| 【発明の名称】 |
廃棄物分解処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 進
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| 【要約】 |
【課題】正逆どちらの方向に向けての運転も可能であり、しかも内部への廃棄物の侵入を防ぐことができる廃棄物分解処理装置を提供する。
【解決手段】撹拌機5が、上側スプロケット6近傍に設けられ、無端巻装体8の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材10が攪拌機5の進行方向前側から後側に移動する過程で、フライト部材10が所定位置に達するまでその姿勢を維持し、かつフライト部材10が上記所定位置から攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる姿勢維持機構20と、下側スプロケット7近傍に設けられ、無端巻装体8の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材10が攪拌機5の進行方向後側から前側に移動する過程で、その姿勢を掻き揚げ可能に変位させる姿勢変更機構21を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に有機廃棄物(M)が貯留される貯留槽(2)と、貯留槽内を移動して貯留槽内に搬入した有機廃棄物を撹拌発酵する撹拌機(5)とを有し、前記撹拌機は、鉛直あるいは傾斜した軸線上にて上下に離間して配置した一対のスプロケット(6、7)間に巻装された無端巻装体(8)と、該無端巻装体の内側に配設され前記スプロケット間を連結する撹拌機本体(5a)と、前記無端巻装体の回転周方向複数箇所に取り付けられ該無端巻装体を回転駆動した時に前記貯留槽内の有機廃棄物を掻き揚げるフライト部材(10)と、前記一対のスプロケットのうち上側スプロケット(6)近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が攪拌機の進行方向前側から後側に移動する過程で、フライト部材が所定位置に達するまでその姿勢を維持し、かつフライト部材が前記所定位置から攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる姿勢維持機構(20)と、前記一対のスプロケットのうち下側スプロケット(7)近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が攪拌機の進行方向後側から前側に移動する過程で、その姿勢を掻き揚げ可能に変位させる姿勢変更機構(21)を備えたことを特徴とする廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項2】 前記姿勢変更機構は、フライト部材を変位させるカム(21)であり、前記フライト部材は、無端巻装体の外側に突出時に有機廃棄物を掻き揚げ可能な2枚の撹拌羽根(17)と、該撹拌羽根に対して固定され前記カムに押接することにより撹拌羽根を出没させる攪拌羽根変位部材(18)を有し、かつ回転軸(9)を以て前記無端巻装体に対して回動自在に取り付けられてなり、前記撹拌羽根と攪拌羽根変位部材には、それぞれ別の位置のカムとの押接を回避する切欠が互いにずらされた位置に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合でも、カムが攪拌羽根変位部材の切欠に入り込む位置にあるときに撹拌羽根がカムに押接することができ、かつカムが撹拌羽根の切欠に入り込む位置にあるときに攪拌羽根変位部材がカムに押接することができるようにされていることを特徴とする請求項1記載の廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項3】 前記フライト部材は、前記2つの撹拌羽根が互いに面一とされ、撹拌羽根変位部材がこれら撹拌羽根のいずれかの面に、該撹拌羽根に対し交差する方向に固定され、該固定部分に前記回転軸が設けられたものであることを特徴とする請求項2記載の廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項4】 前記フライト部材は、前記2つの撹拌羽根に、撹拌羽根変位部材が該撹拌羽根に対しほぼ垂直な方向に固定され、断面T字状に形成されたものであることを特徴とする請求項3記載の廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項5】 前記カムは、下側スプロケットに沿って移動するフライト部材の移動軌跡に沿って湾曲し、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材の回転を規制する回転規制部(21a)と、該回転規制部の両側に形成され、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材を変位させる変位部(21b)を備えたものであり、該カムが、任意の軸で変位部を攪拌機進行方向後側に移動させることができるものとされていることを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか1項記載の廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項6】 前記姿勢維持機構は、回転体(28)と、該回転体上に設けられ、フライト部材が上側スプロケットの周方向に沿って移動する際にフライト部材に当接し、フライト部材が最上部に達するまでその姿勢を維持させ、かつフライト部材が最上部から攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる当接部材(29a)を備えたものとされ、前記回転体が、上側スプロケットの回転速度に等しい速度で回転可能とされ、かつその回転軸を上側スプロケットの回転軸に対しずらせて設けられ、前記当接部材の移動軌跡の径が、フライト部材の移動軌跡の径にほぼ等しくなるようにされていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の廃棄物分解処理装置(1)。 【請求項7】 攪拌機は、攪拌機の進行方向後側の有機廃棄物が進行方向前側に移動するのを阻止する戻り防止板を備えたものとされ、該戻り防止板が、攪拌機の両側からそれぞれ進行方向後側に向けて延在したものとされていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の廃棄物分解処理装置(41)。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、家畜から排出される糞尿、家庭から排出される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処理するための廃棄物分解処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】糞尿、生ごみ等の有機廃棄物を処理する廃棄物分解処理装置としては、例えば図21および図22に示す構成のものが知られている。ここに示す廃棄物分解処理装置61は、有機廃棄物Mが貯留される貯留槽62と、貯留槽62の外壁63上を走行する走行体64から貯留槽62内部に吊り下げられた攪拌機65を備えて構成されている。貯留槽62は、隔壁66によって貯留槽62の一端から他端にわたる複数のレーン67に区画され、これらレーン67内にそれぞれ上記攪拌機65が配置されている。 【0003】攪拌機65は、攪拌機本体68と、該攪拌機本体68に設けられて、貯留槽62内の有機廃棄物Mを上側に掻き揚げその発酵を促すチェンコンベア69を備えたものとされている。チェンコンベア69は、複数の攪拌羽根70が外側に突出するように取り付けられた無端状のベルト71を、上下方向に離間して配置した一対のスプロケット72に巻装してなるものとされている。 【0004】廃棄物分解処理装置61を使用する際には、まず攪拌機65をレーン67内で一端側から他端側にかけて往復動させつつチェンコンベア69を回転させ、攪拌羽根70によって攪拌機65の進行方向前側の有機廃棄物Mを掻き揚げ、進行方向後側に移送する。これにより貯留槽62内の有機廃棄物Mを攪拌しその発酵を促す。 【0005】しかしながら、上記廃棄物分解処理装置61にあっては、攪拌羽根70に付着する有機廃棄物Mの量が多くなり、攪拌効率が低下するという問題が生じていた。すなわち、上記廃棄物分解処理装置61が処理する有機廃棄物Mは多量の水分を含み攪拌羽根70に付着しやすくなっており、付着量が多くなると攪拌羽根70によって掻き揚げられる有機廃棄物Mの量が減少するため駆動力に対する攪拌量が減少する。また攪拌羽根70に付着した有機廃棄物Mを除去する作業に膨大な労力を要するという問題もあり、有効な対策が求められていた。 【0006】上記問題を解決することが可能な廃棄物分解処理装置としては、例えば図23に示す構成のものが提案されている。ここに示す廃棄物分解処理装置81では、内部に有機廃棄物Mを貯留する貯留槽2と、該貯留槽2の外壁3上を走行する走行体4から貯留槽2内部に吊り下げられた撹拌機85を備え、この撹拌機85が、撹拌羽根に付着した有機廃棄物Mを剥ぎ落とすスクレーパ101を備えたものとされている。 