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【発明の名称】 廃棄物処理方法
【発明者】 【氏名】関 廣二

【氏名】李 玉友

【氏名】奥野 芳男

【氏名】佐々木 宏

【氏名】赤嶺 和浩

【要約】 【課題】各種性状の有機性廃棄物を効率よく簡単に処理できるとともに、有価物としての回収効率を向上できる廃棄物処理方法を提供する。

【解決手段】生物処理汚泥を第1の固液分離手段1にて汚泥分と濾液とに固液分離する。汚泥分と第2の前処理手段2で除渣した液状有機性廃水と第3の前処理手段3にて夾雑物を除去した固形状有機性廃棄物とを混合物に調質する。混合物にマグネシウム化合物、燐酸化合物、鉄化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物を添加しメタン発酵槽6にてメタン発酵処理する。第2の固液分離手段7にてコンポスト化する汚泥と処理濾液とに固液分離する。濾液と処理濾液とをアンモニアストリッピング処理した後に好気性微生物にて生物処理し、高度処理手段11にて凝集や膜処理などの高度処理して処理水を得る。余剰汚泥や高度処理手段11の汚泥は第1の固液分離手段1に返送して再処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生物処理により生成した生物処理汚泥を汚泥分と濾液とに固液分離し、前記汚泥分と嫌気性生物にて分解可能な有機物を含有する流動性を有した液状有機性廃棄物と嫌気性生物にて分解可能な固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物とを攪拌混合してメタン発酵処理した後に固液分離して処理濾液を分集し、この処理濾液を前記濾液とにて好気性微生物により生物処理することを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項2】 好気性微生物による生物処理により生成する余剰汚泥は、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物とともにメタン発酵処理することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
【請求項3】 メタン発酵処理する前に総固形物濃度を5%以上20%以下に水分調整することを特徴とする請求項1または2記載の廃棄物処理方法。
【請求項4】 メタン発酵処理前に液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物の少なくとも一方から夾雑物を除去することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の廃棄物処理方法。
【請求項5】 メタン発酵処理する前または前記メタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加することを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の廃棄物処理方法。
【請求項6】 マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する際に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一方を添加することを特徴とする請求項5記載の廃棄物処理方法。
【請求項7】 マグネシウム化合物および燐酸化合物の添加量は、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となる量であることを特徴とする請求項5または6記載の廃棄物処理方法。
【請求項8】 処理濾液と濾液とを生物処理する前に窒素化合物を除去することを特徴とする請求項1ないし7いずれか一記載の廃棄物処理方法。
【請求項9】 窒素化合物の除去は、アンモニアストリッピング処理することを特徴とする請求項8記載の廃棄物処理方法。
【請求項10】 窒素化合物の除去は、生物処理する際の処理濾液および濾液の混合中の生物化学的酸素要求量(BOD)濃度が全窒素化合物濃度の15倍以上となるまで除去することを特徴とする請求項8または9記載の廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物を含有する有機性廃棄物をメタン発酵処理する廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図3に示すように、別途処理していた屎尿や畜産廃水、浄化槽汚泥、農業集落廃水、下水汚泥、食品加工汚泥などの流動性を有する液状の有機性廃棄物と、厨芥などの生ごみである固形状の有機性廃棄物とを、一つの系内で処理するとともに、処理の際に固形燃料や肥料、メタンガスなどの有価物を回収する廃棄物処理方法が知られている。
【0003】この図3に示す廃棄物処理方法は、液状の有機性廃棄物を粉砕あるいは夾雑物を分離除去するなど第1の前処理工程21で前処理をした後に固液分離工程22で汚泥分と濾液とに固液分離し、汚泥分は別途第2の前処理工程23であらかじめ粉砕あるいは夾雑物を除去した固形状の有機性廃棄物とともにメタン発酵槽24でメタン発酵処理する。そして、メタン発酵処理にてメタンガスを有価物として回収した後、脱水工程25で汚泥と処理濾液とに脱水分離し、汚泥は肥料などにコンポスト化して有価物として回収し、処理濾液は固液分離工程22で液状の有機性廃棄物の固液分離にて分集した濾液とともに硝化脱窒工程26で硝化脱窒処理し、さらに高度処理工程27で凝集剤にて凝集処理し、処理水として処理する。なお、硝化脱窒処理および凝集処理により生じた余剰汚泥や凝集汚泥は、液状の有機性廃棄物の前処理や固液分離に返送して再び処理する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、屎尿や畜産廃水、水産加工廃水などの液状の有機性廃棄物は、固液分離してメタン発酵処理するための汚泥分を分離しているが、濾液には以前高いBOD(Biochemical Oxygen Demand :生物化学的酸素要求量)が含まれているとともに多量の窒素化合物が溶解した状態となっている。このため、これらBODおよび窒素化合物の双方を処理する装置構成が複雑で大型となるとともに処理に大きなエネルギを必要とする硝化脱窒処理を行う必要がある。また、濾液中のBODや窒素化合物などを有価物として回収できない問題がある。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みて、各種性状の有機性廃棄物を効率よく簡単に処理できるとともに、有価物としての回収効率を向上できる廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の廃棄物処理方法は、生物処理により生成した生物処理汚泥を汚泥分と濾液とに固液分離し、前記汚泥分と嫌気性生物にて分解可能な有機物を含有する流動性を有した液状有機性廃棄物と嫌気性生物にて分解可能な固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物とを攪拌混合してメタン発酵処理した後に固液分離して処理濾液を分集し、この処理濾液を前記濾液とにて好気性微生物により生物処理するものである。
【0007】そして、生物処理により生成した生物処理汚泥を固液分離して分集した全有機物の大半が存在する汚泥分と、嫌気性生物にて分解可能な有機物を含有する流動性を有し液体部分に多量の有機物が存在する液状有機性廃棄物と、嫌気性生物にて分解可能な固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物とを攪拌混合してメタン発酵処理し、このメタン発酵処理した後に固液分離して分集した処理濾液と生物処理汚泥を固液分離して分集した濾液とを好気性微生物により生物処理するため、各種性状の異なる廃棄物の有機物をほとんどメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収可能となるとともに、後工程の好気性微生物による生物処理の負荷が低減して装置の小型化および運転エネルギの低減が得られ、効率よく処理できる。
【0008】請求項2記載の廃棄物処理方法は、請求項1記載の廃棄物処理方法において、好気性微生物による生物処理により生成する余剰汚泥は、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物とともにメタン発酵処理するものである。
【0009】そして、好気性微生物による生物処理により生成する余剰汚泥を、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物とともにメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収するため、有機物を確実にメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収するので、効率よく処理できる。
