともに、揮発性が高い油分については予め飛ばしておくことも可能となる。
【0024】また、油汚染土に油吸収性微細体を添加するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄しておくと、土粒子間に存在する油分については水によって洗浄することができるので、油汚染土の油含有量が高い場合や、油吸収性微細体の添加量を節約したい場合には有効な手段となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る油汚染土の処理方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】(第1実施形態)図1は、本実施形態に係る油汚染土の処理方法の手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態の処理方法においては、まず、油汚染土を風乾させ(ステップ101)、該油汚染土をある程度乾燥させておく。
【0027】次に、乾燥させた油汚染土を油吸収性微細体である細粒材としての粉末カオリン粘土とともにミキサーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステップ102)。粉末カオリン粘土の添加量は、油汚染土の油含有量に応じて適宜設定すればよい。
【0028】このようにすると、混合撹拌中において粉末カオリン粘土が油汚染土の土粒子表面に接触し、該接触による物理的作用で土粒子表面に付着している油層若しくは油膜を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、土粒子同士の間隙に存在する油分とともに、粉末カオリン粘土に吸収される。
【0029】次に、混合撹拌された混合土をミキサーから取り出し、ふるいによる分離作業によって混合土から粉末カオリン粘土を分離除去する(ステップ103)。ふるい目の大きさは、油分を吸収した細粒材である粉末カオリン粘土がふるい目から落ちるとともに、該油分が除去された処理土がふるい上に残留するように適宜設定する。
【0030】図2は、混合土から粉末カオリン粘土を分離するための作業を行うための土砂分離装置1を一例として示したものであり、該土砂分離装置に備えられた振動フルイ機構5は、ふるい7、8、9および盲板と呼ばれる鉄板10が配設された枠体11をバネ12を介して架台13で支持するとともに、枠体11の上方に取り付けた起振機14をモータ15で駆動してふるい7、8、9を振動させるようになっており、かかる構成によって投入口16から投入された混合土を各ふるいにて分離できるようになっている。また、各ふるい7、8、9の上方には該ふるい面に散水を行うための散水機構17を設けてある。
【0031】次に、ふるいの上に残留した処理土を盛土材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ104)。なお、油分が吸収された粉末カオリン粘土は、油含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行う。
【0032】次に、本実施形態に係る油汚染土の処理方法に関する実証試験を行い、その作用効果を確認したので、以下にその概略を説明する。
【0033】実験は、水による洗浄、界面活性剤による洗浄及び本実施形態に係る細粒材による洗浄の3つのケースについて行った。
【0034】まず、水及び界面活性剤の水希釈液による洗浄においては、砂質土に重油を重量比で1%添加混合して油汚染土を作製し、かかる油汚染土100gに洗浄液50mlを添加して上下振とう(200回/分)を30分間行い、油汚染土を洗浄した。次に、洗浄された土を0.15mm目のふるいに載せた後、水ですすいで洗浄土とし、該洗浄土の油含有量を測定した。
【0035】表1は、水による洗浄及び界面活性剤による洗浄の結果を示したものである。
【0036】
【表1】

同表でわかるように、油汚染土の油含有率は、洗浄を繰り返すことによって1%から徐々に低下していくが、いずれのケースにおいても、2〜3回目以降は洗浄効率が低下しており、洗浄可能な程度は、0.2〜0.3%が限界であることがわかる。
【0037】次に、細粒材によって油汚染土を洗浄した実験を説明する。
【0038】本実験においては、油含有量が1%の油汚染土1kgを作製し、かかる油汚染土に細粒材を添加した。そして、ミキサーで3分間撹拌混合した後、0.15mm目のふるいに載せて細粒材を洗い流す一方、ふるいの上に残留した洗浄土の油含有量を測定した。細粒材としては、カオリン粘土の粉末と、生石灰を使用した。
【0039】表2にかかる実験の結果を示す。
【0040】
【表2】

同表でわかるように、カオリン粘土の粉末を添加した場合、洗浄後の土の油含有量は添加量が大きくなるにつれて大幅に低下し、表1で説明した水若しくは界面活性剤による洗浄よりも2分の1から10分の1程度まで油含有量が低下していることがわかる。また、生石灰の場合には、カオリン粘土に比べてわずかな添加量で優れた洗浄効果を発揮することも同表から認められる。
【0041】以上説明したように、本実施形態に係る油汚染土の処理方法によれば、油汚染土に細粒材として粉末粘土を添加して混合撹拌するようにしたので、水や界面活性剤といった従来の溶液系洗浄手段では、土粒子表面に付着している油膜あるいは油層をどうしても除去できなかったのに対し、本実施形態では、油汚染土に粉末粘土を添加して混合撹拌する際、粉末粘土が土粒子表面に接触して該表面に付着している油層を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、土粒子同士の間隙に存在する油分とともに粉末粘土に吸収される。
【0042】したがって、このようにして油汚染土内の油分を吸収した粉末粘土を混合土から分離除去すれば、油汚染土を処理することが可能となる。
【0043】また、本実施形態によれば、油吸収性微細体を細粒材である粉末粘土で構成したので、土粒子表面に対する接触による物理的作用によって油層の引き離し作用を十分に期待することができる。