【0007】撹拌機85は、上下に離間して水平配置された一対のスプロケット86、87間に無端巻装体88(チェーン)を巻装し、図示しない駆動源からスプロケット86へ駆動力を伝達することにより、無端巻装体88を回転駆動するようになっている。無端巻装体88には、複数のフライト部材90が、無端巻装体88の長手方向に間隔をおいて該無端巻装体88の回転軸線と平行な軸89を以て回転自在に取り付けられている。 【0008】フライト部材90は、屈曲部分が前記軸89によって軸支された断面L字状の部材であって、一側のフランジが有機廃棄物Mを掻き揚げる撹拌羽根97とされ、他側のフランジが当接部材99とされ、撹拌羽根97が水平方向に沿いかつ撹拌機85の外方に突出した状態から当接部材99が水平方向に沿いかつ内方に進入した状態まで回動可能とされている。 【0009】スクレーパ101は、撹拌羽根97上に付着した有機廃棄物Mを剥ぎ落とすだけでなく、攪拌機85の進行方向後側に移送された有機廃棄物Mの荷重を攪拌機85の前進力に変換する受圧板としても機能するもので、幅がフライト部材90の幅方向にわたり、高さが攪拌機85の高さ方向にわたるように形成された板状物とされ、攪拌機85の進行方向後側に配置されている。 【0010】この廃棄物分解処理装置81の使用の際には、無端巻装体88を図中時計回りに回転駆動する。これにより、攪拌機進行方向前側を上昇し、撹拌羽根97により貯留槽2内の有機廃棄物Mを掻き揚げたフライト部材90は、上側スプロケット86に達し、撹拌羽根97を突出させた状態のままスプロケット86の周方向に沿って進行方向後側に回り込む。フライト部材90がスクレーパ101に達すると、撹拌羽根97はスクレーパ101の先端101aに当接する。この際、撹拌羽根97に付着していた有機廃棄物Mは先端101aによって剥ぎ落とされる。このため、廃棄物分解処理装置81では、有機廃棄物Mの撹拌羽根97への付着が起こらず、攪拌効率を向上させることができる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記廃棄物分解処理装置81では、無端巻装体88を図中時計回り方向に回転駆動させることにより有機廃棄物Mを攪拌することができるが、廃棄物分解処理装置81は無端巻装体88を反時計回りに回転駆動させることを考慮したものでなく、攪拌機85を貯留槽2内で往復動させるように動作させることは困難である。すなわち、廃棄物分解処理装置81では、無端巻装体88を時計回りに回転させる際に、スクレーパ101によって撹拌羽根97上の有機廃棄物Mを剥ぎ落とすことができるようになっているが、無端巻装体88を反時計回りに回転させる際に、撹拌羽根97上の有機廃棄物Mを剥ぎ落とすための構造が設けられていない。このため、廃棄物分解処理装置81では、撹拌機85を一方向にしか移動させることができなかった。 【0012】また、廃棄物分解処理装置81では、フライト部材90が上下のスプロケット86、87間を上昇する際には撹拌羽根97が水平状態を保つが、フライト部材90が上側スプロケット86に達し、スプロケット86の周方向に沿って移動する際には、撹拌羽根97が傾き撹拌機85の最上部において鉛直方向に向くことになる。このため、フライト部材90がスプロケット86の周方向に沿って移動する際、撹拌羽根97がスプロケット86の最上部に達するまでの過程においては、傾いた状態の撹拌羽根97上の有機廃棄物Mの一部が撹拌機85の内部に落下することがあり、清掃のために多大な労力が必要となる問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、正逆どちらの方向に向けての運転も可能であり、しかも内部への廃棄物の侵入を防ぐことができる廃棄物分解処理装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の廃棄物分解処理装置では、内部に有機廃棄物が貯留される貯留槽と、貯留槽内を移動して貯留槽内に搬入した有機廃棄物を撹拌発酵する撹拌機とを有し、前記撹拌機は、鉛直あるいは傾斜した軸線上にて上下に離間して配置した一対のスプロケット間に巻装された無端巻装体と、該無端巻装体の内側に配設され前記スプロケット間を連結する撹拌機本体と、前記無端巻装体の回転周方向複数箇所に取り付けられ該無端巻装体を回転駆動した時に前記貯留槽内の有機廃棄物を掻き揚げるフライト部材と、前記一対のスプロケットのうち上側スプロケット近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が攪拌機の進行方向前側から後側に移動する過程で、フライト部材が所定位置に達するまでその姿勢を維持し、かつフライト部材が上記所定位置から攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる姿勢維持機構と、前記一対のスプロケットのうち下側スプロケット近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が攪拌機の進行方向後側から前側に移動する過程で、その姿勢を掻き揚げ可能に変位させる姿勢変更機構を備えた廃棄物分解処理装置を前記課題の解決手段とした。 【0014】前記姿勢変更機構は、フライト部材を変位させるカムであり、前記フライト部材は、無端巻装体の外側に突出時に有機廃棄物を掻き揚げ可能な2枚の撹拌羽根と、該撹拌羽根に対して固定され前記カムに押接することにより撹拌羽根を出没させる攪拌羽根変位部材を有し、かつ回転軸を以て前記無端巻装体に対して回動自在に取り付けられてなり、前記撹拌羽根と攪拌羽根変位部材には、それぞれ別の位置のカムとの押接を回避する切欠が互いにずらされた位置に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合でも、カムが攪拌羽根変位部材の切欠に入り込む位置にあるときに撹拌羽根がカムに押接することができ、かつカムが撹拌羽根の切欠に入り込む位置にあるときに攪拌羽根変位部材がカムに押接することができるように構成するのが好ましい。 【0015】前記フライト部材は、上記2つの撹拌羽根が互いに面一とされ、撹拌羽根変位部材がこれら撹拌羽根のいずれかの面に、該撹拌羽根に対し交差する方向に固定され、該固定部分に前記回転軸が設けられたものとするのが好ましく、特に、前記2つの撹拌羽根に、撹拌羽根変位部材が該撹拌羽根に対しほぼ垂直な方向に固定され、断面T字状に形成されたものとするのが好ましい。 【0016】前記カムは、下側スプロケットに沿って移動するフライト部材の移動軌跡に沿って湾曲し、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材の回転を規制する回転規制部と、該回転規制部の両側に形成され、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材を変位させる変位部を備えたものであり、該カムが、任意の軸で変位部を攪拌機進行方向後側に移動させることができるものとされていることが望ましい。 【0017】前記姿勢維持機構は、回転体と、該回転体上に設けられ、フライト部材が上側スプロケットの周方向に沿って移動する際にフライト部材に当接し、フライト部材が最上部に達するまでその姿勢を維持させ、かつフライト部材が最上部から攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる当接部材を備えたものとされ、前記回転体が、上側スプロケットの回転速度に等しい速度で回転可能とされ、かつその回転軸を上側スプロケットの回転軸に対しずらせて設けられ、前記当接部材の移動軌跡の径が、フライト部材の移動軌跡の径にほぼ等しくなるようにされていることが望ましい。 【0018】また、前記攪拌機は、攪拌機の進行方向後側の有機廃棄物が進行方向前側に移動するのを阻止する戻り防止板を備えたものとされ、該戻り防止板が、攪拌機の両側からそれぞれ進行方向後側に向けて延在したものとされた構成を採用することもできる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態の廃棄物分解処理装置について図1〜図13を参照して説明する。ここに示す廃棄物分解処理装置1は、内部に有機廃棄物Mを貯留する貯留槽2と、該貯留槽2の外壁3上を走行する走行体4から貯留槽2内部に吊り下げられた撹拌機5とを具備するものとされている。 【0020】以下、撹拌機5の構成を詳細に説明する。撹拌機5は、上下に離間して水平配置されたスプロケット6、7間に巻装された無端巻装体8(チェーン)と、無端巻装体8の内側に配設され上側および下側スプロケット6、7間を連結する撹拌機本体5aと、無端巻装体8に回転軸9を以て軸支された複数のフライト部材10と、上側スプロケット6の軸方向両端側に設けられた姿勢維持機構20、20と、下側スプロケット7、7の軸方向内側に設けられた姿勢変更機構であるカム21、21を備えて構成されている。 【0021】スプロケット6、7は、それぞれ水平に配置された駆動軸11の両端に取り付けられ撹拌機5の左右方向両端(図2矢印B方向)に互いに平行に対向配置された無端状の無端巻装体8、8と噛み合わされ、これら無端巻装体8、8を駆動軸11から伝達される駆動力によって回転させるようになっている。 