【0010】請求項3記載の廃棄物処理方法は、請求項1または2記載の廃棄物処理方法において、メタン発酵処理する前に総固形物濃度を5%以上20%以下に水分調整するものである。
【0011】そして、メタン発酵処理する前に総固形物濃度が5%以上20%以下となるように水分調整するため、メタン発酵処理する際の適性な濃度となり、メタン発酵処理効率が向上する。なお、総固形物濃度が5%より低いとメタン発酵処理する有機物の濃度が低減し、運転エネルギに対するメタンガスの発生量が低減してメタン発酵の効率が低下する。また、総固形物濃度が20%より高いと粘性が増大するとともに固形状の有機物の存在により、均一に短時間で有機物を分解処理できなくなりメタン発酵の効率が低下する。このため、メタン発酵処理する前に総固形物濃度を5%以上20%以下に設定する。
【0012】請求項4記載の廃棄物処理方法は、請求項1ないし3いずれか一記載の廃棄物処理方法において、メタン発酵処理前に液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物の少なくとも一方から夾雑物を除去するものである。
【0013】そして、メタン発酵処理する前にあらかじめ液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物の少なくとも一方から夾雑物を除去するため、夾雑物によるメタン発酵処理の阻害を防止し、メタン発酵処理効率が向上する。
【0014】請求項5記載の廃棄物処理方法は、請求項1ないし4いずれか一記載の廃棄物処理方法において、メタン発酵処理する前または前記メタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加するものである。
【0015】そして、メタン発酵処理する前またはメタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加するため、生物処理汚泥の汚泥分中に残留する窒素化合物、液状有機性廃棄物中に存在する窒素化合物がマグネシウム化合物および燐酸化合物と反応して燐酸マグネシウムアンモニウムを生成して析出させるので、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を防止して、メタン発酵処理効率を向上する。
【0016】請求項6記載の廃棄物処理方法は、請求項5記載の廃棄物処理方法において、マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する際に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一方を添加するものである。
【0017】そして、マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する際に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一方を添加するため、メタン発酵処理の際に総固形物濃度や窒素化合物濃度が高くなる状態でも、栄養塩類の鉄分、コバルト分およびニッケル分の不活性効果の増大分が補給されて、栄養塩バランスが確保され、メタン発酵処理効率が向上する。
【0018】請求項7記載の廃棄物処理方法は、請求項5または6記載の廃棄物処理方法において、マグネシウム化合物および燐酸化合物の添加量は、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となる量であるものである。
【0019】そして、マグネシウム化合物および燐酸化合物は、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となるように添加するため、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害が確実に防止され、メタン発酵処理効率が向上する。
【0020】請求項8記載の廃棄物処理方法は、請求項1ないし7いずれか一記載の廃棄物処理方法において、処理濾液と濾液とを生物処理する前に窒素化合物を除去するものである。
【0021】そして、処理濾液と濾液とを生物処理する前に窒素化合物を除去するため、硝化脱窒処理による窒素化合物の分解処理が不要となり、装置構成の簡略化および処理エネルギの低減が得られるとともに、生物処理の負荷が低減し、処理効率が向上する。
【0022】請求項9記載の廃棄物処理方法は、請求項8記載の廃棄物処理方法において、窒素化合物の除去は、アンモニアストリッピング処理するものである。
【0023】そして、生物処理する前にアンモニアストリッピング処理により窒素化合物を除去するため、生物処理により生成した生物処理汚泥の固液分離により得られ比較的有機物が少なく窒素化合物が多い濾液、および、メタン発酵処理後の比較的有機物が少なく窒素化合物が多い処理濾液で、硝化脱窒処理では有機物を別途添加しなくては窒素化合物が処理できなくなる状態でも、簡単な構成で窒素化合物を除去できるとともに有価物として回収でき、また、好気性微生物による生物処理の負荷が低減し、処理効率が向上する。
【0024】請求項10記載の廃棄物処理方法は、請求項8または9記載の廃棄物処理方法において、窒素化合物の除去は、生物処理する際の処理濾液および濾液の混合中の生物化学的酸素要求量(BOD)濃度が全窒素化合物濃度の15倍以上となるまで除去するものである。
【0025】そして、生物処理する際の処理濾液および濾液の混合中の生物化学的酸素要求量(BOD)濃度が全窒素化合物濃度の15倍以上となるまで窒素化合物を除去するため、生物処理する好気性微生物が摂取する栄養源となる窒素化合物が確保され、処理効率が向上するとともに、窒素化合物が残留せず高度に低減する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の廃棄物処理方法の実施の一形態の構成を図1を参照して説明する。
【0027】図1において、1は第1の固液分離手段で、この第1の固液分離手段1は、別途好気性微生物による生物処理や硝化脱窒処理などにより生じた余剰汚泥、浄化槽汚泥、下水汚泥、畜産廃水汚泥、農業集落汚泥、食品加工汚泥などの微生物による生物処理の作用により生じた生物処理汚泥を、汚泥分と濾液とに脱水して固液分離するもので、例えばスクリュープレスなどの脱水機が用いられる。
【0028】一方、2は第1の前処理手段で、この第1の前処理手段2は例えばドラムスクリーンなどを備え、屎尿や畜産廃水、農業集落廃水、下水、食品加工廃水などの流動性を有する液状有機性廃棄物から紙や布である繊維物などの屎渣や、金属片やガラス、プラスチックなどの夾雑物を除去する。
【0029】また、3は第2の前処理手段で、この第2の前処理手段3は生ごみや厨芥、農水産廃棄物、食品加工廃棄物などの事業系ごみなど主に固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物を破袋あるいは破砕する図示しない解破砕装置と、この解破砕装置にて解破砕された破砕物を磁気選別して金属片などの夾雑物を除去する図示しない金属除去手段と、固形状有機性廃棄物に含まれる合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去する図示しない分別装置とを備えている。
【0030】そして、第1の固液分離手段1、第1の前処理手段2および第2の前処理手段3には、固液分離した汚泥分、夾雑物が除去された液状有機性廃棄物および夾雑物が除去された固形状有機性廃棄物が投入される調整手段としての調整槽4が接続されている。なお、すでに脱水された状態の生物処理汚泥、例えば脱水下水汚泥などは、第1の固液分離手段1を経ることなく直接調整槽4に投入してもよい。
【0031】この調整槽4には、投入された汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物を攪拌混合する図示しない攪拌手段と、例えば約55℃〜60℃に加温する手段と、水を適宜添加して水分を調整する水分調整手段と、マグネシウム化合物、燐酸化合物、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物を添加する添加手段とを備えている。
【0032】なお、水分の添加および加温に際してはスチームを用いるとよい。スチームを用いることにより、水を添加して別途加熱手段にて加熱する必要がなく、効率よく加温・給水できる。
【0033】また、添加手段5にて添加するマグネシウム化合物としては、マグネシウムイオンを解離する例えばマグネシウム塩、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが用いられ、燐酸化合物としては燐酸イオンを解離する例えば燐酸塩、燐酸、重縮合燐酸などが用いられる。さらに、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物も同様に、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオンとして解離する例えば塩化物を用いる。