【0044】また、本実施形態によれば、ふるいによる分離作業によって油吸収性微細体を混合土から分離除去するようにしたので、ふるい目を油吸収性微細体の径に応じて適宜選択することによって油吸収性微細体を確実に分離除去することが可能となる。
【0045】また、本実施形態においては、分離工程において散水を行うようにしたので、油吸収性微細体である粉末粘土がふるい目から落下しやすくなるとともに、ふるいの目詰まりを防止することも可能となる。
【0046】また、本実施形態によれば、油汚染土に粉末粘土を添加するにあたり、予め該油汚染土を乾燥させるようにしたので、粉末粘土に油分が吸収される前に油汚染土に含まれる水分が吸収されてしまい、肝心の油吸収能が低下するといった事態を回避することができるとともに、揮発性が高い油分については予め飛ばしておくことも可能となる。
【0047】本実施形態では、油汚染土を乾燥させる方法として風乾を採用したが、かかる風乾に代えて、機械乾燥や加熱乾燥を採用していもよい。
【0048】(第2実施形態)次に、第2実施形態に係る油汚染土の処理方法について説明する。
【0049】図3は、本実施形態に係る油汚染土の処理方法の手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態の処理方法においては、まず、油汚染土を水洗浄して一次処理土とする(ステップ111)。このようにすると、土粒子間に存在する油分については水によって洗浄することができるとともに、油汚染土の油含有量が高い場合には予め油含有量を落としておくことによって、粉末粘土などの油吸収性微細体の添加量を節約することができる。
【0050】次に、水洗浄を行った一次処理土を脱水乾燥させて含水比を低下させる(ステップ112)。脱水乾燥させるにあたっては、例えば、フィルタプレス等で機械脱水を行った後、風乾によって乾燥させてもよいし、第1実施形態で説明した土砂分離装置1を使用してもよい。
【0051】次に、乾燥させた一次処理土を油吸収性微細体である細粒材としての粉末カオリン粘土とともにミキサーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステップ113)。粉末カオリン粘土の添加量は、油汚染土の油含有量に応じて適宜設定すればよい。
【0052】このようにすると、水洗浄でも落ちなかった土粒子表面の油膜であっても、混合撹拌中において粉末カオリン粘土が土粒子表面に接触し、該接触による物理的作用で土粒子表面に付着している油層若しくは油膜を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、粉末カオリン粘土に吸収される。
【0053】次に、混合撹拌された混合土をミキサーから取り出し、ふるいによる分離作業よって混合土から粉末カオリン粘土を分離除去する(ステップ114)。ふるい目の大きさ、分離作業に使用する機械並びにそのときの散水作業に関する説明については、第1実施形態とほぼ同様であるのでここでは省略する。
【0054】次に、ふるいの上に残留した二次処理土を盛土材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ115)。なお、油分が吸収された粉末カオリン粘土は、油含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行う。
【0055】以上説明したように、第2実施形態に係る油汚染土の処理方法によっても第1実施形態と同様、油汚染土に細粒材として粉末粘土を添加して混合撹拌するようにしたので、油汚染土に粉末粘土を添加して混合撹拌する際、粉末粘土が土粒子表面に接触して該表面に付着している油層を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、粉末粘土に吸収される。
【0056】したがって、このようにして油汚染土内の油分を吸収した粉末粘土を混合土から分離除去すれば、油汚染土を処理することが可能となる。
【0057】その他、油吸収性微細体を細粒材である粉末粘土で構成したことによる作用効果、油汚染土に粉末粘土を添加するにあたり、予め該油汚染土を乾燥させるようにした作用効果、並びに分離工程において散水を行うようにしたことによる作用効果については、第1実施形態と同様であるのでここではそれらの説明を省略するが、第2実施形態では、さらに、油汚染土に粉末粘土を添加するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄するようにしたので、土粒子間に存在する油分については水によって洗浄することが可能となり、油汚染土の油含有量が高い場合や、油吸収性微細体の添加量を節約したい場合には有効な手段となる。
【0058】なお、油吸収性微細体である細粒材による洗浄を行う前に水洗浄を行う本実施形態の場合には、細粒材による油分の吸収能を低下させることがないよう、水洗浄後の脱水乾燥を入念に行う必要があることに留意する。
【0059】(第3実施形態)次に、第3実施形態に係る油汚染土の処理方法について説明する。
【0060】図4は、本実施形態に係る油汚染土の処理方法の手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態の処理方法においても第2実施形態と同様、まず、油汚染土を水洗浄して一次処理土とする(ステップ121)。
【0061】次に、水洗浄を行った一次処理土の含水比を調整し、かかる一次処理土を油吸収性微細体である細粒材としての生石灰とともにミキサーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステップ122)。生石灰の添加量は、含水比や油汚染土の油含有量に応じて適宜設定すればよいが、表2で説明したように、粉末粘土よりも添加量は少なくて済む。
【0062】このようにすると、水洗浄によって油汚染土内に残留している水分が生石灰と水和反応を起こして微細な消石灰粒子が形成される。そして、かかる消石灰粒子は、水洗浄でも落ちなかった土粒子表面の油膜であっても、混合撹拌中において研磨剤と同様の作用にて土粒子表面に接触し、該接触による物理的作用で土粒子表面に付着している油層若しくは油膜を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、消石灰微粒子に吸収される。なお、微粒子ゆえに全表面積が大きく、消石灰への油分の吸着効率はきわめて高い。