【0022】撹拌機本体5aの一方の面、すなわち図1中右側の面には、上側スプロケット6から下側スプロケット7にかけて2枚のガイド板14、14が設けられている。ガイド板14は、無端巻装体8が図1中矢印A方向(以下、正方向ということがある。)に回転する際に、撹拌機本体5aの図1中右側面を下降するフライト部材10を、無端巻装体8の外側に向けて突出していない状態に保つとともに、無端巻装体8が図1中矢印A方向に対し逆の方向(以下、逆方向ということがある。)に回転する際に、撹拌機本体5aの右側面を上昇するフライト部材10を、無端巻装体8の外側に向けて突出した状態に保つためのもので、駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿い、かつその外縁部14aが、上昇または下降するフライト部材10の一部に摺接可能な位置に配設されている。 【0023】また、撹拌機本体5aの他方の面、すなわち図中左側の面には、上側スプロケット6から下側スプロケット7にかけて2枚のガイド板15、15が設けられている。ガイド板15は、無端巻装体8が正方向に回転する際に、撹拌機本体5aの左側面を上昇するフライト部材10を、無端巻装体8の外側に向けて突出した状態に保つとともに、無端巻装体8が逆方向に回転する際に、撹拌機本体5aの左側面を下降するフライト部材10を、無端巻装体8の外側に向けて突出していない状態に保つためのもので、駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿い、かつその外縁部15aが上昇または下降するフライト部材10の一部に摺接可能な位置に配設されている。ガイド板15、15は、上記ガイド板14、14よりも駆動軸11方向やや内側にずれた位置に設けられている。これらガイド板14、15は、フライト部材10に対し接近および離間する方向に移動可能に構成し、フライト部材10に対する押圧力を調整可能とするのが好ましい。また、これらガイド板14、15は、互いにほぼ同一の幅となるように形成するのが好ましい。 【0024】無端巻装体8は連結部8b、8cと連結用ブラケット13とを複数連結して無端状に構成されている。具体的には、無端巻装体8は、連結部8b、連結部8c、連結用ブラケット13がこの順に繰り返されるように構成されている。また、連結部8b、8cには、駆動軸11方向に延びるフランジ状の係合突起8e、8fが突設されている。連結部8bに形成された係合突起8e、および連結部8cに設けられた係合突起8fは、撹拌機本体5a(フレーム)に固定されたガイド部材(図示略)を両側から挟み込むようになっているため、回転駆動された無端巻装体8はガイド部材から離脱することなく、所定の移動軌跡上を安定に移動することができるようになっている。ガイド部材は、無端巻装体8に沿ってその長手方向全周にわたって延在しており、撹拌機5の進行方向前側のみならず、進行方向後側においても無端巻装体8の浮き上がりを防止することができるようになっている。連結用ブラケット13は、軸9によってフライト部材10を水平な軸線を以て回転自在に軸支することができるように構成されている。 【0025】対を構成する両側の無端巻装体8、8は、連結部8b、8c、連結用ブラケット13が互いに対応する位置に配置されており、互いに対応する連結部8b、8b間または連結部8c、8c間には、両無端巻装体8、8間にわたる長さの連結板12が架設状態に取り付けられている。また、対応する連結用ブラケット13、13間には、前記フライト部材10が、駆動軸11に対し平行となりかつ回転軸9を軸として回転可能に架設されている。すなわち、無端巻装体8、8間には、その長手方向に、連結板12およびフライト部材10が交互に取り付けられていることになる。 【0026】カム21は、フライト部材10を、有機廃棄物Mを掻き揚げ不能な状態から掻き揚げ可能な状態に変位させるためのもので、下側スプロケット7に沿って移動するフライト部材10の移動軌跡に沿って湾曲した回転規制部21aと、該回転規制部21aの両側に形成された変位部21bを備えた板状物である。 【0027】回転規制部21aは、その外周上を撹拌羽根17または攪拌羽根変位部材18が摺動することでフライト部材10の回転を規制するためのもので、駆動軸11から外周までの距離が駆動軸11から下側スプロケット7の外周までの距離にほぼ等しくなるように湾曲した部分である。変位部21bは、その外周上を撹拌羽根17または攪拌羽根変位部材18が摺動することでフライト部材10を変位させるためのもので、外周と駆動軸11との距離が、回転規制部21aから離れるにつれ徐々に小さくなるように形成されている。 【0028】カム21は、下側スプロケット7、7の内側にそれぞれ駆動軸11に対しほぼ垂直となるように配置され、駆動軸11に沿って所望の位置に移動可能とされている。カム21は、駆動軸11を以て少なくとも上記回転規制部21aが図1に示す斜め左下方に向いた位置から、回転規制部21aが斜め右下方に向いた位置まで回動可能とされている。また、カム21は、ガイド板14、15とほぼ同一幅となるように形成するのが好ましい。なお、カム21は、駆動軸11を軸として回動可能としたが、これに限らず、任意の軸で回動可能に構成してよい。 【0029】フライト部材10は、無端巻装体8の外側に突出した際に有機廃棄物Mを掻き揚げ可能な2枚の撹拌羽根17、17と、撹拌羽根17の一方の面に撹拌羽根17に対してほぼ垂直に固定された板状の攪拌羽根変位部材18を備え、固定部分が上記軸9を以て回動自在に軸支された断面T字状の部材とされている。フライト部材10の材料としては、スチールなどが使用可能である。 【0030】撹拌羽根17、17は、互いに面一となるように形成され、フライト部材10の回転によって、連結板12の外面と同一の平面に対し突出した状態、すなわち撹拌機本体5aの図1中左側のフライト部材10のように、一方の撹拌羽根17が外方に向けられた状態(以下、突出状態という)、および撹拌羽根17が突出していない状態、すなわち図1中右側のフライト部材10のように、攪拌羽根変位部材18が撹拌機本体側に向けられた状態(以下、非突出状態)を採ることができるように構成されている。 【0031】これら撹拌羽根17は、連結板12と平行になった時にフライト部材10の取付領域10aをほぼ閉塞する大きさに形成されている。また、撹拌羽根17は、フライト部材10が、無端巻装体8の回転に従って非突出状態で上側スプロケット6から下側スプロケット7に向けて下降する際に、撹拌羽根17の変位部材18側の面(以下、下面側という)がガイド板14、15の外縁部14a、15aに摺接するように形成されている。 【0032】2つの撹拌羽根17のうち一方、すなわち図1においてフライト部材10を攪拌羽根変位部材18が撹拌羽根17の下方側に位置するように配置した際に右側に位置する撹拌羽根17aには、カム21の形状に沿う形状の切欠22、22が設けられている。これら切欠22は、無端巻装体8が正方向に回転し、非突出状態のフライト部材10が下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの図1中右側から左側に移動する際に、撹拌羽根17aがカム21に押接するのを回避するためのもので、撹拌羽根17aの側部から他方の撹拌羽根17bに向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿って形成され、その幅は、カム21の幅よりやや大きく形成され、その長さは、非突出状態のフライト部材10が下側スプロケット7の周方向に沿って図1中右側から左側に移動する際にカム21に押接することがないように適宜設定される。以下、これら切欠22を正回転時カム用切欠22ということがある。 【0033】撹拌羽根17aの正回転時カム用切欠22の軸方向内側には、ガイド板15、15およびカム21に沿う形状の切欠23、23が設けられている。これら切欠23、23は、無端巻装体8が正方向に回転し、突出状態のフライト部材10が図1中左側を上昇する際に、撹拌羽根17を水平とするためのもので、撹拌羽根17aの側部から他方の撹拌羽根17bに向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿って形成され、その形状は、フライト部材10が図1中左側を上昇する際に撹拌羽根17が水平状態を保つことができるように適宜設定される。切欠23は、駆動軸11方向の位置がガイド板15と一致するように形成されている。以下、これら切欠23を正回転時ガイド板用切欠23ということがある。切欠22、23は、その最奥部が攪拌羽根変位部材18の撹拌羽根17a側の面と面一となるように形成するのが好ましい。 【0034】2つの撹拌羽根17のうち他方、すなわち図1中左側に位置する撹拌羽根17bには、カム21の形状に沿う形状の切欠24、24が設けられている。これら切欠24、24は、無端巻装体8が逆方向に回転し、非突出状態のフライト部材10が下側スプロケット7の周方向に沿って図1中左側から右側に移動する際に、撹拌羽根17bがカム21に押接するのを回避するためのもので、撹拌羽根17bの側部から上記撹拌羽根17aに向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿って形成され、その幅は、カム21の幅よりやや大きく形成され、その長さは、フライト部材10が下側スプロケット7の周方向に沿って左側から右側に移動する際にカム21に押接することがないように適宜設定される。