【0034】また、調整槽4には、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物を加温しつつ攪拌混合して塊状物も混在するようなスラリ状に調質した混合物をメタン発酵処理するメタン発酵処理手段としてのメタン発酵槽6が接続されている。このメタン発酵槽6は、固形状や塊状の有機性廃棄物などを含有する濃度が濃いスラリ状の調質物でも処理可能な生物浮遊型で、加温、例えば55℃〜60℃で適宜攪拌してメタン生成菌などの嫌気性微生物にて有機性廃棄物中の有機性物質をメタン発酵処理する。そして、このメタン発酵槽6には、発生したメタンガスを回収する図示しないメタンガス回収手段が設けられている。なお、メタンガス回収手段には、回収したメタンガスを貯溜するガスタンクが接続されている。また、回収したメタンガスは、発電や処理の加温などに利用し、余剰エネルギは施設外にも供給できる。
【0035】さらに、メタン発酵槽6には、混合物をメタン発酵処理して得られた処理物を処理濾液および汚泥とに脱水して固液分離する例えば、遠心脱水機、回転円盤形脱水機、スクリュープレスなどの脱水機が用いられる第2の固液分離手段7が接続されている。なお、この第2の固液分離手段7にて分離した汚泥は、別途肥料などに処理するコンポスト化するための工程に搬送する。なお、第2の固液分離手段7に、高分子凝集剤を添加して残留する汚染物質を凝集させる凝集手段を設けてもよい。
【0036】また、第1の固液分離手段1および第2の固液分離手段7には、第1の固液分離手段1にて分集した濾液および第2の固液分離手段7にて分集した処理濾液が投入される窒素化合物除去手段8が接続されている。この窒素化合物除去手段8は、投入された濾液および処理濾液をアンモニアストリッピングしてアンモニア性窒素(NH3 −N)などの窒素化合物を除去するアンモニアストリッピング処理手段を備えている。すなわち、アンモニアストリッピング処理手段は、図示しない曝気手段を備えた曝気槽内に濾液および処理濾液を投入し、曝気して濾液および処理濾液中に溶解するアンモニア性窒素(NH3 −N)などの窒素化合物を空気中に移行させるという気曝によりストリッピングし、窒素化合物を含有する空気を、酸性槽に貯留する例えば硫酸や塩酸などの無機酸水溶液である酸性水溶液内の中に透過させ、窒素化合物を例えば硫酸アンモニウムや塩化アンモニウムなどとして析出させて回収する。
【0037】そして、窒素化合物除去手段8のアンモニアストリッピング処理手段には、アンモニアストリッピング処理された濾液および処理濾液を好気性微生物により生物処理する好気性生物処理手段9が接続されている。この好気性生物処理手段9には、投入されたアンモニアストリッピング処理後の濾液および処理濾液に酸素を供給するための空気を曝気する図示しない曝気手段が設けられている。また、この好気性生物処理手段9には、余剰汚泥を固液分離する図示しない第3の固液分離手段が設けられ、この第3の固液分離手段にて分集した余剰汚泥を第1の固液分離手段1に返送する余剰汚泥返送手段10が接続されている。
【0038】さらに、好気性生物処理手段9には、好気性微生物により生物処理された濾液および処理濾液を、例えば凝集剤の添加により溶解する汚染物質を凝集させて固液分離したり、活性炭などにより汚染物質を吸着分離したり、限外濾過や逆浸透膜などにより高度な膜分離により汚染物質を除去するなどの高度処理する高度処理手段11が接続され、この高度処理手段11により濾液および処理濾液が高度処理されて処理液として放流される。なお、高度処理手段11には、分集した凝集汚泥や膜分離により分離した膜分離汚泥を第1の固液分離手段1に返送する汚泥返送手段12が接続されている。なお、活性炭により高度処理する場合には、汚泥返送手段は設けない。
【0039】次に、上記実施の一形態の動作について説明する。
【0040】まず、生物処理汚泥を第1の固液分離手段1にて濾液と汚泥分とに脱水して固液分離する。
【0041】また、液状有機性廃棄物を第1の前処理手段2にて夾雑物を除去する。
【0042】さらに、固形状有機性廃棄物を第2の前処理手段3にて破袋あるいは破砕して合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去し、さらに磁気選別して金属片などの夾雑物を除去する。
【0043】そして、第1の固液分離手段1からの汚泥分、第1の前処理手段2にて前処理された液状有機性廃棄物、および、第2の前処理手段3にて前処理した固形状有機性廃棄物を調整槽4に投入する。この調整槽4にて、例えばスチームを用いて約55℃に加温しつつ攪拌混合し、攪拌混合が可能な全蒸発残留物濃度である総固形物濃度(Total Solids:TS)が5%以上20%以下となる塊状物も混入するようなスラリ状の混合物を調質する。なお、TS濃度が20%より高くなると、メタン発酵処理の際の攪拌混合が不十分となり効率よく後工程のメタン発酵処理できなくなるため、TS濃度を20%以下、好ましくは18%以下にする。さらに、TS濃度が5%より低くなると、水分量が多くなって有機物の割合が少なくなった状態となり、後工程でのメタン発酵処理の効率が低下するため、5%以上、好ましくは7.5%以上に設定する。また、塊状物などが少ないもしくはほとんどないような状態のスラリ状とすることにより、微生物によるメタン発酵処理がより効率よく進行する。
【0044】この調整槽4での調質の際、混合物のTS濃度を測定し、TS濃度が5%以上、好ましくは7.5%以上となる場合には、添加手段5にて、栄養塩類である鉄化合物、ニッケル化合物およびコバルト化合物の少なくともいずれか一方を添加する。これら栄養塩類は、混合物中に鉄として10mg/リットル以上、好ましくは10〜300mg/リットル、ニッケルとして1mg/リットル以上、好ましくは1〜30mg/リットル、コバルトとして1mg/リットル以上、好ましくは1〜30mg/リットルを添加する。
【0045】そして、TS濃度が5%より低い場合には、有機性廃棄物中に微量に含まれる鉄、ニッケル、コバルトは凝集や沈殿、スケールの生成などによる不活性効果が低くなり、嫌気性微生物の活性に必要な十分な栄養塩類量が得られるので、栄養塩類を別途添加する必要がない。
【0046】また、鉄添加量が10mg/リットルより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、300mg/リットルより多くなっても鉄添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、鉄添加量が10mg/リットル以上、好ましくは10〜300mg/リットルとなるように鉄化合物を添加する。また、同様に、ニッケル添加量が1mg/リットルより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、30mg/リットルより多くなってもニッケル添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、ニッケル添加量が1mg/リットル以上、好ましくは1〜30mg/リットルとなるようにニッケル化合物を添加する。さらに、同様に、コバルト添加量が1mg/リットルより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、30mg/リットルより多くなってもコバルト添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、コバルト添加量が1mg/リットル以上、好ましくは1〜30mg/リットルとなるようにコバルト化合物を添加する。
【0047】さらに、添加手段5にて、マグネシウム塩、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物、および、燐酸塩、燐酸、重縮合燐酸などの燐酸化合物を添加する。なお、調整槽4ではすでにアンモニア性窒素(NH3 −N)が存在しているが、調整槽4では各性状の有機性廃棄物の酸発酵が進行しており、pHが5前後となっていることから、マグネシウム化合物および燐酸化合物の添加により、混合物中の窒素化合物であるアンモニア性窒素(NH3 −N)と反応して燐酸マグネシウムアンモニウム(Mg(NH4 )PO4 )が急に生成して調整槽4の壁面などにスケールとして固着することはない。
【0048】また、マグネシウム化合物および燐酸化合物の添加量は、後工程のメタン発酵処理の際に窒素化合物がメタン発酵に影響しない程度の量まで低減する量を添加する。すなわち、メタン発酵処理が55℃〜60℃程度の高温発酵ではアンモニア性窒素濃度を2500ppm 以下、好ましくは、2000ppm 以下、35℃〜40℃程度の中温発酵では4000ppm 以下、好ましくは3000ppm 以下まで低減するように添加量を設定する。