【0063】次に、混合撹拌された混合土をミキサーから取り出し、ふるいによる分離作業よって混合土から消石灰粒子を分離除去する(ステップ123)。ふるい目の大きさ、分離作業に使用する機械並びにそのときの散水作業に関する説明については、第1実施形態とほぼ同様であるのでここでは省略する。
【0064】次に、ふるいの上に残留した二次処理土を盛土材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ124)。
【0065】一方、ふるいから流れ落ちた消石灰微粒子は、散水された水とともに土砂分離装置1の水槽に貯留されるが、かかる消石灰溶液は強アルカリを呈するため、これを酸性溶液で中和する(ステップ125)。
【0066】このようにすると、水溶液内では、消石灰微粒子が水に溶解し、固形廃棄物としては排出されないこととなるので、産業廃棄物の減容化に寄与する。なお、消石灰微粒子に吸着されていた油分は、水溶液内に溶出するので、これを通常の方法で油水分離すればよい。
【0067】以上説明したように、第3実施形態に係る油汚染土の処理方法によれば、細粒材を生石灰としたので、混合撹拌工程において生石灰が油汚染土中の水分を吸収して微細な消石灰粒子に化学変化し、該消石灰微粒子は、研磨剤と同様に土粒子表面に作用して該表面に付着している油膜を取り除くとともに、微細ゆえ全表面積が大きくなり、その分、高い吸着率で油汚染土内の油分を効率よく吸着除去することが可能となる。
【0068】また、本実施形態によれば、混合土からの分離作業後において、消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和するようにしたので、消石灰微粒子は水溶液内で溶解し、固形廃棄物としては排出されないこととなる。したがって、産業廃棄物の減容化を促進することが可能となる。
【0069】また、本実施形態によれば、細粒材が微細な消石灰粒子で構成されるので、ふるいによる分離作業の効率が格段に向上するという効果も奏する。
【0070】その他、分離工程において散水を行うようにしたことによる作用効果、並びに油汚染土に生石灰を添加するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄することによる作用効果については、それぞれ第1実施形態、第2実施形態と同様であるのでここではそれらの説明を省略する。
【0071】本実施形態では、消石灰微粒子が含まれた水溶液をpH処理して該水溶液中に溶解させるようにしたが、これに代えて、該消石灰微粒子を濾過し、しかる後に油含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行ってもよい。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、油吸収性微細体が土粒子表面に接触して物理的作用を及ぼすことによって、土粒子表面からの油層の引き離し作用が向上し、油汚染土からの油分の除去効率を飛躍的に高めることができる。
【0073】また、請求項2に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、粒状ゆえ、土粒子表面の油膜を引き離しやすくなるという効果も奏する。
【0074】また、請求項3に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、混合撹拌工程において生石灰が油汚染土中の水分を吸収して微細な消石灰粒子に化学変化し、該消石灰微粒子は、研磨剤と同様に土粒子表面に作用して該表面に付着している油膜を取り除くとともに、微細ゆえ全表面積が大きくなり、その分、高い吸着率で油汚染土内の油分を効率よく吸着除去することが可能となるという効果も奏する。
【0075】また、請求項4に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、消石灰微粒子は水溶液内で溶解し、固形廃棄物としては排出されないこととなる。したがって、産業廃棄物の減容化を促進することが可能となるという効果も奏する。
【0076】また、請求項5に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、ふるい目を油吸収性微細体の径に応じて適宜選択することによって油吸収性微細体を確実に分離除去することが可能となるという効果も奏する。
【0077】また、請求項6に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、油吸収性微細体がふるい目から落下しやすくなるとともに、ふるいの目詰まりを防止することも可能となるという効果も奏する。
【0078】また、請求項7に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、油吸収性微細体に油分が吸収される前に油汚染土に含まれる水分が吸収されてしまい、肝心の油吸収能が低下するといった事態を回避することができるとともに、揮発性が高い油分については予め飛ばしておくことも可能となるという効果も奏する。
【0079】また、請求項8に係る本発明の油汚染土の処理方法によれば、土粒子間に存在する油分については水によって洗浄することが可能となり、油汚染土の油含有量が高い場合や、油吸収性微細体の添加量を節約したい場合には有効な手段となるという効果も奏する。
【0080】
【出願人】 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【出願日】 平成9年(1997)8月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】久寶 聡博
【公開番号】 特開平11−57684
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−227218