以下、これら切欠24を逆回転時カム用切欠24ということがある。これら逆回転時カム用切欠24、24は、撹拌羽根17aに形成された正回転時カム用切欠22、22に対向する位置に設けられている。 【0035】撹拌羽根17bの正回転時カム用切欠24の軸方向外側には、ガイド板14、14およびカム21に沿う形状の切欠25、25が設けられている。これら切欠25、25は、無端巻装体8が逆方向に回転し、突出状態のフライト部材10が図1中右側を上昇する際に、撹拌羽根17を水平とするためのもので、撹拌羽根17bの側部から上記撹拌羽根17aに向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿って形成され、その形状は、フライト部材10が図1中右側を上昇する際に撹拌羽根17が水平状態を保つことができるように適宜設定される。切欠25は、駆動軸11方向の位置がガイド板14と一致するように形成されている。以下、これら切欠25を逆回転時ガイド板用切欠25ということがある。切欠24、25は、その最奥部が攪拌羽根変位部材18の撹拌羽根17b側の面と面一となるように形成するのが好ましい。 【0036】攪拌羽根変位部材18は、撹拌羽根17を連結板12の同一面に対し出没させるためのもので、非突出状態のフライト部材10を上側スプロケット6から下側スプロケット7に向けて下降させたときに、少なくともその先端の一部がカム21に当接するようことができる幅となるように形成されている。また、攪拌羽根変位部材18は、突出状態のフライト部材10が、無端巻装体8の回転に従って下側スプロケット7から上側スプロケット6に向けて上昇する際に、撹拌機本体側の面がガイド板14の外縁部14a、またはガイド板15の外縁部15aに摺接することができるように形成されている。 【0037】攪拌羽根変位部材18には、ガイド板14、14に沿う形状の切欠26、26、およびガイド板15、15に沿う形状の切欠27、27が設けられている。切欠26は、無端巻装体8が正方向に回転し、非突出状態のフライト部材10が図1中右側を下降する際にフライト部材10を非突出状態に保つためのもので、軸方向の位置が、上記撹拌羽根17bに形成された逆回転時ガイド板用切欠25の形成位置にほぼ等しくなるように形成され、その形状は、攪拌羽根変位部材18の側部から撹拌羽根17に向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿い、かつ最奥部が撹拌羽根17の下面側に達するように設計されている。以下、これら切欠26、26を正回転時ガイド板用変位部材切欠26ということがある。 【0038】切欠27は、無端巻装体8が逆方向に回転し、非突出状態のフライト部材10が図1中左側を下降する際にフライト部材10を非突出状態に保つためのもので、軸方向の位置が、上記撹拌羽根17aに形成された正回転時ガイド板用切欠23の形成位置にほぼ等しくなるように形成され、その形状は、攪拌羽根変位部材18の側部から撹拌羽根17に向けて駆動軸11に対しほぼ垂直な方向に沿い、かつ最奥部が撹拌羽根17の下面側に達するように設計されている。以下、これら切欠27、27を逆回転時ガイド板用変位部材切欠27ということがある。切欠26、27は、その最奥部が撹拌羽根17の下面側の面と面一となるように形成するのが好ましい。 【0039】姿勢維持機構20は、上側スプロケット6の駆動軸11両端側に設けられた筒状の回転体28と、これら回転体28の外周面から放射状に突出した複数の支持部材29と、これら支持部材29の先端に取り付けられた当接部材であるローラ29aを備えたものである。回転体28は、駆動軸11に対し平行な回転軸28aを以て図示せぬ駆動源によって上側スプロケット6の回転速度に等しい速度で任意の方向に回転することができるように構成されている。 【0040】回転体28は、その回転軸28aを、上側スプロケット6の回転軸11aに対し鉛直下方にずらせて配置されている。なお回転軸28aは、回転軸11aに対し鉛直方向に離間していてもよいし、傾斜した軸線上にて離間していてもよい。回転体28の回転軸28aと上側スプロケット6の回転軸11aの離間距離は、後述のように、フライト部材10が上側スプロケット6の周方向に沿って移動する際に、フライト部材10が最上部に到達するまでその姿勢を撹拌羽根17がほぼ水平な状態となるように維持することができるように適宜設定される。 【0041】支持部材29は、回転体28に、その径方向外方に突出するように周方向に所定の間隔をおいて取り付けられた棒状物である。回転体28上の隣り合う支持部材29同士の間隔は、ローラ29aが全てのフライト部材10に順次当接するように、相隣接するフライト部材10同士の距離に合わせて適宜設定される。 【0042】ローラ29aは、突出状態のフライト部材10が上側スプロケット6の周方向に沿って攪拌機5の進行方向前側から後側へ移動する際に、攪拌羽根変位部材18の後側に当接することによりフライト部材10が最上部に達するまでその姿勢を撹拌羽根17がほぼ水平な状態となるように維持し、かつフライト部材10が上記最上部から攪拌機5の後側に達するまでにその姿勢を非突出状態となるように変位させるためのもので、駆動軸11に対し平行な回転軸を以て回転可能に構成されている。 【0043】ローラ29aは、図7に示すように、回転体28を回転させたときの、ローラ外周の移動軌跡L1の径(半径)D1が、フライト部材10の移動軌跡L2の径(半径)D2にほぼ等しくなるように形成されている。 【0044】また、フライト部材10をスチールなどの磁性金属で形成する場合には、ローラ29aをフェライトなどの磁石からなるものとすると、磁力によりこれらフライト部材10とローラ29aを離れにくくし、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部に達するまでにフライト部材10が図1中時計回り方向に回動しフライト部材10上の有機廃棄物Mが撹拌機本体5a内に落下する事故を確実に防ぐことができるため好ましい。 【0045】以下、廃棄物分解処理装置1の動作を詳しく説明する。まず、無端巻装体8を図1中A方向(正方向)に回転駆動しつつ走行体4を図中左方向に進行させて撹拌機5をこの方向に移動することにより、貯留槽2内に貯留した有機廃棄物Mを順次撹拌する過程について説明する。図1に示す状態において、廃棄物分解処理装置1は、右側のフライト部材10が非突出状態とされ、左側のフライト部材10が突出状態とされている。またカム21は、軸11方向の位置が、撹拌羽根17aの正回転時カム用切欠22、および撹拌羽根17bの逆回転時カム用切欠24の軸方向位置に一致し、かつ回転規制部21aが図1に示すように斜め左下方に向いた位置、すなわち変位部21bのうち一方を右側を向けた位置に配置されている。 【0046】この状態で無端巻装体8を正方向に回転駆動すると、右側の非突出状態のフライト部材10は、下方に移動し下側スプロケット7に達する。この際、図4ないし図6に示すように、フライト部材10の攪拌羽根変位部材18の先端が、カム21に当接し無端巻装体8の回転に従って下方移動しカム21を押圧するため、フライト部材10はカム21からの抗力によって回転軸9を以て時計回り方向に回転しつつ下側スプロケット7の周方向に沿って移動する。 【0047】上述の通り、カム21は、回転規制部21aと変位部21bを有し、回転規制部21aが、下側スプロケット7に沿って移動するフライト部材10の移動軌跡に沿って湾曲し、かつ駆動軸11から外周までの距離が駆動軸11から下側スプロケット7の外周までの距離にほぼ等しくなるように形成され、変位部21bが、外周と駆動軸11との距離が、回転規制部21aから離れるにつれ徐々に小さくなるように形成されたものである。またこのカム21は、回転規制部21aを斜め左下方に向けた状態とされている。 【0048】このため、フライト部材10が無端巻装体8の回転に従って下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの右側から左側に向けて移動する際には、攪拌羽根変位部材18の先端がカム21の変位部21bを回転規制部21aに向けて摺動し、その過程で、攪拌羽根変位部材18は駆動軸11から離間する方向に徐々に押し出され、フライト部材10は回転軸9を以て時計回り方向に回転する。この際、フライト部材10の回転につれて、撹拌羽根17aがカム21に接近するが、カム21は撹拌羽根17aに形成された正回転時カム用切欠22の軸方向位置に一致する(図5、6中実線で示す位置)ように配置されているため、切欠22内に入り込むことになり、撹拌羽根17aはカム21からの抗力を受けない。 【0049】フライト部材10が回転規制部21aに達した時点で、回転規制部21aの外周には攪拌羽根変位部材18の一方の面に面一とされた切欠22最奥部が当接する。このため、フライト部材10は、攪拌羽根変位部材18が下側スプロケット7の外周に接する接線方向に向いた状態、すなわち撹拌羽根17bが無端巻装体8に対し外方に突出した状態となる。