【0049】ここで、混合物中の窒素化合物であるアンモニア性窒素(NH3 −N)のすべてを燐酸マグネシウムアンモニウム(Mg(NH4 )PO4 )として生成させることも可能であるが、燐酸マグネシウムアンモニウムの分子量比からアンモニア性窒素濃度の10倍の燐酸マグネシウムアンモニウムが生成するため、例えば混合物中に4000ppm のアンモニア性窒素が存在する場合、40000ppm の燐酸マグネシウムアンモニウムが生成することとなり、この40000ppm の燐酸マグネシウムアンモニウムはTS濃度で4%に相当することとなり、上述したようにTS濃度が5%以上20%以下の適性範囲から外れるおそれがあるので、水分調整に留意する必要がある。
【0050】また、マグネシウム化合物は、添加する燐酸化合物および混合物中の燐酸イオンの総合計である総燐酸濃度に対してマグネシウムのモル比が1以下となるように添加し、マグネシウムイオンが残留して後工程でのマグネシウム化合物の析出によるスケールの発生を防止する。
【0051】そしてさらに、燐酸イオンは、後工程の好気性生物処理の際の好気性微生物の栄養源となるが除去作業は容易でないことから、燐酸イオン濃度として20ppm以下、好ましくは10ppm 以下となるように、マグネシウム化合物および燐酸化合物の添加量を設定する。
【0052】そして、鉄化合物、ニッケル化合物およびコバルト化合物などの栄養塩類が適宜添加されるとともにマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加して調質した混合物をメタン発酵槽6に流入させ、例えば55℃で適宜攪拌しつつ8日滞留させて、メタン生成菌などにて有機物をメタン発酵処理する。なお、メタン発酵処理により発生するメタンガスは、図示しないメタンガス回収手段にて回収してガスタンクに貯溜し、発電などにて有機性廃棄物の処理の際の運転エネルギやその他の汚水処理、冷暖房などに利用する。
【0053】このメタン発酵槽6ではpHが7以上のアルカリ性の雰囲気で安定した状態となっていることから、メタン発酵槽6に流入された混合物中の窒素化合物であるアンモニア性窒素(NH3 −N)が調整槽4であらかじめ添加したマグネシウム化合物および燐酸化合物と反応して燐酸マグネシウムアンモニウム(Mg(NH4 )PO4 )を生成する。
【0054】また、鉄、ニッケル、コバルトは、メタン生成菌などの微生物の補酵素成分を構成する物質で、微生物の活性向上に欠かせない栄養元素である。なお、鉄は約1000mg/リットル、ニッケルは約80〜240mg/リットル、および、コバルトは約50〜150mg/リットル以上となると、逆に微生物の活性阻害を生じ始める。
【0055】また、メタン発酵槽6内では、固形状の有機性廃棄物を含有する濃度が濃いスラリ状の混合物を処理するので、凝集・沈殿、スケール微粒子の形成や共沈吸着効果などの物理化学的反応が生じていると考えられる。
【0056】このため、投入TS濃度であるメタン発酵槽6へ投入される調質物のTS濃度が5%より低い場合には、メタン発酵槽6における凝集・沈殿、スケール形成物質の濃度が比較的低く、凝集・沈殿、スケール形成などの物理化学的反応による微量栄養塩類である鉄、ニッケル、コバルトの不活性効果も相対的に低くなり、メタン生成菌などの嫌気性微生物は、調質物中の活性のある鉄、ニッケル、コバルトを栄養源として吸収して活性が増大し、効率よく有機性物質を分解処理する。なお、この場合には、固形状の有機性廃棄物を処理可能な生物浮遊型のメタン発酵処理方法では、BOD(Biochemical Oxygen Demand :生物化学的酸素要求量)濃度が3〜5万ppm で滞留時間が8日程度が処理のほぼ上限の負荷(BOD負荷で4〜6kg/m3 ・日)、すなわち嫌気性微生物が調質物中の活性のある鉄、ニッケル、コバルトを栄養源として吸収して有機物を分解処理できる上限の処理条件である。
【0057】一方、TS濃度が5%以上、特に7.5%以上となると、沈殿やスケール形成により、鉄、ニッケル、コバルトの不活性効果が増大し、嫌気性微生物が必要とする鉄、ニッケル、コバルトが不足して活性が低下し、上述した処理可能なTOC(Total Organic Carbon:全有機性炭素)負荷や化学的酸素要求量(CODCr)負荷、BOD負荷が同等または低くなる処理負荷の条件でもメタン発酵効率が大きく低減あるいは停止してしまう。
【0058】したがって、上述したように、上記実施の形態では、生ごみや厨芥、農水産廃棄物などの固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物をメタン発酵処理する際に、メタン発酵槽6に投入する際のTS濃度が5%以上となる場合に、鉄化合物、ニッケル化合物およびコバルト化合物の少なくともいずれか一方を鉄濃度が10〜300mg/リットル、ニッケル濃度が1〜30mg/リットル、コバルト濃度が1〜30mg/リットルとなるように添加する。
【0059】次に、メタン発酵処理した発酵処理物を第2の固液分離手段7にて汚泥である脱水ケーキと処理濾液である分離水とに固液分離する。そして、分離液は、第1の固液分離手段1にて固液分離して分集した濾液とともに窒素化合物除去手段8のアンモニアストリッピング処理手段に搬送し、脱水ケーキは肥料などにコンポスト化したり、焼却処分する。なお、第1の前処理手段2および第2の前処理手段3にて夾雑物が充分に除去され、脱水ケーキに燐酸マグネシウムアンモニウムが含まれていることから、コンポスト化して窒素、リン、マグネシウムの無機性の栄養素を含有する肥料など、すなわち緩衝性の肥効成分が加わることによってコンポストの土壌改良剤としての働きにプラスした肥料などの有価物として回収する。
【0060】この第2の固液分離手段7での固液分離の際、後工程で生物処理の負荷を低減するために、処理濾液中のBODを低減すべく凝集剤を添加してBODに起因する有機物を凝集させてから脱水して固液分離する。ここで、固液分離した汚泥である脱水ケーキは、肥料として利用するコンポスト化および乾燥用熱量を低減するための含水率を低減させるために高分子凝集剤の添加による脱水が好ましい。また、高分子凝集剤としては、各種カチオン系凝集剤が利用できるが、BOD濃度が500ppm 以下に低減できるアミジン系凝集剤が好ましい。
【0061】そして、窒素化合物除去手段8のアンモニアストリッピング処理手段に搬送された濾液および処理濾液は図示しない曝気手段にてアルカリ雰囲気中で曝気され、濾液および処理濾液中に溶存する窒素化合物であるアンモニア性窒素を曝気された空気中に移行させる気曝によるストリッピングを実施する。ここで、アルカリ雰囲気としては、濾液および処理濾液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、消石灰などのアルカリを添加してアルカリ性としてストリッピングする。そして、窒素化合物を含有する空気を、酸性槽に貯留する例えば硫酸や塩酸などの無機酸水溶液である酸性水溶液内の中に透過させ、窒素化合物を例えば硫酸アンモニウムや塩化アンモニウムなどとして析出させて回収する。なお、この窒素化合物の除去は、BOD/Nが15以上となるようにする。
【0062】一方、ストリッピングされた濾液および処理濾液は、好気性生物処理手段9に流入し、好気性微生物により生物処理、すなわち残存する有機物を酸化分解してBODを低減する。この生物処理の際、アンモニアストリッピング処理にて除去されずに残存する窒素化合物、燐酸化合物などは、好気性微生物の栄養源として摂取され、BODが低減するとともに窒素化合物や燐酸化合物などの残存微量成分も低減する。
【0063】さらに、生物処理された濾液および処理濾液は、高度処理手段11にて例えば酸性凝集沈殿、砂濾過、活性炭吸着処理、膜処理などの高度処理をし、色度、BOD濃度、COD濃度、燐酸化合物が低い良好な処理水を得る。なお、凝集処理の場合、塩化第二鉄や硫酸バンドなどの無機凝集剤を用いるとよい。また、凝集処理後に膜処理を利用することにより、安定した処理水が効率よく得られる。そして、高度処理により生じた凝集汚泥や膜分離汚泥などの汚泥は、汚泥返送手段12を介して第1の固液分離手段1に返送し、再び処理する。
【0064】上述したように、廃棄物を生物処理により生成した生物処理汚泥と、嫌気性生物にて分解可能な有機物を含有する流動性を有し液体部分に多量の有機物が存在する液状有機性廃棄物と、嫌気性生物にて分解可能な固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物との3種類に分け、廃棄物全体の大半の有機物が存在する生物処理汚泥を固液分離して分集した汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物をメタン発酵処理して効率よくメタンガスの有価物として回収するとともに、廃棄物全体の有機物が低減して残留する有機物を簡単な構成の好気性微生物による生物処理するのみで処理でき、装置の小型化および運転エネルギ低減ができ、効率よく廃棄物全体を処理できる。