フライト部材10は、無端巻装体8の回転に従って突出状態のまま撹拌機本体5aの左側に達する。フライト部材10は、攪拌羽根変位部材18が撹拌羽根17に対しほぼ垂直となるように固定されT字状に形成されたものであるため、撹拌機本体5aの左側に達した時点の撹拌羽根17はほぼ水平となる。 【0050】撹拌機本体5aの左側に達したフライト部材10は、無端巻装体8の回転に従って下側スプロケット7から離れ、ガイド板15の下端に達し、さらに上昇する。この際、撹拌羽根17aには正回転時ガイド板用切欠23が設けられているため、フライト部材10は、切欠23内にガイド板15を進入させ、切欠23の最奥部および攪拌羽根変位部材18の右側面をガイド板15の外縁部15aに摺接させた状態で上昇する。フライト部材10が上昇する過程で、突出した撹拌羽根17bは貯留槽2内の有機廃棄物Mを掻き揚げる。 【0051】このように、フライト部材10が無端巻装体8の回転に従って撹拌機本体5aの左側を上昇する際には、フライト部材10は切欠23の最奥部および攪拌羽根変位部材18の右側面がガイド板15の外縁部15aに摺接するため、フライト部材10の時計回り方向の回転が抑えられる。このため、撹拌羽根17bの突出状態が確実に維持される。撹拌機本体5aの左側を上昇するフライト部材10は、ガイド板15の上端に到達し、続いて撹拌羽根17b上に有機廃棄物Mを載せたままガイド板15を離れ、回転軸9を以て回転可能な状態で上側スプロケット6近傍に達する。 【0052】ここで、上側スプロケット6の駆動軸11方向両端側に設けられた姿勢維持機構20の回転体28を、図1中時計回り方向に回転させる。この際、回転体28の回転速度は、上側スプロケット6の回転速度に等しい速度となるように設定される。この際、回転体28は、フライト部材10が、図7中実線で示すように上側スプロケット6の最左部Fの近傍に達したときに、ローラ29aのうち1つが攪拌羽根変位部材18の右側に当接するように回転のタイミングが調節される。 【0053】このため、上側スプロケット6の近傍に達したフライト部材10の変位部材18の右側にはローラ当接位置Pにおいてローラ29aが当接する。撹拌羽根17b上に有機廃棄物Mが載せられているため、有機廃棄物Mの重量によりフライト部材10には回転軸9に対し反時計回り方向の力が加えられるが、フライト部材10はローラ29aに支えられ撹拌羽根17が水平な状態に保たれる。 【0054】この際、フライト部材10の攪拌羽根変位部材18に当接するローラ29aは、回転時のローラ外周の移動軌跡L1の径(半径)D1が、フライト部材10の移動軌跡L2の径(半径)D2にほぼ等しくなるように上側スプロケット6と等速回転するものであり、しかもその回転軸28aが上側スプロケット6の回転軸11aより下方にずらされたものである。 【0055】このため、無端巻装体8の回転に従ってフライト部材10が上側スプロケット6の周方向に沿って移動する過程で、ローラ29aと、攪拌羽根変位部材18の相対位置はほぼ一定となり、ローラ29aは、攪拌羽根変位部材18のローラ当接位置P付近に当接し続けることになる。これにより、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部Tに達するまで、フライト部材10はローラ29aに支えられ撹拌羽根17がほぼ水平な状態に維持される。このため、撹拌羽根17b上の有機廃棄物Mが撹拌羽根17から落下することはない。 【0056】続いて、フライト部材10が最上部Tから右側に移動する際には、ローラ29aが攪拌羽根変位部材18の右側に当接するため、ローラ29aが攪拌羽根変位部材18に当接する位置は、移動軌跡L1から離間していく。このため、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部Tから右側に上側スプロケット6の周方向に沿って移動する際には、攪拌羽根変位部材18が左側に押され、フライト部材10は時計回り方向に回転軸9を以て回転し、撹拌羽根17は徐々に右側に傾き、フライト部材10が上側スプロケット6の最右部Bの近傍に達したときには、フライト部材10は、撹拌羽根17が非突出状態となる。 【0057】このように、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部Tから撹拌機本体5aの右側に至る過程で、撹拌羽根17b上の有機廃棄物Mは、傾斜した撹拌羽根17から落下し、右側、すなわち撹拌機5の進行方向後側へ移される。このようにして撹拌機5の進行方向後側に移された有機廃棄物Mの荷重は、攪拌機5を進行方向に押す推進力となる。なお、ローラ29aには、無端巻装体8の回転に従って移動するフライト部材10によって時計回り方向の力が加えられるため、回転体28を強制的に回転させなくても姿勢維持機構20は上記のように動作する。 【0058】撹拌羽根17を非突出状態として上側スプロケット6の最右部Bの近傍に達したフライト部材10は、無端巻装体8の回転に従って上側スプロケット6を離れ、ガイド板14の上端に達し、さらに下降する。この際、攪拌羽根変位部材18には正回転時ガイド板用変位部材切欠26が設けられているため、フライト部材10は、切欠26内にガイド板14を進入させ、切欠26の最奥部および撹拌羽根17の下面側をガイド板14の外縁部14aに摺接させ、軸9での回転を抑制された状態で有機廃棄物M中を下降する。 【0059】この際、フライト部材10は、非突出状態が維持されたまま有機廃棄物M中を下降するため、撹拌羽根17上に有機廃棄物Mが付着などにより残留した場合においても、撹拌羽根17上の有機廃棄物Mは、攪拌機5の後側に積み上げられた有機廃棄物Mとの接触により撹拌羽根17から掻き取られ、撹拌羽根17上には付着物が残留しない。 【0060】無端巻装体8の回転に従って撹拌機本体5aの右側を下降し、下側スプロケット7に達したフライト部材10は、上述の過程に従って下側スプロケット7の周方向に移動する間に突出状態とされ、撹拌機本体5aの左側に至る。 【0061】このように、フライト部材10は、下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの右側から左側、すなわち攪拌機進行方向後側から前側に移動する際に突出状態とされ、突出状態のまま進行方向前側を上昇し、次いで上側スプロケット6の周方向に沿って撹拌機本体5aの左側から右側、すなわち攪拌機進行方向前側から後側に移動する際に非突出状態とされ、非突出状態のまま進行方向後側を下降し、前側に移動する際に突出状態となる過程を繰り返す。これによって攪拌機5は、進行方向前側の有機廃棄物Mを掻き揚げ、後側へ移送しつつ貯留槽2内を進行する。 【0062】次に、上記のように正方向運転が行われた攪拌機5を、逆方向に運転する際の手順について説明する。上記正方向運転を終了させた状態において、廃棄物分解処理装置1は、図1に示すように撹拌機本体5aの右側のフライト部材10が非突出状態とされ、左側のフライト部材10が突出状態とされている。 【0063】この状態の攪拌機5を図1中右方向に進行させるには、まず、図8に示すように、カム21の軸11方向の位置を、実線で示す撹拌羽根17a、17bの切欠22、24の軸方向位置に一致させた状態から、2点鎖線で示すように、撹拌羽根17bの切欠25、および攪拌羽根変位部材18の切欠26の軸方向位置に一致させ、かつ上記回転規制部21aを図1中斜め右下方に向けた位置、すなわち変位部21bのうち他方を左側に向けた位置に配置する。 【0064】この状態で無端巻装体8を逆方向に回転駆動すると、図1中左側の突出状態のフライト部材10は、下方に移動し下側スプロケット7に達する。この際、カム21が軸11方向位置を切欠25、26に一致させて配置されているため、切欠25、26に対応する位置に切欠を持たない撹拌羽根17aは、先端がカム21に当接し、フライト部材10はカム21からの抗力によって回転軸9を以て反時計回り方向に回転しつつ下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの左側から右側に移動する。 【0065】フライト部材10の下側スプロケット周方向移動の際には、撹拌羽根17aの先端はカム21の外周を変位部21bから回転規制部21aにかけて摺動し、その過程で、撹拌羽根17aは駆動軸11から離間する方向に徐々に押し出され、フライト部材10は反時計回り方向に回転する。この際、フライト部材10の回転につれて、攪拌羽根変位部材18がカム21に接近するが、カム21は攪拌羽根変位部材18に形成された切欠26の軸方向位置に一致するように配置されているため、切欠26内に進入することになり、攪拌羽根変位部材18はカム21からの抗力を受けない。 【0066】図9に示すように、フライト部材10が回転規制部21aに達した時点で、回転規制部21aには、撹拌羽根17の下面側に面一となった切欠26の最奥部が当接し、フライト部材10は、撹拌羽根17が下側スプロケット7の外周に接する接線方向に向いた状態、すなわち非突出状態となる。 【0067】また、この操作の際には、姿勢維持機構20の回転体28を、ローラ29aがフライト部材10に押接しないように適宜のタイミング、回転速度で逆方向(反時計回り方向)に回転させる。これによって、無端巻装体8の逆方向への回転に従って非突出状態で姿勢維持機構20に達したフライト部材10は、非突出状態のまま撹拌機本体5aの右側から左側に移動する。上記操作は、突出状態のフライト部材10が全て非突出状態となるまで行う。 【0068】上記のようにして全てのフライト部材10を非突出状態とした後、一旦無端巻装体8の回転を停止し、図10および図11に示すように、カム21の軸11方向の位置を、2点鎖線で示す切欠25、26の軸方向位置に一致させた位置から、実線で示す撹拌羽根17a、17bの切欠22、24の軸方向位置に一致させた位置に戻す。 【0069】次いで、無端巻装体8を逆方向に再び回転駆動する。これにより、撹拌機本体5aの左側の非突出状態のフライト部材10は、下方に移動し下側スプロケット7に達する。図10ないし図12に示すように、無端巻装体8の回転に従ってフライト部材10が下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの左側から右側に移動する際に、攪拌羽根変位部材18の先端は、カム21の外周を変位部21bから回転規制部21aにかけて摺動し、この過程で攪拌羽根変位部材18は駆動軸11から離間する方向に徐々に押し出され、フライト部材10は反時計回り方向に回転する。この際、フライト部材10の回転につれて、撹拌羽根17bがカム21に接近するが、カム21は撹拌羽根17bに形成された逆回転時カム用切欠24内に進入することになり、撹拌羽根17bはカム21からの抗力を受けない。 【0070】フライト部材10が回転規制部21aに達した時点で、回転規制部21aには攪拌羽根変位部材18の一方の面に面一とされた切欠24の最奥部が当接し、フライト部材10は、撹拌羽根17aが無端巻装体8に対し外方に突出した状態となって撹拌機本体5aの右側に達する。 【0071】撹拌機本体5aの右側に達したフライト部材10は、無端巻装体8の回転に従って下側スプロケット7から離れ、ガイド板14の下端に達し、さらに上昇する。この際、撹拌羽根17bには逆回転時ガイド板用切欠25が設けられているため、フライト部材10は、切欠25内にガイド板14を進入させ、切欠25の最奥部および攪拌羽根変位部材18の左側面をガイド板14の外縁部14aに摺接させ、回転軸9での回転が抑制された状態で上昇する。フライト部材10が上昇する過程で、突出した撹拌羽根17aは有機廃棄物Mを掻き揚げる。撹拌機本体5aの右側を上昇するフライト部材10は、撹拌羽根17a上に有機廃棄物Mを載せたままガイド板14を離れ、回転可能な状態で上側スプロケット6近傍に達する。 【0072】ここで、姿勢維持機構20の回転体28を、図1中反時計回り方向に回転させる。この際、回転体28の回転速度は、上側スプロケット6の回転速度に等しい速度となるように設定される。この際、回転体28は、フライト部材10が、図13中実線で示すように上側スプロケット6の最右部の近傍に達したときに、ローラ29aのうち1つが攪拌羽根変位部材18の右側に当接するように回転のタイミングが調節される。 【0073】これにより、既述の正回転の場合と同様に、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部に達するまで、フライト部材10はローラ29aに支えられ撹拌羽根17がほぼ水平な状態にその姿勢が維持され、最上部から撹拌機本体5aの左側に至る過程で徐々に左側に傾き、最終的に撹拌羽根17が非突出状態となる。フライト部材10が上側スプロケット6の最上部から撹拌機本体5aの左側に至る過程で、撹拌羽根17a上の有機廃棄物Mは、傾斜した撹拌羽根17から落下し、左側、すなわち撹拌機5の進行方向後側へ移される。 【0074】撹拌羽根17を非突出状態として撹拌機本体5aの左側に達したフライト部材10は、無端巻装体8の回転に従って上側スプロケット6を離れ、ガイド板15の上端に達し、さらに下降する。この際、攪拌羽根変位部材18には、逆回転時ガイド板用変位部材切欠27が設けられているため、フライト部材10は、切欠27内にガイド板15を進入させ、切欠27の最奥部および撹拌羽根17の下面側をガイド板15の外縁部15aに摺接させた状態で有機廃棄物M中を下降する。 【0075】無端巻装体8の回転に従って撹拌機本体5aの左側を下降し、下側スプロケット7に達したフライト部材10は、上述の過程に従って下側スプロケット7の周方向に移動する間に突出状態とされ、撹拌機本体5aの右側に至る。 【0076】以下、上記過程が繰り返され、フライト部材10は、撹拌機本体5aの左側から右側に移動する際に突出状態とされて進行方向前側を上昇し、右側から左側に移動する際に非突出状態とされて進行方向後側を下降し、これによって攪拌機5は貯留槽2内の有機廃棄物Mを攪拌しつつ図1中右方向に進行する。 【0077】このように逆方向運転を行った廃棄物分解処理装置1を、再び正方向に運転するには、まず、上記逆方向運転を終了させ、図5、6に示すように、カム21の軸11方向の位置を、実線で示す撹拌羽根17a、17bの切欠22、24の軸方向位置に一致させた状態から、2点鎖線で示すように、撹拌羽根17aの切欠23、および攪拌羽根変位部材18の切欠27軸方向位置に一致させ、かつ上記回転規制部21aを、図1中斜め左下方に向けた位置に配置する。 【0078】この状態で無端巻装体8を正方向に回転駆動すると、撹拌機本体5aの右側の突出状態のフライト部材10は、下側スプロケット7に達する。カム21は、軸11方向位置を切欠23、切欠27に一致させて配置されているため、これら切欠に対応する位置に切欠を持たない撹拌羽根17bは、先端がカム21に当接し、フライト部材10は時計回り方向に回転しつつ下側スプロケット7の周方向に沿って撹拌機本体5aの左側から右側に移動する。この際、カム21は切欠27内に進入するため、攪拌羽根変位部材18はカム21からの抗力を受けず、フライト部材10は非突出状態となる。 【0079】上記のようにして全てのフライト部材10を非突出状態とした後、一旦無端巻装体8の回転を停止し、図5、6に示すように、カム21の軸11方向の位置を、上記2点鎖線で示す切欠23、27の軸方向位置に一致させた位置から、実線で示す切欠22、24の軸方向位置に一致させた位置に戻す。 【0080】この状態で、無端巻装体8を正方向に再び回転駆動することにより、上述の過程で、撹拌機本体5aの右側の非突出状態のフライト部材10は、撹拌機本体5aの右側から左側に移動する際に突出状態とされて進行方向前側を上昇し、左側から右側、すなわち攪拌機進行方向前側から後側に移動する際に非突出状態とされて進行方向後側を下降し、これによって貯留槽2内の有機廃棄物Mを攪拌しつつ図1中左方向に進行する。 【0081】本実施形態の廃棄物分解処理装置においては、撹拌羽根17に形成された切欠22ないし24、および攪拌羽根変位部材18に形成された切欠26、27には、それぞれ別の位置のカムが入り込むことができるようになっている。すなわち、上記各操作において、カム21は、上記3つの位置のいずれかに配置され、上記切欠22ないし27のうちいずれかに入り込むことができるようになっている。 【0082】上記実施形態の廃棄物分解処理装置1にあっては、撹拌機5を、上下に離間して水平配置されたスプロケット6、7間に巻装された無端巻装体8と、上側および下側スプロケット6、7間を連結する撹拌機本体5aと、無端巻装体8に軸支された複数のフライト部材10と、上側スプロケット6の軸方向両端側に設けられた姿勢維持機構20、20と、下側スプロケット7、7の軸方向内側に設けられたカム21、21を備え、姿勢維持機構20を、無端巻装体8の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材10が攪拌機5の進行方向前側から後側に移動する過程で、フライト部材10が上側スプロケット6の最上部に達するまでその姿勢を撹拌羽根17がほぼ水平な状態となるよう維持し、かつフライト部材10が上記最上部から攪拌機5の後側に達するまでにフライト部材10の姿勢を非突出状態となるよう変位させることができるように構成し、かつカム21を無端巻装体8の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材10が攪拌機の進行方向後側から前側に移動する過程で、その姿勢を非突出状態から突出状態に変位させることができるように構成したので、進行方向後方の有機廃棄物Mを攪拌することによる無駄な駆動抵抗の増大を防ぐことができるばかりでなく、正逆いずれの方向への運転も可能とすることができ、作業の効率化を図ることができる。また、フライト部材10上の有機廃棄物が撹拌機本体内に落下するのを防ぎ、メンテナンスを容易化するとともに、故障を未然に防ぐことができる。 【0083】また、カム21を回転軸11方向に移動可能とし、かつフライト部材10を、撹拌羽根17、17と、これらに固定された攪拌羽根変位部材18を有し無端巻装体8対して回動自在に取り付けられたものとし、フライト部材10に、カム21の形状に沿う切欠22、23、24、25を設けるとともに、攪拌羽根変位部材18に切欠26、27を設け、無端巻装体8の回転方向が正逆いずれの場合でも、カム21の位置を切欠22、24内に入り込むことができる位置に合わせたときに、攪拌羽根変位部材18がカムに押接することができ、かつカム21の位置を切欠26または切欠27内に入り込むことができる位置に合わせたときに、攪拌羽根変位部材18がカムに押接することができるようにしたので、容易な操作で運転方向の正逆切り替えが可能となる。 