【0065】また、好気性微生物による生物処理にて生じる余剰汚泥や高度処理により生じる汚泥を第1の固液分離手段1に返送して固液分離し、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物とともにメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収するため、有機物を確実にメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収でき、処理効率を向上できる。
【0066】そして、生物処理汚泥を第1の固液分離手段1にて脱水して固液分離したため、メタン発酵処理する有機物が確実に汚泥分側に固液分離でき、メタンガスとしての回収効率を向上できるとともに、後工程の生物処理の負荷を低減でき、廃棄物の処理効率を向上できる。
【0067】さらに、メタン発酵処理する前に総固形物濃度が5%以上20%以下となるように水分調整するため、メタン発酵処理する際の適性な濃度となり、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0068】また、メタン発酵処理する前に、あらかじめ液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物から夾雑物を除去する前処理をしたため、夾雑物によるメタン発酵処理の阻害を防止でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0069】さらに、メタン発酵処理の前またはメタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加して、pHがアルカリ性となるメタン発酵槽6で窒素化合物をマグネシウム化合物および燐酸化合物と反応させて燐酸マグネシウムアンモニウムとして生成して析出させるため、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0070】また、マグネシウム化合物および燐酸化合物を、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となるように添加するため、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を確実に防止でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0071】そして、マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する際に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一方を添加するため、メタン発酵処理の際に総固形物濃度や窒素化合物濃度が高くなる状態でも、栄養塩類の鉄分、コバルト分およびニッケル分の不活性効果の増大分を補給でき、栄養塩バランスを確保して効率よくメタン発酵処理できる。
【0072】また、生物処理汚泥の固液分離により分集した濾液と、メタン発酵処理後の固液分離により分集した処理濾液とを、好気性微生物による生物処理する前に窒素化合物を除去するため、硝化脱窒処理による窒素化合物の分解処理が不要となり、装置構成の簡略化および処理エネルギの低減が得られるとともに、生物処理の負荷を低減でき、処理効率を向上できる。
【0073】さらに、この窒素化合物の除去として簡単な構成でアンモニアストリッピング処理するため、生物処理により生成した生物処理汚泥の固液分離により得られ比較的有機物が少なく窒素化合物が多い濾液、および、メタン発酵処理後の比較的有機物が少なく窒素化合物が多い処理濾液で、硝化脱窒処理では有機物を別途添加しなくては窒素化合物が処理できなくなる状態でも、簡単な構成で窒素化合物を除去できるとともに有価物として回収でき、また、好気性微生物による生物処理の負荷を低減でき処理効率を向上できる。そして、あらかじめ生物処理汚泥から汚泥分を除去した濾液と、メタン発酵処理後に固液分離した処理濾液とをアンモニアストリッピングするため、ストリッピングしても消泡せずに泡が発生してアンモニアストリッピング処理できなくなることはなく、安定して窒素化合物を除去できる。
【0074】そして、マグネシウム化合物および燐酸化合物は、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となるように添加するため、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を確実に防止でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0075】また、生物処理する際の処理濾液および濾液の混合中の有機物濃度が全窒素化合物濃度の15倍以上となるまで窒素化合物を除去するため、生物処理する好気性微生物が摂取する栄養源となる窒素化合物が確保され、処理効率を向上できるとともに、窒素化合物が残留せず高度に低減できる。
【0076】なお、上記実施の形態において、第1の固液分離手段1および第2の固液分離手段7として、脱水機を用いて脱水により固液分離して説明したが、スクリーンなどにて固液分離したり、沈殿分離などにて固液分離してもよい。
【0077】また、生物処理汚泥や液状有機性廃棄物、固形状有機性廃棄物の各種形態の廃棄物中の窒素化合物の含有量や生物処理時の窒素化合物の残留量などにより、生物処理の際に硝化脱窒処理してもよい。また、簡単な構成とした硝化脱窒処理を用いることにより、前段のアンモニアストリッピング処理の構造を簡略化できる。
【0078】さらに、含有する窒素化合物の量が少ない場合には、アンモニアストリッピング処理などの窒素化合物の除去する工程を設けなくてもよい。なお、有機物を含有する廃棄物全般を網羅する浄化槽汚泥や畜産廃水汚泥などの生物処理汚泥や屎尿や畜産廃水などの液状有機性廃棄物、固形状有機性廃棄物の各種形態の廃棄物は、窒素化合物を多く含有するため、一般的に廃棄物を処理する処理装置としては窒素化合物を除去する構成を設ける。そして、この窒素化合物の除去としては、アンモニアストリッピング処理に限られない。さらに、アンモニアストリッピング処理としては、液中散気方式に限らず、例えばラシヒリングなどによる充填塔方式などでも可能であるが、SSによる充填層の閉塞を考慮すると液中散気方式が好ましい。
【0079】また、第2の固液分離手段7の際に、凝集分離処理したが、固液分離の方法により凝集処理しなくてもよい。なお、凝集処理を併用することにより、簡単な構成で短時間に固液分離できる。
【0080】一方、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物をあらかじめ前処理して夾雑物を除去して説明したが、夾雑物の含有量が少ない場合には前処理しなくてもよい。
【0081】そして、メタン発酵処理の前およびメタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加して説明したが、含有する窒素化合物の量が少ない場合には、これらマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加しなくてもよい。なお、有機物を含有する廃棄物全般を網羅する浄化槽汚泥や畜産廃水汚泥などの生物処理汚泥や屎尿や畜産廃水などの液状有機性廃棄物、固形状有機性廃棄物の各種形態の廃棄物は、窒素化合物を多く含有するため、一般的に廃棄物を処理する処理装置としてはこれらマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する構成を設ける。
【0082】また、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物のいずれか一方の栄養源を添加して説明したが、処理する性状により不活性効果が増大しない場合には、添加しなくてもよい。なお、同様に、有機物を含有する廃棄物全般を網羅する生物処理汚泥や液状有機性廃棄物、固形状有機性廃棄物の各種形態の廃棄物を処理する際においては、一般に不活性効果が増大するため、栄養塩バランスの確保のために添加する。
【0083】
【実施例】処理する廃棄物の形態による処理効率の差異について比較検討した。
【0084】なお、廃棄物の形態としては、野菜、果実、肉、魚、米飯などの残飯を混合攪拌によりスラリ状に破砕して含水率が約80%(TS濃度が約20%)の合成生ごみを固形状有機性廃棄物として調整する。また、液状有機性廃棄物としては、屎尿処理場より収集した屎尿を、10mm目の篩により屎渣を除去する前処理したものを用いた。さらに、生物処理汚泥としては、屎尿処理場より収集した浄化槽汚泥を用い、塩化第二鉄を1000ppm 添加して攪拌混合した後、カチオン系高分子凝集剤をTS濃度に対して2%添加して凝集処理し、目の粗い濾布で濾過して十分に絞り、汚泥分としての脱水汚泥と濾液とに固液分離した。これら性状を表1に示す。また、浄化槽汚泥の濾液の性状を表2に示す。
【0085】
【表1】