【0084】また、フライト部材10を、撹拌羽根17、17が面一とされ、撹拌羽根変位部材18がこれら撹拌羽根17の一方の面に固定され、該固定部分に回転軸9が設けられたものとすることによって、その構造を単純なものとし、清掃などのメンテナンスを容易化することができる。またフライト部材10を攪拌羽根変位部材18が撹拌羽根17に対しほぼ垂直に固定されたT字状に形成することによって、上側および下側スプロケット6、7間を上昇するフライト部材10の撹拌羽根17を水平とし、撹拌羽根17が掻き揚げる有機廃棄物Mの量を高め、攪拌効率を高くすることができる。 【0085】また、カム21を、回転規制部21aと変位部21bを有するものとし、回転規制部21aを、下側スプロケット7に沿って移動するフライト部材10の移動軌跡に沿って湾曲したものとし、変位部21bを、外周と駆動軸11との距離が、回転規制部21aから離れるにつれ徐々に小さくなるように形成されたものとし、かつカム21を駆動軸11を軸として回動可能とし、変位部21bを攪拌機進行方向後側に移動させることができるものとしたので、フライト部材10が下側スプロケット7に沿って移動する際に、回転規制部21aにおいて撹拌羽根17または攪拌羽根変位部材18を回転規制部21aの接線方向に向くように変位させ、フライト部材10を確実に非突出状態または突出状態とし、誤動作を防ぐことができる。また、フライト部材10が下側スプロケット7に沿って移動しカム21に当接する際に、フライト部材10に攪拌機5の外方に向けた力が徐々に加わるようにし、フライト部材10を攪拌機進行方向後側から前側に移動させる際にフライト部材10に瞬間的に大きな力が加わることによるフライト部材10の破損や、フライト部材10の回転角度が過剰となることによる動作不良を未然に防ぐことができる。 【0086】また、姿勢維持機構20を、回転体28と、この回転体28に支持部材29を介して連結されたローラ29aを有するものとし、回転体28を、上側スプロケット6の回転速度に等しい速度で回転可能とし、かつその回転軸28aを上側スプロケット6の回転軸に対しずらせて設け、ローラ29aを、移動軌跡L1の径が、フライト部材10の移動軌跡L2の径にほぼ等しくなるように設けることによって、フライト部材10が上側スプロケット6の周方向に沿って移動する際に、フライト部材10が最上部Tに達するまでその姿勢を撹拌羽根17が水平となる状態に確実に維持することができる。このため、フライト部材10によって掻き上げられた有機廃棄物Mが攪拌機5の内部に落下するのを防ぐ効果を確実なものとすることができる。 【0087】また、ガイド板14、15を、フライト部材10に対し接近および離間する方向に移動可能に構成することによって、フライト部材10に対するガイド板14、15の押圧力を調整可能とし、フライト部材10がスプロケット6、7間を上昇または下降する際に、その姿勢を確実に維持させることが容易となる。従って、攪拌効率を高く保つことができる。また、フライト部材10の交換作業を容易化することができる。 【0088】図14および図15は、本発明の廃棄物分解処理装置の他の実施形態を示すもので、ここに示す廃棄物分解処理装置31は、内部に有機廃棄物Mを貯留する貯留槽32と、処理済みの有機廃棄物Mを底部に設置した搬入コンベア33によって搬出する搬出溝34と、該搬出溝34に沿って延在する外壁35(以下「支持壁」)および該支持壁35に対向して平行に延在する外壁36(以下「支持壁」)の上方に配置された平行な一対のガイドレール37間に架設され、かつガイドレール37に沿って走行自在に設けられた移動レール機構38と、該移動レール機構38に沿って走行自在に設けられて、前記貯留槽32内に貯留された有機廃棄物Mを攪拌する既述の攪拌機5と、攪拌機5によって掻き揚げられた有機廃棄物Mを搬出溝34側に搬送する搬送コンベア39を備えて構成されている。 【0089】搬出溝34は、断面視V字状の構造物であって、上方から搬入された有機廃棄物Mが底部の搬入コンベア33上に自然落下するようになっている。搬入コンベア33は、搬出溝34に搬入された有機廃棄物Mを搬出溝34の長手方向(以下「縦方向」という。またこれに垂直な方向を横方向という)に沿って貯留槽32の外側まで搬送し、搬送した有機廃棄物Mを貯留槽32の外部に設置した別の外部コンベア40に受け渡すようになっている。移動レール機構38には、攪拌機5の走行をガイドする一対のレール38aがその全長にわたって配置されている。なお、攪拌機5には、攪拌機本体5aの横方向両端に、横方向移動時にこの方向に存在する有機廃棄物Mを掻き揚げて除去するスクリュー型の補助攪拌機(図示略)を設けることもできる。 【0090】廃棄物分解処理装置31を使用する際には、まず攪拌機5を、縦方向に移動させつつ攪拌機5の進行方向前側の有機廃棄物Mを掻き揚げ、搬出溝34上に載せる。搬送コンベア39は、攪拌機5で掻き揚げた有機廃棄物Mをこの有機廃棄物Mの元の堆積位置の搬出溝34側に搬送し、該掻き揚げた領域とほぼ同じ幅で堆積させる。搬送した有機廃棄物Mの新たな堆積位置は、元の堆積位置に隣接したものとなる。このため掻き揚げられて搬出溝34側に搬送された有機廃棄物Mは、丁度搬出溝34側に移し替えられることになる。搬出溝34に隣接する領域に堆積した有機廃棄物Mを攪拌機5で掻き揚げた場合には、掻き揚げられた有機廃棄物Mが搬送コンベア39によって搬出溝34内に搬入される。 【0091】攪拌機5が、このように有機廃棄物Mを元の位置の搬出溝34側に搬送しつつ縦方向(例えば図中上方)に進み、貯留槽32の外壁に達したときには、攪拌機5をレール38aに沿って横方向(例えば図中左方向)に攪拌機5の幅に相当する距離だけ移動した後、無端巻装体8の回転方向を逆転させるとともに、攪拌機5を上記攪拌時移動方向に対し逆の方向(図中下方)に向けて進める。上記過程を繰り返すことで、貯留槽32内の有機廃棄物Mを全て攪拌するとともに搬出溝34方向へ搬送し、最終的に発酵の完了した有機廃棄物Mを搬出溝34に搬入して、搬入コンベア33で貯留槽32の外部に搬出する。 【0092】廃棄物分解処理装置31にあっては、正逆いずれの方向への運転も容易な攪拌機5を用いることによって、貯留槽32内全体の有機廃棄物Mを攪拌し、槽外に搬送する操作を容易化し、作業効率をより高めることが可能となる。 【0093】また、本発明の廃棄物分解処理装置は、上記実施形態のものに限らず、図16、17に示すものであってもよい。ここに示す廃棄物分解処理装置41は、攪拌機45を、進行方向後側の有機廃棄物Mが前側に移動するのを防ぐ戻り防止板42を有するものとした点で上述の実施形態のものと異なる。戻り防止板42は、幅がほぼ攪拌機45の幅に等しくなるよう形成され、その高さが好ましくは貯留槽2内の有機廃棄物Mの高さ以上とされた長板状のものであり、軸43を以て下側スプロケット7の両端に回動可能に取り付けられている。なお、攪拌機45には、戻り防止板42の外側に、横方向移動時にこの方向に存在する有機廃棄物Mを掻き揚げて除去するスクリュー型の補助攪拌機(図示略)を設けることもできる。 【0094】上記戻り防止板42を有する廃棄物分解処理装置41の攪拌機45を図16中矢印方向に進行させる際には、戻り防止板42を攪拌機45の進行方向最前部から後側に延びるように、すなわち図17に示すように先端42aを、矢印で示す進行方向に対し後側斜め上方に向けるように配置する。また攪拌機45を上記矢印方向に対し逆の方向に進行させる際には、戻り防止板42を軸43を以て回動させ、図中2点鎖線で示すように、戻り防止板42を攪拌機45の最前部から後側に延びるようにする。 【0095】また、攪拌機45の横方向移動時、すなわち上記矢印で示す攪拌機移動方向に対し垂直な方向に移動させる際には、戻り防止板42を攪拌機5に沿うように、すなわち戻り防止板42の先端42aが上方に向くように配置し、貯留槽2内の移動の際の抵抗を最小限に抑えるのが好ましい。 【0096】ここに示す廃棄物分解処理装置41では、戻り防止板42を設けることによって、攪拌機5の進行方向後側に移した有機廃棄物Mが攪拌機5の進行方向前側に戻るのを防ぐことができ、作業効率をさらに高めることが可能となる。 【0097】また、本発明の廃棄物分解処理装置は、図18に示す構成としてもよい。ここに示す廃棄物分解処理装置51は、下側スプロケット7、7の軸方向内側に、それぞれカム21に代えて3枚のカム21A、21B、21Cが設けられている点で上述の廃棄物分解処理装置1と異なる。これらカム21A、21B、21Cは、上述の廃棄物分解処理装置1に用いられるカム21と同様の形状とされ、それぞれ軸方向位置がフライト部材10の切欠23に一致する位置、切欠22、24に一致する位置、および切欠24に一致する位置に配置されている。これらのうち切欠22、24に一致する位置に配置されたカム21Bは上方に移動させることができるようにされ、最上昇位置において、フライト部材10に当接しないようにその姿勢を調節することができるようになっている。 