【表2】

そして、処理方法としては、上記図1に示す実施の形態の廃棄物を生物処理汚泥、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物の3形態に廃棄物を分けて処理する方法と、従来例である図3に示す液状の有機性廃水と固形状の有機性廃棄物との2形態に廃棄物を分けて処理する方法と、従来例である図4に示す各種形態の廃棄物を混合して1形態の廃棄物として処理する方法とについて、処理状態を観察して比較評価した。
【0086】まず、図1に示す3形態に廃棄物を分けて処理する工程について説明する。
【0087】上述した前処理の除渣した屎尿10kg、浄化槽汚泥を固液分離して分集した脱水汚泥0.5kg(浄化槽汚泥10kgから得られる脱水汚泥量)および合成生ごみ5kgを攪拌混合して混合物を調質する。なお、この調質した混合物の性状を表3に示す。
【0088】
【表3】

そして、調質した混合物を既に馴養の完了しているメタン発酵槽に投入して、約55℃でメタン発酵処理した。その結果を図2に示す。なお、処理当初は、滞留時間を30日とした。
【0089】この図2に示す結果から、メタン発酵槽内のアンモニア濃度は、3200〜3800mg/リットルと高く、有機酸は4000〜8000mg/リットルとかなりの量が蓄積した。この有機酸の蓄積によりpHやメタン生成速度は変化しなかったが、メタン発酵処理後に固液分離した処理濾液中のBOD濃度が増大して後工程の生物処理の負荷が増大するため、有機酸の濃度を下げる必要がある。そこで、嫌気性微生物であるメタン生成菌の活性を増大させるべく、栄養元素として微量元素の鉄を塩化第二鉄として500mg/リットル、ニッケルを塩化ニッケルとして50mg/リットル、コバルトを塩化コバルトとして50mg/リットル連続的に添加した。この結果、有機酸濃度は約1000mg/リットルまで低減した。
【0090】そして、有機酸の多量の蓄積が認められず処理状態が安定した時点で滞留時間を15日とした。この滞留時間の短縮によるメタン発酵処理の負荷の増大により、再び有機酸が蓄積し始め、10000mg/リットル程度まで増大した。
【0091】この負荷の増大により、アンモニア性窒素(NH4 −N)の影響を強く受けるようになり、その結果メタン発酵が阻害されたためと考えられる。
【0092】一般に、アンモニアはメタン発酵を阻害するため、アンモニア性窒素濃度が2000mg/リットル程度で運転しているが、微量元素である栄養元素を添加してもアンモニア性窒素によるメタン発酵の阻害を防止できないことが分かる。
【0093】そこで、マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加し、アンモニア性窒素濃度を約2000mg/リットルまで低減させたところ、有機酸の蓄積が防止され、300〜560mg/リットルまで低減した。この状態で滞留時間を7.5日まで短縮しても有機酸は蓄積せずに安定して処理できた。そして、この状態での消化ガス中のメタン含有率は約59%で、消化ガス発生量は0.35リットル/g・投入CODCrとなり、良好な結果を示すことが分かる。
【0094】この後、微量元素の添加を停止したところ、アンモニア性窒素濃度が約2000mg/リットル程度でも有機酸濃度が徐々に増大するとともにpHも酸性を示し、酸敗状態となった。
【0095】このように、TS濃度および窒素化合物であるアンモニア性窒素が高い場合には、微量元素の添加によりある程度の有機酸の蓄積を防止することができるが、負荷が増大するとアンモニア性窒素の影響が現れ、有機酸の蓄積が生じることから、メタン発酵処理を安定して効率よく進行させるためには微量元素の添加とマグネシウム化合物および燐酸化合物の添加によるアンモニア性窒素の低減を図る必要があることが分かる。
【0096】一方、滞留時間15日で有機酸濃度が500mg/リットル程度で安定した状態のメタン発酵処理した混合物を、ポリアミジン系強カチオン高分子凝集剤と一般的なポリアクリル酸エステル系強カチオン高分子凝集剤とを用いて凝集処理した後に脱水して汚泥である脱水ケーキと処理濾液とに固液分離した。この脱水ケーキと処理濾液との性状を表4に、ポリアミジン系強カチオン高分子凝集剤により凝集処理して得られた脱水ケーキ中の成分分析結果を表5に示す。
【0097】
【表4】

【表5】

この表4に示す結果から、ポリアクリル酸エステル系強カチオン高分子凝集剤では脱水ケーキの含水率が82.4%であるのに対し、ポリアミジン系強カチオン高分子凝集剤では77.8%となり、大きな差が認められた。また、処理濾液中のBODもポリアミジン系強カチオン高分子凝集剤では430mg/リットルとなり、500mg/リットル以下にすることができた。しかし、総窒素濃度(T−N)は約2200mg/リットルと非常に高いことがわかる。また、表5に示す結果から、乾燥重量当たり、窒素(N)7.2%、リン(P)12.1%、マグネシウム(Mg)5.3%で、肥料として効果を生じする肥効成分が多く含まれていることが分かる。
【0098】そして、分集した処理濾液をあらかじめ浄化槽汚泥を固液分離して分集した濾液と一緒に好気性微生物処理することとなる。ここで、処理濾液と濾液との量比は、屎尿と浄化槽汚泥との比率が1:1であるためほぼ同量となる。このため、表2および表4に示す結果から、濾液および処理濾液の混合液は、BODが約700mg/リットル、総窒素濃度(T−N)が約1300mg/リットル程度となり、アンモニアストリッピング処理などにより窒素化合物を除去することにより、後工程の好気性微生物による生物処理は、BODが約700mg/リットルの汚水を処理する負荷が低い活性汚泥処理で済むこととなる。
【0099】次に、濾液および処理濾液を等量混合し、アンモニアストリッピング処理をした。この処理方法は、まずpH調整槽に投入した濾液および処理濾液に水酸化ナトリウムを添加してpHを11に調整した後、容量1リットルの槽が2段直列に接続されたストリッピング槽に流入させ、それぞれの槽に設けた散気管より空気を散気してアンモニアストリッピング処理した。この結果を表6に示す。
【0100】
【表6】

この表6に示す結果から、アンモニア性窒素濃度が1460mg/リットルから31mg/リットルまで低減できた。そして、このアンモニアストリッピング処理により、表7に示す性状となった。
【0101】
【表7】

この後、好気性微生物による生物処理である活性汚泥法による処理により、表8に示すBOD、SS、総窒素が良好に低減した処理水が得られた。
【0102】
【表8】

一方、図3に示す比較例1は、上記実施例の合成生ごみと、屎尿および浄化槽汚泥を1:1で混合した2形態の廃棄物を出発原料とし、固液分離工程22に相当する固液分離、すなわち混合した屎尿および浄化槽汚泥にカチオン系高分子凝集剤をTS濃度に対して2%添加して凝集処理し、目の粗い濾布で濾過して十分に絞り、約1.5kgの汚泥分としての脱水汚泥と約18.5kgの濾液とに固液分離した。これら脱水汚泥と濾液との性状を表9に示す。
【0103】
【表9】

ここで、通常の硝化脱窒処理でのBOD/Nは3.5〜4程度の性状に設定する必要があることから、表9に示す濾液を後工程の硝化脱窒工程26で硝化脱窒処理する際、BODが不足する状態となり、メタノールなどの有機炭素源を添加する必要がある。このため、硝化脱窒処理の際の実際の負荷はBOD濃度が6700〜7680mg/リットル、総窒素濃度1920mg/リットルとなる。したがって、上記汚泥が3形態の実施例のBOD濃度700mg/リットルの活性汚泥処理に比して非常に大きな負荷となり、処理装置の大型化および消費処理エネルギの増大を生じることとなる、すなわち上記実施例によれば、後工程の生物処理の構成の簡略化および消費処理エネルギの低減が得られ、簡単な構成で効率よく廃棄物を処理できることがわかる。
【0104】また、メタン発酵槽24でメタン発酵処理するために、屎尿と浄化槽汚泥との混合物から分集される脱水汚泥1.5kgに合成生ごみ5kgを加え、水を添加してTS濃度が10%程度となるように調質した。その性状を表10に示す。
【0105】
【表10】

そして、表1および表9に示す結果から、脱水汚泥および合成生ごみの混合物を調質した調質物を流入するメタン発酵槽24に投入する際の屎尿10kg、浄化槽汚泥10kgおよび合成生ごみ5kg当たりのCODCr量を以下に示す方法により計算すると、1.5[kg]×180[g/kg]+5[kg]×307[g/kg]=1805[g]となり、図3に示す比較例1は約1.8kgとなる。
【0106】一方、上記実施例の廃棄物が3形態の屎尿10kg、浄化槽汚泥の固液分離した汚泥分0.5kg、合成生ごみ5kgが調質された混合物が流入するメタン発酵槽に投入されるCODCr量は、10[kg]×32[g/kg]+0.5[kg]×307[g/kg]×5[kg]×169[g/kg]=1940[g]となり、約2.0kgとなる。そして、メタン発酵でのメタン回収率は投入されるCODCr量によりほぼ決定されることから、図3に示す比較例1による処理方法では上記実施例に比して1割程度メタン回収率が低下、すなわち本実施例のように処理することにより従来より1割増のメタン回収率の向上が得られることがわかる。
【0107】次に、図4に示す比較例2は、上記実施の形態の合成生ごみ、屎尿および浄化槽汚泥を混合した1形態の廃棄物市を出発原料として処理するものである。すなわち、図3に示す比較例1である従来例の液状の有機性廃棄物と固形状の有機性廃棄物とを一括して前処理工程31で粉砕あるいは夾雑物の分離除去などの前処理をした後に固液分離工程32で汚泥分と濾液とに固液分離し、汚泥分はメタン発酵槽33でメタン発酵処理する。さらに、メタン発酵処理にてメタンガスを有価物として回収した後、脱水工程34で汚泥と処理濾液とに脱水分離し、汚泥は肥料などにコンポスト化して有価物として回収し、処理濾液は燐酸除去工程35でマグネシウム化合物および燐酸化合物の添加により燐酸マグネシウムアンモニウムを生成させて分離し、燐酸が除去させた処理濾液は固液分離工程32で分集した濾液とともに硝化脱窒工程36で硝化脱窒処理し、さらに高度処理工程37で凝集剤にて凝集処理し、処理水として処理する。なお、硝化脱窒処理により生じた余剰汚泥は、液状の有機性廃棄物の前処理や固液分離に返送して再び処理する。
【0108】この図4に示す比較例2の処理工程に対応して、屎尿および浄化槽汚泥1:1の混合物20kgに、合成生ごみ5kgを混合し、固液分離工程32に相当する固液分離、すなわちカチオン系高分子凝集剤をTS濃度に対して2%添加して凝集処理し、目の粗い濾布で濾過して十分に絞り、約3.9kgの汚泥分としての脱水汚泥と約21.1kgの濾液とに固液分離した。これら脱水汚泥と濾液との性状を表11に示す。
【0109】
【表11】