【0098】カム21A、21B、21Cが、回転規制部21aを、図1に示すカム21と同様に斜め左下方に向けた状態とされ、かつ右側のフライト部材10が非突出状態とされ、左側のフライト部材10が突出状態とされた廃棄物分解処理装置51の無端巻装体8を正方向に回転駆動させる場合には、図19に示すように、右側、すなわち攪拌機進行方向後側の非突出状態のフライト部材10の攪拌羽根変位部材18は、下側スプロケット7の周方向に沿って移動する際に、3つのカムのうち2番目のカム21Bにのみ当接し、突出状態とされて左側、すなわち攪拌機進行方向前側に移動する。この際、カム21A、21Cは、攪拌羽根変位部材18の切欠26、27に入り込むため、フライト部材10に押接しない。 【0099】このため、フライト部材10は、上述の廃棄物分解処理装置1と同様に、攪拌機進行方向後側から前側に移動する際に非突出状態から突出状態とされて進行方向前側を上昇し、攪拌機進行方向前側から後側に移動する際に再び非突出状態とされて進行方向後側を下降し、これによって貯留槽2内の有機廃棄物Mを攪拌しつつ図1中左方向に相当する方向に進行する。 【0100】この状態から無端巻装体8を逆方向に回転駆動させる場合には、まず、カム21A、21Cの回転規制部21aを図1中斜め右下方に相当する方向に向いた位置となるように回動させるとともに、カム21Bを上方に移動させ、カム21Bがフライト部材10に当接しないようにする。 【0101】次いで、図20に示すように、無端巻装体8を逆方向に回転駆動させる。この際、左側の突出状態のフライト部材10の撹拌羽根17aはカム21Cに当接し、非突出状態とされて右側に移動する。この際、カム21Aは、攪拌羽根変位部材18の切欠27に入り込むため、フライト部材10に押接しない。全てのフライト部材10を非突出状態とした後、無端巻装体8を一旦停止させ、カム21Bを、フライト部材10に対し当接可能な位置まで下方移動させるとともに回転規制部21aをカム21A、21Cと同様の方向に向けた後に、再び無端巻装体8を逆方向回転させる。 【0102】逆方向回転時においては、左側の非突出状態のフライト部材10の攪拌羽根変位部材18は、下側スプロケット7の周方向に沿って移動する際に、上記正方向回転時と同様に、3つのカムのうち2番目のカム21Bにのみ当接し、突出状態とされて右側、すなわち攪拌機進行方向前側に移動する。この際、カム21A、21Cは、攪拌羽根変位部材18の切欠26、27に入り込むため、フライト部材10に押接しない。このようにして、フライト部材10は、逆方向回転時においても攪拌機進行方向後側から前側に移動する際に非突出状態から突出状態とされて進行方向前側を上昇し、攪拌機進行方向前側から後側に移動する際に再び非突出状態とされて進行方向後側を下降し、これによって貯留槽2内の有機廃棄物Mを攪拌しつつ図1中右方向に相当する方向に進行する。 【0103】本実施形態の廃棄物分解処理装置においても、撹拌羽根17に形成された切欠22ないし24、および攪拌羽根変位部材18に形成された切欠26、27には、それぞれ別の位置のカムが入り込むことができるようになっている。すなわち、切欠22、24にはカム21Bが入り込むことができ、切欠23、25、26、27にはカム21A、21Cが入り込むことができるようになっている。 【0104】本実施形態の廃棄物分解処理装置では、攪拌機の運転方向の正逆切り替えを行う際に、カム21Aないし21Cを軸方向に移動させることが必要なく、撹拌機本体内に多量の有機廃棄物が入り込んだ場合でもこの有機廃棄物により操作に支障が出るのを防ぐことができる。 【0105】なお、上記各実施形態は図示した形態に限定されるものでなく、撹拌機の細部構成等は適宜変更可能である。例えば、撹拌羽根17に対する攪拌羽根変位部材18の取付角度は、垂直に限定されない。またフライト部材10の形状は、図示したものに限定されず、例えば、撹拌羽根17、17は互いに面一でなくてもよい。また無端巻装体は、無端巻装体8に限定されず、ベルト等を適用することも可能である。 【0106】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記載の廃棄物分解処理装置によれば、撹拌機を、一対のスプロケット間に巻装された無端巻装体と、該無端巻装体の内側に配設され前記スプロケット間を連結する撹拌機本体と、前記無端巻装体に取り付けられたフライト部材と、上側スプロケット近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が攪拌機の進行方向前側から後側に移動する過程で、フライト部材が所定位置に達するまでその姿勢を維持し、かつフライト部材が攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる姿勢維持機構と、下側スプロケット近傍に設けられ、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合においても、フライト部材が無端巻装体の回転によって攪拌機の進行方向後側から前側に移動する過程で、その姿勢を掻き揚げ可能に変位させる姿勢変更機構を備えたものとしたので、進行方向後方の有機廃棄物を攪拌することによる無駄な駆動抵抗の増大を防ぐことができるばかりでなく、正逆いずれの方向への運転も容易に実施することができ、作業の効率化を図ることができる。また、フライト部材上の有機廃棄物が撹拌機本体内に落下するのを防ぎ、メンテナンスを容易化するとともに、故障を未然に防ぐことができる。 【0107】請求項2記載の廃棄物分解処理装置によれば、姿勢変更機構を、フライト部材を変位させるカムとし、該カムを無端巻装体回転軸方向に移動可能とし、フライト部材を、2枚の撹拌羽根と、前記カムに押接することにより撹拌羽根を出没させる攪拌羽根変位部材を有するものとし、前記撹拌羽根と攪拌羽根変位部材に、カムとの押接を回避する切欠を設け、無端巻装体の回転方向が正逆いずれの場合でも、カムが攪拌羽根変位部材の切欠に入り込む位置にあるときに撹拌羽根がカムに押接することができ、かつカムが撹拌羽根の切欠に入り込む位置にあるときに攪拌羽根変位部材がカムに押接することができるようにしたので、容易な操作で運転方向の正逆切り替えが可能となる。また、フライト部材が下側スプロケットの周方向に沿って移動する際にフライト部材を確実に非突出状態または突出状態となるよう変位させ、誤動作を防ぐことができる。 【0108】請求項3記載の廃棄物分解処理装置によれば、フライト部材を、上記2つの撹拌羽根が互いに面一とされ、撹拌羽根変位部材がこれら撹拌羽根のいずれかの面に、該撹拌羽根に対し交差する方向に固定され、該固定部分に前記回転軸が設けられたものとしたので、その構造を単純なものとし、清掃などのメンテナンスを容易化することができる。 【0109】請求項4記載の廃棄物分解処理装置によれば、フライト部材を、攪拌羽根変位部材が撹拌羽根に対しほぼ垂直に固定されたT字状に形成することによって、上側および下側スプロケット間を上昇するフライト部材の撹拌羽根を水平とし、撹拌羽根が掻き揚げる有機廃棄物量を高め、攪拌効率を高くすることができる。 【0110】請求項5記載の廃棄物分解処理装置によれば、カムを、下側スプロケットに沿って移動するフライト部材の移動軌跡に沿って湾曲し、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材の回転を規制する回転規制部と、該回転規制部の両側に形成され、その外周上を撹拌羽根または攪拌羽根変位部材が摺動することでフライト部材を変位させる変位部を備えたものとし、該カムを、任意の軸でいずれかの変位部を攪拌機進行方向後側に移動させることができるものとしたので、フライト部材を攪拌機進行方向後側から前側に移動させる際にフライト部材に瞬間的に大きな力が加わることによるフライト部材の破損や、フライト部材の回転角度が過剰となることによる動作不良を未然に防ぐことができる。 【0111】請求項6記載の廃棄物分解処理装置によれば、姿勢維持機構を、回転体と、該回転体上に設けられ、フライト部材が上側スプロケットの周方向に沿って移動する際に、フライト部材に当接し、フライト部材が最上部に達するまでその姿勢を維持させ、かつフライト部材が攪拌機の後側に達するまでにその姿勢を掻き揚げ不能に変位させる当接部材を備えたものとし、回転体を、上側スプロケット6の回転速度に等しい速度で回転可能とし、かつその回転軸を上側スプロケット6の回転軸に対しずらせて設け、当接部材を、移動軌跡の径が、フライト部材の移動軌跡の径にほぼ等しくなるように設けたので、フライト部材の姿勢を確実に維持し、フライト部材によって掻き上げられた有機廃棄物が攪拌機の内部に落下するのを防ぐ効果を確実なものとすることができる。 【0112】請求項7記載の廃棄物分解処理装置によれば、戻り防止板を設けることによって、攪拌機の進行方向後側に移した有機廃棄物が攪拌機の進行方向前側に戻るのを防ぐことができ、作業効率をさらに高めることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598057420 【氏名又は名称】岡田 栄 【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−309430 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−121426 |
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