そして、メタン発酵槽33に投入されるCODCr量を上述と同様に計算すると、約1.4kgとなり、図4に示す比較例2による処理方法では、上記実施例に比して3割程度メタン回収率が低下することがわかる。さらに、濾液のBOD量を比較すると、表2および表11から、(21.1[kg]×12000[mg/l])/(9.5[kg]×880[mg/l])=30.3となり、上記実施例に比して約30倍高く、後工程での生物処理の負荷が増大することがわかる。
【0110】さらに、これら図3に示す比較例1および図4に示す比較例2を上記実施例と同様にアンモニアストリッピング処理した。その結果、発泡がひどくアンモニアストリッピング処理を続けることができなかった。これは、図3に示す比較例1および図4に示す比較例2では、屎尿である液状廃棄物や生ごみなどの生物処理を経ていない廃棄物は蛋白質や高分子有機物が多く含まれているためと考えられる。そこで、シリコンなどの消泡剤を添加して発泡を抑制して実施例と同じ条件でアンモニアストリッピング処理を継続した。その結果を表12に示す。
【0111】
【表12】

この表12に示す結果から、上記実施例に比してアンモニア性窒素の除去割合が低いことがわかる。これは、消泡剤のシリコンが気液表面に集まってアンモニア性窒素が液相から気相へ気散することを抑制するためと考えられる。
【0112】一方、これら発泡による弊害を防止するため、生物処理にてBODを低減した後、アンモニアストリッピング処理することも考えられるが、生物処理の際の溶存酸素の供給のための曝気により、アンモニア性窒素が硝化反応して硝酸や亜硝酸を生成し、BODの酸化分解のみを行うことはできない。そして、これら生成する硝酸や亜硝酸は、アンモニアストリッピング処理では除去できないため、生物処理後にアンモニアストリッピング処理しても総窒素濃度は余り低減しないので、高い窒素含有量となってしまう。このため、図3および図4に示す比較例では、簡単な構成のアンモニアストリッピング処理を利用することができず、装置が大型複雑で消費処理エネルギも大きな硝化脱窒処理を行わなければ、高度処理のための基準となる総窒素濃度が10mg/リットル以下の処理水が得られない。
【0113】したがって、上記実施例では、総窒素濃度を数十mg/リットル程度まで低減させれば、後工程の生物処理によりさらに窒素化合物が高度処理のための基準となる総窒素濃度が10mg/リットル以下にまで低減できるので、処理装置の簡略小型化および消費処理エネルギの低減が図れることがわかる。
【0114】
【発明の効果】請求項1記載の廃棄物処理方法によれば、生物処理汚泥を固液分離して分集した全有機物の大半が存在する汚泥分と、液体部分に多量の有機物が存在する液状有機性廃棄物と、固形状の有機物を含有する固形状有機性廃棄物とを攪拌混合してメタン発酵処理し、このメタン発酵処理した後に固液分離して分集した処理濾液と生物処理汚泥を固液分離して分集した濾液とを好気性微生物により生物処理するため、各種性状の異なる廃棄物の有機物のほとんどをメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収でき、メタンガスとしての回収効率を向上できるとともに、後工程の好気性微生物による生物処理の負荷を低減でき、装置の簡略化および小型化と運転エネルギの低減とができ、効率よく廃棄物を処理できる。
【0115】請求項2記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1記載の廃棄物処理方法の効果に加え、好気性微生物による生物処理により生成する余剰汚泥を、汚泥分、液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物とともにメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収するため、有機物を確実にメタン発酵処理してメタンガスの有価物として回収できるので、さらに効率よく処理できる。
【0116】請求項3記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1または2記載の廃棄物処理方法の効果に加え、メタン発酵処理する前に総固形物濃度が5%以上20%以下となるように水分調整するため、メタン発酵処理する際の適性な濃度となり、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0117】請求項4記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の廃棄物処理方法の効果に加え、メタン発酵処理する前にあらかじめ液状有機性廃棄物および固形状有機性廃棄物の少なくとも一方から夾雑物を除去するため、夾雑物によるメタン発酵処理の阻害を防止でき、運転エネルギに対するメタン回収率を向上でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0118】請求項5記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の廃棄物処理方法の効果に加え、メタン発酵処理する前またはメタン発酵処理の際にマグネシウム化合物および燐酸化合物を添加するため、生物処理汚泥の汚泥分中に残留する窒素化合物、液状有機性廃棄物中に存在する窒素化合物がマグネシウム化合物および燐酸化合物と反応して燐酸マグネシウムアンモニウムを生成して析出させるので、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を防止でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0119】請求項6記載の廃棄物処理方法によれば、請求項5記載の廃棄物処理方法の効果に加え、マグネシウム化合物および燐酸化合物を添加する際に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一方を添加するため、メタン発酵処理の際に総固形物濃度や窒素化合物濃度が高くなる状態でも、栄養塩類の鉄分、コバルト分およびニッケル分の不活性効果の増大分を補給でき、栄養塩バランスが確保されてメタン発酵処理効率を向上できる。
【0120】請求項7記載の廃棄物処理方法によれば、請求項5または6記載の廃棄物処理方法の効果に加え、マグネシウム化合物および燐酸化合物は、メタン発酵処理の際の窒素化合物の濃度が4000ppm 以下となるように添加するため、窒素化合物によるメタン発酵処理の阻害を確実に防止でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0121】請求項8記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1ないし7いずれか一記載の廃棄物処理方法の効果に加え、処理濾液と濾液とを生物処理する前に窒素化合物を除去するため、硝化脱窒処理による窒素化合物の分解処理が不要となり、装置構成の簡略小型化および処理エネルギの低減ができるとともに、生物処理の負荷を低減でき、処理効率を向上できる。
【0122】請求項9記載の廃棄物処理方法によれば、請求項8記載の廃棄物処理方法の効果に加え、生物処理する前にアンモニアストリッピング処理により窒素化合物を除去するため、生物処理により生成した生物処理汚泥の固液分離により得られ比較的有機物が少なく窒素化合物が多い濾液、および、メタン発酵処理後の比較的有機物が少なく窒素化合物が多い処理濾液で、硝化脱窒処理では有機物を別途添加しなくては窒素化合物が処理できなくなる状態でも、簡単な構成で窒素化合物を除去できるとともに有価物として回収でき、また、好気性微生物による生物処理の負荷を低減でき、処理効率を向上できる。
【0123】請求項10記載の廃棄物処理方法によれば、請求項8または9記載の廃棄物処理方法の効果に加え、生物処理する際の処理濾液および濾液の混合中の生物化学的酸素要求量(BOD)濃度が全窒素化合物濃度の15倍以上となるまで窒素化合物を除去するため、生物処理する好気性微生物が摂取する栄養源となる窒素化合物が確保され、処理効率を向上できるとともに、窒素化合物を残留させずに高度に低減できる。
【出願人】 【識別番号】000101374
【氏名又は名称】アタカ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開平11−309438
【公開日】 平成11年(1999)11月9日
【出願番号】 特願平10−122496